城山三郎のレビュー一覧

  • 打たれ強く生きる

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    ネタバレ

    世に出た人の優秀な事例を経験ももとに語る。情報をよく得て、生かす。
    気を配る。
    毛利元就がお気に入り。

    音を出す店で買うな。いい店なら黙ってでも客は入る。騒音公害。
    全身を目や耳にして情報を得る。
    左遷降格された後が勝負。
    和田勉、豪快なだけでなく繊細。人にも気を使える。ただし作品には妥協しない専門家。

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    2012年09月26日
  • 冬の派閥

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    幕末の尾張藩主、徳川慶勝。維新の舞台で一方の主要な登場人物でありながら、その存在は忘れられがちで、印象としてはただただ時代の波に翻弄されただけのお殿様という感じしかなかった。
    朝命という内実に疑義をはさみえない絶対的な力を利用しつくした陰謀に、その誠実さゆえに翻弄される様は勝者の側から書かれる歴史においては評価されるはずもないのだろう。
    ちょっと足早ではあるが、明治維新のもう一方の側面が描かれていて面白かった。

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    2012年09月13日
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界

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    高度経済成長のころまでは、こういう人の存在を許容する土壌があった。今は?もしかするとナベツネなんかが最後のそういう人物なのかもしれない。

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    2012年09月01日
  • 役員室午後三時

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    完全なる追い落とし・・・

    ワンマン社長が転落するまでを描いているが、
    よりによって、という相手にしてやられる。

    それにしても、ワンマン社長のキャラクターが、
    頁を繰るにつれて、狭窄的になってゆくのは見事。

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    2012年08月13日
  • 冬の派閥

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    淡々とした筆致で尾張藩の幕末を描く。

    御三家筆頭の家であるにもかかわらず、
    初代義直の直系ではなく、将軍家の押しつけ養子を主君にいただく。

    そんななか、待望された支藩出身の慶勝。
    斉昭や慶喜との対比、関係性の描き方がとても印象的。

    御三家であるがゆえに、幕府と朝廷の間で揺れ動く。
    その有様が極めて興味深い。

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    2012年08月13日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    大東亜戦争が末期を迎える昭和16年ごろのこと。日本は秘密兵器として、日本陸海軍による「特攻」を実施する。神風特攻隊の二人の指揮官、関行男大尉と中津留達雄大尉は、海軍兵学校70期の同期生だった。同い年で一人っ子同士、おまけに妻帯者と、境遇もよく似た二人は、奇しくも特攻隊の中でも同じ運命をたどることになる。

    特攻隊の兵士たちはほとんどが、予科練あがりの二十歳前後の青年兵。本来なら日本の未来を背負うべき年齢の青年兵たちは、自分の運命を知り悩んだという。片道分の燃料と爆弾をつんだだけのゼロ戦で一度飛び立てば、もう二度と生きて帰れないのは誰もがわかっていることだ。戦争状況が悪くなる中、果たして自分たち

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    2017年11月09日
  • 総会屋錦城

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    どれも切ない作品ばかり。
    男の哀愁という言葉がふと頭をよぎった。

    戦後間もない時代が舞台であるため、
    ちょっと新鮮でもあった。

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    2012年07月30日
  • ビッグボーイの生涯

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    ・職人の世界は、効率とは対極のところにある。一見無駄と思えるところにまでこだわるのが職人だ。だが、皮肉なことにその無駄が日本の技術力を支えているのである。
    ・もちろんコスト意識は大切だ。だが、すべて無駄を排除しようとすると、企業はやせ細ってしまう。
    ・無駄には、排除していい無駄と必要な無駄がある。効率主義、合理主義一辺倒の経営では、必要な無駄まで切り落としてしまいかねない。実は無駄か否かの判断は非常に難しい。
    ・あらかじめつくっておいた書類に沿って説明する人を評価していなかった。自分で考え、頭の中で整理して理解していない話などするな、という考えだ。
    ・経済人としての最大の条件は経営手腕よりも人

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    2012年07月14日
  • 無所属の時間で生きる

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    城山三郎の生き方がゆっくり、じっくり伝わってきました。
    「この日、この空、この私」
    毎日を大切に生きていきましょう!

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    2012年07月11日
  • 打たれ強く生きる

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     城山三郎氏が日経流通新聞に連載したエッセイ。接してきた出来事、経営者から見つけた、生きる姿勢や、仕事に対する考え方を語ります。
     グッときます。仕事に疲れたときに一読すると、一服の清涼剤のよう。

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    2012年07月04日
  • 燃えるだけ燃えよ 本田宗一郎との100時間

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     本田宗一郎、という人が最近とみに気になって、いろいろ読んでる中の1冊。本人が執筆している「やりたいことをやれ」とかも好きですが、取材という形で第3者からみた本田氏の人となり、考え方を知ることができます。 きっと本田宗一郎という人が好きになります。頑張ろう、って気になります。

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    2012年07月03日
  • 役員室午後三時

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    戦後の紡績会社を舞台に、帝王学な経営思想を持つワンマン社長と、会社を運命共同体とみなす次代を担うタイプの部下が織りなす人間の非常な戦いを描いた作品。

