須賀しのぶのレビュー一覧
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幕末の会津藩が好きなので読みました。
会津藩士の娘と薩摩隼人
幕末という時代、結ばれることの許されない関係にある2人が出会い、自分たちが周りとは別のいきものであることに気付き、知らず知らずのうちに互いを求めてしまう。
最期まで御家訓の呪いに縛られて滅びゆく会津を悟る鏡子と、新時代へと向かう薩摩の中でその熱に最期まで染まれなかった伊織がどちらも悲しくて美しかったです。
ただの切ないラブストーリーじゃないもっと重くて怖さみたいなものを感じた、とても読み応えのある作品。
結末をハッピーエンドと言えるかはわからないけれどあの終わり方が私はとても好きです -
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時は昭和から平成になる頃。
ピアノを学ぶため、柊史は東ドイツの音大に留学をする。
大学では様々なルーツを持つ学生たちが、それぞれの音楽を追求していた。
自身の音楽を見失い始めた柊史は、教会でオルガンを弾くクリスタと出会う。
分断された東ドイツ・西ドイツの狭間でその流れに巻き込まれながらも、柊史は自身の理想とする音楽を追い求めていく。
そして流れに巻き込まれていくのは、柊史の周りの音楽家たちもまた同じだった。
自分はクラシックのこともドイツのことも全く詳しくないため、正直読みにくさは感じた。
けれども、主人公柊史をはじめとする皆の音楽への熱量や、東ドイツの閉鎖的で緊張感が漂う雰囲気が伝わり、圧 -
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1989年の旧東ドイツ。11月9日のベルリンの壁崩壊までの怒涛の東ドイツを描く。
この頃の日本はバブル真っ只中。バッハの音楽を追求したく、喧噪から逃れるように東ドイツへやってきた日本人音楽留学生が主人公である。
バッハの聖地でバッハに集中したかった眞山だが、大きな時代の転換のうねりの中、いつしか巻き込まれていく。密告や監視の恐怖に怯えながらも音楽に対峙し続け、人間的に成長していく姿が頼もしい。
この小説、クラシック音楽が好きな人にはたまらないと思う!特にバッハ好きには。ライプツィヒとか聖地巡礼の疑似体験をさせてもらえる。いやほんと、あの辺りの教会でオルガン曲聞きたくなる~
私の数少ない -
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豪華作家陣が想像力と食欲を刺激する、新世紀のごはん小説。
日常SFから遠未来SFまで8編を収録。
「人類と食」にまつわるSF小説アンソロジーです。
「食」は人間が生きるうえで欠かせない大切なもの。生きるのに不可欠……というだけでなく、いつしかそれは娯楽となり、美食を求め奇食を追い、飽食に飽き、ある種の歪さを孕んでいるようにも感じる昨今。食のポジティブな面だけではない部分に目を向けた一冊。
具体的に言えばディストピア飯やオルタナティブフードなどをテーマに扱ったものが多いです
美味しいものが大好きな私としては、こんな未来が来ないことを祈るばかり。
個人的に好きだった話は、『E・ルイスがいた -
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ネタバレ会津と薩摩とを見たら、それとなく主人公二人の結末を予想できるが……。
本書は、会津戦争の前夜に、鏡子が自刃しようとする間際に一通の手紙が届いたことから始まる。それを機に過去の話が時系列順に展開される。読者はこの時点で、言うまでもなく手紙の内容をまだ知らない。話が残り10%ほどの終盤になってから初めてその謎が明らかになる。
物語は会津女子・鏡子と薩摩武士・伊織の視点を交互に描いて進んでいる。一方、登場人物たちが三人称の語り手によって時代のなかに置かれているようなイメージもあり、幕末の歴史を少しでも知ったほうが物語に入りやすいかもしれない。
とはいうものの、主人公二人の性格は時代の熱狂と一線 -
Posted by ブクログ
ネタバレベルリンの壁崩壊直前の東ドイツ、そしてクラシック音楽と、関心のある設定だったにも関わらず、読み始めはなかなか乗りきらず、断念しようかと何度も考えた。
序盤で主人公が「もともとラフマニノフはあまり好きではない」(P22)と、好きではない理由も含めて述べていてしょんぼりしてしまったというのもあるかもしれない。
自分の一番好きな作曲家について、そんなふうに言われるとは思っていなかったので……。
「第三章:監視者」のあたりから没頭できるようになり、特にピクニック事件あたりの展開にはハラハラさせられながら壁崩壊の瞬間を楽しみにしていたが、正直、これで終わり!?というラストだった。
『革命前夜』というタ -
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