須賀しのぶのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
<2巻までのネタバレを含みます>
小説を読んでこれだけ笑わせられたのも久々かもしれない。とにかく面白さ抜群のタイトル!読んでいる途中のわくわく感、そして読み終わった後の突き抜けるような爽快感は、本編が暗く絶望的な雰囲気に満ちたものであるがゆえに、かえっていっそう感慨深い思いを読者にもたらしてくれる。
正直、須賀先生の作品は流血女神伝しか読んだことのなかった私は、この2冊を読み終えた際「何だ…須賀先生ってコメディもめちゃめちゃ書けるんじゃん…」と拍子抜けするやら感動するやら――もちろん、本編のあの政治色に満ちた重厚なカラ―も好きなのだが、本編でもちょこちょこ差し挟まれるギャグシーンにいちいちウ -
Posted by ブクログ
<後編までのネタバレを含みます>
とにかく陰惨な話。途中細かなギャグシーンがないではないが、物語全体を覆うおどろおどろしさのようなものはシリーズ中でも断トツ。流血女神を奉じる秘境の集落ザカールを中心に話が展開するためか。何と言うか、巻数が進むにつれてどんどん救いがなくなっていくような気がする。特に後編最後の一文などは本当に心が折れる。今まで散々辛い出来事が起きて、戦いがあって、殺戮があって、それでもようやく話は終息に向かっている、これで安心できると思っていたら「あれ」だもの。思わず「嗚呼…」と、ため息とも悲嘆ともいえる声が漏れてしまった。前編表紙の幸せそうなカリエとバルアンの笑顔を見るにつけ -
Posted by ブクログ
<後編までのネタバレを含みます>
ひょっとするとシリーズ中では一番好きな作品かもしれない。初めは(一応物語の流れとして読んでおかないといけないタイトルに指定されてはいるものの)前作で脇役だったラクリゼとサルベーンの過去の話かー、個人的には早く次の『暗き神の鎖』に行きたいんだけどなぁ、と若干気乗りしないまま読み始めたのが嘘のように引き込まれてしまった。どうしてだろう、大勢の登場人物が入れ替わり立ち替わりピンチに遭って、悲しむ間もなく次の試練があって……という感じで、どうしてもせわしい印象の抜けなかった前の二作品と比べ、この『女神の花嫁』はラクリゼとサルベーンというたった二人の男女に焦点を当てて -
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Posted by ブクログ
ただの学園モノかと思いきや、そこは須賀しのぶ、みるみるうちに主人公がヘビーな世界へと放り込まれていきました。
今回のお話もソーゼツだわ。
初めて須賀さんの小説を読んだのは確か「キル・ゾーン」の時で、それからずっと読み続けているんですが、私的に外れのない作家さんの一人です。
今回もね〜、陽菜がハバにされる件とか、すごくこう…酸っぱい気持ちになりました。
よくわかるんだわ、こういう状況の各々の気持ちがさぁ。
にしても今シリーズの主役である陽菜、好きになりかけていた自分に好意的な男の子が実は彼女の能力目当てに近付いてきただけだったり、継母と知っていつつも育ての母として心を開きかけていた人が実は -
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Posted by ブクログ
最近、久しぶりに読み返しました。
最初は中学生の頃リアルタイムで読んでたので、特に不思議に思わなかったのですが、この表紙がコバルトのコーナーに積んである光景を想像すると、ちょっと面白いなあと今更思いました。
絶対浮いていたのだろうと思います。この色彩といい、シチュエーションといい、タイトルといい…。
軍隊とか陰謀とか、少女小説ではあまり扱わないジャンルですよね。
当時は根の暗い子供だったので、のめりこんでかなり影響を受けましたが、なかなかテーマが根本的で重たくて、歳をとった今でも読み始めると真剣に読んでしまいます。
戦場が舞台ですが、基本的には人間の内面を主題にした、やはり少女向け小説だと思 -
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Posted by ブクログ
紅の豚的世界です。
テーマソングは、Love PsychedelicoのHappiness。
ピロシキのシーンから、ずっとバックにかけてエンドロールに使って欲しい。
ちょっとネタバレ↓
ピロシキのラストシーンは映画のように鮮やかな表現でした。
てか、あまりに読んだのが昔でそれくらいしか印象に残ってry
いやしかし、目に焼き付いて離れないのです。須賀先生、お見事。
以上ネタバレ↑
日本にとって、明治以降の大戦は悲劇でしかない。
でも、他の国にとっては、
国民的英雄が何人も誕生したいわば”戦国時代”
に相当するのかもしれない、ということ。
(日本人はこれを責められない。
なぜなら、日本人は