【感想・ネタバレ】もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界のレビュー

あらすじ

無事是貴人――何事も無いのが最上の人生。この言葉を信条としながらも、頼まれたらどんな難事も引き受け取り組んだ実業家・石坂泰三。第一生命を日本有数の保険会社にし、労働争議で危機を迎えた戦後の東芝を立て直し、経団連会長として日本経済の復興を任され、国家事業となった大阪万国博覧会を成功に導く。まるで流れのままに身をゆだねるような人生を歩みながら、一方で、どんな権力者にもおもねらず、あくまで自由競争を旨としたその経営哲学を、城山三郎が描く。

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Posted by ブクログ

勧められて読んでみた。
掴みどころのない石坂氏の生き様が物語となっていた。最後まで掴めなかったが、妻や息子を想う気持ちに心動かされた。
それがしかの1日の意味を私も考えたい。

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2021年06月13日

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小細工を弄するなかれ。無事是貴人。それがしの1日を大切に生きる気概を持って正道を歩み続けた経済人也。

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2020年10月20日

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万博公園には何度も行っているのに、石坂泰三の像には気づかなかった。日比谷の第一生命ビルも、今度、見に行こう。まなぶところの多い、昭和の気骨人の生涯です。

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2014年12月06日

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facebookの記事で知り購入。

どれだけ厳しく、勤勉な人なのかと思い読み進めたが、人生に芯・筋が通っており、厳格で正義感があり、かと思えばユーモアと知性も兼ね備え、また勤勉で素直、愛情豊かな方であった。

読み進むにつれて石坂氏の人物像に惹かれていくし、憧れ、理想像であることに確信をもった。他の石坂氏関連の本も読み、人生の教科書としたい。

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2014年04月28日

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城山三郎による、石坂泰三の生涯を描いた長編小説。

石坂泰三・・・第一生命、東芝社長を歴任後、高度成長期に長年、経団連会長を務め、“日本の陰の総理”、“財界総理”とうたわれた、気骨ある財界人。

もともとは、土光敏夫の本を何冊か読んでいるうちに、
土光氏が影響を受け、色々教えられた先達として石坂が語られているため、
読んでみた。

土光は、清貧・実直でいくならば、
石坂は、自由奔放・豪放磊落。
しかし、二人揃って、筋を通し、言行一致の人であり、
栄誉や権力・お金を全く求めないところなど、
生き方がとても似ている。

土光との比較で読んでみると、
経営者、あるいは人としての生き方の一つの指標を得られると思われる。
個人的には土光のような聖人的な生き方が好きだが、
石坂は、土光よりも俗っぽい部分があり、
また自身は、自由で縛られるものがないために、生き方に窮屈さが感じられない。
土光が、家に閉じこもって、慎ましく暮らしている一方で、
石坂は、どんどん外出し、ゴルフもする。読書もし、海外旅行もする。
ただ、ともに無私であり、国家大計のために行動し、
また、知的好奇心にいつまでも溢れているところが魅力的である。

更に本書では、雪子夫人に対する石坂の想いが多く書かれている。
次男を戦争で亡くし、また夫人を早くに亡くし、
その二人に対する想いを詩にし、切々と綴られている。

土光の場合でもそうだが、
大業を成し遂げた人には須くその後顧を支える女性や家族がいる。
また、大業を成し遂げる一方で、その人たちに対する愛情がある。
そういう部分についても、改めて気づかせてくれた。

330ページ超とやや長めだが、
石坂の人生について、様々な視点から描かれており、充実感のある読み応えである。
良書。

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2012年03月23日

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題名に惹かれて手に取った作品。
長期的な視点とブレない基盤。豪快かつ痛快。
人の上に立つ人物として必要なものばかり。

石坂泰三本人をよく知らなかった自分に
尊敬する人物を一人加えてくれた。

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2011年08月23日

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第一生命社長、東芝社長、経団連会長、大阪万博会長 等 を務め、
財界総理と言われた石坂泰三の生涯。