    時代に応じて求められる経営者は変化する事を巧みに表現している。今の時代に必要な経営者が社長をしている会社は、日本にいくつあるのだろうか。。

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    2012年04月30日
  • 毎日が日曜日

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    数十年前の商社マンの悲哀なストーリー。

    高度経済成長が終わり、経済が崩壊し始めた時代が背景。当時も「前途は暗く、混乱はひろがり、生きがいは見つからない」時代であったそうだ。日本はバブルを挟み歴史を繰り返しているのか。

    商社が日本経済の牽引役であると世間で見做されているのは当時も現在も同様であるが、現在との違いは「商社が諸悪の根源のように非難され、商社マンが悪者扱いされていた」時代であったこと。その時代に、大日本株式会社の尖兵として戦ってきた男達が役者として登場している。

    会社のモットーは、ワタシハ、アリニナレル。ワタシハ、トンボニナレル。シカモ、ワタシハ人間デアル。

    現代を生きる商社マ

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    2012年04月30日
  • 雄気堂々(上)

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    渋沢栄一の生涯を描いた歴史小説。上巻は武州血洗島での誕生から、幕末、明治新政府での若き官吏時代に入るまで。
    攘夷強硬派→一橋慶喜家臣→フランス留学→明治新政府での大隈からの協力要請

    一介の農民が一橋慶喜に取り立てられる件は興味深い。慶喜の周りに開明的な側近、平岡円四郎や原市之進やがいたことはあまり知られていない。彼らが早くに暗殺されていなければ(しかも内ゲバ)、世の中も変わっていたかもしれない。
    本書では、渋沢栄一だけのことでなく、幕末維新の全体の動きもよく捉えられていて頭の整理にもなる。

    渋沢栄一のような偉人の生い立ちはどのようなものだったのか。
    若い時から「建白魔」であり、自分の意見を

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    2012年03月20日
  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―

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    こんなセリフ言ってみたい…なんて思って読み始めると、全然そんな雰囲気すら漂わない少年時代。

    人との出会いと、生きている環境がいかにその人を作っているのか。

    戦前の日本にいた「真の経営者」。その生き様を描く話。倉敷に行ってみたくなってしまいました。

    「経験にとらわれることなく、常に絶えず進歩する人でありたい」という言葉は仕事に慣れ始めたときにこそ、胸に留めておきたい言葉です。

    昨年夏行った倉敷は、想像したように素敵な街でした。

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    2012年03月17日
  • 花失せては面白からず 山田教授の生き方・考え方

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    城山三郎と、氏の大学の恩師である山田教授との2人ゼミナールの話を中心に対談形式で話が進んでいく。
    この本は城山氏のいつもの経済小説とは違い、人間城山三郎と触れられる興味深い一冊。
    学生時代の恩師と、その恩師が亡くなるまで、2人で経済やそれに関連する倫理に関してそれぞれの主張を熱くぶつけ合う。読んでいて非常に羨ましい関係だなと感じた。やはり偉大な師というのは、師であるご本人自体が、非常に人間味溢れていて、謙虚でいて気さく。自分より若くてもその人のことを尊敬し、何かを学び取ろうとされる。だからこちらも師から何かを得ようと必死にぶつかっていく。私にもお会いして色々ご指導頂ける人生の先輩がいらっしゃる

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    2012年03月05日
  • 鼠 鈴木商店焼打ち事件

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    玉岡かおる著の「お家さん」で興味を持った鈴木商店。
    私が住んでいる街とも縁が深い話なので期待大!で読んでみました。
    城山三郎って作家はすごいですね。緻密な調査とそれを構成していく綿密さ・・多くのことを知らされ、考えさせられました。
    「お家さん」とは違った観点で鈴木商店を描いています。特に大番頭金子直吉については、最終的に鈴木を倒産に追い込んだというネガティブな捉え方もしています。また、大阪朝日新聞を代表にマスコミと鈴木商店との確執や政府の政策など・・・当時の時代背景も読んでてとても興味が持てました。

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    2012年02月09日
  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―

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    クラレの前身である倉敷紡績の初代社長である大原孫三郎とその息子である總一郎の物語。

    10人中5人がいいということはもう遅い、7人がいいと言ったらやらん方がいい、3人くらいがちょうどいい、だれもいいと言わんことはやるな、というのは名言である。

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    2012年01月24日
  • 硫黄島に死す

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    ロサンゼルス五輪・馬術の金メダリストにして、当時としては型破りな国際人でもあった「バロン西」こと西竹一中佐が、どのような経緯で、陸軍の軍人として硫黄島に送られ、そこでどのように戦い、どのように亡くなったかを描く「硫黄島に死す」ほか、戦時中の出来事を題材にした短編が収められている。戦争が日常であった時代を少年兵として体験した著者ならでは描写が生々しい。

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    2012年01月22日
  • 役員室午後三時

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    お客様に城山三郎さんを進められ購入。日本の有名だった某紡績会社の事を念頭に置いて書かれたものだろう。トップのあるべき姿、会社が崩壊していく状況やその時々の時代に応じて組織運営をいく事の大切さがよく分かる。

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    2012年01月15日