城山三郎のレビュー一覧

  • 官僚たちの夏

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    通産省の官僚が高度経済成長期の日本でどのように政策を立案して日本のために働いていたかが伝わってきた。週休1日の時代に朝から晩まで国のために働いているのは、大変そうな仕事だなと改めて感じたけど、国を動かすやりがいも強いのかなと思った。勉強熱心なところや、国会議員や企業の社長など様々な関係者ともぶつかりながら議論して政策を作ることころもすごいなと思った。今とこの本の時期では政策も仕事の内容も少し変わってると思うけど、国のために頑張る気持ちは変わらず大事だなと思った。

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    2022年12月24日
  • 官僚たちの夏

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    ネタバレ

    古代のバンカラ通産省の空気感
    いまも他省庁より尖った印象(若手の提言とか)

    ●パリでの外交官生活になじめない牧さん p92

    牧は、また、日本のことを思った。通産省では、仕事さえしているなら、タテになっていようと、横になっていようと、問題にされない。服装にしても、風越のように、夏には半裸も同然の男もいる。通産省が懐かしかった。

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    2022年10月30日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    「城山三郎」が78歳で国鉄総裁になった「石田礼助」の人生を描いた作品『粗にして野だが卑ではない―石田礼助の生涯』を読みました。

    「百田尚樹」が出光興産創業者の「出光佐三」をモデルに描いた作品『海賊とよばれた男』に続き、明治生まれの傑物を描いた作品です、、、

    「城山三郎」作品は昨年の8月に読んだ『硫黄島に死す』以来なので約1年振りですね。

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    三井物産に35年間在職し、華々しい業績をあげた後、78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった“ヤング・ソルジャー”―。
    明治人の一徹さと30年に及ぶ海外生活で培われた合理主義から“卑ではない”ほんものの人間の

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    2022年10月07日
  • 硫黄島に死す

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    「城山三郎」の戦争小説を中心とした短篇集『硫黄島に死す』を読みました。

    「城山三郎」作品は昨年の夏に読んだ『一歩の距離 小説 予科練』以来ですね。

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    〈硫黄島玉砕〉のニュースが流れた四日後、ロサンゼルス・オリンピック馬術大障碍の優勝者「西中佐」は、なお残存者を率いて戦い続けていた。
    馬術という最も貴族的で欧米的なスポーツを愛した軍人の栄光と、豪胆さゆえの悲劇を鮮烈に描いて文藝春秋読者賞を受賞した表題作。
    ほかに『基地はるかなり』 『軍艦旗はためく丘に』など、著者の戦争体験と深くかかわった作品全7編を収める。
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    2022年08月25日
  • 冬の派閥

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    時は幕末、幕末の表舞台といえば、やはり、京都、江戸、そして薩長土肥。
    しかし本作の主役は、徳川御三家の尾張藩。本来は圧倒的に幕末に影響を与えていてもおかしくない立場にありながら、今では大して気にも留めらていない。まさに冬の時代。それは藩主徳川慶勝の「熟察」を旨とした精神によるものだった事が滔々と語られる。
    組織のトップは如何に決断すべきかが問われる内容に、正直、読むのにパワーが必要な一冊だった。

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    2022年07月17日
  • 一歩の距離 小説 予科練

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    「城山三郎」が太平洋戦争末期の若者たちを描いた作品『一歩の距離 小説 予科練』を読みました。

    「城山三郎」作品は昨年の夏に読んだ『指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―』以来ですね。

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    司令は静かな口調で命令した。
    「戦局を一変させるべく、帝国海軍では、この度、必殺必中の兵器を動員することになった。全員、目を閉じよ。兵器への搭乗を志願する者は一歩前へ!」塩月は躊躇した。
    前に出る練習生の靴音が聞こえる。
    出なければ、出なければ。
    死ぬために来たのに、何をためらっているのか。
    両親や兄弟のことを思った。
    脇の下を冷たい汗が流れる…。
    生と死を隔

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    2022年07月11日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    何年か前にドラマ化されていて、
    テレビCMで田村正和が「そうか、もう君はいないのか」と呟いていた姿が今も忘れられない。
    ドラマは見なかったけど、ずっとそれが残っていたのが、本作を読むきっかけ。

