似鳥鶏のレビュー一覧

  • さよならの次にくる〈卒業式編〉

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    「東雅彦は嘘つきで女たらしです」愛心学園吹奏楽部の部室に貼られた怪文書部員たちが中傷の犯人は誰だと騒ぐ中、オーボエ主席奏者の渡会千尋が「わたしがやりました」と名乗り出た。初恋の人の無実を証明すべく、葉山くんが賢明に犯人探しに取り組む「中村コンプレックス」など。連作短編集全編。

    葉山くん一生懸命なところがとてもよろしい。全体的にキャラがふわふわしていて(キャラが定まっていないという意味ではなくて)設定も謎もあんまり現実感がないんだけど、それが持ち味なのかも?後編まで読んで楽しい話。

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    2017年02月19日
  • シャーロック・ホームズの不均衡

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    この物語はミステリーであると同時に、直人・七海二人が生きていくうえでの存在意義を問う物語でもある。
    惨殺された両親。遺された兄妹。
    児童養護施設に入れられ、しゃべることも出来ず、思いを伝える術を持たない妹。
    その妹を守るのは自分の役目。
    そう想い続けてきた直人にとって、自覚のない自身の深層心理を言い当てられ、晒されるのは辛いことだったに違いない。
    だが、妹・七海の思いを知り、彼女の強い意志を確認した以上、その思いを受け入れることしか直人には出来ない。
    直人の性格が多少うざったく、立ち回りの不味さに苛つく場面もある。
    だが、設定年齢を考えればそれも不自然ではない。
    本格推理が苦手な人にも楽しめる

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    2017年02月17日
  • シャーロック・ホームズの不均衡

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     本格推理小説ではしばしば「出来過ぎた舞台設定」による大掛かりなトリックが登場しますが、犯人がその舞台設定を作るべくして作る、そのための理由付けを探した結果が、「SDQUSを利用した『保有者』探し」ということなんだろうなぁ、と。そのぶっとんだ設定故に、逆に本格推理から遠ざかっているようにも感じましたが、話の展開が目新しいので楽しく読めました。
     そして安定の脚注とあとがきが大好き過ぎる(笑)

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    2017年02月15日
  • シャーロック・ホームズの十字架

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    不可能犯罪を可能にするトリックなのでまあ、すごかとですね。タイトルと内容の差異に個人的についていけなかった。

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    2017年02月11日
  • シャーロック・ホームズの十字架

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    触れたら焼け爛れる酸性の湖に立てられた十字架に磔にされた死体(長)ですって…………………


    何それめっちゃ読むしかない٩(๑❛ᴗ❛๑)۶←←←


    私の好みをズバリ突いてくるような劇場型不可能犯罪シーンが冒頭から出て来て、非常にエキサイトしながら読み進めました。


    が。




    結論:オープニングがクライマックスだった٩(๑❛ᴗ❛๑)۶←←←




    前作となるシリーズ第一弾を読んでいないので何とも言えませんが、この作品は「シリーズの主役目線」よりも「巻き込まれた被害者候補の目線」で展開させた方が面白いんじゃないかなってことを、本作に収められた三作を読んで強く感じました。
    なので、割と被

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    2017年01月12日
  • シャーロック・ホームズの十字架

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    【収録作品】弱酸性湖で泳ぐ/争奪戦の島/象になる罪 
     荒唐無稽な陰謀話なのだけれど、続きが気になる。

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    2017年01月11日
  • 一○一教室

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    カリスマ教育者が作った全寮制一貫校・恭心学園。そこで突然死んだ男子生徒。彼はなぜ死んだのか?

    おもしろかったんだけど読むのにつかれた…
    (でも先は気になるので読んだ)

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    2017年01月05日
  • シャーロック・ホームズの十字架

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    シリーズ2作目。短編3編収録。『ホームズ遺伝子』という設定により、ミステリでよくある名探偵が周囲を気にせず事件にまっしぐらになるような奇行に説明をつけてくる辺り面白いですな。
    同じく遺伝子保有者を狙う『機関』と、保有者の奪い合いを同時進行で行っているため、毎度発生する殺人事件の謎を解くだけでなく、機関との知恵比べや、敵の戦闘員とのアクションなど盛り込んできており、謎解き+エンタメな感じがぷんぷんです。これをごちゃついた感じと印象を受けるのか、サービス満載と捉えるのか。私は後者で楽しめましたが。
    『強酸性湖で泳ぐ』がシチュエーション等楽しめて良かったですね。(事件当事者の視点だったので事件発生ま

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    2017年01月04日
  • シャーロック・ホームズの不均衡

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    本格のトリックや名探偵を確固たる存在として、ミステリとしての面白さを保証している感じは考えたなあって感じです。
    あと、兄妹萌が似鳥さん好きだなあって感じですね。
    あと、やっぱりこのレーベルだから戦闘はあるなあ。
    青崎さんとはまた違うアプローチで本格ミステリの中で出来ることをしていますね。

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    2016年12月29日
  • シャーロック・ホームズの十字架

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    一般人の中から名探偵を探すために殺人事件を起こす組織と、探偵を覚醒させないために先に謎解きをする主人公たちの攻防戦。県警とか公安も協力してるのが興味深い。

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    2016年12月27日
  • 一○一教室

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    私は似鳥鶏氏の作品はこれまで、楓ヶ丘動物園シリーズしか読んでいなかったので、こんなテイストのものも書くんだな、と少し驚いた。

    最近の事例なども取り込んでアップデートを試みてはいるが、扱っているテーマ自体は何ら新しいものではなく、どちらかといえば類型的ですらある。
    だからこそ、なぜ今出版するのかという意義を示す上では、表題になっている"一〇一教室"の意味合いも含め、あと一段か二段はストーリーを深化させる必要があったように思う。

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    2016年12月11日
  • 一○一教室

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    カリスマ教育者・松田美昭が作った全寮制一貫校・恭心学園。高い進学実績、ひきこもりや反抗も治ると話題の学園で健康な男子高校生が突然死んだ――。新生・似鳥鶏渾身のダークサスペンス!

