須賀しのぶのレビュー一覧

  • 雲は湧き、光あふれて

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    高校野球にまつわる話三編からなる短編集。爽やかな青春小説だと思ってきゅんきゅんしてたのに、最後の話にやられました。

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    2018年11月04日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    細かい。
    艦コレやっとけば、戦艦の名前とか特徴とか、出撃した場所とかわかってて、別口でもより一層おもしろいなと思いました。

    戦後70年だからなんですね。
    表面的に見えていたものと、裏側に佇んでいたものが入れ替わる時間なんですね。

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    2018年10月28日
  • 北の舞姫 芙蓉千里II

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    1巻は終始駆け足だったが
    今回は趣き変えてちゃんと行ったり来たりを繰り返すふつうのお話
    終盤からはフミがカリエと見分けつかなくなってくる
    主人公がお話を動かす機関になっているつくりごと感はあるが
    そこで展開される様が作者の本領なのかもしれない

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    2018年10月25日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    海軍兵学校を出た海軍士官たちの太平洋戦争の物語。主人公の父は会津出身、日露戦役の生き残りというところに思わず引き込まれてしまいました。
    士官側からみた戦争小説ってあんまり読んだことがなかった気がするな。ぐっと胸にくる小説でした。

    この作家さんは、実際には見たことがないはずの時代をなぜこんなに生き生き描けるんだろう。戦前・戦中の日本の空気感が、まるでそこにいるかのように伝わってくるこの筆致。ぐいぐい引き込まれる。

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    2018年10月21日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    文通相手との文通読書会二回目の課題本。
    自分では戦争ものを選べないので、こうして課題本にしてもらって、読むことができてよかった。

    鷹志は幼い頃より父に「逃げるは最上の勝ち」「ねらぬものはならぬ」と教えられて来た。その教えは男子としての生き方を否定されているようで、心の中でいつも反駁を繰り返していた。そんなおり海軍に入った叔父に連れられて祖先の防人たちの寂れてしまった墓を参ったことをきっかけに、自分も海の防人にと心が傾いていく。その後震災で父は負傷し、そして両親は叔父夫婦に鷹志を養子に出し、兵学校への道を開いてくれた。その思いにこたえるように鷹志は兵学校での日々を精一杯に勤めていく。そこで出会

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    2018年10月16日
  • 夏空白花

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    著者得意の甲子園もの。戦技甲子園を復活しようとする人々が描かれます。主人公の奥さんとマーカット局長の「一言」が良かった。でも、甲子園ものでは、「雲は湧き、光あふれて」の方が好き。近代東欧史ものでも「革命前夜」とか「また、桜の国で」などの傑作をものにしているので、そろそろ直木賞に届いてほしいなあ。最高傑作は流血女神伝だけどね。あれは読み継がれるべき大傑作です。

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    2018年09月08日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    戦争そのものは決して肯定はしないし、賛美するものではないが、こういった戦争(を題材とした)文学はいつまでも書き継がれていってほしい。

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    2018年08月28日
  • 夏空白花

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    ネタバレ

    戦争による高校野球の中止。終戦後に再開させたくてもなかなか目処が立たないなかなんとしてもという決意のもと動き出す神住。野球に対する強い想いと元球児としての願い。GHQの壁。困難なことがたくさんある中で日本の復興のひとつのシンボルとして野球を、それも高校野球の復活。アメリカ側とのやりとりで見えてくる日本のこれまでとこれから。野球とベースボールの違い。戦争の悲惨さと立ち直ることの難しさ、全てを受け入れて進むこと。その大変さ、苦悩、悲しみがある。だけど野球に願いを乗せて、球児に未来を見て、そしてタイトルの意味がわかるラストにある希望。とても素晴らしい物語。

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    2018年08月15日
  • 神の棘II

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    戦争中の人々と宗教との関わりの深さがよくわかりました。日本とは全く違うなー。
    歴史に残らない人々の感情を垣間見られるのは、小説のいいところだよなーと思いました。

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    2018年07月08日
  • 神の棘II

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    ネタバレ

    第二次世界大戦下のドイツ。かつて親友だった二人が、SS将校と修道士として対峙する。あまりにも重い時代。とてつもなく重いものを背負った二人。戦争の行く末を知っているだけに読み進むのがつらくて、それでも二人の生き様をなめるようにじっくり読んでしまった。後半の『神の棘Ⅱ』は戦闘の描写が多くて本当につらかった…。

    ドイツの暗い歴史とドイツ軍に興味のある人はぜったい楽しめるからぜひに!
    SS将校アルベルト・ラーセンの生き様がとにかくかっこいい!精鋭と名高い部隊を指揮し、終戦を迎えても抵抗し続け、鬼のようだったラーセンが後年部下に慕われる姿に、新撰組の土方歳三をかさねてしまった~~。かっこいい!

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    2018年07月03日
  • また、桜の国で

    購入済み

    桜は咲いただろうか

    桜は咲いただろうか。
    いや日本において散る姿が美徳とされる桜にそれを問うのは愚問かもしれない…そんな感想が残った。

    フィクションであろうが史実が本流となっており戦争を知らない世代の日本人でも「戦争を内側から観ることが出来る」貴重な作品である。ましてや難しいであろう東欧を混血の視点で描くことでそれを可能としている。

    帝国の娘から流れる須賀さんのヒューマニズムも歯切れが良く心地よい。

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    2017年12月24日
  • 雲は湧き、光あふれて

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    私達の部活でも同じことがあり、
    みんなで話し合ったことが思い出されました。

    共感出来る部分も多々あると思います。

    ぜひ読んでみてください!!

