須賀しのぶのレビュー一覧

  • 革命前夜

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    これが単なるフィクション、小説だとは思えない。

    音楽に関する物語が読みたいという動機から
    表紙に描かれたピアノに惹かれてこの本を選んだ。
    私はドイツに関して無知であり、また、自分の優しさや穏やかさと言った性格が世間ん知らずの温室育ちによって出来上がり日本だからこそ成り立っていることあることを実感した。
    この小説をもっとより深くリアルに感じるためにドイツについて学ぼうと思う。


    そして私が心に残ったシーンは全てヴェンツェルがいる。

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    2025年12月01日
  • 革命前夜

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    どこでこの本を見つけたか忘れてしまいましたが、これはおもしろいと読む前から確信がありました。
    そんな期待を裏切らない、むしろ超えていくほどの大作です。


    ベルリンの壁が崩壊する前の東ドイツにピアニストを目指して留学をする主人公シュウジ。
    彼のピアニストとしての苦悩と成長を軸に、日本の元号が平成になった日からベルリンの壁が崩壊するまでが描かれています。
    世界史の知識がほとんどない私は、この小説を通して当時の東ドイツとその周辺国の状況に驚くことばかりでした。

    美しい音楽の描写はもちろん、登場人物の心理、そして最後のミステリー要素まですべて圧巻です。
    最後のページはとびきりのサプライズで震えまし

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    2025年11月25日
  • 神の棘II

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    ネタバレ

    直前にトルストイの『光あるうち光の中を歩め』を読んでいたので、キリスト教の教えとは、信仰するとは、赦しとは、正しさとは… キリスト教について学びながらも疑いながら触れる時間が続いた。

    なによりまず、須賀しのぶさん、ほんとにすごい。
    物語の組み立てにしても、知識量にしても。なのに読みやすい。
    この本を読んだおかげで、わたしはナチス、キリスト教、ユダヤ、第二次世界大戦について何も知らなかったんだなと気づけたことは大きい。もっと知りたい、知っておかなければと思った。

    でももう残り150ページを切ったあたりからそれどころでもなくて……なにをどう言えばいいのか分からない。
    せめて最後にアルベルトとイ

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    2025年10月26日
  • 夏の祈りは(新潮文庫)

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    埼玉の公立校を舞台にした、高校野球の連作短編集。
    各章ごとに違った切り口でどれも面白い。
    選手だけでなく、マネージャーや裏方についても描かれているのもよかった。
    最終章は

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    2025年10月20日
  • 革命前夜

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    久しぶりのなんとも言えない重厚な読後感を感じました。
    ブグログでの評価や感想をみて興味を持ちましたが、恥ずかしい話、
    世界史が苦手だった私は、
    ベルリンの壁についても深く知ることもなく、教科書のわずかなページをテスト勉強のためだけに読んだだけでした。
    今回、最初は難しく暗い灰色のような出だしに、あまり読むペースも進まなかったのですが、中盤に入り、平和だったら音楽だけに
    打ちこめる青春時代を、大変な
    世界情勢に巻き込まれ、誰が真の友達かもお互い疑いながら、
    生きることに必死な若者達に、
    圧倒されました。
    私たちにすれば、昭和が終わり平成が始まるついこないだのような
    時期に彼らは、こんなにもがきな

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    2025年10月14日
  • 革命前夜

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    ラカトシュやイェンツ、クリスタなど自分の信じるもののために闘い抜く姿に心打たれる。
    一方、一生懸命努力するけど他の才能をもつ仲間に比べ、周りを魅了する華がないように思えて苦悩する主人公に、昔の自分を重ねて共感した。
    自分の感性を信じて、ちっぽけに見える自分でも周りに惑わされずに積み重ねていけば、いずれ輝く奇跡になるのかなと。

    あと、ドイツの歴史について。私は世界史に疎かったのだが、ベルリンの壁が存在する頃のドイツの国民性や生活の様が想像でき、もっと世界史を勉強していきたいと思わされた。作者の、自分の存在していない世界を表現する力に脱帽!

