【感想・ネタバレ】毎日が日曜日のレビュー

あらすじ

日本経済の牽引車か、“諸悪の根源”か。毀誉褒貶の著しい日本の総合商社の巨大な組織とダイナミックな機能、日本的体質と活動のすべてを商社マンとその家族の日常生活とともに圧倒的な現実感で描く。世界に類のない機動力を持った日本の総合商社の企業活動の裏側で展開されるなまなましい人間ドラマを通して、ビジネスマンにとっての“幸福な人生”とは何かを興味深く追求した話題作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「官僚たちの夏」も濃密な経済小説でしたが、本作でも、総合商社を舞台に繰り広げられる様々な人間模様に強く引き込まれました。
東京の本社から京都の支店長に追いやられる主人公と、家族、同僚、先輩社員などとの人間関係の描写には圧倒的なリアリティがあります。
幸福な人生とは何なのか。
出世という会社基準の幸福を追求するのか、或いは家族との時間や触れ合いという幸福を追求するのか、何に価値を置くかで人生は大きく変わるのだと思います。
感情を大いに揺さぶられる一冊でした。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

ゴリゴリの仕事人間の話しでした。
家庭ど返しで会社に忠誠を尽くしても、家族のフォローはしてくれない。
でも、そんな人間は、結局、仕事や誰かの役に立たないと「無」を感じてしまう。
現役中から定年後を考え、その考えに身体を慣らすことが重要と思いました。
本の伝えたい趣旨と異なかもしれませんが、今の時代には必要なことだと思います。

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2024年06月13日

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商社マンの日々は過酷。商社マンではない私が、会社員としての生き方を振り返ってみると、今の生き方は好ましいか考えさせられた。家族とともに同じ時間空間を過ごすこと。これが、幸せなのだろうと思ってみる。

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2024年04月28日

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昭和54年の著作であるが、今読んでも全く古さを感じさせないビジネス小説。帯同家族の生活、会社に振り回される人生など、生々しいエピソードと共にグイグイ読み込ませてくれる。

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2021年07月19日

Posted by ブクログ

昭和51年の作品だが、働き方改革や雇用延長が問われている今、この作品が書かれていたらどんな内容・.展開になっているのだろうか?
釣り好きの住井が定年バンザイの笹上に言った「平凡な話だが、いちばんいいのは、生計の道は別にあって、気が向いた時だけ、釣りに行くというくらしじゃないのかね」という言葉が響いた

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2018年10月11日

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ネタバレ

これはすごい小説だった。車を運転している時でさえ続きが気になって、信号赤になったら1ページでも読みたい。こんな感覚は久しぶり。私が生まれた頃に書かれた本であり、商社が舞台。壮絶に、命を賭して仕事をしてくれた世代であり、同時に滑稽であり哀れであり。「権利収入で不労生活者」「億単位のダイナミックな仕事人」「趣味を仕事にした人」「永久就職した専業主婦」「大企業の経営層」とすべての典型的な人物が出てきて、どれも幸せの最終形ではない。読書メーターで興味を持ち読んでみて、良かった。

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2016年09月13日

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退職した商社マンの話かと思ったら主役はまだ転勤に翻弄される現役商社マン。あまり気負わず書かれた作品のようだが大満足。登場人物の多いヒューマンドラマなのに商社のことがよくわかる。企業大河ではなく家族中心なのも良い。日本の商社のように世界津々浦々に支店を置き、独自に気象予測までして、さらに自国に大市場を持つ国はないと。人口の多さが日本の商社を支えたと。主人公のスマトラへの思い、ダニや蚊で命を落とす同僚を見ながら、時には現地人と殴り合いになり、「独立を得た今何を目指すか」という現地人の愛国心も知って維新の時代に生きるような気になったのもつかの間、飛脚さながらの情報伝達やジープが壊れれば自分で直してまた進んだ赴任時代。
本気で仕事に向き合う男が妻子にしっかり向き合うのがよい。浮気もえせフエミニズムもなく、あるのは夫婦喧嘩と手の掛かる子供たちとの心ぶつけ合う時間。

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2016年02月28日

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忙しい毎日を送る商社マンが退職し、「毎日が日曜日」になったら、それはバンザイなのか? アラウンド50の必読書です。お勧め。

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2014年04月24日

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ネタバレ

「そう」、結局何も残らない。鎧を脱いだ企業戦士は過去を振り返り空しく未来を見つめる。そうでなければ小説にならない。だが「毎日が日曜日」の私は、毎日が楽しいしやりたいことが山ほどある。資金不足が難点だが・・・・・。金くれ!

