須賀しのぶのレビュー一覧

  • また、桜の国で

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    第4回高校生直木賞

    1939年にドイツがポーランドへ侵攻したことをきっかけに第二次世界大戦が始まった。
    そんな通り一遍の知識しかなかったので、ポーランドが何度も侵略されては支配され、他国に見放されてきたのか、特殊で過酷な運命を辿った国家だったのかを知った。
    何度も蜂起を起こしてきたポーランド人とユダヤ人の姿は、ワルシャワで外務書記生として働くタナクラの目線で語られる。
    それは衝撃的で絶望的だったけれど、確かに美しかった。

    「自由を取り戻すべく戦ったのではない。ただ、人間として死ぬために、立ち向かったのだ。」

    この境地になるまで裏切られ続けた彼らの長い戦いを思うと、須賀しのぶさんが訴える真

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    2026年06月24日
  • 須賀のスガスガしくない話

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    面白かった。すっごいやわらかくて読みやすいんですけど、時々ハッとするような鋭さがあるところがとても良い。音楽と海外旅行の話が特に好き。骨ストの話はリアルに参考になった!
    最終回の少女小説については圧巻でした。

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    2026年06月21日
  • 神の棘II

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    アルベルトに対する認識というか捉え方が二転三転した。
    最初は「マティアスが不器用すぎる」と感じていたが、アルベルトの方がよっぽど不器用なのでは…?
    ドイツがどうなるのかは分かっているので、アルベルトが逃した人の話から減刑されるかな、と少し考えた自分の浅はかさよ…。

    虐殺など酷い背景も描き込まれているが、偶に(?)暴走するマティアスに少し笑わせてもらった。

    非常に読み応えがあった。

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    2026年05月18日
  • また、桜の国で

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    ブク友である『リここ✈』さんの感想を読み、すぐに読みたくなった。
    約500ページの長編だが、中身が濃くて、物語に入り込んでしまい、長さは全く感じなかった。
    物語の地は第二次世界大戦前から大戦中のポーランド。
    これほどまで国が蹂躙され、翻弄されたこと、日本との繋がりが強かったことは全く知らなかった。
    そして、戦火の中での友情、たくさんの別れは、魂を揺さぶられた。
    戦争の悲惨さ、恐怖が身にしみた。
    棚倉慎は、友と約束した桜の国での再会を果たすことができるのか?

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    2026年05月10日
  • 革命前夜

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    登場人物一人一人の人生を思うと胸がキュッと切なくなる。
    静かに燃える蝋燭の火が、人々の動きになって、声になって、音になっていくのは圧巻。
    熱い火が絶えず燃え続けてるのと、マヤマの水のようなピアノは対局にあるように感じた。だけど、DDRで暮らす人との出会いによって、マヤマの水もどんどん熱くなって沸騰していったようだった。
    ドイツというとナチスの物語はさまざまなもので見てきたけど、東西分裂時の話はあまり知らなかった。音楽と政治と愛がこんなにきれいにまとまるとは…。

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    2026年05月09日
  • 神の棘I

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    大好きな作品のため数年ぶりの再読。必ず習うユダヤ人迫害。それはどのように起こっていったのか。主人公のマティアスや学生時代の親友であったアルベルトを中心に当時のドイツがどのような状況であったかを丁寧に書かれている作品です。

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    2026年05月02日
  • コバルト・プレイバック・アンソロジー part 1

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    大好きだったシリーズもはじめましてなお話もあるけど、どれも短編とは思えない濃さで面白くて最高でした。

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    2026年04月23日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    「食」をテーマにしたアンソロジー。どれも非現実的ではあるけど、数年後数百年後にはありえる話なのかもな〜とか思ったり。石のスープ飲んでみたい。

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    2026年04月07日
  • 革命前夜

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    須賀先生の作品を初読。素敵な作家さんに出会えた。バブルに浮かれてた日本と同時期に東ドイツで起こってたことを比較すると考えさせられる。他の作品もぜひ読んでみたい。

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    2026年03月24日
  • 革命前夜

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    ネタバレ

    「この本に出会えて良かった!」と叫びだしたいほどの面白さ。

    解説で朝井リョウさんが『書けないものない系の書き手』と言ったのがよく分かる。海外の歴史的な出来事を背景に、ここまで心理描写を丁寧に描けるのがすごい。


    冷戦下のドイツが、西と東で貧富の差があったことを知らなかった。

    当時のドイツの現状を知って、改めて国と国民は別物だと思った。国の政策に決定権がない国民は、悪事に加担する加害者ではなく、無理やり従わされる被害者なのではないか。

    それを特に感じたのは、IMの元締めだったイェンツの末路。密告者として周りを利用していたけど、ヴェンツェル事件の真相から色んな葛藤があったことが伺えた。

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    2026年03月22日
  • 革命前夜

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    第18回大藪春彦賞

    初読みの作家さんだけど、すぐに星5を確信して贅沢な読書時間を体験できた。
    まず、才能ある音楽家たちの世界を、豊かな描写とともに味わえる。
    これだけで満足だけど、舞台はベルリンの壁崩壊前の東ドイツで、監視され制限の多い人々の暮らしや、民主化運動の激化を知ることができる。
    そんな中での人と人との関わりや、音楽の役割りが丁寧に描かれていてとても興味深かった。
    更にまさかのミステリー要素あり、感動ありで、泣きながら本を読み終えた。
    すごい書き手にまた1人で会えたことが幸せ。

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    2026年03月19日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    読めてよかったです。
    海軍に生きる男性たちと、陸に生きる女性たちの物語。

