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Posted by ブクログ
須賀さんの本は、以前『芙蓉千里』シリーズを夢中になって読んだのが鮮烈な印象だった。なので、書店に並んでいたこちらも購入してはいたのだが、なかなか読めずに積読状態だったのを、やっと読んだところ。
ナチス政権下のドイツを舞台に、旧知の間柄であった修道士マティアスと親衛隊情報部SDアルベルトがまみえた所から物語が動き出す。最初は慣れないドイツ名詞や教会用語やらで読みにくかったけど、アルベルトの裏切りから物語にぐいっと引き込まれ、あっという間に読んでしまった。第二次世界大戦が始まって、対照的な二人が今後どんな風に進むのかとても楽しみ。
次の巻も一緒に買っておくべきだった!早く読みたくて仕方がない!!
Posted by ブクログ
最近優しくて軽い話ばかり読んでいたが、久々にちょっと重苦しいもの。
と言っても読み難くはない。寧ろスルスル読める。
ただ、内容が重い。
あの時代のドイツを舞台にして軽くなるわけはないが…。
アウシュビッツのシャワー室のガスが一酸化炭素だと初めて知った。
信仰を捨てることの絶望の深さについては、よく分からなかった。
焚書は前触れにすぎない。
本を焼く者は、最後に人間も焼いてしまうだろう
というハイネの戯曲の一節が出てきたが、現代の不安定な状態にも当てはまりそうで印象深かった。
ハイネ、名前だけしか知りませんが…。
どんな風に話が展開するのか、後半も非常に楽しみ。
積読だったが纏めて購入しておいて良かった。
Posted by ブクログ
修道士となったマティアスとナチス親衛隊員となったアルベルト。ふたりの男はナチス政権下での戦乱に巻き込まれる。
ナチス、キリスト教というわたしの興味のあるものが詰め込まれたような本作を偶然知ったときは、これは読まなくてはと本屋さんへ直行。
この作家さんは知らなかったのだが、以前はライトノベルを書いておられたらしい。ライトノベルと聞くと、読みやすさが先行し妙な文章と安易な構成と思っていたため、正直に言って期待外れでがっかりさせられるかもしれないと思っていた。その心配を加速させるような漫画チックな表紙。
ところが実際に読んでみると、もともとヨーロッパ史やキリスト教に詳しいのか作品のために調べたのかはわからないけれど、心配することなど不要だったと感じるほど内容が充実していた。
ナチスによる宗教弾圧が起き、カトリックも勿論その対象であるわけで、本来ならナチス阻止に動くところを無神論である共産党勢力が増長することへの懸念からナチスと連立する。
こういう政治に流されることはキリスト教として最もあってはならないはずのことが、歴史上では起きてしまう。
この時代のキリスト教徒たちは、一体どんな思いでいただろう。
ユダヤ人迫害が始まり、自分たちの生命の危険が迫っている中、何故国外へ逃亡しなかったのだろうと思っていた。
一部のユダヤ人は国外逃亡しただろうが、金銭面の問題はなくても国内に留まった人は多かったはずだ。
その理由が本作を読みわかったような気がした。ユダヤ人の中には代々ドイツで暮らし、ドイツ語を話し、ドイツを故郷と考える自らをドイツ人と思っていた人も多かった。ユダヤの血が流れていてもドイツ人である。そんなドイツ人である自分をドイツが迫害するわけがない。そう信じていたのかもしれない。
そうではないと現実がわかったときには最早逃げる手段が無かった。
そう考えるとユダヤ人迫害の悲惨さは更に救いのないものになる。
ナチスの迫害はユダヤ人のみではなく、障害者や性的マイノリティ、一部外国人など様々な人々が対象にされた。
優秀なアーリア人の繁栄の妨げと考えられる人々は迫害される。
最近の世界の動きは、戦後多くの人々が批判したナチズムとさして変わらないのではないだろうか。
自分たちこそが至上であり、他民族、他国人は自分たちの生活を妨げるため排除する。
全く同じじゃないか。
世界がとてつもなく奇妙で恐ろしい思考で満たされていく。勿論、日本も含めて。
色々考えながら、面白く読み進む。
下巻へ。
Posted by ブクログ
友だちからプレゼントしてもらった小説。
ナチス時代のドイツの物語。
ナチスと教会の対立、ユダヤ人への迫害、そして親衛隊の内部。
主人公は、修道士のマティアスと、親衛隊のアルベルト。かつて旧友だった二人は、時代と共に対立する立場になる。
私はあまり歴史には明るくないので、歴史物の小説を自分で選ぶことは少ないから、読んでみていかに勉強不足かということがわかった。これまではこの時代のドイツのこと、本当にざっくりとしか認識出来てなかった。
疑問が湧いた部分はたまに調べながら読み進めたのだけど、分かりやすくこの時代ドイツで起きていたことを知れたし、骨太で為になる小説。
この先Ⅱに続いてそれで完結。
Ⅰの最後の方でナチスがポーランド侵攻を始めたという記述があって、それがきっかけで第二次世界対戦は始まったわけだから、もしかしたらⅡはさらに厳しい内容になるのかもしれない。
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