教養が深すぎる。
英語、フランス語、ドイツ語、ラテン語ができ、
俳句や短歌にも詳しく(万葉集が愛読書)、
書や焼き物も趣味で、哲学にも精通。

バラエティ番組を見て日本の将来を嘆いていたりもしており
テレビ見て笑ってる場合ではないと反省。

とにかくスケールの大きな人。
高度経済成長期で、のびしろが大きかった時代なので今とは背景が全然違うとは思うが。



部下で、朝7時から出勤し、夜7~8時まで働き、土日も休んだことがない、という人が出てきた…
働き過ぎでしょ…

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2011年08月04日

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Kodama's review
戦後の日本の高度成長を支えた方々には、このような気骨のある方が存在したのでしょう。このように世の中に貢献した方の生涯に触れ、多くの刺激を受けました。
(08.2.28)
お勧め度
★★★★★

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2009年11月19日

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経団連会長や東芝会長などを務めた石坂泰三の伝記。

経済人として戦後復興期に日本経済に貢献した石坂泰三。その人となりは、わかりやすそうで、わかりにくい。何かしらの思想があったのは伺えるけど、城山三郎氏の推測の域を得ず、また、時にその推測と矛盾した行動をしているように思える。本人亡き今、確認する手立てはないが、企業人として引退したあとに経団連や万博会長を引受けたときの胸の内はどういうものだったのだろう。仕事に情熱があったというより、亡き妻を忘れるために引き受けたとも見えるのだが。。

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2024年03月25日

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石坂泰三の伝記。石坂泰三は、戦前・戦後にかけて活躍した経済人である。その主な経歴を記すと以下の通りだ。
1886年 誕生。1886年は明治19年
1911年 東京帝国大学卒業→逓信省入省
1915年 逓信省を退官し第一生命に入社
1938年 第一生命社長就任(52歳)
1947年 第一生命社長辞任(61歳)
1948年 東芝取締役就任(62歳)
1949年 東芝社長就任(63歳)
1956年 経団連会長就任(70歳)
1965年 日本万国博覧会協会会長就任(79歳)
1968年 経団連会長退任(82歳)
1975年 逝去(88歳)

石坂泰三の活躍は、東芝社長時代の労働争議対応、12年に渡る経団連会長としてのもの、大阪万博を成功に導いた万博協会長時代のもの等が知られているが、一目で分かる通り、かなり歳をとってからの功績である。第一生命社長を退いてからしばらくは、いわゆる「浪人時代」があり、縁あって東芝の取締役・社長に就かなければ、そのまま終わっていた可能性もあり、典型的な大器晩成型のキャリアである。
また、石坂泰三のもう一つの特徴と思えるところは、トップになってその実力を発揮するという部分だ。東芝には社外役員として関わり、その後にトップに就いている。経団連、万博協会長には、初めからトップとして(あるいはトップ候補として)関わりを持っている。日本の企業トップで有名な方は、創業社長あるいは内部昇格された方が多い中で、やや異質な特徴を持っていたのではないかと感じた。

城山三郎の作であり、取材は行き届いているし、また、物語の構成も文句なく、楽しく読んだが、私としては、「何故高齢になって活躍できたのか」「何故トップとして、より力を発揮したのか」について、もう少し触れて欲しかったな、と感じた。

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2023年06月28日

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無理を通せば道理引っ込む的な成功者が戦後のさばった。今なら世間から袋叩き
そういう時代もあったという事。戦国時代、天下人はそう生きただろう。
豪快で浪花節的で面白いちゃ面白い伝記もの

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2020年05月09日

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近代の日本の歴史を支えてきた人の名前を知らずして、情報の少ない大昔の歴史を学ぶことも必要かもしれないが、近代の情報が多い歴史を学ぶことも必要だと思う。

その人達が何を同学び、どう考え、判断してきたかは非常に勉強になる。

私がちょうど生まれたとし、生まれた街で開催された、大阪万博の長を努めていた方が、こんなご高齢な方であったとは思いもよらなかった。

いつの時代も、日々勉強を続けることが必要なのだと、身につまされる思いで、この本を読むことが出来た。

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2017年04月02日

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高度経済成長のころまでは、こういう人の存在を許容する土壌があった。今は?もしかするとナベツネなんかが最後のそういう人物なのかもしれない。

