城山三郎のレビュー一覧

  • 毎日が日曜日

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    ビジネスマンにとっての幸福な人生とは何かを追求した傑作という説明文に惹かれて、手に取った。

    職場だけに、幸福を求めるのは、危い気がした。仕事はやり甲斐をくれるが、組織に翻弄される面も否めない。

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    2025年11月15日
  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―

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    倉敷を訪れると、柔らかい気持ちになる。
    この本を読んで、街というよりも大原孫三郎という人に会いに行ったからかもと思う。

    大原孫三郎は、社会貢献と人材育成を大事にし、様々なことに挑戦し続ける。その姿に、人としての器の大きさと魅力を感じる。
    倉敷をまた訪れたいと思う。

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    2025年10月28日
  • 落日燃ゆ

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    「自ら計らわぬ」という生き方。
    戦争を回避しようとした広田弘毅がなぜ処刑されたか。
    当時の極東裁判のことが詳しく書いてあり学ぶことが多かった。

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    2025年10月21日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    3食は夫婦でとる。
    家ではもちろん、外でも待ち合わせする。

    夫の取材旅行にはついていく。
    どこに行こうが、何をしようが文句言わず
    そこで自分の楽しみを見つける。

    どこに引っ越そうが、夫が仕事を辞めようが筆一本で生きていくと伝えられても、食べていけて夫が満足ならいいと。

    なんてできた奥様だろう。さすが妖精。
    「おれがついてる」のかっこよさ。
    ついてきて良かったと思える一言に感動。

    是非とも容子さん側の話も読みたかった。

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    2025年10月19日
  • 男子の本懐

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    濱口雄幸と井上準之助、二人の金解禁へ邁進する物語。金解禁が遅れた日本において経済立て直しのためには必須事項だった金解禁をやり遂げる二人の葛藤が描かれている。予算編成では官吏の給料を下げることで無理やり財政を作ろうとし全国から非難を浴びるものの井上の頑とした性格と黙々とことを進める浜口の協力プレーで進める。軍縮も大きな問題でたびたび海軍と衝突するが、彼らのおかげでその時は軍の拡大を防げてたしもし2人が長く政権を担っていたら戦争も起きなかったのかも。
    二人とも田舎出身で若くして活躍するも左遷させられる境遇が絆を深くしたのかも。
    経済ってむずかしいよね。

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    2025年10月17日
  • 落日燃ゆ

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    東京裁判にて死刑を受けた、唯一軍人ではなかった元総理、元外相の広田弘毅の一生。
    知らなかった。
    外交官として戦争を始めないように努力した人物。
    でも歴史は勝利したものによって書かれるとは正にこの事で。

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    2025年09月28日
  • 雄気堂々(上)

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    渋沢栄一が新政府の大蔵省に勤めるまでの話

    尊王攘夷を唱えて倒幕に立ち上がったが、慶喜に仕えることになり、幕末の動乱期を京都で過ごし、ヨーロッパへ留学し、帰国後に新政府に仕えることになった、その時32歳。

    倒幕の志し高くとも百姓一揆で終わっては命がもったいないとして、死に場所を探していたともいえる京都での日々。一方で、仕事は自分で作るものとして、建白魔と言われるほど上役に現状の課題と対策を提案した。

    ただの百姓だったところから、幕末の動乱を老練に生き抜いた

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    2025年09月02日
  • 辛酸 田中正造と足尾鉱毒事件 新装版

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    ネタバレ

    足尾銅山の鉱毒被害に遭った谷中村村民と田中正造が最後まで立退に反対し、政府による居住地の打ち壊しに遭っても最後まで抵抗していく話。
    辛酸という言葉以外見つからない谷中村の過酷な状況。

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    2025年08月28日
  • 官僚たちの夏

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    結局、この時代といまの官僚(ひいては日系企業の会社員たち)とでは働き方は変わらないんだろうなと思った。やっぱり健康第一ですね。

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    2025年08月06日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    特攻機として零戦などの戦闘機だけでなく、大きなフロートを持つ水上機や、練習機の「赤とんぼ」まで投入されていたことを知ると、人の命をあまりに軽視していた軍部に腹がたって堪らない。
    極めつけは伏龍。海の底で敵艦に爆弾突き当て、仲間とともに人知れず死んでいく。こんなん作戦じゃない。
    映画やドキュメンタリーなとでは、国を思って散っていった若者たちの、勇ましい、感動的なストーリーに作り込まれて伝えられることも多いが、実際には声を上げられない、やり場のない無念さに包まれながら、人知れず亡くなっていった方も多いんだろう。
    かの戦争で散っていった若者たちが少しでも多く生き残って日本再建に参画していたら、政治も社会も経済もこんなに残念な状態にはなっていなかったのかもしれないとは思う。

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    2025年08月03日
  • 官僚たちの夏

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    いわゆる「国士型」通産官僚を描いた小説。作者は官僚出身というわけではなさそうだが、それにしてはずいぶんとリアリティがある(まだ学生の身分である自分には、描写として正確なのかは分からないが)。主人公の、人事への執着が面白い。
    紋切り型ではない終わり方も好印象。
    これを読んで経産省を目指す学生は多いだろう。

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    2025年07月31日
  • 男たちの経営

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    花王初代富郎〜3社合併の伊藤英三までの花王の紆余曲折について。花王がなぜ技術を大事にしているのか、販社があるのか、今の体制の原点を知ることができた。初代の遺言を今も引き継がれていることを知り、感動を覚えた。梅は匂い…は伊藤英三を中心としていたが、この話は初代と二代目についても詳しく、また伊藤英三も登場人物の1人として描かれ全体を俯瞰できた。