    後になってから、外から、いろんな情報を得てから出てくる意見や判断と、その時に、その場で、限られた情報の中で出される意見や判断は往々にして異なります。

    この物語の中では、何かが美化されるのではなく、そこに生きる人たちのそれぞれの生き方が描かれていて、最後までページを繰る手がとまりませんでした。

    章ごとにはさまれる雪子の手紙が胸に刺さりました。

    兄と妹。
    男と女。
    性別の違いによって生じてくる、選択肢の違いや、置かれる環境の違いについても揺さぶられる物語でした。

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    2026年03月14日
  • 革命前夜

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    ベルリンの壁が壊れる前の東ドイツ。
    日本人留学生の主人公はバッハに心酔し、より純化した音を求めてあえて共産主義の東ドイツを留学先として熱望した。
    けれどそこで出会ったのは自分以上に真剣に音楽に向き合い突き詰める仲間たち。
    圧倒的な才能に翻弄されて自分を見失ったとき、温かく迎え入れてくれた東の人々、他国からの留学生達。
    共産主義の圧政と物資不足。密告者の恐怖。自由を求める人々。
    時代の臨場感。

    本当に読んで良かった、ものすごい物語を読んだという感想です。
    重厚感はもとより繊細な音楽描写、
    相当な文章量なのにすいすい読めました。
    読書好きな人なら一度は読んでみて欲しい作品です。

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    2026年02月23日
  • また、桜の国で

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    ネタバレ

    読んでいる間はずっと緊張状態で気が休まらないけど、とても引き込まれて、最後の章は夜中に一気読みした。小説なのにドキュメンタリーを読んだような、どごまでが本当の話だろう?と思った。

    ポーランドという国について、今まで全く興味を持ったことがなかったので、シベリア孤児が日本に助けられて本国に帰ることができた話など初めて知った。ドイツやソ連などが占領してきた歴史やワルシャワ蜂起など、そういえば世界史の教科書に一行程度で書かれていてかも、くらいの記憶のことを詳しく知ることができた。学生時代に読んでいたら、世界史の授業もただの丸暗記じゃなくて、意味を考えながら勉強できたかもしれない。
    同じポーランドに生

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    2026年02月23日
  • 革命前夜

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    面白かったー!
    ずっと積読していて、なぜもっと早く読まなかったのかと思った。
    音楽には詳しくないけれど、ベルリンとドレスデンには行ったことがあるので引き込まれた。
    朝井リョウさんの解説も面白かった。

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    2026年01月25日
  • また、桜の国で

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    もの凄い読書体験だった……最後の一文に震えて、読後もしばらく鳥肌が止まらなかった。
    計り知れない膨大な労力を費やしたこの渾身の一冊に、まんまと打ちのめされた。
    文庫で1000円は安すぎる。あかん安さ。
    敬意を込めてなさすぎる値段設定。

    解説まで読み終わってフラフラしながら
    最後のおなじみのページ「100字書評」を見て
    「…100字に収められるかいっ」と
    思わずツッコミを入れてしまった。


    日本で生まれ育ち、家系を遡っても日本人しかいない私にとっては
    「見えているものだけが世界じゃない」ことを
    終始痛感してやまない。
    自分が何者であるのか、なんの人種なのか、
    祖国とはなんなのか、アイデンティ

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    2026年01月23日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    久しぶりの須賀作品。戦前から戦中にかけての若者の葛藤を描いている。主人公は旧会津藩の家系に育ち、父の「喧嘩は逃げるが上等」という考え方に激しく反発している。小さい頃から懐いている頑固な妹を大切にしながらも、そばを離れ、自分の志に沿って帝国海軍士官となる決意をする。士官学校での友情、軍や国の理不尽で無茶な方針に嫌気が差しつつも国を守ろうと奮闘する。若者のまっすぐな情熱や、無鉄砲さや、純粋なところ、義憤など、共感できるところも多く、なんだか良い小説。

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    2026年01月17日
  • 革命前夜

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    個人的にドイツ在住経験があり、趣味で楽器演奏をしているため、演奏者の葛藤や現地の雰囲気を鮮明にイメージしながら楽しんで読むことができた。
    しかし、どうしても不思議なのが、著者はこの時代に居たわけでも、恐らく作家であることから海外の音大で学んだ経験もないと思われるのに、何故ここまで繊細かつ活き活きと、人々や情景を描けるのかである。
    巻末の解説で朝井リョウさんが「この人、書けないものない系の書き手だ」と評しているのに首肯した次第。深く感銘を受けた。
    ストーリーは、当時の東ドイツの暗く重たい雰囲気と、新たな時代に進もうとする熱狂のうねりの中に身を置く主人公の、他者との交流を通じた内面の葛藤と成長を表

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    2026年01月03日
  • 革命前夜

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    2025年のうちに読み終えたので急いで登録した。

    舞台は1989年、東ドイツ。
    きな臭く殺伐とした社会主義国の生活の中で、音楽の甘い音色が救い。
    暗いところから音楽は生まれるというのも腑に落ちる。暗さがあるから、明るさが分かる。

    なんと読み応えのあることか。

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    2025年12月31日
  • 革命前夜

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    これが単なるフィクション、小説だとは思えない。

    音楽に関する物語が読みたいという動機から
    表紙に描かれたピアノに惹かれてこの本を選んだ。
    私はドイツに関して無知であり、また、自分の優しさや穏やかさと言った性格が世間ん知らずの温室育ちによって出来上がり日本だからこそ成り立っていることあることを実感した。
    この小説をもっとより深くリアルに感じるためにドイツについて学ぼうと思う。


    そして私が心に残ったシーンは全てヴェンツェルがいる。

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    2025年12月01日