城山三郎のレビュー一覧
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「城山三郎」が78歳で国鉄総裁になった「石田礼助」の人生を描いた作品『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』を読みました。
「百田尚樹」が出光興産創業者の「出光佐三」をモデルに描いた作品『海賊とよばれた男』に続き、明治生まれの傑物を描いた作品です、、、
「城山三郎」作品は昨年の8月に読んだ『硫黄島に死す』以来なので約1年振りですね。
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三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”―。
明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から“卑ではない”ほんものの人間の -
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「城山三郎」の戦争小説を中心とした短篇集『硫黄島に死す』を読みました。
「城山三郎」作品は昨年の夏に読んだ『一歩の距離 小説 予科練』以来ですね。
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〈硫黄島玉砕〉のニュースが流れた四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術大障碍の優勝者「西中佐」は、なお残存者を率いて戦い続けていた。
馬術という最も貴族的で欧米的なスポーツを愛した軍人の栄光と、豪胆さゆえの悲劇を鮮烈に描いて文藝春秋読者賞を受賞した表題作。
ほかに『基地はるかなり』 『軍艦旗はためく丘に』など、著者の戦争体験と深くかかわった作品全7編を収める。
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「城山三郎」が太平洋戦争末期の若者たちを描いた作品『一歩の距離 小説 予科練』を読みました。
「城山三郎」作品は昨年の夏に読んだ『指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―』以来ですね。
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司令は静かな口調で命令した。
「戦局を一変させるべく、帝国海軍では、この度、必殺必中の兵器を動員することになった。全員、目を閉じよ。兵器への搭乗を志願する者は一歩前へ!」塩月は躊躇した。
前に出る練習生の靴音が聞こえる。
出なければ、出なければ。
死ぬために来たのに、何をためらっているのか。
両親や兄弟のことを思った。
脇の下を冷たい汗が流れる…。
生と死を隔 -
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何年か前にドラマ化されていて、
テレビCMで田村正和が「そうか、もう君はいないのか」と呟いていた姿が今も忘れられない。
ドラマは見なかったけど、ずっとそれが残っていたのが、本作を読むきっかけ。
こういうふうに、パートナーと寄り添って死んでいきたいなと思う。
ずっと仲良しで生きていきたいなと思う。
子どもが1番、というより、
実は夫が・妻が1番大事、
という夫婦の姿に惹かれる。
巻末に載せられた城山さんの娘の文書で
涙が止まらなかった。
仕事の残業やら飲み会やらで
家族と一緒に夕飯を食べなくても平気な人がいるけれど、
私には 家に帰ればずっともっと大事な存在がいるので、私は先に帰ります。
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緊縮財政と行政整理を行い、金解禁を実行した浜口雄幸と、その盟友井上準之助の物語。性格や言動も異なる二人が、どのようにして日本経済建て直しに命をかけ、金解禁を実行したのか。そして、無念の凶弾に倒れたのか。
昭和の気骨のある政治家の物語として、胸を熱くして読み進められました。特に、浜口が東京駅で銃弾を浴びた場面を描いたシーン。死を悟った浜口が、「まだ早いな。いずれは死ぬ命だ、国家のために斃るれば寧ろ本懐とするところが、しかし余の負うたる責任だけは解除してからでなければ申し訳がない。」と回想する場面。
浜口雄幸の気迫と覚悟、そして使命感に燃える姿、人間としての真面目さ、他者への慈悲、やさしさを感じま -
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日本史をほとんど勉強したことがないのと、一般教養不足なのもあり、誰のことを言っているのか、なんのことを言っているのか分からないことが多く、かなり読むのに苦戦した。登場した政治家の中ですぐ分かった者といえば吉田茂くらい、、それもこんな人物だとは全く知らず新鮮だった。
戦争という悲劇を招いたとはいえ、この時の政治家たちには、今の政治にはない政治家としての信念や熱意を感じた。政治家だけでなく会社でも、上役になることを拒む者が多く、今の日本は皆責任を追うことを避けたがる風潮があると思うが、当時はこんなにも皆自信を持ち、野心があり、生き生きしていたのかと、ある意味感動した。
印象的だったのは身内の死 -
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何回目かの再読。
初読は大学で。役人に興味があった。
2回目は若手社会人の頃。
3回目、ガンで余命宣告を受けた親父がなぜか読んでいたのを見て。勤め人としてのあれこれを思い出していたのか。
そして今回。当たり前だが、読後感は毎回大きく異なる。
昭和30年代のあらゆる意味でありえない働き方、理不尽。
定時退社しただけでやる気不足扱い。男女差別を差別とも思わない。いや、むしろ通産省は他の役所より積極的に女性キャリアをとるんだ、と。そしてその新人に「お人形さん」とあだ名をつけることが「ユーモア」だった時代。
いっそすがすがしいまでに、「国家のため」と「省のため」を混同した政策論議。はあ。
主人公の「 -
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A級戦犯とは「平和に対する罪」で訴追された者を指し、B級戦犯、C級戦犯はそれぞれ「通例の戦争犯罪」、「人道に対する罪」であるようだ。では「平和に対する罪」とは何なのかというと、「侵略戦争を計画、準備、遂行し、共同謀議を行なったかど」とのこと。
日本では極東国際軍事裁判にて28名がA級戦犯で訴追され、そのうち以下の7名が絞首刑に処せられた。
土肥原賢二:陸軍大将
板垣征四郎:陸軍大将
木村兵太郎:陸軍大将
松井石根:陸軍大将
武藤章:陸軍中将
東條英機:陸軍大将
広田弘毅:文官
ただ一人の文官、広田弘毅。外交官から二・二六事件後の首相となり、後に外務大臣として戦争防止に努めた人物。その生涯を -
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下巻は、明治新政府で改正掛を立ち上げ、建白書を次々と提出し、改革の先鋒となる渋沢栄一の活躍が描かれる。
対立する者の意見もよく聞き、調停の名人であったが、ぶつかる壁も厚かったようだ。
大久保利通と衝突し、栄一に国造りの神々となってほしいと頼まれた大隈重信とも意見を異にするようになる。
合本主義の夢を持ち続ける栄一は、その実現のため三菱や外国商人とも対抗し、その闘争心が尽きることはない。
渋沢栄一の人間形成の物語であるとともに、近代日本の形成であり組織警世の物語でもある。
若き日本が鮮やかに描き出される本書は、老い停滞感が漂う現代に多くのことを投げかけてくれる。 -
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R3.8.13~9.25
(あらすじ)
緊縮財政と行政整理による<金解禁>。これは近代日本の歴史のなかでもっとも鮮明な経済政策といわれている。第一次世界大戦後の慢性的不況を脱するために、多くの困難を克服して昭和五年一月に断行された金解禁を遂行した浜口雄幸と井上準之助。性格も境遇も正反対の二人の男が、いかにして一つの政策に命を賭けたか、人間の生きがいとは何かを静かに問いかけた長編経済小説
(感想)
浜口雄幸、名前はしっていましたがその生涯を知ることができました。(井上準之助は全く知らず)
金解禁という難しいテーマであり、その部分は完全に理解はできませんでした。(流れで読んでしまいました)
た