須賀しのぶのレビュー一覧
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購入済み
大人のためのラノベ
同じ作者の「神の棘」や「革命前夜」「芙蓉千里4」などに随分感銘を受けたので、この作品も読んでみた。大人のためのラノベ といった描き方がされた作品で深い感銘は受けなかった。だからといって面白くない作品ではないが、多くの点が予想通り予定通りの展開で、それ以上でもそれ以下でもなかった。
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須賀しのぶさんの敗戦直後から1年後、1946年8月15日の高校野球大会開催までの朝日新聞社運動部員の話。「道」を追い求める野球と才能を生かすベースボールの違いを日米の違いとして抽出する捉え方は須賀さんらしい視点であるように思えた。しかし「また桜の国で」などヨーロッパもののスケール大きな緊張感にあふれる物語に比べると「小さな国」の話だなと思ってしまう。それにしても1964年までの19年間であれだけの復興とその後の経済的発展の基盤を成し遂げた大正・昭和世代のエネルギーには驚嘆するばかりだ。その後の経済成長がさまざまな取り返しのつかない自然破壊を起こし、その陰に多くの棄民を生んだとしても、彼らの力はすさまじいいものだったと感じ入る。特にもう一つの東京オリンピックがパンデミックの中で開催されている今、民間の力が精彩を欠いていることが、私を寂しい気持ちにさせる。
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Posted by ブクログ
ネタバレ読書備忘録589号。
★★★☆。
予約本がなかなか回ってこないので、カートに入れていたこいつを読み始めました。
これまでの備忘録は何冊かに分かれていてもひとつの備忘録として記してきましたが、このシステムを使う限り1冊ずつ登録せねばならない・・・。
要するにまだ2巻を読み終わっていない!笑
ナチスドイツ、NSDAP(国家社会主義ドイツ労働党)政権下においては、共産主義者の排除、反ナチス活動を展開する教会に対する取り締まり強化、そして北方アーリア人種純血主義からくるユダヤ人絶滅が進む。2人の幼馴染み、アルベルト・ラーセンはSS保安情報部の曹長、マティアス・シェルノはフランシスコ派修道士。
戦時下において、狩る側と狩られる側の物語。
ただ!Ⅰ巻ではまだそんなに動きはない。笑
なので、★3つ半。
さてⅡ巻でどう動くか! -
Posted by ブクログ
ネタバレ公立高校野球部が甲子園を目指す物語。とはいえ、エースもキャッチャーも、それぞれの選手もまっすぐに、悩み成長してゆく姿が鮮やかに映し出されている。
団体スポーツのみが持ちうる共通の境地、”皆で勝利するという至上の歓喜”は、一度その興奮を覚えてしまうと、忘れられない。一種の麻薬のようなものでしょうか?そして、あてどもなく、その陶酔を求め続ける、酔い続ける。たとえ、自分自身の勝利でなくとも、自分が関わるものでも、そして応援するものの勝利であっても。こうして、野球への思い入れが世代の中で伝わっていくのでしょうか?
描かれる世界は、よりメンタルな部分が多い。エースのキャッチャーへの信頼、キャッチャーのエースへの信頼、自信、諦め、希望。単なる遊びの延長だったスポーツ(野球)が、高校を過ぎると、専門職(大学・社会人・プロ)にあるいは趣味(草野球)に分かれるのだろう。最後のターニングポイントで、『実力』『壁』『限界』と向き合いながら、挑戦する。その経験は、ゆっくりと得難い思い出となってゆくのだろうか。最後の夏として。ただし、その先も目指して。
気になったフレーズは以下:
★いっそ倒れられたら楽だろうなぁ。…。だが、あと一本。もう一本だけやってみよう。そう思って、一歩を踏み出す。練習はその繰り返しだ。
★今は、たしかにあの時よりはるかに練習しているし、実際に成果も表れている。しかし不満も多い。どことなくギスギスしている。強くなるというのは、こういうことなのだろうか。
★体中の血が沸騰する瞬間が、確かにあった。他のものでは絶対に得られない。
★当たり前だろ。いつだって不安だよ。どうすりゃ生き残れんのかって。
★これが現実。努力だけではどうしようもない壁。…。正々堂々勝負したのだから、負けてもすがすがしいだなんて、到底思えなかった。悔しい。死ぬほど悔しい。それしかなかった。 -
キル・ゾーン15 虜囚
- カート
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試し読み
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Posted by ブクログ
この作者、前に読んだ「夏の祈りは」が良かったので、再び高校野球モノを読んでみる。
昭和20年8月の終戦直後から"夏の甲子園"の再開に向けて尽力した人々の物語を、史実をベースにしながら、大阪朝日新聞の記者を主人公に仕立てて描く。
『立ちふさがったのは、思惑を抱えた文部省の横やり、そしてGHQの強固な拒絶だった』と裏表紙にあり、それに対してあらゆる手段を講じて粘り強く手を尽くす話を期待していたが、話としては平板でいささか肩透かし。
甲子園で挫折を味わい今は記者として確たる思いも持たずに記事を埋めている主人公の動きを通じて、敗戦で衣食住が足らない中で野球をやることの意味、アマチュア野球の大会を新聞社が主催する意義、日米の野球に対する考え方の違いに加えて、戦時下での報道や教職のあり方、敗戦前後で異なる価値観に対する折り合いのつけ方など色んなことが書き込まれているが、全体的にフワーッとしていて、あまり響いてこなかった。
早くコロナ禍が去って、普通に観客を入れて大会が開催されるようになることを望むが、毎日過去最高を更新する陽性者が出てい今の状況では難しいか…。 -
Posted by ブクログ
冷戦末期の東ドイツを舞台にした『革命前夜』、第二次世界大戦中のポーランドを舞台にした『また、桜の国で』が共に大変素晴らしかったので、もう少し読んでみようと思ってセレクトしたのが本書。
テーマは高校野球であり、埼玉県のある公立高校を舞台に、甲子園に今一歩届かなかった過去の野球部の活躍が10年ごとに描かれていく。その歴史の上で、現代の野球部が悲願を達成できるのか、というクライマックスに向かっていくのだが、10年ごとのそれぞれの野球部の物語とその登場人物が意外な形で後続の物語に絡んでくるという仕掛けは非常に巧みであり、
高校野球のような使い古されたテーマを用いたとしても十分に面白い作品を書ける作家の力量を感じる。 -
Posted by ブクログ
「雲は湧き、光あふれて」シリーズ第2弾の短編3編。今作だけでも十分楽しめるが、前作を読んでからの方が、より楽しめることは間違いない。
トレードオフで揺れた1年前からの遺産を、若き新任監督は払拭することができるのか。正解なんてないのだろうが、その時々の状況での決断、意思決定は重い...。
「甲子園からの道」の出だしの軽妙さ、表題作のチームが一つになる過程(形成期→混乱期から統一期あたり)は、ぐっと心を捉まれる。さあ、続編にいこう。
「言葉を使わなくてもわかることはたくさんあるけれど、言葉を使わなければわからないことはもっとたくさんあるはずだ」