流血女神伝 暗き神の鎖(前編)

流血女神伝 暗き神の鎖(前編)

ラノベ
605円 (税込)

3pt

3.8

カリエがバルアンの正妃(マヤラータ)となって1年が過ぎようとしていた。いまだ懐妊の気配はないというところへ、バルアンの妃妾(シャーミア)でもある親友のナイヤが身ごもったとの報せを聞く。ナイヤを祝福しながらも、複雑な思いにとらわれるカリエ。そんな時、彼女はバルアンから聖なる山オラエン・ヤムに一緒に登ろうと誘われる。頂上めざしてふたりで旅する中、バルアンは意外な思惑をカリエに告げるのであった……。

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流血女神伝 の一覧

1~25巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~25件目 / 25件
  • 流血女神伝 帝国の娘 前編
    605円 (税込)
    カリエ、14歳。彼女は、ルトヴィア帝国の国境にほど近い小さな山村の漁師の家に育った。ある冬の日、カリエは、いつもは女の身で狩りに出ることを快く思っていない父親に、珍しく「狩りに行け」と命じられた。吹雪の森の中、獲物を求め歩いていたカリエの前に突然現れたエディアルドと名乗る貴族風の男。「おまえを迎えに来た」――気を失わされたカリエが攫われていった場所というのは…!?
  • 流血女神伝 帝国の娘 後編
    605円 (税込)
    重い病に臥せっている皇子アルゼウスの影武者にさせられたカリエ。彼女は帝国の皇位継承者としての教育を受けるべく、カデーレ宮殿に入ることになった。彼女を待っていたのは選帝のライバルとなる、ドミトリアス、イレシオン、ミューカレウスの3人の皇子。特に歳の近いミューカレウスの言動は挑発的で、何かにつけてカリエにからみ、ついには決闘をする羽目になってしまうのだが…。
  • 流血女神伝 砂の覇王1
    605円 (税込)
    カリエがエディアルドとともにカデーレの森から脱出して半月が経った。薄暮のなか、その日の目的地の途中にある村に辿り着いた頃、エディアルドの高熱に気がついたカリエ。2人は、宿をその村で求めようとしたが、訪ねる家々で冷たく断られてしまう。途方に暮れるカリエ。そこに1人の男が現れ、自分の家に来てもいいと言う。しかし一夜を過ごすことになったその家には、恐ろしい罠があった。
  • 流血女神伝 砂の覇王2
    605円 (税込)
    奴隷として砂漠の国エティカヤに連れてこられたカリエ。ひととおりの教育を受けた後、バルアン王子への献上品として、後宮にあがることになる。そこでは、王子の「妃妾(シャーミア)」になるために多くの女たちが激しい火花を散らしており、カリエもライバルのサジェに負けたくない一心で「妃妾」の座をめざすのだが…。一方、同じ奴隷としてカリエと離れ離れになったエディアルドの安否は!?
  • 流血女神伝 砂の覇王3
    605円 (税込)
    サジェ――妃妾(シャーミア)ギュイハムに毒を盛ったという理由で再び投獄されたカリエ。処刑を前に王子バルアンに直訴する機会を得たのだが、バルアンは、カリエの話などろくに聞かず、それどころか、エディアルドとの密通の疑いを調べるために、カリエを抱こうとする!! 鳥肌をたてるほど抵抗するカリエ。冤罪を証明し、処刑を免れるためには、カリエはバルアンを受け入れるしかないのだが……!?
  • 流血女神伝 砂の覇王4
    605円 (税込)
    女の身でありながら、小姓としてバルアンに仕えることになったカリエ。彼女は、ドミトリアス皇子の戴冠式とグラーシカ王女との婚礼に出席するため、タイアークへ向かうバルアンに同行することにもなる。その出発を数日後に控えたある朝、恒例の散歩の途中で、カリエはエディアルドとしばらくぶりに再会する。その時、彼の不審な態度に訝りつつも、カリエの身体に思いがけない変調が……!?
  • 流血女神伝 砂の覇王5
    605円 (税込)
    ドミトリアスの戴冠式で、亡国・ギウタ最後の皇女と同じ、カザリナの名で、バルアン王子の正妃(マヤラータ)として披露されたカリエ。晩餐会にも出席したカリエは、同席したヨギナ総督・シャイハンに、その素性を追及されてしまう。その場は乗り切ったが、会の後、別室に現れたサルベーンによる、聞き覚えのない言語での語りかけに、カリエは一瞬、真っ白になる。そして、彼女の口から出た答えとは……!?
  • 流血女神伝 砂の覇王6
    605円 (税込)