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2013年02月21日

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昭和51年に刊行された経済小説。
もう35年くらい前に書かれたものなのに色あせない面白さ。

日本の総合商社を舞台に、海外赴任、家族、教育、定年、出世競争といった様々な問題が盛り込まれている。
人間がしっかりと描写されているから今読んでも面白い。

ウーさんがとてもよかった。
「輸出」の続編的な作品らしいのでこちらも読んでみたい。

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2011年11月13日

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昭和50年ごろの商社マンの話。
京都支店に転勤になって相談役の相手をする主人公・沖と、定年退職になった笹上は「毎日が日曜日」の生活を送れると周囲から言われるのだが、現実は・・・。

この2人の対照、その周囲の人間の醜さ、前向きさ、当時の商社の様子がよくわかる。

今読んでも面白いと思えるのは、やはり主人公の沖と笹上の心情が克明に描かれていて、その2人が京都と東京と、離れていながらも何度も交差していくからだろう。

単身赴任の辛さや孤独な老後生活の寂しさ、それを紛らわせようと何かにすがりつく人間の姿というのはどうも時代を超えて共通のようである。

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2011年09月19日

Posted by ブクログ

ビジネスマンにとっての幸福な人生とは何かを追求した傑作という説明文に惹かれて、手に取った。

職場だけに、幸福を求めるのは、危い気がした。仕事はやり甲斐をくれるが、組織に翻弄される面も否めない。

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2025年11月15日

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●海外駐在を経験した二人(沖と笹上)、閑職で時間をもて余す沖、仕事一途の人間で趣味のない笹上。二人が左遷と定年という形で戦線離脱する。ビジネスマンにとって、組織とは、家族とは、何かを考えさせる。
●文中にある会話、「ぼくは、商社マンとは、ワンルーム向きの人間だと考えているんです。家には夜遅く帰ってきて、寝るだけ。朝早く起き、飯を食うと、飛び出して行く、リビングや書斎を必要としない生活・・」日本の経済発展に貢献してきた人々に何が残っただろうか?

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2021年08月01日

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秀作。
40歳台から60歳台の男性にお勧めの作品。
今ではあり得ないモーレツ社員時代のお話。人生のすべてを仕事に捧げる。
色々考えさせられる、今でも通用する作品。
淡々と話は進む。最近の小説にありがちな、あざとく感動的な設定のないことに品の良さを感じる。
うーさんが自分に似ているところがあり、共感が持てる。というか、今どきはうーさんタイプが多いのではないだろうか。
日本の商社は世界一だったのか。その時代の認識が無い。
今ではインターネット時代なので、強味も薄れたのか。

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2019年06月16日

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題名だけを見てどんなに楽しい小説だろうと予想したらそれは見当違い。社名に奮闘する大商社社員のそれぞれを書く。
毎日が日曜日の意味は主人公が閑職とも見られそうな日本のある都市の支店長を拝命することからきている。が、実際には組織の板挟みの中でそんなことを感じる余裕は全くなし。海外生活が長く日本に馴染めない家族も悩みの種となる。
主人公の転勤を嘲る同期社員、会社生活にピリオドを打つ先輩社員も、主人公の対比となりそうなのに順風満帆とは行かない。
時代設定が今より古いという反論はありそうだが、会社勤めのジレンマを描いた小説。

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2019年03月04日

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30年以上の前の作品なので設定自体は少し古いが,総合商社を舞台として,ビジネスマンにとっての“幸福な人生"とは何かを探求.最近経済小説と言えば池井戸潤が席巻しているが,元祖はやはり篠山三郎.その重厚感は流石.

