冲方丁のレビュー一覧

  • 攻殻機動隊小説アンソロジー

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    どれだけ攻殻機動隊という作品が大きな影響を与えたかはSFの、特にサイバーパンク的なアプローチの作品を見ればわかるのだが、本書に収められた作家陣の解像度の高さを見れば一目瞭然である。
    どれも甲乙つけ難い作品がずらりと並んでいるのだが、三雲岳斗の「金目銀目」が本書の中では一番面白かった。ごちゃごちゃとしておらず、理路整然としている。SFハードボイルドの世界観そのもの。

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    2025年09月06日
  • 骨灰

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    序盤の状況説明がくどく感じて残念感ありましたがホラー要素というかとんでも理論が段々おもしろく感じ、終盤笑ってました。
    読み応えがありなんだかんだ面白かったなという作品。

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    2025年08月23日
  • 骨灰

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    ネタバレ

    怖いというよりどんどん取り返しのつかない状況に落ちていくのをただ見てるしかない焦燥感が強い。松永の父の過去の因縁が何なのかをもう少し明かして欲しかった。

    悪神に使役され、特に理由も考えずに指令に従う主人公の姿は、細分化された仕事をその社会的影響を考えず盲目的にこなす現代人を象徴しているように思える。
    また松永は操られていたとはいえ14人の人間を殺し、原と荒木が生贄となることも黙っていたのに幸せな生活を続けている。ホームレスの犠牲をある種仕方のないこととして処理しているのだ。
    誰かの犠牲の上にピカピカの建物が建つという構造や再開発により居場所を奪われるホームレスなど社会批判的な面も多い。実際作

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    2025年08月18日
  • 骨灰

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    父と二重思考《ダブルシンク》。
    ジョージ・オーウェルの1984を思い出した。
    あの小説を読んだ時も考えたことだが、人が狂う最大の思考方法だと思う。矛盾する二つの思考を同時に受け入れて、更に信じ込む思考。想像するだけで、頭が捩れる。

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    2025年08月17日
  • 十一人の賊軍

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    ネタバレ

    原案は笠原和夫さん。同名映画のノベライズ作品。
    戊辰戦争の最中、奥羽越列藩同盟に加入していた新発田藩の新政府軍への寝返りの史実をもとに描かれている。

    主人公は駕籠屋の政。妻・おさだを娶り幸福を享受していた彼だが、ある事件がきっかけで侍殺しの咎を負ってしまう。
    そして彼が殺した侍達の身代わりに、同牢の咎人達と共に、助命を賭けて五頭山にある廃砦で新政府軍の進行を食い止める役に当たる。
    だが助命の約束は囮で、藩の最終目標は新政府軍への寝返りなので、役が終われば恭順の証として首を斬られる事が決定付けられているというのが何とも理不尽で遣る瀬ない。
    特に政は一貫して妻を想い戦地に立ち続けるので、どうにか

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    2025年08月08日
  • 骨灰

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    渋谷を舞台にした現代ホラー小説
    迷宮みたいで、ずっと工事中の渋谷という舞台設定がリアルで良かった。

    字がぎっしりで読み応えがありつつも読みやすく、ハラハラする展開は面白かったが、欲を言うと読んでいてゾッとするような怖さがもっと欲しかった。

    怖がらせ方がワンパターン

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    2025年08月02日
  • 骨灰

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     うわー、真正ホラー小説だった。苦手なジャンル。

     だが、冲方丁なので読破。さすがのリーダビリティー、一気に読んでしまった。ちょい、『黒い季節』を思わせる、狂気の熱。オカルト設定の中に冲方節が入り込むとこんな感じなのか。

     「人柱」という概念は、石持浅海氏の『人柱はミイラと出会う』で、知っていたし、まぁ歴史的な経緯があるのも理解していた。が、現在の渋谷で、それを使われると、虚構だと知っていても、本当にありそうで怖い。(ああ、渋谷の描写は堂場瞬一氏の方がうまかったな。作品名は忘れた。ついでに、とりみき氏のマンガでも、東京の地下鉄の延長線上の怖い話があったっけ)
     
     冲方丁のファンなのである

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    2025年07月23日
  • 骨灰

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    おばけちゃんはかなり具体的だし解決策もあるし、体感はホラーというより心霊サスペンス?
    主人公が不条理にするりと滑り込まれていく描写が怖くて良かった!

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    2025年07月09日
  • 骨灰

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    自社が建設中の高層ビル。

    現場の地下に"いるだけで病気になる、有害なものがでてる、人骨がでた、火が出た"という、SNSのツイートの真相を確かめに松永光弘は現場の地下へ向かう。

    現場の地下深くに大きな穴。
    調べを進めていく中で、松永の家庭や身の回りで怪奇現象が起き始め、松永本人の人格も徐々に壊れていく。

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    2025年06月28日
  • 天地明察 下

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    全く新しいものを世間に浸透させることの難しさ
    天地を明察しないといけない取り組みにスケールを感じつつも、(ファンタジーではなく)史実に則した進み方をしていくところに面白さがあるのかも

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    2025年06月21日
  • 天地明察 上

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    今村翔吾さん作品の流れで歴史系を選択。
    建部伊藤のカッコ良さ。主人公も順風満帆ではないけど親近感の湧きやすい性格してて応援したくなる。