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    2017年10月14日
  • 神の棘II

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    神の棘

    Ⅰ、Ⅱ総じての感想。

    ナチスの支配するドイツにおける、マティアスとアルベルトという、ふたりの男の物語。

    かつては友と呼べる間柄だったふたりの生きざまを、想いを、この小説で追っているうちに、いつの間にか自分の中の「正義」と「信仰」に対峙することになる。

    激動の時代の中で神を信じたマティアス。
    最後まで己に従ったアルベルト。

    信じるものは、神か。己か。

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    2017年09月12日
  • また、桜の国で

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    なんとも重い読後感でした。
    冒頭、日本とポーランドのつながりを知って驚きました。
    途中から、アンジェイ・ワイダの映画「地下水道」のラストシーンを思い出して、なお辛くなってしまいました。
    それでもこの時、ポーランドという国に何が起きたのか知らなければならない。そう自分に言い聞かせて読み終えました。
    ロシア人を父に持つ棚倉眞という日本人、ポーランドのユダヤ人という、最も過酷な立場のヤン、そして、ポーランドで孤児となり、アメリカに渡ったレイ。イェジ、ハンナやマジェナ。(私はここに記して、彼らの名を留めておきたい。)彼らは、どれほど過酷な状況に陥ろうとも、今できる最善の方法を、不可能に近い決断を、幾度

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    2024年01月13日
  • 帝国の娘 上

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    正統派のファンタジー小説。

    ライトノベルだと、ギャグが入ったり
    キャラクター同士のボケツッコミに
    終始してしまいがちだけど、
    この本ではそういったラノベっぽさが
    全くないのが安心できる。

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    2017年01月04日
  • エースナンバー 雲は湧き、光あふれて

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    シリーズ2作目といえど、こちらから読んでも良さそうな一冊になっていてすばらしい。けれど前作を読んでからのほうが、あのときここではこんなことが起こっていた! というたまらない構成を楽しめるとおもう。どこをとっても爽やかで、わたしのような野球をしたことがない人間が望んでしまう、しかし絶対にあるとおもえる眩しさが凝縮されていて、軽い読み心地ながら胸に刺さる場面が多々あった。教師がとつとつと繰り返し述べるように、正解がないから高校野球はおもしろいのだろう。そして、当然のように更新される球児の力強さにも圧倒される。

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    2016年08月29日
  • 神の棘II

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    ネタバレ

    上下巻一気に読み終わってしまった。須賀しのぶらしい、骨太な作品で、読み終わったあとの充足感はひとしお。第二次大戦前から戦後にかけてのドイツの、社会や人々の生活がリアルで、映画を見ているような気分にもなった。
    修道士・マティアスと、軍人・アルベルトの軌跡をたどっていると、作者はドイツを舞台にしたかったのではなくて、『神』とはなにか、『赦し』とはなにかというテーマを描くために、この時代のドイツを選んだのではないかと思えてくる。その問いかけがはっきりと示されるのはマティアス視点の話のときだけだし、カトリックの神に問いかけを続けるマティアスとは違って、アルベルトは棄教しているし、自分の行動の結果とその

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    2016年08月23日
  • 雲は湧き、光あふれて

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    須賀しのぶさん、初めましてです。

    高校野球が好きでした。

    女子校だったので、共学校の女子が地区大会の応援に行くのを見ると、
    それはもう羨ましくて。
    あの頃の高校野球って、今よりもっと泥くさかった気がします。
    出場校も今より公立高校が多く、地元出身の選手中心だったせいか
    故郷を応援する色あいがもっと強かったような…。
    ユニフォームの着替えがなくて、勝ち進むとだんだん汚れてしまうのも、妙にカッコよく見えたりして。

    春のセンバツも、もちろん球児憧れの晴舞台。
    でも夏の甲子園は、また違う気がします。
    三年生にとっての最後の夏といったイメージが強いからかな。

    #ピンチランナー
    かたや大物天才バッ

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    2016年08月08日
  • 神の棘I

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    全面改訂ということでハードカバー版とはけっこうな違いがあるのだろうけれど、記憶が遠くて違いがいまいちわからない。ただ、マティアスとアルベルトがより近しい友となっているというのは、著者のブログで拝見した。細部の記憶がないとはいえ、初めて読んだときの衝撃といったらなく、「一生忘れない作品」になるという印象は極めて強烈だった。このⅠ巻だけでも500ページ越えではあるが、割合すいすい読めて驚いている。Ⅱ巻でもっと加速するであろうふたりの行く末を、須賀さんが文庫版ではどう描いたのか。読み終えるのが楽しみでならない。

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    2015年07月01日
  • 芙蓉千里

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    長らく積んであった本ですが、
    それを後悔してしまうほどに面白かったです!!

    舞台は、日露戦争後の満州ハルビンが舞台。
    「大陸一の売れっ子女郎になる」という夢を抱いて
    この土地にやってきた少女フミ。
    そして女郎を忌み嫌いながらも売られてしまった親友のタエ。

    フミとタエの固い友情、そして彼女達の芯の強さ…
    思わず応援したくなっちゃうんですよね~><
    「酔芙蓉」の女郎達は皆、美しく逞しくて、
    女性とはこんなにも強いものなのかと悲しくなってしまう程。

    フミが幼い頃に出会った、危険な香りのする男・山村や、
    華族出身の青年実業家・黒谷との関係もドキドキさせられます。

    女郎屋が中心となるだけに、なか

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    2014年02月16日