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2018年10月09日

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海外転勤の多い総合商社が舞台。タイトルにつられて、果たしてどんなゆっくりとした日常をあの城山三郎が書いているのだろう、と思ったが、全く違う作品だった。
主人公の沖が、海外赴任を経て京都支店長となる。そこでどう商社マンとして生きていくか。子どもたちは海外から帰国した影響がぬぐえず、沖としては家族円満こそが求めている人生と感じる一方で、自分がライフワークとしている仕事も気になる。
そこに定年バンザイの笹上、また、個人的には趣味に生きた住井が気になった。

今後自分はどういう人生にしていきたいか、あらためて考える必要があるな、と思った。

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2017年11月11日

Posted by ブクログ

サラリーマンの憂鬱。左遷された沖と退職した笹上を対比しながら、何が幸せや生き甲斐につながるのか考えさせられる。結局は雇われの身、人事は業績などより運や人脈に依るところが大きいのであろう。結局は与えられた仕事を実直にこなす他ないと考えます。
そして家族はやはり土台であり、生き甲斐にできることがとても幸せであると感じる。最近はそうでない人が多い気がするが。

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2016年06月17日

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ネタバレ

友人に勧められて読む。
高度成長期のエリート商社マンと、ドロップアウトしたおじさんの話。
サラリーマンも大変だなとおもった。

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2015年06月20日

Posted by ブクログ

昭和54年という自分が産まれた年に刊行された本という事で、古いながらも興味を持って読むことができました。
総合商社が舞台のビジネス小説です。
商社マンの仕事のスケール、大変さ、苦悩、向き不向きなどを余すところなく伝えてくれてます。
商社に対する漠然とした憧れしか持っていない学生たちに、ぜひ読んでもらいたい一冊。

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2013年03月18日

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会社人生に於いて、誰でも「ないものねだり」をしながら日々を送り、日々悩んでくよくよしていることですらある意味幸せだと考えさせられた一冊。働き方に正解は無いし、会社での評価=その人の評価でも無い。会社で理不尽な事があった時に読み返したい一冊。

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2013年01月05日

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数十年前の商社マンの悲哀なストーリー。

高度経済成長が終わり、経済が崩壊し始めた時代が背景。当時も「前途は暗く、混乱はひろがり、生きがいは見つからない」時代であったそうだ。日本はバブルを挟み歴史を繰り返しているのか。

商社が日本経済の牽引役であると世間で見做されているのは当時も現在も同様であるが、現在との違いは「商社が諸悪の根源のように非難され、商社マンが悪者扱いされていた」時代であったこと。その時代に、大日本株式会社の尖兵として戦ってきた男達が役者として登場している。

会社のモットーは、ワタシハ、アリニナレル。ワタシハ、トンボニナレル。シカモ、ワタシハ人間デアル。

現代を生きる商社マンである自分としては…先人たちの獅子奮迅の血と汗と涙と努力の結晶を引継ぎ、発展させていく事を誓わざるを得ない気分になった。まぁ時代は違うわけですが。

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2012年04月30日

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1975年、読売新聞で連載開始。
2010年、田原総一朗が必読の経済小説として雑誌プレジデントに掲載し、
2023年、文庫本が65刷69万部(Wikipediaより)を達成、今も増刷されている。

息の長い経済小説というのも珍しい。
テーマは商社マンの人生の幸福とは。

物語は昭和の、高度経済成長時代が終わりを迎え、日本全体がアイドル状態に入って来たるべきバブルに向かう端境期、
世界を駆け巡る商社マンたちの悲喜こもごもの毎日を描いたもの。

主人公の沖は歴戦の商社マンだが、閑職である京都支店長に転勤となり同期からは「毎日が日曜日」と揶揄される。
もう一人の主人公、笹上はサラリーマン時代から退職に備えて小さな居酒屋を4店舗経営し、満を持して定年を迎え、本当の意味で「毎日が日曜日」を体現している。

