須賀しのぶのレビュー一覧

  • 革命前夜

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    ベルリンの壁が崩れる(統合)される前の話。日本でいうと昭和から平成へ変わった時。私は昭和生まれなので、もちろんこの時代もうっすらと覚えている。
    音楽(クラシック)、戦争、スパイ、差別。
    日本にいてはわかることのない国境。たった一枚の壁が隔てる違い。
    そしてやはりこの作品で感じる国境を超える音楽の力。
    「君たちが自由な言葉を封じても、音楽をこの国から消すことはきでなかった。そして本物の音楽は必ず、人々の中に眠る言葉をよみがえらせる。」

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    2025年09月20日
  • 夏の祈りは(新潮文庫)

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    読む前に思ってた話と全然違った!でもめちゃくちゃ良かった〜。まさか一つの公立高校野球部を舞台にした、何十年以上もの部活の歴史を目にするだなんて思ってなかった。解説を読んで、1話スパンが10年くらいだと認識したけど、プロになれなくたって、高校で積み上げたものはずっと続いていくんだなあというのが断片から読み取れたのがなんだか嬉しかった。1話目の彼が、監督として戻ってきているのが熱くてよかった。いいものを読んだ。

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    2025年09月19日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    豪華作家陣が想像力と食欲を刺激する、新世紀のごはん小説。
    日常SFから遠未来SFまで8編を収録。


    「人類と食」にまつわるSF小説アンソロジーです。

    「食」は人間が生きるうえで欠かせない大切なもの。生きるのに不可欠……というだけでなく、いつしかそれは娯楽となり、美食を求め奇食を追い、飽食に飽き、ある種の歪さを孕んでいるようにも感じる昨今。食のポジティブな面だけではない部分に目を向けた一冊。
    具体的に言えばディストピア飯やオルタナティブフードなどをテーマに扱ったものが多いです
    美味しいものが大好きな私としては、こんな未来が来ないことを祈るばかり。

    個人的に好きだった話は、『E・ルイスがいた

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    2025年09月07日
  • 荒城に白百合ありて

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    ネタバレ

    会津と薩摩とを見たら、それとなく主人公二人の結末を予想できるが……。

    本書は、会津戦争の前夜に、鏡子が自刃しようとする間際に一通の手紙が届いたことから始まる。それを機に過去の話が時系列順に展開される。読者はこの時点で、言うまでもなく手紙の内容をまだ知らない。話が残り10%ほどの終盤になってから初めてその謎が明らかになる。

    物語は会津女子・鏡子と薩摩武士・伊織の視点を交互に描いて進んでいる。一方、登場人物たちが三人称の語り手によって時代のなかに置かれているようなイメージもあり、幕末の歴史を少しでも知ったほうが物語に入りやすいかもしれない。

    とはいうものの、主人公二人の性格は時代の熱狂と一線

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    2025年09月06日
  • 革命前夜

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    ネタバレ

    ベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ、そしてクラシック音楽と、関心のある設定だったにも関わらず、読み始めはなかなか乗りきらず、断念しようかと何度も考えた。
    序盤で主人公が「もともとラフマニノフはあまり好きではない」(P22)と、好きではない理由も含めて述べていてしょんぼりしてしまったというのもあるかもしれない。
    自分の一番好きな作曲家について、そんなふうに言われるとは思っていなかったので……。

    「第三章:監視者」のあたりから没頭できるようになり、特にピクニック事件あたりの展開にはハラハラさせられながら壁崩壊の瞬間を楽しみにしていたが、正直、これで終わり!?というラストだった。
    『革命前夜』というタ

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    2025年07月20日
  • 革命前夜

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    読書苦手な私が、物語の世界に惹き込まれた。
    東西ドイツの複雑な状況、それに伴った人間関係、音楽に対して真摯に向き合う若者たちの描写が描かれていて、少し難しかったけどとても面白かった。

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    2025年07月19日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    600ページを超える長編
    最初の100ページ導入部分は読みづらかったけど、そこをぬけると先が気になり、どんどん読み進めることができた。
    近代史に関心がある人であれば、もっと読みやすいのだろうと思った。

    夏になり8月が近づくと祖父母の被爆体験を思い出し胸がきゅーとなるものだけれど、軍隊に所属し生き延びた祖父の人生はどんなものだったのだろう?とこの本を読んでさらに想いをはせた。

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    2025年06月26日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    SF×食卓の短編集。

    個人的にいちばん好きだったのは
    やっぱり竹岡さんの「E・ルイスがいた頃」
    だったけれど、
    テーマ的にもいちばん合っていておもしろいと思ったのは
    須賀しのぶさんの「しあわせのパン」

    そして新井素子さんはさすがのトリ。
    タイムリーなテーマでしっかり読ませてくれる。

    ぎゅっ

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    2025年06月13日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    8人の作家による SFごはんアンソロジー
    いろいろな時と場所のごはん
    ごはん 生きるために必要なもの
    生きていく楽しみになるもの
    サプリだけで栄養を摂るのは 嫌だな
    やっぱり 美味しいと感じながら食べたいな