    こういうふうに、パートナーと寄り添って死んでいきたいなと思う。
    ずっと仲良しで生きていきたいなと思う。
    子どもが1番、というより、
    実は夫が・妻が1番大事、
    という夫婦の姿に惹かれる。

    巻末に載せられた城山さんの娘の文書で
    涙が止まらなかった。

    仕事の残業やら飲み会やらで
    家族と一緒に夕飯を食べなくても平気な人がいるけれど、
    私には 家に帰ればずっともっと大事な存在がいるので、私は先に帰ります。

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    2022年06月07日
  • 男子の本懐

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    緊縮財政と行政整理を行い、金解禁を実行した浜口雄幸と、その盟友井上準之助の物語。性格や言動も異なる二人が、どのようにして日本経済建て直しに命をかけ、金解禁を実行したのか。そして、無念の凶弾に倒れたのか。
    昭和の気骨のある政治家の物語として、胸を熱くして読み進められました。特に、浜口が東京駅で銃弾を浴びた場面を描いたシーン。死を悟った浜口が、「まだ早いな。いずれは死ぬ命だ、国家のために斃るれば寧ろ本懐とするところが、しかし余の負うたる責任だけは解除してからでなければ申し訳がない。」と回想する場面。
    浜口雄幸の気迫と覚悟、そして使命感に燃える姿、人間としての真面目さ、他者への慈悲、やさしさを感じま

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    2022年06月07日
  • 逆境を生きる

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    日本近代史のおける政治家の生い立ちや人となりに触れながら、読者に対して自分は何をすべきなのかを投げかけてくる。self, intimacy, achievementの三項目を私自身の中でも振り返り、今後の糧としていきたい。

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    2022年03月13日
  • 男子の本懐

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    果たして金解禁の意味は良くわからなかったけれども、蓄財や名声の為でなく動いている姿は、現代に生きる私には理解は到底及ばないです。
    最後の墓が並んで立ってる描写好きです、青山霊園行かなければ。

    個人的に高橋是清がダメな方で描かれていたのが新鮮でした。

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    2022年02月24日
  • 雄気堂々(下)

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    明治政府の高官として採用、下巻では洋行を経て若さだけの彼は過ぎ去り、老練という表現が相応しい存在となる。明治の元勲に負けず劣らずの行動を経済界で示し、上巻とは違って経済小説が得意な著者の本領発揮されている。明治時代に活躍する偉人がたくさんでてきますし、青天を衝けでとりあげられたエピソードもいっぱいでてきます、大河ドラマと比べると1エピソードあたりのツッコミは深かったり浅かったりさまざま。妻千代がコレラであっけなくなくなった時点で小説は終了。青天を衝けが気に入った人は復習の意味で読むと面白いでしょう。

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    2022年02月04日
  • 落日燃ゆ

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    日本史をほとんど勉強したことがないのと、一般教養不足なのもあり、誰のことを言っているのか、なんのことを言っているのか分からないことが多く、かなり読むのに苦戦した。登場した政治家の中ですぐ分かった者といえば吉田茂くらい、、それもこんな人物だとは全く知らず新鮮だった。

    戦争という悲劇を招いたとはいえ、この時の政治家たちには、今の政治にはない政治家としての信念や熱意を感じた。政治家だけでなく会社でも、上役になることを拒む者が多く、今の日本は皆責任を追うことを避けたがる風潮があると思うが、当時はこんなにも皆自信を持ち、野心があり、生き生きしていたのかと、ある意味感動した。

    印象的だったのは身内の死

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    2022年02月04日
  • 官僚たちの夏

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    何回目かの再読。
    初読は大学で。役人に興味があった。
    2回目は若手社会人の頃。
    3回目、ガンで余命宣告を受けた親父がなぜか読んでいたのを見て。勤め人としてのあれこれを思い出していたのか。
    そして今回。当たり前だが、読後感は毎回大きく異なる。

    昭和30年代のあらゆる意味でありえない働き方、理不尽。
    定時退社しただけでやる気不足扱い。男女差別を差別とも思わない。いや、むしろ通産省は他の役所より積極的に女性キャリアをとるんだ、と。そしてその新人に「お人形さん」とあだ名をつけることが「ユーモア」だった時代。
    いっそすがすがしいまでに、「国家のため」と「省のため」を混同した政策論議。はあ。
    主人公の「

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    2022年01月31日
  • 創意に生きる 中京財界史

