城山三郎のレビュー一覧

  • 役員室午後三時

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    大企業の社長の苦悩、孤独、焦慮、葛藤。
    そして、王者の風格、余裕。
    派閥抗争。
    若手の追い上げ。
    目まぐるしくかわる形勢。
    スリリングかつ、アグレッシブ。
    本格的経済小説。

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    2018年08月02日
  • 臨3311に乗れ

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    日本ツーリスト (現・近畿日本ツーリスト) の創業メンバーである馬場勇の伝記を中心とした、当時の社員たちの活躍を描いた小説。城山三郎著、近畿日本ツーリスト刊行と書いてある。

    終戦間もないころの話であり、旅行業界のベンチャーとして、貸切列車の設定、新たな観光ルート開拓、オンラインシステムの導入など画期的なアイデアを次々と導入していくところには感動を覚える。

    その反面、ときには社員を無給で働かせ、社員の妻まで駆り出すそのブラック企業ぶりはハチャメチャだが、役員含め全員がそんな感じなので、綺麗事はともかく時代を変えるのはこういう人たちなのかなとも思う。

    それにしても当時の修学旅行の強行軍には驚

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    2018年07月26日
  • 男子の本懐

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    ネタバレ

    たらればなので、もし暗殺されていなかったらは、わからないですが、男の生き方としてかっこいいと思いました。
    ・すでに決死だから、中道で倒れても、もとより男子の本懐。
    ・早く帰って、日常業務から解放されて、個人の時間で大所高所に立つ勉強をせよ。一人一人の質を高めることが、銀行のため、国のためになる。
    ・人をリードするためには、読書をせねばならぬ。
    ・一度膨れ上生活を縮めるのは、人間には難しいのだろう。
    ・正しく明るき政治に機密費は不要
    ・柔則存 剛則折

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    2018年06月01日
  • 男子の本懐

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    2人の男が人生を賭して実現しようとした経済政策「金解禁」。
    単なる友情物語でも、綺麗事を並べた精神論でもない。泥臭く、あの手この手を尽くして、ただただ信念を貫く2人に、心を揺さぶられる。
    政治家のあるべき姿が、ここにある。

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    2018年05月04日
  • 男子の本懐

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    自分を犠牲にしても、日本国の将来をおもんばる政治家がいた。そんな政治家が今の日本にいるだろうか?みんな政治屋に成り下がっていないだろうか?

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    2017年10月29日
  • 男子の本懐

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    「艱難汝を玉にす」

    浜口・井上の行なった金本位制の政策内容は難しく、なかなか理解できなかったが、この小説の醍醐味はその政策内容ではなく、その政策を実施するという強い意思を貫徹し、実施までこぎつけた二人の生き様を知れることにあると思う。
    自分の中では都度読み返したい一冊となった。

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    2017年02月05日
  • どうせ、あちらへは手ぶらで行く

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    ネタバレ

    「そうか、もう君はいないのか」の後日禄。

    夫人のなくなった後、城山氏が没するまでの9年間の日記。

    夫人を亡くした後の氏の悲しみが痛々しい。

    とても羨ましく思う夫婦関係だと思った。

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    2016年09月19日
  • 毎日が日曜日

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    ネタバレ

    これはすごい小説だった。車を運転している時でさえ続きが気になって、信号赤になったら1ページでも読みたい。こんな感覚は久しぶり。私が生まれた頃に書かれた本であり、商社が舞台。壮絶に、命を賭して仕事をしてくれた世代であり、同時に滑稽であり哀れであり。「権利収入で不労生活者」「億単位のダイナミックな仕事人」「趣味を仕事にした人」「永久就職した専業主婦」「大企業の経営層」とすべての典型的な人物が出てきて、どれも幸せの最終形ではない。読書メーターで興味を持ち読んでみて、良かった。

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    2016年09月13日
  • 価格破壊

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    城山三郎は明言していないが、主人公のモデルはダイエーの創業者中内功であることが、本書から読み取れる。フィクションではあるが、スーパー「アロー」とメーカーとのせめぎ合いが妙に生々しい。できる限り商品を安く提供することで消費者からの支持を得、事業を大きくしたいスーパーと、取引のルールと価格を守り、ひいてはブランド・イメージを維持したいメーカー。双方の立場ともに理解できる。しかし、本書で描かれていることは、流通革命という、日本の流通史・商業史上もっとも重要な出来事の1つである。流通業を志す者、流通分野での研究を目指す者にとって、必読の本である。

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    2017年08月09日
  • 男子の本懐

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    浜口雄幸と井上準之助
    2人の英雄は凶弾に倒れ日本は戦争に突入していきます。
    性格の違う2人が命を賭して成し遂げた金解禁。
    それにつながる緊縮財政と行政整理。
    行政改革は今につながることと思います。
    自分ももっと命懸けで仕事しなあかんなと思いますσ^_^;