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    2025年09月30日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    「ごちそうさまでしたがきっと身に染みる」
    食糧問題を解決した画期的なスープに隠された驚愕の事実、食事を通して寄生する何か、食べ物が作られなくなった未来で発見された遺物、異世界にもたらされた現世の料理...
    人が生きていく上で欠かせない食事は当たり前にあるものではない。そして欠かせないからこそそこには様々な物語が生まれる余地がある。
    不気味なお話から面白い話、考えさせられるお話、三者三様の食事にまつわるアンソロジー。

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    2025年09月20日
  • 革命前夜

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    凄い本を読んでしまった!

    ベルリンの壁崩壊の頃のドイツ
    世界史が苦手だった自分にとっては
    ちょっと読むのを躊躇っていたところがある
    何も知らないからだ
    が、そんな心配は無用だった
    当時のドイツ、音楽の世界、その中で
    青春を過ごすさまざまな立場の若者たち
    すべてが頭の中で映像化されていった
    自分が今まさに革命前夜に身をおいていた


    日本が昭和から平成に変わる頃
    バブル期で何もかもが花やいでいた頃
    音楽を極めるために
    バッハの生活していた地へ
    冷戦の最中、自由の効かない東ドイツへ
    留学することになるシュウ
    そこは
    留学生にとっては危険のない場所ではあるが
    出会う友人や周りの人々との関わりの中で

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    2025年08月30日
  • 夏空白花

    「夏空白花」につぃて

    日本人の多くが熱狂し、感動する全国高校野球選手権大会。
    公共放送が試合を中継し、球場の名前である"甲子園"が通称になるほど多くの人に親しまれ、学生スポーツの中では屈指の人気を誇っている。

    十代の限られた時期にしか立てない球児の夢の舞台に、こんな歴史があったとは知らなかった。
    須賀しのぶさんの「夏空白花」は、戦争によって失われた甲子園の復活に燃えた男の物語だ。
    夢の甲子園の陰の一面も描き、ただ気持ちよく読者を泣かせてくれる感動秘話で終わらないところが、実にいい。

    まず主人公の新聞記者の神住が、元甲子園球児なのに、「野球は愉快だが、そこまでたいしたものではない」と思っている

    #深い

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    2025年08月29日
  • 革命前夜

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    ネタバレ

    第二次世界大戦後、ドイツ内ソ連占領地域に建国されたドイツ民主共和国(DDR)。秘密警察である国家保安省(シュタージ)による国民の監視が行われ、言論や表現の自由が制限されていた。多くのDDR国民は自由が保障されたアメリカ・イギリス・フランス戦領域のドイツ連邦共和国(西ドイツ)に憧れ、亡命を試みる者や改革を目指す者もいた。
    本作の主人公である日本人音大生・眞山柊史は純粋な音を求めてDDRの音楽大学に留学。自由な感性と技巧で他を圧倒するバイオリン奏者と、正反対に楽譜に忠実に音楽を再現するバイオリン奏者、そして美しい音を奏でるオルガン奏者に出会う。
    自由を求めるものはその志を砕かれても立ち上がる。監視

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    2025年08月13日
  • 革命前夜

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    昔のドイツってこんなことになってたんだ。ベルリンの壁崩壊の映像がテレビで流れるたびに今までとは違った目線で見られるようになった。
    主人公が音大留学生ということで音楽好きには特に嬉しい設定。登場する曲名は実際に存在する曲だからそれを探して聴きました。
    構成が素晴らしく、たった1行で事実がひっくり返る場面が2箇所くらいあったかなぁ。あれには驚いたし、面白かった!