    クアヒナの港から海路でリトアへ向かったバルアンとカリエの船は、海賊船に襲われた。船倉に放り込まれ、ひどい船酔いで気を失ったカリエが目を覚ましたのは、最初の船とは別の大きな船の中だった。そして現れたのは、ラクリゼとエティカヤの大海賊・トルハーン! ラクリゼは、トルハーンと接触し、彼のもとにバルアンたちを送り届けるように命じられていたという。いったい何のために――!?
  • 流血女神伝 砂の覇王7
    605円 (税込)
    海賊王トルハーンと天才指揮官ギアスの激しい戦闘に巻き込まれたカリエ。狙撃手として敵の提督を銃で撃ったものの、自らも肩に銃弾を受け、海に落ちてしまう。傷の痛みと水の冷たさで意識が遠のく中、なんと敵の旗艦に救助されるという強運に恵まれるカリエだったが、呼吸は止まりかけ、体はぴくりとも動かない瀕死の状態に。それを知ったトルハーンとバルアンはある決断を迫られるが!?
  • 流血女神伝 砂の覇王8
    605円 (税込)
    ドミトリアスの皇妃となるか、はたまたミューカレウスに輿入れか――。カリエの結婚問題がロゴナにおける最大の関心事とのある中、ある日、突然彼女はロゴナ宮を離れ、先帝の住まうコーフィリア宮に連れていかされた。その夜、カリエのもとに訪れた一人の客人。なんとそれは、『炎の貴妃(ラハジル)』ビアンだった!! そして、告げられた衝撃の事実に、カリエが自らの進むべき道として下した決断とは!?
  • 流血女神伝 砂の覇王9
    605円 (税込)
    わたしは、シャイハンを殺すためにヨギナに来たのだ。――それは、バルアンの妻として何をすべきかと考えた末、出した結論だった。バルアンの野望を叶えるということは、シャイハンの死を望むということ。だが、思いがけずに優しく紳士的なシャイハンの人柄に惹かれ、カリエの心は揺れ動く。しかし、バルアンとシャイハンの対決の時は刻々と迫っている。はたして、エティカヤの運命は!?
  • 流血女神伝 女神の花嫁(前編)
    605円 (税込)
    女神の定めにより、ザカールの長老(クナム)の子は代々男児であるはず。だが、999番目の子として生まれたラクリゼはなぜか女だった。“呪われた子”だとして父親の愛も受けられず、男と偽って育てられた彼女は、その苦しさを学問の習得や武術の鍛錬にぶつける。そして彼女が12歳になった年のある夜、一人の少年が結界を破り村を訪れた。少年の名はサルベーン。ラクリゼとの運命の出会いだった。
  • 流血女神伝 女神の花嫁(中編)
    605円 (税込)
    新しい世界を求めて、サルベーンとともに深い森に入っていったラクリゼ。しかし、ザカールの村以外は何も知らない彼女に行くあてがあるはずもなく、サルベーンの勧めにしたがってホルセーゼ傭兵団をめざすことになる。楽しく旅を続けていたのも束の間、お互いを強く思う気持ちが、次第に2人の間にすれ違いを生んでいく。そしてついにラクリゼは、サルベーンに別れを告げることになり――。
  • 流血女神伝 女神の花嫁(後編)
    605円 (税込)
    傭兵団の留守を狙って襲ってきた賊から村を救うため、みずからの胎児の命と引き換えに強大な女神の力を取り戻したラクリゼ。同じころ傭兵団は、遠く離れた地で部隊の兵力が半減するほど苦しい戦いを強いられ、サルベーンも瀕死の重傷を負ってしまう。それでもなんとか帰還を果たし再会を喜びあうふたりだったが、お互いの気持ちが少しずつすれ違っていくのを、止めることはできなかった…。
  • 流血女神伝 暗き神の鎖(前編)
    605円 (税込)
    カリエがバルアンの正妃(マヤラータ)となって1年が過ぎようとしていた。いまだ懐妊の気配はないというところへ、バルアンの妃妾(シャーミア)でもある親友のナイヤが身ごもったとの報せを聞く。ナイヤを祝福しながらも、複雑な思いにとらわれるカリエ。そんな時、彼女はバルアンから聖なる山オラエン・ヤムに一緒に登ろうと誘われる。頂上めざしてふたりで旅する中、バルアンは意外な思惑をカリエに告げるのであった……。
  • 流血女神伝 暗き神の鎖(中編)
    605円 (税込)
    ヨギナ総督をつとめながら、エティカヤ王バルアンの妃として、王子を出産したカリエ。アフレイムと名付けられた王子も元気に育ち、カリエはエティカヤの女性として、これ以上望むべくもない地位に到達していた。だが、久々にカリエと再会したミュカは、その表情に意外な陰りをみとめる。一方、カリエを守ると誓ったラクリゼは、弟の圧倒的な力の前に、かつてない不安を感じていた……。
