須賀しのぶのレビュー一覧
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ネタバレ文通相手との文通読書会二回目の課題本。
自分では戦争ものを選べないので、こうして課題本にしてもらって、読むことができてよかった。
鷹志は幼い頃より父に「逃げるは最上の勝ち」「ねらぬものはならぬ」と教えられて来た。その教えは男子としての生き方を否定されているようで、心の中でいつも反駁を繰り返していた。そんなおり海軍に入った叔父に連れられて祖先の防人たちの寂れてしまった墓を参ったことをきっかけに、自分も海の防人にと心が傾いていく。その後震災で父は負傷し、そして両親は叔父夫婦に鷹志を養子に出し、兵学校への道を開いてくれた。その思いにこたえるように鷹志は兵学校での日々を精一杯に勤めていく。そこで出会 -
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ネタバレ戦争による高校野球の中止。終戦後に再開させたくてもなかなか目処が立たないなかなんとしてもという決意のもと動き出す神住。野球に対する強い想いと元球児としての願い。GHQの壁。困難なことがたくさんある中で日本の復興のひとつのシンボルとして野球を、それも高校野球の復活。アメリカ側とのやりとりで見えてくる日本のこれまでとこれから。野球とベースボールの違い。戦争の悲惨さと立ち直ることの難しさ、全てを受け入れて進むこと。その大変さ、苦悩、悲しみがある。だけど野球に願いを乗せて、球児に未来を見て、そしてタイトルの意味がわかるラストにある希望。とても素晴らしい物語。
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ネタバレ第二次世界大戦下のドイツ。かつて親友だった二人が、SS将校と修道士として対峙する。あまりにも重い時代。とてつもなく重いものを背負った二人。戦争の行く末を知っているだけに読み進むのがつらくて、それでも二人の生き様をなめるようにじっくり読んでしまった。後半の『神の棘Ⅱ』は戦闘の描写が多くて本当につらかった…。
ドイツの暗い歴史とドイツ軍に興味のある人はぜったい楽しめるからぜひに!
SS将校アルベルト・ラーセンの生き様がとにかくかっこいい!精鋭と名高い部隊を指揮し、終戦を迎えても抵抗し続け、鬼のようだったラーセンが後年部下に慕われる姿に、新撰組の土方歳三をかさねてしまった~~。かっこいい! -
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桜は咲いただろうか
桜は咲いただろうか。
いや日本において散る姿が美徳とされる桜にそれを問うのは愚問かもしれない…そんな感想が残った。
フィクションであろうが史実が本流となっており戦争を知らない世代の日本人でも「戦争を内側から観ることが出来る」貴重な作品である。ましてや難しいであろう東欧を混血の視点で描くことでそれを可能としている。
帝国の娘から流れる須賀さんのヒューマニズムも歯切れが良く心地よい。 -
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なんとも重い読後感でした。
冒頭、日本とポーランドのつながりを知って驚きました。
途中から、アンジェイ・ワイダの映画「地下水道」のラストシーンを思い出して、なお辛くなってしまいました。
それでもこの時、ポーランドという国に何が起きたのか知らなければならない。そう自分に言い聞かせて読み終えました。
ロシア人を父に持つ棚倉眞という日本人、ポーランドのユダヤ人という、最も過酷な立場のヤン、そして、ポーランドで孤児となり、アメリカに渡ったレイ。イェジ、ハンナやマジェナ。(私はここに記して、彼らの名を留めておきたい。)彼らは、どれほど過酷な状況に陥ろうとも、今できる最善の方法を、不可能に近い決断を、幾度 -
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ネタバレ上下巻一気に読み終わってしまった。須賀しのぶらしい、骨太な作品で、読み終わったあとの充足感はひとしお。第二次大戦前から戦後にかけてのドイツの、社会や人々の生活がリアルで、映画を見ているような気分にもなった。
修道士・マティアスと、軍人・アルベルトの軌跡をたどっていると、作者はドイツを舞台にしたかったのではなくて、『神』とはなにか、『赦し』とはなにかというテーマを描くために、この時代のドイツを選んだのではないかと思えてくる。その問いかけがはっきりと示されるのはマティアス視点の話のときだけだし、カトリックの神に問いかけを続けるマティアスとは違って、アルベルトは棄教しているし、自分の行動の結果とその -
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須賀しのぶさん、初めましてです。
高校野球が好きでした。
女子校だったので、共学校の女子が地区大会の応援に行くのを見ると、
それはもう羨ましくて。
あの頃の高校野球って、今よりもっと泥くさかった気がします。
出場校も今より公立高校が多く、地元出身の選手中心だったせいか
故郷を応援する色あいがもっと強かったような…。
ユニフォームの着替えがなくて、勝ち進むとだんだん汚れてしまうのも、妙にカッコよく見えたりして。
春のセンバツも、もちろん球児憧れの晴舞台。
でも夏の甲子園は、また違う気がします。
三年生にとっての最後の夏といったイメージが強いからかな。
#ピンチランナー
かたや大物天才バッ -
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長らく積んであった本ですが、
それを後悔してしまうほどに面白かったです!!
舞台は、日露戦争後の満州ハルビンが舞台。
「大陸一の売れっ子女郎になる」という夢を抱いて
この土地にやってきた少女フミ。
そして女郎を忌み嫌いながらも売られてしまった親友のタエ。
フミとタエの固い友情、そして彼女達の芯の強さ…
思わず応援したくなっちゃうんですよね~><
「酔芙蓉」の女郎達は皆、美しく逞しくて、
女性とはこんなにも強いものなのかと悲しくなってしまう程。
フミが幼い頃に出会った、危険な香りのする男・山村や、
華族出身の青年実業家・黒谷との関係もドキドキさせられます。
女郎屋が中心となるだけに、なか