須賀しのぶのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
色々なことを感じながら読んだ。
第二次大戦前後のドイツを舞台に、修道士と、ナチス組織の隊員となった2人の幼馴染の半生が描かれる。
様々な要素が複雑に絡み合って、単純に何が善で正義で、何が悪で罪なのかを判断できる状況では全くない。この時代に生きた人たちは、迷い、翻弄され、傷つきながら、必死に生きようとしていたのだなと改めて思ったし、「その後」を生きる私達は、2度と自らこんな状況下で生きなければならないような事態に陥らないようにしなければと強く感じた。
神は耐えられる試練しか与えないというけれど、当時の人々や主人公2人に与えられた試練の重さ、背負わされたものの過酷さに、胸が詰まった。正直、アルベル -
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Posted by ブクログ
第二次世界大戦下、ナチスの支配するドイツで対照的な立場にある二人の奇妙な運命を描いた作品。誰もが知る「非道」の代名詞である組織を中心にした話とあれば、どうあっても重い物語にはなりますが、それでも先を読ませる筆力、そして主人公ふたりの荒々しい魅力に満ちた作品でした。
「時代」のせいばかりとするにしてもあまりに非情な所業を成してきたアルベルトのひとつの真実が最後に明かされるという意外な展開がさらに深みと最後の場面の余韻を深めています。
余りに多くの命が無碍に失われ、それを自ら執り行ったり、見送るしかなかったという人生は想像することもできない「フィクション」です。
けれどもかつて…いや、今でもきっと