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    2025年06月21日
  • 月と日の后

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    天地明察からの流れで手に取る。
    上巻の後半から下巻中盤あたりまでがとても面白かった。障子の成長していく過程と、自立した生き方に感銘を受けた。自分で人生を切り開き、不幸にならないように頭を使って生きることの大切さを学んだ。
    流されるままに、疎外されて恨みを持って死んだ詮子との対比が鮮やかだった。
    文句や恨みばかりで被害者意識を募らせてもどうしようもない。どうすれば自分の人生を守れるか、周りの人と共に幸せになれるか、必死で考えて実行する障子の生き様に深く感動した。

    それから、普段通り過ぎている京都の様々な場所が、平安時代から繋がっていることを実感できるのも楽しかった。例えば、京都市動物園の北側に

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    2025年06月06日
  • 十二人の死にたい子どもたち

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    2024年8月くらいに読んだ気がする?
    ライトな感じでテンポも良いのでほぼ一気読みした。しかし読み終わると、この設定、流石に無理があるのでは……とか、そうはならんやろ……とか色々気になり、「面白かった」という気持ちもすぐ薄れてしまった。映画はキャストが豪華なのでいつか観てみたいかも。

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    2025年05月25日
  • マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕

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    有力者に利用された挙句に殺されかけた娼婦の少女が、先端技術によって蘇り、法廷で復讐を果たすために戦う。架空の未来都市・未来技術を背景にした正統派SF。
    一方で、世界観や技術よりもむしろ、手に入れた力を行使する悦びや追われる恐怖、生きる意味を失いかけたことへの戸惑いなど、主人公の揺れ動く心を描くことに重点が置かれていて重い読後感が残る。そしていいところで次回に続く。

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    2025年05月25日
  • 天地明察 上

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    「天地明察」という単語の意味がよく判らないままに読み始めただけに序盤で「明察」の意味が説明される下りによって、本作そのものがどのような方向性へ進もうとしているかを推察できる作りになっているのは感嘆してしまったな

    他にもこの上巻の終盤で現れる展開・心情描写の前フリとなる要素が序盤・中盤に散りばめられていたりと、伏線と表現するには大袈裟かもしれないけれど、読み進めれば読み進む程に作品に織り込まれた輝かしい星星が目に入る作りになっていると感じられたね

    特に主人公の春海の人物造形が面白い
    碁打ちの家に生まれ将軍にも拝謁できる立場なのに熱中するのは算術ばかり。いわば身近な人には理解できない趣味に没頭

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    2025年05月06日
  • 十二人の死にたい子どもたち

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    ネタバレ

    自殺するために廃病院に集まった十二人の
    子供達。
    しかしそこには誰も知らない十三人目が
    ベッドに横たわっていた。
    果たしてこれは誰なのか?
    十二人は話し合い事件を解決していく。

    シドニールメット監督の『十二人の怒れる男』の
    オマージュを含んだ作品。
    話し合いが進むうちに登場人物たちの
    心情が変わっていくのが見どころ。

    十三人目の真実が明かされた時には
    しょぼくて拍子抜けだったが
    実はこの会は何度も開催されている
    =本当の首謀者は主催者というラストは
    面白かった。

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    2025年04月14日
  • 十一人の賊軍

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    第一印象、表紙がカッコ良かった!
    表紙に釣られて良く見ないで手に取り、後からこの本が映画「十一人の賊軍」のノベライズ版だと分かって、ちょっとガッカリ。
    でも、凄いなぁと思ったのが、本書の原案が作られたのが、なんと60年前!原案は笠原氏が作成したけど当時の重役達は「映画はスカッとしなきゃ」という意見で、この話は流れてしまい2024年の夏に冲方氏が原案をもとに作成したようです。
    この物語は戊辰戦争のまっただ中、新政府軍に寝返った新発田藩の「歴史的裏切り」を史実をもとにしていて、賊軍が砦を守る部分はフィクションです。
    うーん、これは映像の方が良かったのでは?
    というのも、いまひとつ迫力が伝わって来な

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    2025年04月12日
  • 微睡みのセフィロト

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    SFは苦手だが、そこそこ楽しめた。

    でも、やっぱり苦手だという思いは拭えない。
    何か疲れるんだよなー。

    当分、SFは読まない。

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    2025年04月07日
  • はなとゆめ

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    『光る君へ』の放送中に読むつもりだったのに!
    すっかり忘れていまさら(そして久しぶりに)再読。

    『枕草子』をもとに清少納言の半生を描いた歴史小説。とはいえ、作者は冲方丁さん。語り口は軽く、読みやすい。
    中宮礼讃は『枕草子』そのままだが、藤原道隆一家の栄華とともに没落も描き、そのうえでなぜ『枕草子』は栄華だけなのか、作者なりの答えが小説を通して浮かび上がってくる。
    清少納言と藤原行成をシンクロさせた場面には思わず唸る!
    それでも、『枕草子』からもう一歩離れて書かれたものが読みたかった。清少納言の眼に藤原道隆一家の没落がどう映ったか?栄華の頂点から底までを定子の傍らで見て、なにを思い、考えたのか

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    2025年04月06日
  • 十二人の死にたい子どもたち

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    終わりは前向きになれてよかったと感じたけど、なんかスッキリ感という感じがあんまりなかった気がする
    登場人物覚えるのに苦労した。

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    2025年02月28日