城山三郎のレビュー一覧
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ネタバレ石坂泰三の特に逓信省から退官した後の人生を描いた本。戦後、社会・政治・企業どれもが発展途上だった時代に自分の信念を貫き通し、社会にインパクトを与えた人物であったことが伺える。
読むまで彼の名前を聞いたことがある程度だったが、実際どのような人物だったのかは知らなかった。また、「経営者」という存在に具体的な印象がなかった。
しかし、読んでいる中で彼が組織のトップとして仕事をする中でどういった考えをし、どのような行動を起こしたかを学び、リーダーとしてあるべき像を垣間見ることができたと感じる。
また、彼の妻や次男への愛情が後半では特に描かれていたが、経営者として見る彼と、家族の一員として見る彼を同時に読み進めたことによって、より一人の人間としての石坂泰三を知ることができた。自分はまだ家庭を持っていない身だが、有限な時間をどう使うか、考えていきたい。 -
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木戸孝允(桂小五郎)や大久保利通との出会いが描かれている。冨岡製紙工業の建設にも渋沢栄一が関与していた。司馬遼太郎が歳月において、江藤新平を主役にしているが、渋沢栄一は全く出ていない。城山三郎は江藤新平が嫌いでは無いが、余りにも一本気で、融通が効かないのが難点だ。国家拡張主義、合本組織(株式会社)、西南戦争の経費の点でも論じているのは、司馬遼太郎でも無く、さすが経済人の城山三郎だろう。三菱の岩崎弥太郎の事を独裁的であり、毛嫌いしている様だ。特に、西南戦争で岩崎弥太郎率いる三菱がぼろ儲けしたなんて事は、全く知らなかった。渋谷栄一が大隈重信と袂を分かったのは、やむを得なかったであろう。
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数年前にひとまわり上の旦那さんと結婚しました。見た目も若々しく私が誕生日を迎えるたび、実年齢差は変わらないのに見た目がどんどん追いついてしまっているようで、怖くなります。
優しくいつも私を大切にしてくれる旦那さんが、私が急に死んで、もし、1人になったら。
同じようになるのだと思ったら、絶対に私が後から逝くべきだと感じました。
年老いてもあの世で旦那さんを見つける自信がある、と。
わたしがちゃんと最後まで看取って、送ってあげようと。
おはよう、おやすみ、ありがとう、ごめんね、愛してる。
これは居なくなった時に、言えばよかった、居なくなっても言いたかった、言いたい、と思う言葉だと思うので、日頃から口に出してるけど、名前をたくさん呼んでたくさん伝えて、伝えてもらって、同じものを見て感想を共有します。
そういうことに気づかされて、涙が出た一冊でした。 -
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ネタバレ昨日まで当たり前のようにそこにいた人が、ふとした瞬間にいないことに気づく。何かを話そうとして、そうだ、もういないのだと思い至る。その感覚が、胸に迫ってくる。
夫婦で旅行中、飛行機の窓から二人で見たオーロラの場面が思い浮かぶ。
私自身も、母を早く亡くした。亡くして間もない頃、電話で話そうと思っても「そうか、もういないのか」と思う瞬間があった。この間まで普通に話していたのに、もう二度と話すことはできない。その現実は、簡単には受け入れられない。
今は結婚し、家族と当たり前のように会話をしている。しかし、この「当たり前」は決して永遠ではないのだと、この本を読んで改めて感じた。
次女の手記には、妻を亡くした後の城山三郎が自失していく姿が描かれている。本編とあわせて読むことで、妻をどれほど大切にしていたか、そして妻を失ったことが彼に深い喪失を与えたのか伝わってくる。 -
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戦争末期の軍隊の悲惨さと、状況が変わった途端に、転向して、あの戦争は軍部がやったと言う文化人などの話を興味深く読む。
天地が自分のものという主観の拡大、夜郎自大の問題、大割拠という間違い、そして、文民統治すべき背広組自体が金権政治と腐敗に堕落して力をなくし、内部から軍服まがいの背広を育てて自壊したとの由。
この状況が、戦後80年の今、2025年の政況と符合しているのが恐ろしい。
何も信じないということ、現場と一次資料に当たるという吉村さんの姿勢は、研究と同じような姿勢だなと思い、信頼できる。
明治維新以降を批判する一つの史観として英雄豪傑の出てくる司馬遼太郎と、人情、人間を描く池波正太郎と、観念と激情に緻密さと血肉を与える北方謙三とは、異なる次元で記録文学的な立ち位置にいるのが、吉村昭と城山三郎なのではないか。
観念ではない小説とはあり得るのか?両氏の小説を深く読んでみたい -
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金解禁を実行した浜口雄幸と、その盟友井上準之助の物語です。日本史のときに少しだけ浜口雄幸の名前を聞いたような・・・という程度で下が、城山さんの作品として、これは読んだ方が良いと聞いたので手にとってみました。金解禁については、勉強してから読むとまた違うのかもしれませんが、昭和初期から戦争時代について勉強するにはこの作品は読むべきものだと思いました。
今の世の中、性別がどうこうということを言われるかもしれませんが、日本男子というのはこの二人のことでしょう。そして、これからの日本をこんなに考えて、勉強に勉強を重ねていた政治家がいたことに胸を打たれました。自分自身ができることではないので、こんな風に言うものではないのですが、今の政治家は自分を犠牲にしてまで・・・とはいい難いです。今の政治家にこんな日本男子がいるだろうか。
歴史を振り返ることに仮定法はおかしいけれど、命を懸けた戦いを続けた二人の思いが繋がっていたら、この二人が事件にあわず行き続けて政治を全うしていたら、悲惨な戦争へ転がっていく時間が少し変わっていたのだろうか、と最終ページに来た際に、思わざる終えなくなりました。
最後に書かれている二人の並んでたてられているお墓。想像したときに、なぜか安堵した気持ちになりました。