城山三郎のレビュー一覧
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昭和5年に国際競争力をつける為の金本位制復帰を断行した濱口雄幸(72代総理大臣首)と井上準之助(大蔵大臣)を主人公とした歴史小説。
濱口は狙撃事件の後に、その際の傷が元で死去するが、かねてから自分の信念の元に殺されることがあってもそれは男子の本懐だと述べていたことが題名の由来である。
1981年に北王路欣也、近藤正臣のコンビでテレビドラマにもなった。
城山三郎氏の歴史小説では、広田弘毅を主人公にした「落日燃ゆ」、渋沢栄一を主人公とした「雄気堂々」が後に執筆され非常なヒット作となったが、同2冊に比べると、先発の作品である事や主人公が二人で有る分、それぞれの生い立ちや内面描写などが薄いと感じたが読 -
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『容子がいなくなってしまった状態に、私はうまく慣れることができない。
ふと、容子に話しかけようとして、われに返り、「そうか、もう君はいないのか」と、なおも容子に話しかけようとする』【作中20章より】
生前、直木賞をはじめとする様々な賞を受賞した名作家の遺稿から生まれたのが本著でした。
本著では、これまで日本経済を舞台とした社会経済小説等を中心に執筆してきた城山三郎氏が、今までの執筆スタイルとはまるで違う、『妻=容子さん』との出会いや、自身の心の奥底から湧き出てくる容子さんへの愛情、そして築いてきたその暖かな日々。そして二人三脚で歩んできた、いや、一心同体と言っても過言ではなかった容子さんを -
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日本産業界の父と言われた渋沢栄一翁一生を描いた長編小説。
若かりし頃、若気の至りで憂国の志士として高崎城乗っ取りを計画するが挫折。
知恵と努力と誠意で大成し大人物として育って行くが大河ドラマ「青天を衝け」にて詳しくドラマ化されましたが原作はこの城山三郎版の渋沢栄一だと思われます。
平岡円四郎、徳川慶喜との縁から、徳川昭武公のフランス留学に付き添い自分の道を切り開いて行く。
海外留学で学んだ事を元に、姑息な事はせず正々堂々と自分の考えで世の中を渡って行きます。
大隈重信、井上薫、伊藤博文等明治の元勲の知己を得て国づくりの神として体制づくりで活躍後、民業に出て日本産業の近代化に多大な貢献をした。
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日本産業界の父と言われた渋沢栄一翁一生を描いた長編小説。
若かりし頃、若気の至りで憂国の志士として高崎城乗っ取りを計画するが挫折。
知恵と努力と誠意で大成し大人物として育って行くが大河ドラマ「青天を衝け」にて詳しくドラマ化されましたが原作はこの城山三郎版の渋沢栄一だと思われます。
平岡円四郎、徳川慶喜との縁から、徳川昭武公のフランス留学に付き添い自分の道を切り開いて行く。
海外留学で学んだ事を元に、姑息な事はせず正々堂々と自分の考えで世の中を渡って行きます。
大隈重信、井上薫、伊藤博文等明治の元勲の知己を得て国づくりの神として体制づくりで活躍後、民業に出て日本産業の近代化に多大な貢献をした。
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広田弘毅の事は知らなかったが城山三郎の著書だったので拝読。非常に勉強になったし、広田弘毅の生き方にはリスペクト出来た。
東京裁判で絞首刑を宣告された七人のA級戦犯のうち、ただ一人の文官であった元外務官僚、元総理、元外相まで勤めた広田弘毅。
戦争防止に努めながら、その努力に水をさし続けた軍人たちと共にA級戦犯として裁かれ、それを従容として受け入れた広田弘毅の潔い生涯を激動の昭和史と重ねながら克明にたどる。
福岡の石屋の倅として生まれ余りの優秀さゆえに進学。日清、日露戦争で戦争に買ったが外交で負けた日本を見て外交官を目指した。
どんな時も国際情勢を冷静に分析し誠意をもって外交を行う広田は、軍人に負