須賀しのぶのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ須賀しのぶ先生の本を手にするのは流血女神伝以来。
読み応えのあるものを書く作家だったと記憶していたが、
期待通りで大変満足でした。
解説によれば、2010年に刊行されたものに大幅な改定を加えたのがこの文庫版であるとのこと。
文庫版はマティアスの視点で書かれていますが、
2010年版の方はアルベルト視点だというので、次はそちらを読みます。
というのも、
アルベルトの行動原理がいまだに理解できず……
マティアスへの憧れがあったのだとはなんとなくわかりますが、
それがどうしてああいった生き方になるのか。
2010年版で答えが見つかることを願って -
Posted by ブクログ
高校生直木賞受賞(2017)の本作。
NHK オーディオドラマにもなったらしい。
聞き逃してしまったけれど。。。
たしかに演劇やラジオドラマになりそうな物語だと思う。
日本人だけれども、白系ロシア人の父を持つ棚倉慎。
シベリアで生まれアメリカで育ったポーランド人レイ。
ポーランド生まれのユダヤ系カメラマンヤン。
慎が囮になって、
ドイツ兵の前に出ていく最後のシーンは圧巻だった。
実際、一日本人がここまでできるかどうかは別として、
第二次世界大戦におけるポーランドの立ち位置、
祖国を愛するレジスタンスの戦いは、
胸に残る筆致だった。
戦争や戦災は、ドラマではない。
小説なのだから、記録小 -
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Posted by ブクログ
面白かった。
日本の夏といえば、甲子園。
終戦直後の日本で、高校野球復活のために奮闘した新聞記者の姿を描いた小説。
タイトルは「なつぞらはっか」と読む。
夏空に白球が飛んでいく様を喩えたのか、と思ったら違う。夏空の下、グラウンドを走り回る白いユニホーム姿の選手のを譬えたのだという。
敗戦の1年後に、焼け野原の中で、主要な球場を接収された中で、高校野球の全国大会が開催されたなんて、よく考えれば奇跡だ。そんな奇跡が目の前で繰り広げられれば、選手たちはまさしく希望の真っ白な花のように、観客の目には映っただろう。
なぜ、日本において、こんなに野球が他のスポーツに比べて特別扱いされているのか?ま