  • 流血女神伝 暗き神の鎖(後編)
    605円 (税込)
    さらわれた最愛の息子アフレイムを救おうと、カリエはすべてを捨ててザカールへと向かった。だが、彼女を待ち受けていたのは、現長老であるリウジールの悪しき野望だった。彼女を守るはずのラクリゼも死んだと告げられ、屈辱的な仕打ちの数々に絶望の極限へと追い込まれるカリエ。一方、エドとサルベーンはカリエを追いかけてザカールへ乗り込むため、海賊トルハーンの協力をとりつけるが……。
  • 流血女神伝 喪の女王1
    605円 (税込)
    大祭のザカールを襲った大地震により、囚われの身からからくも逃れたカリエは、その身を挺して助けてくれたエディアルドとともに新しい旅を始めていた。胎内には、千人目のクナムとなるであろうリウジールの子を宿し、癒しきれぬ心の傷を負って……。しかし2人の逃避行を容認できない王バルアンは、執拗なまでにその行方をさぐろうとしていく。流血女神伝シリーズ・最終章スタート!!
  • 流血女神伝 喪の女王2
    605円 (税込)
    カリエが産んだのは、女の子だった。ザカールの宿命に従えば、男児であったはず。これは新たな女神の思惑なのか? 戸惑いながらもカリエは我が子を守るため、再び逃亡生活に入る。一方、首都ガンダルクでは、女王バンディーカがその座を長女ネフィシカに渡そうとしていた。婚儀には妹グラーシカもルトヴィアより帰国し、国中が歓喜に沸き返る中、思いがけない謀略が着々と進行していた――。
  • 流血女神伝 喪の女王3
    605円 (税込)
    森の中で逃亡生活を続けるカリエ。途中で同行することになった伯爵と息子フィンルの存在は、厳しい旅をなごませてくれていた。だが、それも束の間、フィンルを追ってミゼーマ宮の兵士が現れた。なんでもフィンルは王太子ネフィシカの実の息子であったという。驚くカリエだったが、その兵士らを娘のセーディラが恐るべき力を放って撃退するのを目の当たりにして、さらなる衝撃を受け――。
  • 流血女神伝 喪の女王4
    605円 (税込)
    バルアンから逃れるために修道女となり、首都ガンダルクを訪れていたカリエは、深夜、理由も告げられず呼び出される。ミゼーマ宮の図書館で待っていたのは、ユリ・スカナの偉大なる女王バンディーカだった。バルアンに引き渡されるのでは、と警戒するカリエに女王は自分の過去を語りだす。にじみ出る知性と強い意志に圧倒されるカリエだったが、やがてある違和感を覚えはじめていた――。
  • 流血女神伝 喪の女王5
    605円 (税込)
    ユリ・スカナの新女王となったネフィシカに幽閉されたカリエ。さらに女王はカリエの娘セーディラとエドを手に入れようとサルベーンを追手として遣わしていた。それを知ったカリエは、なんとか宮殿を脱出しようと女王の妹であるグラーシカに取引を持ちかける。そのころ、グラーシカが不在のルトヴィア帝国では、皇帝ドーンの新たな施策に不満がつのり、激動の時代が訪れようとしていた――。
  • 流血女神伝 喪の女王6
    605円 (税込)
    セーディラとエディアルドの消息も知れぬまま、相変わらずの軟禁状態が続くカリエ。そこに届いた、ドミトリアス暗殺未遂の報せ。事件をめぐって複雑に絡まる状況に、帰国もままならない皇后グラーシカをはじめ、第二子出産を控えたサラ、皇帝を支え続けていた弟・ミューカレウスと、それぞれの心が激しく揺れ始める。一方カリエは、自分を縛る多くの陰謀からはたして脱出できるのか――!?
  • 流血女神伝 喪の女王7
    605円 (税込)
    女王ネフィシカのもとでの軟禁状態が続くカリエだったが、過去の恐怖を乗り越えてザカリア神殿に出かけ、信者の中に入り込みながら、ひそかに脱出の機会をうかがいはじめる。一方、崩壊の危機が続く帝国では、ユリ・スカナから戻った皇后グラーシカが生死の境から復活したドーンとの再会をようやく果たすが、彼の口から出たのは意外な言葉だった…! 大河サバイバル・ファンタジー!
  • 流血女神伝 喪の女王8
    605円 (税込)
    さまざまな仲間たちの助けを得て、ようやく王宮からの脱出を果たしたカリエ。傷ついた体を癒す間もなく、エドやセーディラと合流するため再び旅を続ける。その頃バルアンは、神の山の噴火も意に介さずルトヴィア帝国への侵攻を決意し兵を進める。一方、帝国の崩壊を食い止めようと苦闘するドーンとグラーシカには運命の時が訪れ――。大河サバイバル・ファンタジー、感動のクライマックスへ!!

