須賀しのぶのレビュー一覧

  • 革命前夜

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    こんなに重厚な物語を日本人作家の作品で読めるなんて思ってもおらず、本当に感嘆した。
    芸術、歴史、社会、人間性について、時に青春小説に、時にサスペンス小説に変容しながら、ずっとワクワクして読めた。
    主題がいくつもありつつ、全てが絡み合いながらクライマックスまで盛り上がり続ける恐るべき筆力。
    いくつか主人公のモノローグをスマホで撮影してみたけど、どれも社会と人生に対する重要な問いかけで、簡単に答えは出そうにない。
    作者の他の作品も読みます!

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    2025年02月10日
  • また、桜の国で

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    私が今所属しているコミュニティに中国から来た留学生くんが居て、短いあいだ雑談できる機会があったので中国の歴史の授業で最重要視されている事件は何かと聞いてみたら南京大虐殺だと答えてくれた。日本の歴史の授業では南京事件、と教わる日本兵が数ヶ月にわたって30万人の中国人を虐殺した事件だった。また、日本で戦争の話はしないようにしている、と言っていて、異国の地で生活する中での苦労と配慮が伺えた。
    敗戦国側の歴史は異国の地では語られない。ただその国は失われた兵士や市民の命の重みを忘れることがないように、自国の中でその歴史を語り継ぐのだと思う。私達は真実を知るために、敬意と配慮を持ってそれらに向き合って

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    2025年02月03日
  • 永遠の曠野 芙蓉千里IV

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    タイトルの「永遠の曠野」の意味がとてもよく分かった。ぶっ続けで読んでしまうほど、魅力的で吸引力のあるお話だった。読めてよかった!

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    2025年01月10日
  • 北の舞姫 芙蓉千里II

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    ネタバレ

    どうして〜〜!!私なら絶対黒谷さんを選ぶのに… でも、黒谷さん、遅すぎたよなぁ。煮え切らない男は機を逃すよなぁ。結局彼はどこまでもお坊ちゃんで青い文学青年だった。折角覚悟を決めたけど、一歩遅かった!
    追いかけていく先でどうなるのか、続きが気になります。

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    2025年01月07日
  • 荒城に白百合ありて

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    これを読んでいるときちょうど大河ドラマの「篤姫」の再放送を録画してたのを観てたので、時代背景がかぶりよくわかった。
    普通のラブストーリーでも歴史小説でもなかった。
    読み終わって、私がこの時代の会津に生まれてたらどうだったかな?とか考えしまう。
    やはり幕末の激動の荒波に飲み込まれてただろうか?
    おかしい、間違ってると疑問を持てただろうか?
    また今という時代に今私は流されてるところもあるのだろうか?

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    2024年12月20日
  • 帝国の娘 上

    H

    購入済み

    上下を一気に2日で読みました。面白かったです。少女カリエが攫われて身代わりとなり、活躍する話です。
    ライトノベル(コバルト文庫)の「流血女神伝」からとのことを読後に知りました。ライトノベルと小説・文芸の差がなにか解らなくなりました。

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    2024年10月21日
  • 革命前夜

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    ネタバレ

     89年ドレスデンを中心に物語は進む。日本人音大生主人公と彼を取りまく共産圏留学生達の織りなす音色の色彩的な描写が印象的。一方で東独の街の色は決まって灰色。戦後復興が進む西側とは対照的に「ドレスデン爆撃」の傷跡が所々生々しく残っている。その重苦しさの中にシュタージを象徴とする監視社会が暗い影を落とす。それでも時代は89年。民主化という時代の流れに希望を見出しつつも、祖国を失いたくない東の人々の葛藤や主人公の心情変化が推しポイント。
     登場人物全員に時代特有の背景や葛藤が垣間見える点も綿密な研究の跡を感じる。それでいてスカッと騙されるラストは鳥肌もの。
    読み終わったときに、しばらく他の情報は取り

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    2024年10月05日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    武勇を語らず、かと言って、人道を主人公に体現させることもなく、ヒーロー像を描かず、戦争を美化せず、その運命を笑わず、骨太に敗北の受け入れを描く物語で、とてもよかった。

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    2024年09月15日
  • 神の棘II

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    2巻を通して、読み進めることがしんどいシーンも沢山あったけど読んで本当に良かった。
    あの時代に本当に彼らのように生きた人がどこかにいたのだと思わされた。
    最後の2人が対話するシーンはずっと忘れられないと思う。

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    2024年09月01日
  • 雲は湧き、光あふれて

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    以前手に入れてそのままだったのですが、ふと気が向いて、今年の夏中に読み切ろうという目標で読み始め、無事達成。
    特に表題作の『雲は湧き、光あふれて』が一番心に刺さりました。今年の選手宣誓で智弁和歌山の辻主将が言った言葉を思い出し、思わず涙しました。

