城山三郎のレビュー一覧

  • 毎日が日曜日

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    昭和50年ごろの商社マンの話。
    京都支店に転勤になって相談役の相手をする主人公・沖と、定年退職になった笹上は「毎日が日曜日」の生活を送れると周囲から言われるのだが、現実は・・・。

    この2人の対照、その周囲の人間の醜さ、前向きさ、当時の商社の様子がよくわかる。

    今読んでも面白いと思えるのは、やはり主人公の沖と笹上の心情が克明に描かれていて、その2人が京都と東京と、離れていながらも何度も交差していくからだろう。

    単身赴任の辛さや孤独な老後生活の寂しさ、それを紛らわせようと何かにすがりつく人間の姿というのはどうも時代を超えて共通のようである。

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    2011年09月19日
  • 総会屋錦城

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    企業の話が7作入った短編集。

    短く切るリズミカルな文章に、めまぐるしく変わる展開。そして主語をくるくる変えながらキャラクターの内面に迫っていく手法。
    どれを取っても一級品だった。

    ある種の切なさや悲しさが全体的に漂っている『総会屋錦城』よりも、バリバリ働く商社マンの光と陰を描く『輸出』やアメリカの関税規制に挑む日本人を描く『メイド・イン・ジャパン』の方が個人的には好きだな。



    戦争の傷がまだ残る中で、様々な日本人が公私ひっくるめてめちゃめちゃに働き、今の日本がある。

    いわゆる「古き良き」日本が知れていいですね。


    城山三郎の中では一番好きな作品になった!次は随筆でも読んでみようかな

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    2011年09月19日
  • 燃えるだけ燃えよ 本田宗一郎との100時間

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    ネタバレ

    世界のホンダを作った本田宗一郎の伝記小説。基本的には、城山が100時間つきっきりでインタビューしたものや仲間などの話を取り入れた一冊。本田が引退した後から話が始まるという切り口が特に良かった。というのは、本田の若いころを美化するようなものを最初は期待していたが、むしろその時代を客観的に捉えると同時に、引退後の含蓄ある余生を描いていたからである。優れた経営者の引き際は潔いということを改めて認識した。近くの例で言うならスティーブジョブスもアイフォンなどで一つの時代を作ったら、潔く引いてしまったが、彼も本田も自分の限界を認識し、次なる人が現れることを期待しての判断なのだろう。また、仕事上のパートナー

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    2011年09月12日
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界

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    題名に惹かれて手に取った作品。
    長期的な視点とブレない基盤。豪快かつ痛快。
    人の上に立つ人物として必要なものばかり。

    石坂泰三本人をよく知らなかった自分に
    尊敬する人物を一人加えてくれた。

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    2011年08月23日
  • 花失せては面白からず 山田教授の生き方・考え方

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    イデオロギーに囚われてはいけない、という、現場から遠いと言われる学者が限りなく現場に近づこうとする。こんな素敵な議論ができるようた師弟関係がうらやましい。この時代の一橋で学びたかったと思ったが、はて、どの時代だろうが中身のない自分にはついていけないではないかと、すべてを時代のせいにすることを自省。

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    2011年08月17日
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界

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    第一生命社長、東芝社長、経団連会長、大阪万博会長 等 を務め、
    財界総理と言われた石坂泰三の生涯。

    教養が深すぎる。
    英語、フランス語、ドイツ語、ラテン語ができ、
    俳句や短歌にも詳しく(万葉集が愛読書)、
    書や焼き物も趣味で、哲学にも精通。

    バラエティ番組を見て日本の将来を嘆いていたりもしており、
    テレビ見て笑ってる場合ではないと反省。

    とにかくスケールの大きな人。
    高度経済成長期で、のびしろが大きかった時代なので今とは背景が全然違うとは思うが。



    部下で、朝7時から出勤し、夜7~8時まで働き、土日も休んだことがない、という人が出てきた…
    働き過ぎでしょ…

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    2011年08月04日
  • 価格破壊

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    久しぶりに驚くほど引き込まれ、一気に読んでしまった一作であった。
    価格破壊というタイトルからは想像できないような奥深さ。主人公のモノ売りにかける執念は、並々ならぬものがあったと思う。
    少しずつ店が大きくなっていく様子も見ていて爽快であった。
    社会に反抗する主人公の姿が今でも心に焼き付いている。

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    2011年07月25日
  • 黄金峡

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    ダム建設をめぐる問題を描いた小説です。
    ダム建設の裏側や人間性がリアルに書かれています。
    重たい話題ですが小説なので読みやすい。
    かなり考えさせられてお腹いたくなりました。
    (芳崎)