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流血女神伝 暗き神の鎖(前編) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    めずらしく私がイケメン(←)じゃないキャラを好きなシリーズです。
    バル×カリ派って少数派なんだろうか。
    ほんとにほんとに、馬鹿マヤル(王子の意)…!!

    0
    2009年10月30日

    Posted by ブクログ

    <後編までのネタバレを含みます>

    とにかく陰惨な話。途中細かなギャグシーンがないではないが、物語全体を覆うおどろおどろしさのようなものはシリーズ中でも断トツ。流血女神を奉じる秘境の集落ザカールを中心に話が展開するためか。何と言うか、巻数が進むにつれてどんどん救いがなくなっていくような気がする。特に後編最後の一文などは本当に心が折れる。今まで散々辛い出来事が起きて、戦いがあって、殺戮があって、それでもようやく話は終息に向かっている、これで安心できると思っていたら「あれ」だもの。思わず「嗚呼…」と、ため息とも悲嘆ともいえる声が漏れてしまった。前編表紙の幸せそうなカリエとバルアンの笑顔を見るにつけても、かえってやりきれなさは増してしまう。本当に、あの苛烈で揺るぎない「赤き死の王」が、まさかカリエ一人を失ったことで「落ちて」しまうとは――。よもやあれだけのお膳立てをして、カリエが絶対自分のもとに帰ってくると信じていた訳ではないだろうが、ということは彼の怒りは本質的なもので、決して嫉妬や怨恨といった浅はかな理由によるものではないのだろうが、それにしてもカリエやバルアン本人が思っていた以上に、二人の関係はお互いにとって大きなものだったのだなぁ。今作ではカリエも今まで以上に悲惨かつ屈辱的な目にあわされたし(実際、女神というか作者はカリエにどSすぎると思う)、バルアンもバルアンでかなり大変だったので、どちらが悪いとも言えないが、やはりこの二人は間に人が入り過ぎというか、お互いをよりよく理解し合うための言葉が致命的に足りていなかったのだろうと思う。カリエが賢かったから何とかなっていたものの、バルアンの本質的な破壊への衝動、そうした破滅的な性質をも一つ越えたところにあるカリエへの深い愛(というか、執着?)そのものは、あまり彼女にも伝わっていなかったのではという気がしてしまった。もちろん、「赤き死の王」、冷酷な策略家としての部分と、女性不信を心の奥底に秘めた、感傷的で情愛深い部分とが同時に混在しているのがバルアンの難しさなのだろうが……。同時に、カリエを取り巻く壮大なる女神の運命を理解できなかったという点でも、いずれ二人は袂を分かつ結果となったのだろう。なったのだろうが、しかしこれは予測し得えた中での最悪の結末の一つとしか言えないのかもしれない。少なくとも、カリエを失い、自身の闇を制御していた箍が外れて、今後際限なき破壊と殺戮の渦にその身を投じ行くバルアンにとっては。