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    2025年07月30日
  • 梅は匂い 人はこころ

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    真面目で実直な3代目花王社長の話。
    信念があり、人に迎合しない信頼できる人だったんだなと思った。
    百田尚樹作品に似た面白さがあった。

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    2025年06月29日
  • 落日燃ゆ

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    黙って自分の運命を受け入れる姿が印象的だった。
    知ることができて良かった歴史の人であり、更に彼や極東裁判について学びたくなった。

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    2025年06月23日
  • 落日燃ゆ

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    再読。良い小説。
    広田弘毅の人生が軍部の暴走により決定づけられていったことは事実であろう。一方で広田の悲劇性がどこまで「描かれたもの」通りであるかは眉唾ものである。ここに描かれていることが間違っているという指摘ではないが、広田の真意がどうであるか考える余地を残したい。

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    2025年05月29日
  • 雄気堂々(上)

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    渋沢栄一の若い時には好奇心旺盛だった事は隠せない。世の中の変化を視る為「旅」江戸から京都、そして幕末変化に末端でも役立つ立場を得るために慶喜の部下としての采配、財務対策を手掛けたことが将来の道を築いたと言える。その一つが慶喜の弟昭武との2年に及ぶフランス遊学へと繋がる。選ばれた理由は「百姓上がりの勾者だが調停役に役立つ」と栄一は理財と舌弁に長けた人物だった、と言える。(下巻に続く)

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    2025年05月24日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    指揮官の立場から見た、特攻とは何であったのか?どんなものだったのか?何がその様にさせたのか。実際軍隊に入隊して、そして戦争を経験し、作家になった城山の目から見た戦争と戦争の現場をよく調べ、参考文献70冊を超える文献を精査し、作者としては、初心に戻り、年来の課題をようやく書き終えた思いと書いている。戦時中を再体験させられた様な現実的な気分にさせられた者は少なくない筈である。この様な目をもって戦争とは?平和とは何かを再々考することは人生にとって決して無駄な事ではない筈である。感動!!

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    2025年05月07日
  • 雄気堂々(上)

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    若い頃幕末志士とは知らなかった。新撰組の近藤勇とともに行動してたのも意外。ただこの頃から志だけではなく実もないと意味がない、論語と算盤の礎がある。

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    2025年05月05日
  • 落日燃ゆ

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    やっと読み終わった。難しかった。

    『落日燃ゆ』(城山三郎 著)は、太平洋戦争終戦後にA級戦犯として処刑された広田弘毅を主人公に据え、その生涯と人間性を描いた歴史小説です。以下に感想を述べます。

    この作品は、単なる歴史小説を超えて、「責任とは何か」「誠実とはどうあるべきか」を深く問いかけてきます。

    城山三郎の筆致は重厚でありながら、感情に流されず、史実に基づいた静かな語り口が広田の誠実な生き様と響き合っています。戦争という巨大な悲劇の中で、「誠実であること」がどれほどの力を持つのか、またどれほどの代償を伴うのかを、読者に突きつけてくるような一冊です。

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    2025年04月13日
  • 落日燃ゆ

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    太平洋戦争前という混迷の時期に外務大臣、内閣総理大臣という要職にあり、何かにつけ好戦的な軍部による横槍に煩わされながら国際協調で日本を守ろうとするも、戦後の東京裁判で戦争責任を問われ、軍人ではない文官としてはただ1人、A級戦犯として処刑された人物、広田弘毅の生涯にスポットをあてた伝記的な作品です。

    源義経や石田三成のような、史上の悲劇の被害者に惹かれる人には、とっても刺さる作品だと思います。

    ただしかれらを強い武勇や権力、指導力で集団を導いた剛のリーダーとするならば、広田は柔のリーダーシップの持ち主であると言えます。

    この作品を読んで私は広田弘毅という人物ほど、<柔>の一字を象徴する人は、なかなかいないのではないかなと思いました。

    まず話を聞いて受け止め、知識と状況判断力に基づいた決断を下すというリーダーシップ。

    そして彼には<自ら計らわぬ><物来順応>というある意味受け身な人生観が根底にある。

    過度に自分を売り出すことはしないし、不本意な場所に飛ばされるという処遇を受けてもこれをすんなりと受け容れ、そこで自分にできることをやる。

    終盤の東京裁判においては、死を目前にしても決して抗わず、保身に走らず、責任をとろうとした。

    リーダーとしてだけではなく、その人柄も、果ては死生観に至るまでも、すべてが柔。
    受け身な人生観と評してしまったけれど、それでいて柔のなかに確固とした信念を内包しているような、そんな柔軟性と包容力の権化みたいな人物として描かれている広田弘毅に魅力を感じました。

    いっぽうで優柔不断な一面が、軍部の発言権を強くするきっかけとなってしまった、それが平和主義者にもかかわらず、最終的には戦犯として、東條英機などの武官と同列の戦争責任を問われてしまった要因なのかもしれない。

    たしかに結果だけ見れば大臣としての評価は必ずしも良くはないだろうし、調べてみると実際、彼に対する辛辣な意見も結構あります。

    けれど、自己主張や保身にあふれた現代社会で生きている身からすれば、その対極の人生を貫いた広田弘毅は、めちゃくちゃカッコイイと思います。

    言ってしまえば広田弘毅の人生とは、運命に翻弄された、自分はじっとしているのに大波の方から向かってくるような人生であって、そんな人生を描いたこの作品が、悲劇的ムードを帯びることは避けられないかもしれません。

    それでも、自分を売り出すこと、自分だけを助けようとすること、そんなものとは無縁だった稀有な男の人生に触れることで、誇り高い大切なものに気づかされる作品でした。

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    2025年04月12日