    「僕たちには夢があります。この先の100年も、ここ甲子園が聖地であり続けること。そして、僕たち球児の憧れの地であり続けることです」

    今年はちょうど甲子園100周年。たまたまではありますが、そんな大きな節目の年に、この本を読めて良かったです。

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    2024年08月27日
  • 夏空白花

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    戦後日本の高校野球の復興に向けて奔走する朝日新聞記者の話。一昔前までは打倒米英、これからは平和と国のスタンスが大きく変化し、それに合わせて新聞社も変化する。また、主人公自身も同じように野球に対する考え方も大きく変化し、そしていい大人になっても、人としてまた学ぶ様を描いている。

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    2024年08月08日
  • 夏空白花

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    高校野球好きな人は楽しめるはず。私もそう。辛い時期を経て再起をかけて動いた人たち。久々に本を読んで胸が熱くなった。

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    2024年07月13日
  • マウンドの神様

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    荻原浩さん、早見和真さんの出来れば物語で読んで見たかった。好きな作家ばかりで 特別感のある短編小説で得した気分

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    2024年06月04日
  • エースナンバー 雲は湧き、光あふれて

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    第一作目の短編がそれぞれ単独の話だと思ったら、第二作で繋がっていました。

    三ツ木高校の甲子園への挑戦が始まりました。
    面白い。

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    2024年05月28日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    久しぶりに戦時物を読んだ気がする
    かなり面白かったです
    須賀しのぶさんの本はこれで5冊目だけど
    すべて4点以上にしてた
    個人的に5冊以上読んで4点以上だった作家さんは他にいない
    文章が上手いし飽きさせない

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    2024年05月27日
  • 流血女神伝 喪の女王8

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    とっても長かった!でも完結まで書いてくれてありがとうございます。波乱に満ちた主人公の平和なオチを読むことができて安心しました笑。長い長い旅路で成長していく主人公で、気持ちのいい性格をしていて読みやすかったです。
    最後に彼とくっついてくれて読者として嬉しかったです。その後の同人誌も速攻で買うほどハマったシリーズでした。

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    2024年04月12日
  • 革命前夜

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    数年前に読み、その時は普通に「あー面白かった」という感想。
    しかしずっと私の心の奥にじんわり残る作品です。
    買い戻して再度読みたい本です!


    買い戻して読みました!
    やっぱり素晴らしい作品です。
    もう、何というか読後感がすごい…
    きっとまた読みたくなるので、今度こそ本棚に保存します。2025.2.18

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    2025年02月18日
  • また、桜の国で

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    ポーランドに連れて行ってほしいと思って読みはじめた。戦争の時に連れて行かれて、頭が疲れるほど、答えのでないことを考えた。読んで良かった。

    後半、たたみかけるような進み方は心を掴んで本から離れられなくなる。『革命前夜』の時も。

    人としての痛みを知るからこそ、同情でない形で人に寄り添えるのだなと感じた。

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    2024年03月01日
  • 永遠の曠野 芙蓉千里IV

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    芙蓉千里シリーズの最終巻、読み終わりました!
    すっごく面白くて、中盤は涙が…。
    最終的にはとても幸せに溢れた終わり方で、後味が凄く良かった。

    でも、まさかあの人が…という驚きは凄くあります(笑)けど、そんな展開も、らしくて好き。

    3、4巻目になると、なんかもう、少女大河ロマンらしく歴史感が濃厚になってきます。

    この辺、歴史小説読んでる感じ。

    とにかくフミが強く逞しく、本当惚れ惚れしちゃう。かっこいいなぁ。
    男たちも男っぷりをあげ、なんか読んでていろんな人の成長を感じた(笑)

    まあとにかく、面白かったです。

    ストーリーもさる事ながら、文章立てやタイトルの付け方にとてもセンスを感じる本

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    2024年01月31日
  • また、桜の国で

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     長編で、歴史が苦手な私には難しそうだとなかなか手が出なかったこの本、読み出せば直ぐに夢中になり、あっという間だった。
    学校の歴史の時間にその言葉が出てきたとだけは覚えている「ワルシャワ蜂起」。このワードにこんな大切な深い事実があったとは…。何も知らずにいたことに唖然とした。

    そして、よく耳にするショパンの『革命のエチュード』。ショパンがポーランドの人々にとってどれほど大切なのかも知ることができた。

    自国を、そして、外国を、今まで知らなかった歴史を少し知るだけでも見る目が、想いが変わってくる。ガラッと変わる価値観に、少し恐怖も感じる。それにしてもなんと上っ面の雰囲気だけで外国を見て、そして

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    2024年01月19日