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    幕末から昭和初年の資本主義黎明期、保守的、排他的、消極的な名古屋市の土地柄から創意をもって経済発展を成し遂げた経済人たちがいた。城山三郎が本名の「杉浦英一」名義で1956年に刊行された幻の処女作新装版。

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    2022年01月13日
  • 落日燃ゆ

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    A級戦犯とは「平和に対する罪」で訴追された者を指し、B級戦犯、C級戦犯はそれぞれ「通例の戦争犯罪」、「人道に対する罪」であるようだ。では「平和に対する罪」とは何なのかというと、「侵略戦争を計画、準備、遂行し、共同謀議を行なったかど」とのこと。

    日本では極東国際軍事裁判にて28名がA級戦犯で訴追され、そのうち以下の7名が絞首刑に処せられた。
    土肥原賢二:陸軍大将
    板垣征四郎:陸軍大将
    木村兵太郎:陸軍大将
    松井石根:陸軍大将
    武藤章:陸軍中将
    東條英機:陸軍大将
    広田弘毅:文官

    ただ一人の文官、広田弘毅。外交官から二・二六事件後の首相となり、後に外務大臣として戦争防止に努めた人物。その生涯を

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    2022年01月08日
  • 役員室午後三時

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    経営に近い立場に自分にとって反面教師となり示唆に富んだ一冊。常に広義のステークホルダー(従業員、サプライヤー、ライバル企業、、、なども含む)とWinWinの関係を築き上げる事こそが経営に求められている事かと。一人勝ちの経営ではいずれ破綻をきたすという象徴的な事例ですね。

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    2021年12月22日
  • 雄気堂々(下)

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    下巻は、明治新政府で改正掛を立ち上げ、建白書を次々と提出し、改革の先鋒となる渋沢栄一の活躍が描かれる。
    対立する者の意見もよく聞き、調停の名人であったが、ぶつかる壁も厚かったようだ。
    大久保利通と衝突し、栄一に国造りの神々となってほしいと頼まれた大隈重信とも意見を異にするようになる。
    合本主義の夢を持ち続ける栄一は、その実現のため三菱や外国商人とも対抗し、その闘争心が尽きることはない。
    渋沢栄一の人間形成の物語であるとともに、近代日本の形成であり組織警世の物語でもある。
    若き日本が鮮やかに描き出される本書は、老い停滞感が漂う現代に多くのことを投げかけてくれる。

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    2021年10月06日
  • 雄気堂々(上)

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    今年の大河ドラマの主人公渋沢栄一の業績を振り返ろうと、76年刊行の文庫を棚から取り出し、約30年ぶりに再読。
    しかし、字は小さく(1行43文字)紙面は褪色、読みづらいので仕方なく(笑)2003年改訂版を購入。
    こちらは1行38文字で、たった5文字の違いながらはるかに読みやすかった。
    上巻は、血洗島の農家に生まれた栄一が、勤王の志に目覚め、やがて一橋慶喜に仕え、慶喜の弟明武に随行しフランスに行き、維新を迎えるまで。
    日本資本主義の父と言われる渋沢栄一だが、若いころは攘夷を掲げ、横浜の外人居留地の焼き打ちまで計画していたとは。

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    2021年10月06日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    太陽の様に明るい妻。思いもかけず早くに妻を失い、その後7年は家にほぼ帰らず仕事場で過ごした。妻との出会いから別れまでを戦中を過ごした古武士の様な文体で綴られている。
    祖父の文体にも似て、不思議と懐かしさを感じた。

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    2021年09月26日
  • 男子の本懐

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    R3.8.13~9.25

    (あらすじ)
    緊縮財政と行政整理による<金解禁>。これは近代日本の歴史のなかでもっとも鮮明な経済政策といわれている。第一次世界大戦後の慢性的不況を脱するために、多くの困難を克服して昭和五年一月に断行された金解禁を遂行した浜口雄幸と井上準之助。性格も境遇も正反対の二人の男が、いかにして一つの政策に命を賭けたか、人間の生きがいとは何かを静かに問いかけた長編経済小説

    (感想)
    浜口雄幸、名前はしっていましたがその生涯を知ることができました。(井上準之助は全く知らず)
    金解禁という難しいテーマであり、その部分は完全に理解はできませんでした。(流れで読んでしまいました)

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    2021年09月25日