    今作でも多くの人々がカリエのために奮闘し(もちろん、カリエ自身も頑張った。ものすごーく頑張っていた)多くの人が死に、少数の人が命からがら助かったが、個人的に特筆すべきはエディアルドの活躍だと思う。カリエ救出にかけるラクリゼの覚悟は壮絶だった。ラクリゼを追う形にはなったが、あのうさんくさい美形僧侶サルベーンの献身も目覚ましかった。イーダル王子の華やかさと強さはとりわけ落ち込んだ読者の心を救ってくれたし、トルハーン以下海の荒くれ者たちがカリエのために立ちあがってくれたことも嬉しかった。前作『女神の花嫁』からの流れで考えれば、ここはラクリゼとカリエの関係をメインに書くべきところだということも分かっている。けれども、今作においてやはり最も感動したのはエディアルドのカリエに対する山よりも高く海よりも深い愛情のほどだった。
    思えば、登場人物紹介での扱いの割に出番の少ない彼ではあるが、エディアルドとカリエの関係には第一巻『帝国の娘』からずっと感動させられてきた気がする。目も眩むような眩しさと強さで自らの運命を切り開いていく娘と、常に彼女を守るように寄り添い、その身辺から一切の不安とためらいを蹴散らしていこうとする青年。恋人でもなく、兄妹でもなく、かと言って赤の他人でもない。言葉で説明できる分かりやすい繋がりなど何一つとしてないのに、カリエの心の最も奥深い部分におそらくエディアルドは常にいて、カリエの存在自体もまたエディアルドにとっては生きる動機そのものとなっている。一巻の感想でも書いたことだが、考えれば考えるほど不思議な結びつきを持った二人だと思う。少なくとも、普通の少女小説の類には見られない。可愛らしい主人公の少女がいて、端正な容姿の美青年がいれば、二人は必ず最後にくっつくというのがお決まりの展開である。けれども、カリエとエディアルドはそうはならない。そもそも、そうなりたいという意思もないし、読者にもその予感はない。ただ、恋人としても、また家族としても結ばれないからこその強い絆がこの二人の間には確かに存在している。「人は変わる」と繰り返し主張するカリエの言葉にも、一方でこの二人の結びつきは永遠だと確信できる揺るぎない何かがそこにはある。神殿が崩れ、砂岩の瓦礫が降り注ぐ中、自らの傷も省みずまずカリエとアフレイムを庇おうと走ったエディアルドの姿には心を打たれた。昔は、この人良い年して彼女の一人もいないのかなぁ、とか、こんなまじめ一徹仕事人間で友達いるのかなぁ、とか、そんなどうでも良いような些細なことを気にしていた自分が思わず恥ずかしくなった。エディアルドは、本当にただ真っ直ぐにカリエを愛しているのだ。彼女の魂が無駄な傷を負うことなくのびやかに成長し、彼女自身が望む幸せをつかむことだけを望んでいる。まるで、彼女の幸福が自分の幸福であるかのように生きている。そうして、そんなエディアルドの献身を理解しているからこそ、カリエもどんな辛い運命に苛まれようと、決して生を諦めない。彼の守護と愛情のもと、誠実に、そして真摯に自分の運命と向き合い、自らが正しいと思う未来に向かって一心不乱に駆けていく。カリエが女神の化身で、女神の半身たる神鳥リシクは裏主人公たるラクリゼが負う役割のようだが、「半身」という意味ではエディアルドも十分カリエの人生にとって不可欠な存在になりつつあると思う。
    今作でも、『帝国の娘』の最後のように、結局エディアルドと二人国の追尾を逃れて姿をくらませることになってしまった。二人の失踪が招いた災厄の予感は既にバルアンの狂気によって示されてはいるが、未だカリエの胎内に守られつつある千人目のクナムの存在が新たな道を指し示してくれることに期待して、次巻を手にしたいと思う。

    0
    2010年05月25日

    Posted by ブクログ

    うっはー、久しぶりに読んだけどやっぱり面白いね!明日も仕事なのに…よよよ。サラがまた登場するとは思ってなかった。なんか、世紀の悪女になりそうな予感なんですけど。すごいわ!(20060417)

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    カリエは山に登って,ヨギナ総督になって,子供を産む.すごい盛りだくさんの内容.いよいよラクリゼより強いザカリアの魔手が伸びる.あっちもこっちも大変だらけ.何気にエドも登場しているし,彼の将来はどうなるのかなぁ.

    0
    2018年10月19日

    Posted by ブクログ

    いつの間にかバルアンがカリエにめろって……!?<当社比

    いや、結構前から好きだったかしらん?w

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    バルアンとの婚礼から一年が経った。カリエは正妃として後継ぎを生まなければならなかった。そんな時、バルアンと聖地オラエン・ヤムに登ることになる。そこでカリエはバルアンから総督としてヨギナを治めるよう命じられる。
     一方、ドミトリアスは後継ぎが産まれないことから、ロイの紹介の女性と会うことになる。
     表紙のカリエはキラキラして本当に幸せそう。でも、グラーシカはエティカヤ編の途中あたりから、辛いことが多くちょっとかわいそうです。

    0
    2010年11月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    サラ怖いなぁ。グラーシカ頑張ってほしい。
    リウジールが現れて、とてもそわつく。
    とりあえず、これからエドがぼちぼち出てきそうなので嬉しい。

    0
    2024年03月31日

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