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    2025年06月11日
  • 革命前夜

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     いい意味で裏切られた。実は本屋で惹かれて買ったはいいものの、少し読みかけて音楽の専門的なワードに面食らい、かなり長い間積読してた(下手すりゃ5年近く)。
     久々に読み進めてみると(もちろん初めから)、これはおもしろい!自分がもっと音楽に詳しければ…と悔しい気持ちもあるが、そうでなくても十分楽しめる作品。逆に言うと音楽詳しい人からしたらたまらんと思う。
     ベルリンの壁崩壊直前のドイツの社会情勢などが細かく描かれており、まだまだ知らないことがたくさんあるなと改めて気付かされる。ストーリー展開も後半怒涛のミステリー的展開で飽きさせない。個人的にはスレイニェットのピアノが聴いてみたくなった。曲名がよ

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    2025年06月08日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    SFと食事に関するテーマアンソロジー。どことなく漂うデストピア感と失われていく料理という文化。アンソロジーなので色々な切り口があって面白い。無駄も多いけど、多彩な料理文化が維持されていくといいなぁとか思います。
    1つだけ気になった。テーマアンソロジーに既存作品の番外編を持ち込むのはちょっとどうなんでしょうね。

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    2025年05月19日
  • 革命前夜

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    ネタバレ

    好きな曲とたまたま同じ題名で表紙に引かれ買ってみた。最初は少し難しい話なのかと期待していたものの宗教的な考えや今を考えさせられるような日本の外の様子がとても細かくそしてリアルに書かれていて少し見くびったなと感じた。少し残念だと感じてしまったのは恋愛要素だと思う。国境を越えてだの世界平和だの示唆しているのかは知らないがやはり女と男なのだと嫌気がさす。私的な理由だがそれも含めて星4の価値はあるだろう。過去の話を見るのはとても好きなので面白かった。

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    2025年05月16日
  • 革命前夜

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    音楽系の小難しい話かと思ってたら、西東ドイツのもっとややこしい話。しかし、思ったよりも読みやすく、主人公よりも周りの人々が魅力的で読み進められた。
    最後は意外な展開ではあったけど、読み応えがあり満足。この作者の小説ははじめてだったけど、他にも作品も是非読んでみたい。

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    2025年05月12日
  • すばらしき新式食 SFごはんアンソロジー

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    SF世界に出てくる「食事」にスポットを当てたアンソロジー。SFの中に出てくるご飯はどれも味気ないイメージだったけど、本当にその通りで(笑)、そこから繰り広げられるドラマだったり広がりや人との繋がりなども感じられて面白かった。 個人的には「E・ルイスがいた頃」(竹岡葉月)が好き。暖かい気持ちになれる。 「美味しい囚人飯」(椹野道流)は本編も読みたくなった。

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    2025年05月06日
  • また、桜の国で

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    事実にフィクションを織り交ぜる作品は、どうしてもフィクションの主人公に感情移入してしまうので、感想が感情的になってしまい、史実をどちらかに偏った見方になってしまう。
    片方では被害者だが、片方では加害者ということを忘れずにいないと。
    けっこう名言が散りばめられてましたよね。

    戦前になりつつある今の状況下、国家とはと考えさせられる1冊でした。

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    2025年05月04日
  • 革命前夜

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    ・音楽描写の言葉が豊富すぎて著者の方がピアノ経験ないことに驚愕。
    ・後半急にドラマチックになったのは驚いた。でも、そのお陰で読みやすかった。

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    2025年04月20日
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)

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    戦争もの、特に太平洋戦争ものは辛すぎて苦手なのですが、流石須賀しのぶ!重いテーマでも、「ちゃんと重い内容のまま」なのに、物語の世界に引き摺り込まれて、最後までページを捲る手が止まりません。
    ストーリーテリングとキャラの立て方が一級すぎます!

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    2025年03月25日
  • 革命前夜

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    クラシック音楽のことは何も知らないが、音楽に対する言葉による表現が凄まじくて読みながら音が聞こえてきた。
    当時の東ドイツの人々の想い、そこから生まれる音楽、そして人間ドラマ、これらをエンタメとして読める大傑作。

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    2025年03月06日
  • 雲は湧き、光あふれて

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    高校野球をテーマに甲子園を目指す者たちの物語。
    高校球児でなくとも夢を持って取り組んだ経験のある人なら、感じるものがあると思う。
    決してキラキラしたものだけではない強い想い。綺麗事ではないからこそ心に沁みる。

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    2025年01月21日
  • 雲は湧き、光あふれて

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    戦時中に甲子園を目指す野球少年達の話が一番好き。最後の終わり方も綺麗でぼろぼろ泣いた。
    作者、どこか冷めてるように見えて実は熱い人好きなのかな。何となくそういう人がキーパーソンになってる気がする。わたしもすきだよって思って読んでた。

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    2025年01月11日