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    2011年06月23日
  • 打たれ強く生きる

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    【読書】著者は、「官僚たちの夏」や「落日燃ゆ」などで有名な城山三郎。(ちなみに大学の大先輩である。)本の名前でわかるように、著者の前向きな姿勢、仕事への真摯な姿勢が表れている本。著者の前向きで、人間的な優しい文章が好きだ。本当に素晴らしい本であり、コメントすべきポイントが多いが、気に入ったのは次の文章。
    「理屈通りに事が運ぶものなら、この世は人間の国ではなく、神の国になってしまう。感情が介入するから、この世はおかしく、悲しく、腹立たしく、つまり人間の世界となる。」
    だから、人生は面白いのだと思う。

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    2011年03月27日
  • 鼠 鈴木商店焼打ち事件

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    金融マンであれば読んでおくべき本。

    決して簡単な内容ではないし,歴史背景が古いので若い人には少し掴むのには時間がかるかもしれない。

    城山作品の最高傑作だと思う。

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    2011年03月26日
  • 学・経・年・不問

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    何となく買ってみたんだけど、読みやすくて楽しめた。
    2人の男の中間ぐらいが丁度いいだろうけど、それはそれでただの普通の人になってしまって「学・経・年齢不問」の枠ではやっていけないだろう。
    極端っていうのも良いかもしれない。

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    2011年02月01日
  • 価格破壊

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    これは、ダイエーの創始者の中内功氏の伝記的小説となっていると思う

    確かに、現代の歴史の中では価格破壊的商法は一時代を築いたのだと思うし
    現在もそのモデルに則って行われているビジネスがあるのだろうが

    その場合、果たしてみんなが幸せになるモデルなのだろうか?
    フェアトレードを最近聴くようなったが、多くの場合
    貧困国からの搾取を言っているようだが
    国内を見渡しても搾取の割合がおかしくなっているのではないだろうか(利益の再配分の方法といってもいい)

    それの一因として価格破壊のような正当な価格を引き下げる方向の力が働いていることがあるのではないかと考える

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    2010年07月25日
  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―

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    たまたま実家に帰省中に手にとった。
    ちょっと悩んでいたときに勇気をもらいました。
    今では当たり前と思うことを当時から実践していたとはすごい。
    今でもわかっていてもなかなかできない。
    正しいと思うことをやり遂げた人は素晴らしいです。

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    2010年07月01日
  • 逆境を生きる

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    これは、城山さんの高校での講演をまとめたもの。
    「落日燃ゆ」の広田弘毅、浜口雄幸・・・、そんな人たちの生き方を平明で丁寧な言葉で語っていく。

    「人は、その性格に合った事件にしか出会わない」というのは至言である。

    人は自分がなりたい人生を歩む。
    ボーッとしていて他人や社会のせいにして自分の不幸を嘆くのは、子どもなんだよ。

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    2010年06月04日
  • 逆境を生きる

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    戦前、戦後を生きた日本人達の逆境の生き方を実に興味深く読ませてくれる本だった。日本最大の経済人と呼ばれた渋沢栄一、真珠王となった御木本幸吉、戦犯として処刑された広田弘毅、暗殺された浜口雄幸などなど。それぞれに信念を貫き、逆境を生き抜いた人々を生き生きと語ってくれる。「落日燃ゆ」読んでみよっと。

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    2011年09月17日
  • 役員室午後三時

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    会社とは共同体。社長といえども共同体を構成する1つのパーツでしかない。共同体にふさわしくないとなれば、入れ替えるのが当然

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    2010年03月02日
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界

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    Kodama's review
    戦後の日本の高度成長を支えた方々には、このような気骨のある方が存在したのでしょう。このように世の中に貢献した方の生涯に触れ、多くの刺激を受けました。
    (08.2.28)
    お勧め度
    ★★★★★

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    2009年11月19日
  • ビッグボーイの生涯

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    昇の「休戦の哲学」とでも呼ぶべきものの実践であった。むやみに走らず、休んで走る。休んだ上で走り出す。

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    2010年07月15日
  • 学・経・年・不問

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    これは傑作。

    丸裸になった本来の自分がどれだけの魅力を持つか。どれだけの信念を持てるか。自信を保てるか。

    頑張ってればなんとかなる、そんな楽観主義が通用しないシビアな世界で生きるためには、やっぱり頑張るしかない。

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    2009年10月04日
  • 百戦百勝 働き一両・考え五両

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    日本的ビジネス小説のパイオニア的存在の城山さんの作。
    主人公春山豆二の考え方・行動力がすばらしい。
    実在した人物だそうだが、学ぶところがたくさんある。

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    2009年10月04日