あらすじ
日本経済の牽引車か、“諸悪の根源”か。毀誉褒貶の著しい日本の総合商社の巨大な組織とダイナミックな機能、日本的体質と活動のすべてを商社マンとその家族の日常生活とともに圧倒的な現実感で描く。世界に類のない機動力を持った日本の総合商社の企業活動の裏側で展開されるなまなましい人間ドラマを通して、ビジネスマンにとっての“幸福な人生”とは何かを興味深く追求した話題作。
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Posted by ブクログ
これはすごい小説だった。車を運転している時でさえ続きが気になって、信号赤になったら1ページでも読みたい。こんな感覚は久しぶり。私が生まれた頃に書かれた本であり、商社が舞台。壮絶に、命を賭して仕事をしてくれた世代であり、同時に滑稽であり哀れであり。「権利収入で不労生活者」「億単位のダイナミックな仕事人」「趣味を仕事にした人」「永久就職した専業主婦」「大企業の経営層」とすべての典型的な人物が出てきて、どれも幸せの最終形ではない。読書メーターで興味を持ち読んでみて、良かった。
Posted by ブクログ
「そう」、結局何も残らない。鎧を脱いだ企業戦士は過去を振り返り空しく未来を見つめる。そうでなければ小説にならない。だが「毎日が日曜日」の私は、毎日が楽しいしやりたいことが山ほどある。資金不足が難点だが・・・・・。金くれ!
Posted by ブクログ
たしか『不毛地帯』のあとがきに紹介されていて購入。
『輸出』という作品の続編ということが、本書のあとがきで判明。
それでも、単独の作品として楽しめる。
商社マン沖直之の仕事と家庭を巡る話。内容はタイトルに似ずシリアスだが、タッチは軽い。不毛地帯の壱岐正のように出世はしない、むくわれない一平卒の物語。世の中には、そういう人の方が圧倒的に多いのだろう。その中で、アウトローに過ごしたが、華々しく定年を迎えた笹上のポジションがとてもよい。万歳して、退職したはずなのに、毎日が日曜日の人生に早々に退屈してしまい、なんでもいいから人の役に立ちたいと、当初の照れも忘れ人助けに没頭していく。
大多数の一平卒は何を思うのだろうか?