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    2016年06月20日
  • 雄気堂々(下)

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    「八百万の神々の集い」
    これは幕末や維新の時代だけでなく
    また国政や実業会だけにあるものではありません。
    今置かれた時代や与えられた仕事の中でもたぎる熱い思いを持つものが集まればそこには「八百万の神々の集い」が生まれるものと思います。
    まだまだ柱の1つになるには実力不足ですが精進していこうと思います。

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    2016年05月27日
  • 雄気堂々(上)

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    僕の大好きな渋沢栄一の小説です。
    農民から立身出世して大成していく姿は秀吉に通じます。
    最近歴史小説は戦国時代から幕末明治に興味が移ってます。
    やっぱり人の生き死によりもいかに政治的に勝ち抜くかという方が現代に通じます。
    自分で仕事を作って上に認めてもらっていく姿は見習わないといけません。

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    2016年05月23日
  • 毎日が日曜日

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    退職した商社マンの話かと思ったら主役はまだ転勤に翻弄される現役商社マン。あまり気負わず書かれた作品のようだが大満足。登場人物の多いヒューマンドラマなのに商社のことがよくわかる。企業大河ではなく家族中心なのも良い。日本の商社のように世界津々浦々に支店を置き、独自に気象予測までして、さらに自国に大市場を持つ国はないと。人口の多さが日本の商社を支えたと。主人公のスマトラへの思い、ダニや蚊で命を落とす同僚を見ながら、時には現地人と殴り合いになり、「独立を得た今何を目指すか」という現地人の愛国心も知って維新の時代に生きるような気になったのもつかの間、飛脚さながらの情報伝達やジープが壊れれば自分で直してま

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    2016年02月28日
  • 官僚たちの夏

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    通産官僚たちの、法案をめぐる政財界とのバトルと、人事をめぐる官僚同士の戦いを、タイトル通りに熱く描く。
    天下国家のためという意志のもと、無定量・無際限の仕事っぷりで突き進み、民族派的で統制的ともとれる政策を推し進めようとする風越派官僚と、様々な利害からそれに抵抗、妨害する政財界との戦い、それに政策の理念等による官僚同士の対立も絡み、風越派は敗れ去る。

    「離れること、忘れることの難しさ」。「天下国家のため」という美しく尊い理想が、逆に官僚たちを押しつぶし、敗北へと走らせてしまう。

    風越たちが肩で風を切るように通産省内を闊歩して官僚人生を謳歌し、天下国家のためという大きな理想を掲げて政策の実現

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    2023年01月22日
  • 硫黄島に死す

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    1932年に開催されたロサンゼルスオリンピック、馬術の部で優勝したことで、華やかな欧米社交界で注目された男爵、西竹一の死への美学を描いた短編小説。

    貴族としての見栄と家族、部下を思う気持ちを隠そうとしなかった西は当時の日本軍人の中では異色の存在だった。そんな西が硫黄島守備隊という玉砕確実の戦線に赴き、堂々と散っていった。スポーツマンであり、常に「勝たなくては」という言葉をかみしめていた西が、絶望的な戦場で死を待つという皮肉。戦争の虚しさを考えさせられる。

    ちなみにイーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」では伊原剛志がバロン西を演じている。

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    2015年04月19日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    城山氏の綿密な調査と自身の経験など、あらゆることをふるいにかけた渾身の記録。読むだけで哀しさが痛切に身にしみる。歴史の教科書にもこういった人々の事実を載せるべきではないだろうか。

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    2015年04月04日
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界

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    万博公園には何度も行っているのに、石坂泰三の像には気づかなかった。日比谷の第一生命ビルも、今度、見に行こう。まなぶところの多い、昭和の気骨人の生涯です。

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    2014年12月06日
  • 逆境を生きる

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    高校生(福岡修猷館)に向けての講演だから、読みやすい。
    小説の代表作の主人公のエピソードが思い出される。

    こういう講演を聞けた高校生が、羨ましいなあ。

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    2014年11月02日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

    購入済み

    定年後の指針にします

    最期の瞬間まで自身の哲学を曲げない生き方に感動!

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    2020年07月21日
  • 男子の本懐

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    目先の政治にとらわれずこの国の将来を見据え、勤勉に真剣に政策を考え、政党政治にとらわれる周囲の雑音に惑わされずに生き抜いた、浜口雄幸。

    その浜口とは通ってきた道も、問題への解決の仕方も違う井上準之助。
    ただひとつ、ふたりが見るこの国の将来が重なったとき、命を賭けた彼らの勝負が始まった。

    何世代も前のことだからこそ今、評価される彼らの施策。

    劇的な場面でもないところで、ただただ涙がでてきた。

    こんな政治家が日本にいた時代があったのに・・。
    井上準之助も座ってきた日銀総裁という要職が、政治の道具にされて空席となるなんて、子孫の世代として恥ずかしい。

    この著者である城山三郎の

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    2014年08月07日