【感想・ネタバレ】神の棘Iのレビュー

あらすじ

家族を悲劇的に失い、神に身を捧げる修道士となった、マティアス。怜悧な頭脳を活かすため、親衛隊に入隊したアルベルト。寄宿舎で同じ時を過ごした旧友が再会したその日、二つの真の運命が目を覚ます。独裁者が招いた戦乱。ユダヤ人に襲いかかる魔手。信仰、懐疑、友愛、裏切り。ナチス政権下ドイツを舞台に、様々な男女によって織りなされる、歴史オデッセイ。全面改訂決定版。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

学生時代を共に過ごし、心通じ合った2人が不運に揉まれ、修道士とナチスの親衛隊というそれぞれの道を歩く中で再開して・・。
ドイツがナチスに支配されユダヤ人の迫害から障害者も生存を妨げられ、当初協定を結んだカトリック教会も迫害の対象になっていく。ここで抵抗するのか保身に走るのか。背景が丁寧に描かれて知識がなくてもぐいぐい引き込まれていきます。
続きがすぐに読みたい!

0
2021年08月15日

Posted by ブクログ

須賀さんの本は、以前『芙蓉千里』シリーズを夢中になって読んだのが鮮烈な印象だった。なので、書店に並んでいたこちらも購入してはいたのだが、なかなか読めずに積読状態だったのを、やっと読んだところ。

ナチス政権下のドイツを舞台に、旧知の間柄であった修道士マティアスと親衛隊情報部SDアルベルトがまみえた所から物語が動き出す。最初は慣れないドイツ名詞や教会用語やらで読みにくかったけど、アルベルトの裏切りから物語にぐいっと引き込まれ、あっという間に読んでしまった。第二次世界大戦が始まって、対照的な二人が今後どんな風に進むのかとても楽しみ。

次の巻も一緒に買っておくべきだった!早く読みたくて仕方がない!!

0
2019年07月09日

Posted by ブクログ

全面改訂ということでハードカバー版とはけっこうな違いがあるのだろうけれど、記憶が遠くて違いがいまいちわからない。ただ、マティアスとアルベルトがより近しい友となっているというのは、著者のブログで拝見した。細部の記憶がないとはいえ、初めて読んだときの衝撃といったらなく、「一生忘れない作品」になるという印象は極めて強烈だった。このⅠ巻だけでも500ページ越えではあるが、割合すいすい読めて驚いている。Ⅱ巻でもっと加速するであろうふたりの行く末を、須賀さんが文庫版ではどう描いたのか。読み終えるのが楽しみでならない。

0
2015年07月01日

Posted by ブクログ

戦争に突入し、それぞれ別の道を歩むもきっと再会する2人。

それが、
どのような場面で
どんな状況なのか

0
2023年05月03日

Posted by ブクログ

『また、桜の国で』、『革命前夜』を読みましたが、これも読み始めたら止まりませんでした。Ⅰを読み終わったばかりですが、Ⅱを読むのが本当に楽しみです。

舞台はナチス政権下のドイツ。マティアスとアルベルト、正反対のような生き方をしている二人が、ラスト、どうなるのか。
神、信仰、救い、悪、それは今の時代も変わらずある問い。それが後半どのように語られ、展開していくのか楽しみに読みたいと思います。

0
2023年03月27日

Posted by ブクログ

須賀しのぶさんは昨年からお気に入りの作家さん。本書も期待に応える読み応え。悲劇的な事件で家族を失った二人の主人公、一人は修道士の道を目指し、一人はナチスSSに身を投じる。どちらも一神教という点では同じなのかもしれない。その後も導かれるように再開し、奇跡を繰り返す物語。細かな感想はひとまず措くが、国家(本書ではナチスドイツ)や宗教(同、キリスト教)、人種(同ユダヤ人)など、個人ではどうしようもない大きな力に遭遇した時の行動、友情などについて深く考えさせられる。平和な世の中、場所であっても、常に危険の萌芽を感じられるようにしたい。

0
2019年01月06日

Posted by ブクログ

修道士となったマティアスとナチス親衛隊員となったアルベルト。ふたりの男はナチス政権下での戦乱に巻き込まれる。

ナチス、キリスト教というわたしの興味のあるものが詰め込まれたような本作を偶然知ったときは、これは読まなくてはと本屋さんへ直行。
この作家さんは知らなかったのだが、以前はライトノベルを書いておられたらしい。ライトノベルと聞くと、読みやすさが先行し妙な文章と安易な構成と思っていたため、正直に言って期待外れでがっかりさせられるかもしれないと思っていた。その心配を加速させるような漫画チックな表紙。
ところが実際に読んでみると、もともとヨーロッパ史やキリスト教に詳しいのか作品のために調べたのかはわからないけれど、心配することなど不要だったと感じるほど内容が充実していた。