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2012年09月01日

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「スケールがでかい!」
石坂泰三を一言で表すとそんな言葉になるだろうが、それだけでもないと思う。勉強家でユーモアがあり、筋を通すことにブレないし、相当の愛妻家でもある。いろいろな側面が奥深く、いろんな色が見えてくる・・・そんな人なのだと思う。つまり、一言では表せない。
城山作品は、さすがに迫力がある。石坂泰三に会ってみたい、ぶつかってみたいと思わせる。城山三郎自身も気骨のある人で、かつ愛妻家・・・著者と主人公が重なって見えてくるのかな。

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2012年01月13日

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財界総理と言われた石坂泰三氏の生き様。明治生まれの男の魂を感じる一冊。今の日本政府の体たらくを石坂氏が見たら何というのだろう。
あとがきに著者の城山氏がこう記している…
「存在感のある人間が、いま求められている。大不況の壁の前で、揃って足踏みしているのではなく、広い原野へ連れ出してくれる大きな人に会ってみたい。王道や大局をつかむ力があり、懐の深い人に…」
ちなみにこの文章は1994年に氏が書いたもの。18年たった今でも、全く以って今の日本人の気持ちを代弁している言葉だと思う。ちなみに大不況という言葉を会社の組織や自分を取り巻く身近なものに置き換えれば、今の自分の生き方と照らし合わせることが出来る。

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2012年01月08日

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もっと早く生まれたかった。
今の人物の小さい事ったら。。

というのは失礼だが、所詮人間ははかないものと
思い後進を意識した動きをしている公人をあまり
見た事がない。

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2011年08月30日

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こんなに人間的に魅力的であったとは。

・それがしの1日を過ごす 食事ひとつとっても
・死後愛妻家 感情を隠さない
・交友関係 がっぷり四つに組むから得られる

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2011年07月03日

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明治男はカッコいい。
東芝社長、経団連会長をはじめ、100近くの肩書きを持った人物。
偉ぶったところがなく、常に「自分はたいしたことはやっていない」というスタンス。そして、頼まれたことは、面倒な仕事でも引き受ける。

こんなたいそうな人は身近にいないのだけど、人物像が生き生き(生生しく!?)と描かれており、まるで身近な人のように感じることができた。

本文に登場してきた、他の人物達についても、興味を持ったので、機会があればぜひ読んでみたい。

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2011年01月11日

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スケールのでかい、器の大きい男の話を読むと鼓舞される。

時代が生んだ賢人、石坂泰三。
仕事に愛された人だった。何もしなくても仕事が向こうから次々とやってくる。仕事が来れば、おのずと人もたくさん集まってきた。

愛妻家でもあった。

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2010年07月09日

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天邪鬼であり、ユーモアであり・・・仕えてみたいと心底思わせます。真似は出来ないけど、笑わせるユーモアや謙虚、それでいて真摯であり、言うことは言う、そして大局から・・・笑いながら読める本です!

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2010年05月27日

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友人の薦めで手に取ってみた一冊。高度経済成長期の時代に経済界の重鎮として活躍した石坂氏の評伝。なかなか懐の深い多才な人物で、とても興味深く読めた。作者はおそらく石坂氏の中に理想的なリーダー像を思い描いていたように思う。

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2018年07月29日

Posted by ブクログ

弔辞というか伝記というか。割と今の世にもいるようなタイプの人な気がする。タイトル詐欺というかこのタイトルはもっと創業者系の伝記の方が似合う気がする。雇われにしろ創業にしろトップにはトップ同士の世界があり、他の登場人物が随分魅力的だった。筆者の書き方なのか、この人物の人徳なのか。 当然ながら旧態依然の話が多いと思いつつ、そうは改革もできない、未だこんな世界で生きてかなきゃいけない人々がいるんだよなと思うと悲しくもあり頼もしくもあり。 あ、あと亡き妻の話に割くパートが多いのはこの筆者だからこそと思った。