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    2025年08月23日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    ネタバレ

    E.ルイスがいた頃(竹岡葉月)
    装備する火力と平均年齢が高すぎるのが良かった。
    笑ったけどかっこいい。

    最後の日には肉を食べたい(青木祐子)
    怖いと思ったのは私だけだろうか。
    まるで**の為の人。

    おいしい囚人飯(椹野道流)
    紫人参によってポトフがポトフに見えなかったのを思い出した。
    視覚効果って大切ですね。
    囚人飯とは言えないけど楽しめそう。

    しあわせのパン(須賀しのぶ)
    管理官が手を貸していた事に驚いた。
    管理官の心の次元は違うけどいいと思う気持ちは同じなのが嬉しい。

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    2025年07月21日
  • マウンドの神様

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    もっと早く読めばよかった。タイトルと表紙から、甲子園の話かなと思ったけど。野球って括りね。東川さんのベースボールキャップにまつわる話しが面白かった。

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    2025年07月19日
  • 革命前夜

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    人生で1番好きな小説。音楽の描写はもちろん、ドイツの街並みや主人公の葛藤、嫉妬、色々な悩みが丁寧で情熱的で、読んでいて自分もその場にいるような感覚になった。音楽のことは詳しくないのに、バッハのことが好きになったし、ドイツにも絶対に行きたい。何度も読んでいるけど、読むたびに心に刻まれる大事な小説。

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    2025年07月03日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    ネタバレ

    SF良いよね。
    食をテーマにしたアンソロジー。
    素子さん目当てで買いました。
    新井素子「切り株のあちらに」
    怖いよー。
    ゾワゾワしてひえーってなる。
    どこに繋がるのこれ?って思ってたら、人類の種としての晩年って、怖すぎるだろ。
    さすがだよー大好きだよー。
    農業のとらえ方とかね、新鮮で、素晴らしい。

    その他のも秀逸で、面白かったです(^^)

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    2025年06月05日
  • 革命前夜

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    面白かったです!
    音楽の話やベルリンの壁崩壊の頃のドイツの話などが少し難しいと感じましたが、ストーリーが面白く、すぐに読み終わってしまいました。
    音楽の面で成長する主人公が見れるかと思って最初は読んでいたのですが、結構ドイツのあれこれに巻き込まれる展開でした。(音楽の面でも成長はしたと思いますが)
    怖い描写で、私もちゃんと恐怖を感じたことがとても印象に残っています。
    当時のドイツの生活など知らなかったことも知れて、とても勉強になりました。

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    2025年06月02日
  • 革命前夜

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    とても面白かった。シュタージがいる怖さが最初はうまく想像できなかったが、読むにつれて常に見られてるというねっとりとした気持ち悪さが伝わってきた。人を信じれないのはつらい。
    それぞれがそれぞれ誰かを傷つけながら誰かを助けている。自分の中で登場人物に対する印象が視点一つでころころ変わるのがすごく面白く感じた。

    昔の日本の村八分やウクライナやメキシコとの国境の壁などに対して一段思うところがでてきた。

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    2025年03月19日
  • 革命前夜

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    日本では昭和が終わった時代の東ドイツに留学した日本人学生は、"東の世界"を目にしてしまう
    国が違えば生き方も価値観も違うというある意味当たり前のようで当たり前じゃないことが突きつけられる
    同時代に行きていた自分も胸にくるものがあった
    自由が空気のような存在になった現在は、何か本質的なものを忘れていないだろうかと思わされる
    序盤の音楽描写に苦戦したが、後半は怒涛のサスペンスでした

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    2025年03月06日
  • 革命前夜

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    このひと、“書けないものない系”の書き手だ──朝井リョウ

     
    第18回大藪春彦賞受賞作。第37回 吉川英治文学新人賞 候補。

    すごく陳腐な表現ですが、これはヤバい作品に出会った…。

    まずそもそも“音楽を描写する”ことのハードルの高さ。それを実現している表現力が凄まじい。目を瞑ればその情景が浮かんでくる。
    更に、そもそものベルリンの壁崩壊直前の時代背景を描く風景描写に加え、物語後半から香ってくるミステリーの様相。

    そして、450ページを超えるボリュームを感じさせないくらい、物語の奥へ奥へと引き摺り込まれる没入感が凄まじい。

    …語れば語るだけ陳腐になる、自分の語彙力の無さに絶望するわ。

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    2025年02月22日
  • また、桜の国で

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    第二次世界対戦におけるポーランドを舞台に書かれた作品。
    読み進める度に辛い部分が多くありますが知らなければならないことばかりでした。

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    2025年02月18日