    読み切るのがしんどかった。暴行、いじめ、体罰、洗脳のシーンが恐ろしく丁寧でかなりHPを削られた。玄関までたどり着けたから良かったけど、下手したら不審者が生徒を暴行していて、それを捕まえるために全員で捜索してましたって言ってしまえば通ってしまったのではないかと思うと本当に学校の中で何が行われているのかを明らかにするのは難しいんだなと。運が良いというか都合が良いというか、そんなラストではあったけれど、希望あるラストで良か

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    2016年12月11日
  • ダチョウは軽車両に該当します

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    まあ、読みやすく、動物と製薬会社という物語でサスペンスを盛り上げていて、なかなか面白かったです。
    社会派的な目を持っている人ですね。

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    2016年12月07日
  • 一○一教室

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    ネタバレ

     スパルタ教育で有名になった私立の全寮制の学園。「学校」という密室のなかで、軍隊よりもひどい「教育」を受け、洗脳されていく生徒たち。そして事件…… 病死したことにされた生徒の死に不審を抱いたいとこたちが学園を調べ始める。
     告発までの流れはうまくいきすぎているが、主眼はそこにはない。有形無形の暴力による洗脳教育の恐ろしさ。そこに子どもを預ける「共犯者」たる親たちのエゴイズム。逃げ場のない子どもたちの絶望。そして喝采する第三者たち。
     知性ではなく力に頼ることの恐怖がここにある。それを是とする人がいるという事実。昨今の風潮を思うと、現実とかぶる。告発しようとする人たち、彼らに協力する人たちの良識

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    2016年11月26日
  • 一○一教室

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    うーん。正解のない世界。
    だからこそテーマとしては深いし、飽きない構成でぐいぐい読ませてくれました。

    しかしこれは体罰否定の極論でしょう。

    現在の「体罰」という言葉の持つ意味を考えると、それはもう肯定される要素を一切含まない行為なんだと思う。だから「体罰」は肯定されるべきではない。

    でも、やっぱり言ってわからない子どもというのもいる。よく言って聞かせれば最後にはわかってくれるというのは幻想でしかないと思う。

    散々暴れた挙げ句、他の児童に怪我を負わせる恐れがある行為に及んでいる児童がいる。
    制止するために限界まで声をかけ続けた上で危険だと判断して腕を掴んだベテランの教員が「体罰だろーが!

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    2016年11月26日
  • 一○一教室

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    これまでの似鳥鶏さんのお話とかなり違う印象がある。こういう話も書くのか…。どんな問題児も100%更生すると噂される全寮制の高校の話。読んでいて辛くなるけれど、分厚さが気にならないくらいどんどん読んだ。最後まで読んで、救いがあるのかないのか、よく分からなくなってしまった。
    2016/11/22

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    2016年11月23日
  • 迫りくる自分

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    ネタバレ

    ごく普通のサラリーマンが自分に非常に似た男と出会い、身に覚えのない罪を着せられ逃げ回るという話の流れ。ハリウッド映画ばりのアクションを主人公がしたり、立ち寄る先々で警察に追われたりとどこかで見たような話の設定だが、文章を読んでいてハラハラドキドキさせる展開は良い。あと、協力者の朴さんの宇宙人キャラも憎めない。脇が甘いような気もするけどお話的には面白かったです。

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    2016年11月15日
  • シャーロック・ホームズの不均衡

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    名探偵の遺伝子を持つ者はビジネス分野においても課題解決のための天才的能力を発揮するため、世界各国の経済界が血眼になって確保を争う、というアメリカ映画やアニメのような舞台設定。
    天才を確保するためには殺人を含め犯罪を厭わないため、下手をすれはバイオレンスな作品になりかねないところを、似鳥氏特有のほのぼのタッチのおかげで何故か緩い雰囲気が漂っている。
    賛否両論ありそうですが、息抜きに読むにはいいと思います。

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    2016年11月06日
  • 戦力外捜査官 姫デカ・海月千波

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    頼りない天然系美少女と見せかけて実は切れ者警部+お付きの「やれやれ」系部下というテンプレ設定とありがちなストーリー。可もなく不可もなくとしか評価しようがない…
    しかし、カモフラージュなのかもしれないが、自力ではできないことまで後先考えずに無理してやろうとするのは、よく言えばがんばり屋だが、傍迷惑では。賢いはずなのに、なぜ苦手なことも人に任せないのか?そんな主人公つまらんかもしれんが。
    刑事部長のさわやか腹黒さがよい。

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    2016年11月03日
  • 迫りくる自分

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    身に覚えのない罪で警察に追われる主人公が、この先どうなるのだろうとハラハラする一方で、きっと何とかなるのだろう(お話しだし、)と思って読みました。実際何とかなるのですが、やっぱり、という予定調和でもあります。物語の最後で、何が起こるかわからない、と自らを戒める主人公の言葉もあまり響かず…。もう少し期待を裏切ってほしかった気もします。

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    2016年09月24日