冲方丁のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
くやしい。いろんなことがくやしい。ラストではうれし涙が出たけど、その後ろにはやっぱりくやし涙があって、もう感情の整理がつかなかった。
舞台は幕末の新潟、新発田藩だけど、この時代には日本じゅうどこでもこうしたことが起こっていたのかもしれない。
本書は、2024年11月1日に公開予定の映画『十一人の賊軍』の小説版として、冲方丁さんによって書き下ろされた作品。映画の原作でもなければいわゆるノベライズとも違う、こういうのってちょっと珍しいかもと気になり読んでみた。
主人公は政、いっしょに戦った入牢人たちは、爺っつぁん、赤丹、辻斬、引導、三途、二枚目、おろしや、三味線、ノロ。役人たちは、鷲尾兵士郎、入江数馬、木暮総七、荒井万之助。また、おさだと加奈も欠かせない。この人たちのことを忘れたくないから書いておく。
-
Posted by ブクログ
鯨と煙の冒険(『百瀬、こっちを向いて』番外編/中田栄一)
一服広場の謎(『防犯探偵・榎本径』シリーズ番外編/貴志祐介)
皇帝の宿(『校閲ガール』番外編/宮木あや子)
街で立ち止まる時(『ススキノ探偵』シリーズ番外編/東直己)
同窓会(『君たちに明日はない』シリーズ番外編/垣根涼介)
心の距離なんて実際の距離にくらべれば、(『遠くでずっとそばにいる』番外編/狗飼恭子)
平和と希望と(『さよならドビュッシー』番外編/中山七里)
ゴロさんのテラス(『春を背負って』番外編/笹本稜平)
雁首仲間(『天地明察』番外編/冲方丁)
落としの玲子(『姫川玲子』シリーズ番外編/誉田哲也)
オレンジの水面(『北天の馬たち』番外編/貫井徳郎)
多田便利軒、探偵業に挑戦する(『まほろ駅前』シリーズ番外編/三浦しをん)
小説を読んだことがなくても映像作品を見たことがあったり、全く知らないシリーズは少なかった。 -
Posted by ブクログ
藤原道長の娘で国母となった彰子の話。
入内してときは、小さな少女だった彰子が、漢詩を学び、政治を学び、国母となって、天皇や関白となった一族を支えていく姿は本当に尊敬に値する。
周りの男の人たち(藤原の親族たち)は、自分の権力を誇示することに躍起になってて、一歩ひいて控えめに和を持って政治を行う彰子とは対照的。皇族(天皇になる方々)のみなさんもみんな温厚で、思慮深い。この人たち、ほぼ全員血族かと思うと、ものすごい小さな世界の話のような気もしないでもないですが‥。
とても読み応えがあったのと、平安時代を知ることができてので、読んでよかった。 -
Posted by ブクログ
上巻より読むのに時間がかかってしまった。
後半は、小説というより、淡々と事実が並べられ、彰子の伝記という雰囲気だった。
この巻で最も盛り上がる(と私が思った)のは、やはり一条天皇崩御後、敦康親王立太子をめぐって、彰子が父道長に反旗を翻すくだりだろう。
母から皇子を取り上げ、女性を政から遠ざけようとする摂関政治のやり口に、仕える女房達を従えながら、否と主張するのだ。
小説の後半は、これまで中心的には論じられてこなかった、彰子の「母后」としての力を描いていく。
一条天皇の漢学に由来する政の理想を、彰子が引き継いでいったともあるのだが・・・。
彼女が力をふるったのは人事であり、後宮政策だ。
官人として誰を登用するかということと併せて、誰の娘を宮中に入内させるかを采配する。
儀式を行い、貴族たちに費用を負担させたり、あるいは逆に禄という形で富を分配する。
こういったことを、晩年までやっていく。
恐るべき力である。
ただ、それは、結局のところ、道長、頼通、教道へと続く藤原摂関家の利益のためだ。
摂関家内の内紛を避け勢力を保つこと、他家の摂関家への恨みを解消させること。
これが要は、この時代の「政治」なのだなあ、とつくづく感じさせられた。