沖は海外生活が長く、日本に戻ってからは子どもたちが日本の生活に馴染めず苦労が絶えない。
笹上の家族はすでに破綻。それでも定年まで働きあげ、待ちに待った理想の生活を迎える、と思ったが、孤独、張りのなさから、次第に行き詰まっていく。

仕事に人生を捧げている沖と、捧げた笹上。
人生の幸せとは何か、二人に問いかけていく。

私にとって等身大の物語、まさに笹上と同じ世代、笹上の葛藤に思わず自分の気持ちを重ねてしまう。
どんなに蓄えがあろうとも、仕事から離れると生活の彩りは無くなってしまうのか。
だからといって、老後に備えて貯蓄に励み、多くの友だちを作るべきなのか。

お金はあれば安心はする。
でも、それは今だけなのかもしれない。
実際、老後を迎えて、お金の心配は無くても何もすることがない、親しい人はいない、という状態になると人は「毎日が日曜日」では物足りなくなる。

人はできれば働かずに楽して暮らしたいと思う。

お金があって、定年後は働く必要がなくても、
お金が無くて、定年後も働かなければならなくても、
人と関わり、人に必要とされ、そのために毎日の時間を使うことが大事なのだろう。

余裕があって楽したい=幸せ、と考えると、「毎日が日曜日」になると物足りなくなり、
毎日張りのある生活をする=幸せ、と考えれば「毎日が平日」になるかもしれないが、使命感を持った毎日を送ることができる。
それが、自分のためだろうが、家族のためだろうが。。

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2025年02月19日

Posted by ブクログ

・健康に生きてさえくれれば。
・仕事も良いが、家庭を大切に。
・ずっと着いて回る他者との繋がり。
・頼られるのは生きがい。

商社というモーレツな環境にいて気付かなかったが、失って始めて分かる大切な価値観。

当時から今に通ずるテーマの本があったとは。
当時としては、かなり先進的だったのでは。

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2022年11月17日

Posted by ブクログ

出世コースから外れた中年・壮年商社マンの悲哀を描いた傑作。1980年代初頭と舞台はやや古いが、左遷・単身赴任・プロジェクト中止・トラブル処理など、商社の闇の部分にフォーカスした人間模様を描いているのが熱い。華やかな仕事をしているのは一部で、大半を地味で真面目な「兵隊」が支えている現状を、是非本書を通して知ってもらいたい。

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2016年04月06日

Posted by ブクログ

商社マン、経済戦争の加害者であり被害者でもある戦士とその家族。

すばらしきグローバル人材が、価値を貶められていた頃、でしょうか。

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2013年08月05日

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ネタバレ

たしか『不毛地帯』のあとがきに紹介されていて購入。
『輸出』という作品の続編ということが、本書のあとがきで判明。
それでも、単独の作品として楽しめる。
商社マン沖直之の仕事と家庭を巡る話。内容はタイトルに似ずシリアスだが、タッチは軽い。不毛地帯の壱岐正のように出世はしない、むくわれない一平卒の物語。世の中には、そういう人の方が圧倒的に多いのだろう。その中で、アウトローに過ごしたが、華々しく定年を迎えた笹上のポジションがとてもよい。万歳して、退職したはずなのに、毎日が日曜日の人生に早々に退屈してしまい、なんでもいいから人の役に立ちたいと、当初の照れも忘れ人助けに没頭していく。
大多数の一平卒は何を思うのだろうか?

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2012年07月24日

Posted by ブクログ

商社マンとその家族の悲哀を通じて、日本の総合商社を描く。
山崎豊子の「不毛地帯」と比べ、より現実に近い人間の挫折と苦悩を描いており、身につまされる。

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2012年04月01日

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ネタバレ

京都支店長として単身赴任となった沖と定年間近の笹上。京都での金丸相談役と社長の京都出張のお世話。昭和40年代の日本の商社のモーレツぶりを描き出している。お金があってもすることがない「毎日が日曜日」状態がほんとにハッピーか、考えさせられる。

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2012年03月01日

Posted by ブクログ

商社の人は毎日どんなふうに働いているのか興味があって読みました。
ン十年前の本ですが、とても面白かったです。

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2012年01月07日

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