冲方丁のレビュー一覧
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ネタバレ藤原道長の娘、彰子が主人公の物語下巻。
摂関政治の頂点とも言われる道長、頼通の時代のことが語られるのだけど、ちょっと思っていたのとは違った。
一条天皇が存命の頃から中宮定子の忘れ形見の息子が亡くなる当たりまでは彰子の細やかな感情が伝わって読んでて面白かったのだけど、それから後は、ほとんどが身内の昇進や天皇への娘の入内、病に罹った折の加持祈祷、内裏の火災などが人を変え、場所を変え、何度も語られるので、なんというか飽きてしまった^^
彰子を主人公にしたため仕方ない面はあるのだけど、政治的な面、例えば前九年の役に対する朝廷の動きとかそういうのはほぼ語られない。ちょっともったいないと思ってしまった。
物語の構成というのはなかなか難しいものだなあとあらためて思った。
ちなみに病気になるとなにかと加持祈祷したり寄進したりして病気を治そうとする平安時代は、そりゃ、長生きできないよなあと今更ながら思った。 -
Posted by ブクログ
彰子が描かれた小説って、そんなに多くない気がする。
まして主人公というのは、私にとっては本作が初めて。
寛仁二年、藤原威子が後一条天皇の中宮に立った、有名な宴の場面が描かれた後、物語はすぐに二十年ほど前の、彰子自身の入内の頃から語り起こしていく。
重圧の中で、夫の一条天皇にもすぐには心を解くことができないさまなど、なるほどなあ、と思いながら読み進める。
定子皇后が崩御して、三人の遺児を育てることとなったこと、そして一条の母でもある皇太后詮子との対話などを通して、次第に宮中での自分の役割に目覚めていく。
一条天皇の理想とするところを理解しようと、自ら紫式部に漢籍の進講を求め、紫式部の忠義を勝ち得ていく。
そんな彰子の成長が書かれている巻だった。
その母后の詮子を彰子が訪ねる場面が約70ページにわたって続く。
怨みに苛まれる半生を語り続けるという、恐ろしい場面である。
彰子はこの伯母であり、姑を反面教師として乗り越え、後宮でどうふるまうべきか考えるようになる。
本書での彰子は聡明で、決断力のある人物である。
立派な人物、偉人と言ってもいい。
当時の十代は、現代よりずっと大人だったということも考えにいれても、ご立派。
ただ、それが魅力的か、と言われたら、自分にとってはちょっと違うかも。
前に読んだ冲方さんの『はなとゆめ』の定子も、まるで教師のようだったりして、何かちょっと感情移入できなかったのを思い出した。 -
Posted by ブクログ
『天地明察』や『十二人の死にたい子どもたち』の冲方さんしか知らなかったのですが、もとはSFがメインの作家さんと言うことだったので読んでみました。
代表作の『マルドゥック・スクランブル』は巻数も多いので断念。カバーイラストがラノベっぽくって躊躇しましたが、1冊で完結するので当作を選択。いやラノベでも構わないのですが、、、
前半は耳慣れない用語や固有名詞に戸惑いましたが、慣れてきた後半は読書スピードもアップ。フォースディメンショナー、シュレッディング、超胞体、、、SF初心者ゆえどこまでが一般的なSF用語でどこからが作者のオリジナルなのか判らないのが残念。ヒロインのラファエルが聖女すぎて、ラノベというより昔の少年マンガのようでした。 -
Posted by ブクログ
まるでハンターが正義ではないのか?と思ってしまうような8巻目。この巻に限っては、ハンターが主人公と言えるような立場。
『マルドゥック・アノニマス』は時系列が前後しながら、少しずつ進んでいる。
1年に1巻しか進まず、そういう書き方をしているから、何がどうなっているのか戸惑ってしまう。
今回、星3つの理由は、なかなか読み進めることができなかったから。これは、ハンターサイドの話の重苦しさに起因する。だからといって、この8巻がなくてもいいということにはならないだろう。
これからどれだけ続くのかはまだ分からないが、一つの転換点になりそうな気がする。