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2014年12月08日

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城山三郎が描く経済人の物語はやはり面白い。第一生命、東芝社長を歴任、経団連会長を6期12年、大阪万博会長を務めた石坂泰三。「権力に近づかぬこと、自ら権力を持たぬこと」「経済界は自主自立に徹し、自由経済の原則に則ること」「少年のように健全に成長し、立派に国際社会の仲間入りをすること」など、今聞いても納得することばかり。スタンフォード大学には「イシザカ・ルーム」があるということを、恥ずかしながら知りませんでした。また、上智大学元学長であるピタウ神父が、著者からのインタビューに対し、日本に来て良かったと思う点に「石坂泰三氏と本田宗一郎氏に出会えたこと」と答えており、これも知らなかったなあ。

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2014年11月09日

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石坂泰三。
「日本の陰の総理」「財界総理」と謳われた、財界人のお話しです。
次男と妻を早くに亡くした哀しみを忘れず、頼まれた厄介事には「男が社会で仕事をしていると、しんどいことでも引き受けざるをえないことがある」と立ち向かう姿。
政や官にも全く媚びない姿勢は、自己保身の強い現在、別な世界の人の様。
それでも若干読みにくさを感じ、ペースが上がらなかったのは移動時間が少なかったからだけではなく、本人に会わずに書かれた小説だからかもしれません。
「官僚たちの夏」を超える城山作品は無いのかな…

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2013年07月11日

Posted by ブクログ

「2013年本屋大賞」に百田尚樹さんの「海賊とよばれた男」が選ばれました。出光興産の創業者出光佐三をモデルにした小説で私も昨年読んだのですが、確かに気持ちの良い物語でしたね。芯の通った経営者の生き様はとても刺激的です。
 本書もそういうテイストの本として手に取ってみました。
 主人公は、第一生命・東芝の社長を歴任、その後長年にわたり経団連会長も務め“財界総理”との異名もとった石坂泰三氏です。石坂氏もやはり極め付けの“頑固者”でした。
 出光氏の経営者・財界人としての苛烈な生き様とその中での亡き妻への思いのコントラストが印象的です。

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2013年05月05日

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読むまでまったく知らない人物であったが、面白かった。
状況を大づかみにを捉え、本質的な勘所を逃さない、
偉人に共通する慧眼か。
そうした姿と家庭での姿のギャップは面白く、
先立たれた妻に対する思い、詠んだ歌にじんわりとした温かさが感じられた。

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2013年01月17日

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城山さんの伝記シリーズは取材量もすごいが、いいこともそうでないことも時代のヒーローに仕立て上げてしまうので最近読んでいないが久しぶりに手にとってみた。
第一生命、東芝社長を歴任、高度成長期に長年経団連会長を務め、「日本の陰の総理」「財界総理」と謳われ、万博協会会長を務め成功に導いた「石坂泰三」の生涯。政治・官僚嫌いで「東芝の再建は他では勤まらないが、大蔵大臣なら他にも候補がいるだろう。」と吉田茂からの大蔵大臣就任を断る気骨の人。
今の日本の迷走を見ていると、あの時代に「子供だと言っても乳母車に乗って風車廻して喜んでていいのか」と保護勢力を一喝し「自由と自立、産業保護政策からの脱却、資本・技術・商品の自由化」を推進したようなビジョンのある人がいなくなったのか。

ちなみに、経団連会長をいつまでやる気だという声に「老人はわがまま適齢期」というのには、苦笑いせざるを得ない。

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2013年01月12日

Posted by ブクログ

新年一冊目の読書。気骨ある生き方をすることと、日々某の一日を大事に送ることとは、表裏一体なのだろうと。

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2013年01月03日

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石坂泰三の世界を読む。
「無事是貴人」を哲学とする。
石田禮助、五島昇らに囲まれる。

60才すぎて、経団連会長をひきうけ、
本格的な仕事をして、
80才前で、万国博の会長を引き受ける。
老人といわれる頃から本当の人生が始まる。

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2012年10月26日

Posted by ブクログ

第一生命、東芝社長を歴任。気骨ある財界人の生涯。

日々を楽しむその姿勢は見習うばかり。
とは言いながら印象に残りづらい。

全体の進むべき道を見失わないことが大事。

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2012年06月10日

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