ナチスによる宗教弾圧が起き、カトリックも勿論その対象であるわけで、本来ならナチス阻止に動くところを無神論である共産党勢力が増長することへの懸念からナチスと連立する。
こういう政治に流されることはキリスト教として最もあってはならないはずのことが、歴史上では起きてしまう。
この時代のキリスト教徒たちは、一体どんな思いでいただろう。

ユダヤ人迫害が始まり、自分たちの生命の危険が迫っている中、何故国外へ逃亡しなかったのだろうと思っていた。
一部のユダヤ人は国外逃亡しただろうが、金銭面の問題はなくても国内に留まった人は多かったはずだ。
その理由が本作を読みわかったような気がした。ユダヤ人の中には代々ドイツで暮らし、ドイツ語を話し、ドイツを故郷と考える自らをドイツ人と思っていた人も多かった。ユダヤの血が流れていてもドイツ人である。そんなドイツ人である自分をドイツが迫害するわけがない。そう信じていたのかもしれない。
そうではないと現実がわかったときには最早逃げる手段が無かった。
そう考えるとユダヤ人迫害の悲惨さは更に救いのないものになる。

ナチスの迫害はユダヤ人のみではなく、障害者や性的マイノリティ、一部外国人など様々な人々が対象にされた。
優秀なアーリア人の繁栄の妨げと考えられる人々は迫害される。
最近の世界の動きは、戦後多くの人々が批判したナチズムとさして変わらないのではないだろうか。
自分たちこそが至上であり、他民族、他国人は自分たちの生活を妨げるため排除する。
全く同じじゃないか。
世界がとてつもなく奇妙で恐ろしい思考で満たされていく。勿論、日本も含めて。

色々考えながら、面白く読み進む。
下巻へ。

0
2017年01月12日

Posted by ブクログ

友だちからプレゼントしてもらった小説。
ナチス時代のドイツの物語。
ナチスと教会の対立、ユダヤ人への迫害、そして親衛隊の内部。
主人公は、修道士のマティアスと、親衛隊のアルベルト。かつて旧友だった二人は、時代と共に対立する立場になる。

私はあまり歴史には明るくないので、歴史物の小説を自分で選ぶことは少ないから、読んでみていかに勉強不足かということがわかった。これまではこの時代のドイツのこと、本当にざっくりとしか認識出来てなかった。
疑問が湧いた部分はたまに調べながら読み進めたのだけど、分かりやすくこの時代ドイツで起きていたことを知れたし、骨太で為になる小説。

この先Ⅱに続いてそれで完結。
Ⅰの最後の方でナチスがポーランド侵攻を始めたという記述があって、それがきっかけで第二次世界対戦は始まったわけだから、もしかしたらⅡはさらに厳しい内容になるのかもしれない。

0
2015年08月22日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦時のナチス・ドイツとキリスト教会を背景に神父と修道士の死の真相を謎として提示するミステリー

ではあるが、時代の大きな波に翻弄されながら、自分は何をすべきかを常に問い続け行動した、親友二人の物語

であるし、第二次世界大戦下のドイツを題材とした歴史小説

ともいえる。

第二次世界大戦下のドイツ国内の状況について、これまで何かで読んだことはなく、ふむふむと思いながら、読んでしまった。読み応えのある本です。

0
2015年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読書備忘録589号。
★★★☆。
予約本がなかなか回ってこないので、カートに入れていたこいつを読み始めました。
これまでの備忘録は何冊かに分かれていてもひとつの備忘録として記してきましたが、このシステムを使う限り1冊ずつ登録せねばならない・・・。
要するにまだ2巻を読み終わっていない!笑
ナチスドイツ、NSDAP(国家社会主義ドイツ労働党)政権下においては、共産主義者の排除、反ナチス活動を展開する教会に対する取り締まり強化、そして北方アーリア人種純血主義からくるユダヤ人絶滅が進む。2人の幼馴染み、アルベルト・ラーセンはSS保安情報部の曹長、マティアス・シェルノはフランシスコ派修道士。
戦時下において、狩る側と狩られる側の物語。
ただ!Ⅰ巻ではまだそんなに動きはない。笑
なので、★3つ半。
さてⅡ巻でどう動くか!

0
2021年05月31日

シリーズ作品レビュー

「小説」ランキング