須賀しのぶのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第4回高校生直木賞
1939年にドイツがポーランドへ侵攻したことをきっかけに第二次世界大戦が始まった。
そんな通り一遍の知識しかなかったので、ポーランドが何度も侵略されては支配され、他国に見放されてきたのか、特殊で過酷な運命を辿った国家だったのかを知った。
何度も蜂起を起こしてきたポーランド人とユダヤ人の姿は、ワルシャワで外務書記生として働くタナクラの目線で語られる。
それは衝撃的で絶望的だったけれど、確かに美しかった。
「自由を取り戻すべく戦ったのではない。ただ、人間として死ぬために、立ち向かったのだ。」
この境地になるまで裏切られ続けた彼らの長い戦いを思うと、須賀しのぶさんが訴える真 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「この本に出会えて良かった!」と叫びだしたいほどの面白さ。
解説で朝井リョウさんが『書けないものない系の書き手』と言ったのがよく分かる。海外の歴史的な出来事を背景に、ここまで心理描写を丁寧に描けるのがすごい。
冷戦下のドイツが、西と東で貧富の差があったことを知らなかった。
当時のドイツの現状を知って、改めて国と国民は別物だと思った。国の政策に決定権がない国民は、悪事に加担する加害者ではなく、無理やり従わされる被害者なのではないか。
それを特に感じたのは、IMの元締めだったイェンツの末路。密告者として周りを利用していたけど、ヴェンツェル事件の真相から色んな葛藤があったことが伺えた。
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Posted by ブクログ
ベルリンの壁が壊れる前の東ドイツ。
日本人留学生の主人公はバッハに心酔し、より純化した音を求めてあえて共産主義の東ドイツを留学先として熱望した。
けれどそこで出会ったのは自分以上に真剣に音楽に向き合い突き詰める仲間たち。
圧倒的な才能に翻弄されて自分を見失ったとき、温かく迎え入れてくれた東の人々、他国からの留学生達。
共産主義の圧政と物資不足。密告者の恐怖。自由を求める人々。
時代の臨場感。
本当に読んで良かった、ものすごい物語を読んだという感想です。
重厚感はもとより繊細な音楽描写、
相当な文章量なのにすいすい読めました。
読書好きな人なら一度は読んでみて欲しい作品です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいる間はずっと緊張状態で気が休まらないけど、とても引き込まれて、最後の章は夜中に一気読みした。小説なのにドキュメンタリーを読んだような、どごまでが本当の話だろう?と思った。
ポーランドという国について、今まで全く興味を持ったことがなかったので、シベリア孤児が日本に助けられて本国に帰ることができた話など初めて知った。ドイツやソ連などが占領してきた歴史やワルシャワ蜂起など、そういえば世界史の教科書に一行程度で書かれていてかも、くらいの記憶のことを詳しく知ることができた。学生時代に読んでいたら、世界史の授業もただの丸暗記じゃなくて、意味を考えながら勉強できたかもしれない。
同じポーランドに生 -
Posted by ブクログ
もの凄い読書体験だった……最後の一文に震えて、読後もしばらく鳥肌が止まらなかった。
計り知れない膨大な労力を費やしたこの渾身の一冊に、まんまと打ちのめされた。
文庫で1000円は安すぎる。あかん安さ。
敬意を込めてなさすぎる値段設定。
解説まで読み終わってフラフラしながら
最後のおなじみのページ「100字書評」を見て
「…100字に収められるかいっ」と
思わずツッコミを入れてしまった。
日本で生まれ育ち、家系を遡っても日本人しかいない私にとっては
「見えているものだけが世界じゃない」ことを
終始痛感してやまない。
自分が何者であるのか、なんの人種なのか、
祖国とはなんなのか、アイデンティ -
Posted by ブクログ
個人的にドイツ在住経験があり、趣味で楽器演奏をしているため、演奏者の葛藤や現地の雰囲気を鮮明にイメージしながら楽しんで読むことができた。
しかし、どうしても不思議なのが、著者はこの時代に居たわけでも、恐らく作家であることから海外の音大で学んだ経験もないと思われるのに、何故ここまで繊細かつ活き活きと、人々や情景を描けるのかである。
巻末の解説で朝井リョウさんが「この人、書けないものない系の書き手だ」と評しているのに首肯した次第。深く感銘を受けた。
ストーリーは、当時の東ドイツの暗く重たい雰囲気と、新たな時代に進もうとする熱狂のうねりの中に身を置く主人公の、他者との交流を通じた内面の葛藤と成長を表