須賀しのぶのレビュー一覧
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男子高校野球、夏の甲子園開幕が近付いているこのタイミングで高まった野球熱から手に取った一冊。「野球モノ」という、日本にとっては割となじみ深い物語が数多くあるなかで、記者の目線や戦時中の話に着目しているところがまず新鮮で面白かった。特に3作目で表題にもなっている「雲は湧き、光りあふれて」は、夏の高校野球がどうしてここまで日本で注目を浴びて、どこかやっぱり他の部活動よりも特別扱いされているのか、という疑問に対するひとつの解答のように感じた。戦争で皆が大変な思いをしている中で、学生達の野球は小さな希望の象徴だったのかもしれないし、その余韻がわずかでも確かに、甲子園球場という舞台に残っているような、そんな。
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Posted by ブクログ
ネタバレこれだけカリエの華々しく輝かしい未来を予感させといてそれを取り上げるってマジですか……しかもあくまでカリエ自身の選択……つ、つらい……
だってこれ、あのまま順当にいけばカリエはヨギナの女性総督として輝かしい成功を収め、子どもからも民からも愛され、自分が幸福になるだけでなく民も故郷も潤しただろうはずなのに……
仮にお腹の中の子を見捨てたとて、我が子を浚い己を凌辱した憎い男の種、誰も責めないだろうに……
でも母たちの想いを見つめ(カリエ自身は知らないけれど)、ラクリゼの選択を踏まえた上で、己に宿った子を殺せないのがカリエなんだなぁ……
ちょっと意外だったのが、バルアンさんカリエのことちゃんと伴侶として信頼して想っていたんですね。いや、本心はどうあれもっとドライに振る舞うし実際とっとと忘れるだろうなと思ってたから嬉しいっちゃ嬉しい、んだけ、ど。
その結果、カリエは当初の目標だったバルアンの祖国侵攻を抑えるどころか、その火種になってしまったわけで。でもカリエが我が子を見捨てられないのは当然で。う、運命……
残るは1エピソード。どう畳まれるのか放心しつつ楽しみにしています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ国民の意見を聞き国を健全に維持、発展させることの難しさや、どういう人生を求め歩むか、尽きない苦悩がしっかり描かれていたところが良かった。登場人物たちの人間らしさにも好感を持った。自分の弱さに気づき、それが成長に繋がっていると感じられた。
ミュカが登場してから、カリエの本来の性格がよく出ていて笑ってしまうことが増えた。この4兄弟の生活がずっと続けばいいのにと、切なかった。
つい涙してしまったのは、意識の戻ったミュカとカリエで皇子宮に戻り、エドに抱きしめられたシーン。裏切られたわけではなかったと確信するところがたまらなかった。読者としても、みんながギスギスしているのは辛い。それほど感情移入してストーリーを追っていた。
可哀想な皇子、シオンの選択も切ない。この立場に生まれてしまった以上、本当の意味での幸福は訪れないのだろうと不憫に思う。
読み終わりたくなかったな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ帝国の娘では「運命に翻弄される少女がいつか女王になる話なのかなー」と読んでたんですが、砂の覇王編で「運命に翻弄され続けるサバイバーの話だ」と思い知らされました。
カリエがまー絆されやすくて素直に反省でき視野を広く心がける賢さがある美点が流されやすさに繋がってるのが切ない。その場その場で一生懸命で、知り合った人を見捨てられず、自分が生き抜こうとするようにみんなにも生きていてほしいと願う、少女が伴侶に選んだのが覇王……うわぁ。
バルアン人でなしなんだけどモテるのわかっちゃう……コイツがどこまで行けるか見てみたいと思わせる魅力がある。人の世話焼くのが好きっぽいカリエが惹かれてしまうのがわかってしまうけど……おおう。
このシリーズは謀略の動機が感情に紐づいているので頭に入りやすいぶん、自分の理想が先行してるっぽいコルドやロイが際立って冷酷に見えました。「あなたは実にすばらしい妃だ」はゾッとした……本人は心からの感謝と敬意なんだろうけど。
それだけにロイのダイエット決意にはびっくりしました。まぁ……叶う叶わないは置いて、健康には……いいよね、うん。
宗教や奴隷制度の問題点を描きつつも「その土地に根付いている文化」という地に足ついた側面を描いてるのが好感。国の腐敗も単純に放埒な貴族のせいというわけではなく、彼らの中にも心から国のためになると思って悪習を続けてるのがいたり、民衆の責任にも言及されてるのが良かったです。
基本が骨太なぶんファンタジー要素が際立ってこちらも良き。怪我治って良かったねと思ってたらそういう……辛い……
続きも胃を痛めつつ読もうと思います。 -
Posted by ブクログ
戦前を造船の町浦賀で過ごしたい主人公。父がドック勤務だったこともあり軍艦乗務に憧れるが、あるきっかけで海軍兵学校へ入学し、海軍士官として第二次世界大戦を乗り越えて行く。
親の教えや自分のルーツを軸に据え、周囲の大きな流れに飲まれることなく自分が正しいと思ったことを静かに遂行していく。
戦前戦中を生きた若者たちを緻密に描く。
命懸けで国を守ることが当たり前と思っている若者たちがたくさんいた時代。若者たちの尊い気持ちが異常な状況に利用された、そんなテーマで戦争を描いているように思える。若者たちの視点で描かれているので、大本営などの様子は出てこないが、現場に出てこない人たちに翻弄されていることに憤る姿は描かれている。そこに自分の気持ちが乗っかってしまうとしんどい。 -
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理不尽極まりない王道
「王族絡みの強制身代わり命令」となれば
主人公にとっては理不尽極まりないのが王道
試し読みなので途中まででしたが
良い作品でした