須賀しのぶのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
須賀しのぶの『夏空白花』を読んだ。
タイトルの「夏空白花」とは何だろうと思っていたが、青い夏空の下、白いユニホームを着た球児たちの姿が、まるで白い花が咲いているように見えるところから付けられたようだ。
舞台は終戦直後。
空襲で街は焼け、食べることにも困るような、野球どころではない時代だ。
そんな中で、なんとか少年たちにもう一度野球をやらせてあげたいと奔走する主人公の物語だ。
アメリカではプロ野球が人気だが、日本では学生野球、とりわけ夏の甲子園も大きな人気がある。
普段は野球を観ない人でも、夏の甲子園になるとテレビに釘付けになる人は多い。
昨日の高校野球の決勝でも、智弁和歌山が逆転で優勝した。
私の母校も野球には力を入れていたが、甲子園に出場したことはない。
考えてみれば、甲子園に出るだけでも本当に遠い道のりなのだ。
プロ野球なら負けても次の試合がある。
しかし高校野球は、一度負けたらそこで終わりだ。
三年間の思いをかけて戦い、一試合で夏が終わってしまう。
その潔さや儚さが、人々を惹きつける理由の一つなのだろう。
主人公の妻・美子のキャラクターもなかなか良い。
また、GHQとの折衝が描かれているのも興味深かった。
野球に限らず、終戦直後にはさまざまな分野で、こうした交渉が行われていたのだろう。
アメリカの「ベースボール」と、日本の精神性を重んじる「野球道」の違いについての話も、なるほどと思わせられた。
今では当たり前のように毎年行われている夏の甲子園だが、それを復活させるために動いた人たちがいた。
そう考えると、現在の高校野球も少し違って見えてくる。
物語としては最後に少し盛り上がるものの、もう一つ何か欲しいような物足りなさも感じた。
それでも、戦後の高校野球復活の裏側を知ることができ、まあまあ良かった。
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Posted by ブクログ
コバルト人気シリーズ外伝がずらーり。
ヴィクトリアンローズテイラー
四龍島
流血女神伝
は読んでないのでさらっと読み。
リダーロイス
聖石の使徒
は、なんとなく読んでたかも。キャラは覚えてた。
前田先生の、ちゃんと話せば解決する事をぐったぐだにする流れ、懐かしい。キャラの名前がこれまた前田先生らしくてねぇ。
あ、カル・ランシィシリーズの完結、いまだ信じて待ってますからー。
マリ見て
ちょーシリーズ
ハイスクール・オーラバスター
めっちゃ読んでた。
どれも懐かしい世界観。どっぷり浸っていたなぁ。
それぞれの作家先生でしか書けない、オリジナリティ溢れる作品ばかりだった。
今回の外伝でも、それをじっくり楽しめました。
またこういった試みしてほしいです。 -
Posted by ブクログ
新潮社の文芸誌『yom yom(ヨムヨム)』連載作品。
埼玉県の県立高校野球部を舞台にした、一校の歴史をたどるクロニクルでした。
今回、何冊か須賀しのぶさんの作品をお借りして初めて知ったのですが、野球、その中でも高校野球を題材にした作品を多く手がけていらっしゃるようです。ご自身も地元・埼玉で高校野球を長年観戦されているとのことで、その思い入れが作品全体から伝わってきます。
全五話からなる連作短編集ですが、私はいつものように何も調べず読み始めたので、この構成に気づいたのは物語が半ばを過ぎてからでした。でも、それで良かったと思います。別々の物語だと思って読んでいた人や出来事が、少しずつ時間の流れとしてつながっていく面白さを味わうことができました。
そして、これは高校野球だからこそというより、地方の歴史の長い高校であれば、野球部でなくてもこんな物語がいくつも積み重なっているのかもしれません。人が去り、人が戻り、また次の世代へ受け継がれていく。その繰り返しが、この作品の魅力です。
私は地元を早く離れて暮らしてきましたが、十年ほど前、同級生だった野球部の男子が母校の教師になり、野球部の顧問を務めていることを知りました。その時、「地元ってすごいな」と思ったのを覚えています。少しでも勝ち進んだら応援に行こうと計画していたのですが、その数年間は見事にすべて一回戦敗退。それもまた、思い出です。