城山三郎のレビュー一覧

  • 男子の本懐

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    金本位制は、火の利用に並ぶ人類の英知という信念のもと、金本位制、金輸出の自由化にかけた濱口雄幸と井上準之助の生涯を描いた経済小説。道半ばで命を落とし完結出来なかったことは悔しかったろうと推察するが、軍の権力を少しでも削ぎ落とそうとするこの施策は当時の時代背景を考えると無理があったのかもしれない。しかし二人の思いが成就していたら先の大戦は回避出来た可能性が高い。多くの国民に知って欲しい史実である。

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    2020年10月20日
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界

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    小細工を弄するなかれ。無事是貴人。それがしの1日を大切に生きる気概を持って正道を歩み続けた経済人也。

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    2020年10月20日
  • 雄気堂々(上)

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    国の行く末までも自分ごと化できるすごさ。

    来年の大河ドラマの予習もかねて。
    先に読んだ著者の『落日燃ゆ』が素晴らしかったのも作用して。

    熱量がすごい。国を憂い、自分たちがなんとかするんだ!という思い。本当に熱い。すごい。

    自分自身のこと、他人のこと、所属する組織のこと、働いている会社のこと、住んでいる地方のこと、国のこと。どんなことでさえ自分ごととしてとらえ、考え、行動できるはずなのに、してない人が多すぎる。もちろん自分も含めて。

    昔の人は偉かった。
    と、手放しで礼賛するつもりはないが、この自分ごと化して行動できる強さ、見習い自分も同じく行動していきたい。いく。

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    2020年07月21日
  • 価格破壊

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    流通業界のカリスマ中内功さんをモデルにした小説です。メーカーとのし烈な闘いは読む人をは引き込みます。私も流通業界で働く事を夢みてダ⚪エーの入社試験を受けましたか見事にご縁がありませんでした(笑)

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    2020年07月15日
  • 官僚たちの夏

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    戦後日本で経済開放と国内産業保護の過渡期を牽引した通産官僚の実話。官僚と政治家の関係や人事等々、現在でも不変のものも多く、パブリック・セクター(特に経済産業行政)で働く人にとっては必読書。

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    2020年07月12日
  • 雄気堂々(上)

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    渋沢栄一の30歳くらいまでの出来事を、いろんな登場人物を交えて描かれたわかりやすくて面白い小説。

    小説の読み始めは、読みにくい。
    栄一の家族や栄一が暮らす村の人々など、登場人物が多くて脳内渋滞を起こしてしまった。。

    ただ、それらの登場人物が織りなすエピソードが読み進めていくうちに、どんどん面白くなっていく。

    江戸時代末期の激動の時代、薩長同盟とか大政奉還とか歴史の教科書で学んだ時代の、歴史の教科書に書かれていないストーリー。
    教科書で学んだことのある、幾人もの人物と栄一とのやりとりが、栄一を成長させる。そして、読者(自分)に当時の各地方や政府、幕府の関係性の理解を促してくれる。

    はやく

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    2019年12月09日
  • 雄気堂々(下)

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    「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一の伝記的小説。しかし、ただの伝記的小説ではなく、良質の幕末・明治維新を巡る青春群像劇であり、著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の物語である。あるいは、組織形成の物語ともいえる。」
    そもそも一農夫であった渋沢栄一が、過激な志士、徳川慶喜の家臣、幕臣、大蔵官僚、実業家へと転々とする人生を送っていたことを、本書を読んで初めて知ったが、その波乱万丈の人生自体が面白い。そして、著者の読ませる文章がそれを引き立たせている。
    また、いずれの脇役もなかなか魅力的で、時々脱線しながらも、様々の登場人物を深掘りする

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    2019年10月12日
  • 雄気堂々(上)

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    「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一の伝記的小説。しかし、ただの伝記的小説ではなく、良質の幕末・明治維新を巡る青春群像劇であり、著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の物語である。あるいは、組織形成の物語ともいえる。」
    そもそも一農夫であった渋沢栄一が、過激な志士、徳川慶喜の家臣、幕臣、大蔵官僚、実業家へと転々とする人生を送っていたことを、本書を読んで初めて知ったが、その波乱万丈の人生自体が面白い。そして、著者の読ませる文章がそれを引き立たせている。
    また、いずれの脇役もなかなか魅力的で、時々脱線しながらも、様々な登場人物を深掘りする

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    2019年10月12日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    僕自身、父の病床では、父を亡くしそうな悲しみにつぶされそうで、夫を亡くしそうな母を息子として心配できていなかったことに今更ながら気付かされた。また、私の父の死後に恩師の一人が送ってくれた手紙に、配偶者を亡くすということが人間の最大のストレスである、だから残されたお前が母を大切にしろ、と書いてくれたことを思い出した。
    ёと暗号を記しながら、亡き愛妻との思い出を綴った夫は、辛く、しかし幸せであっただろう。挙手の礼で別れたという息子さんも、あとがきを書かれた娘さんも。家族の黄金の日日は永遠なのだ。

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    2024年09月17日
  • 男子の本懐

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    濱口雄幸、井上準之助の二人の絆を描いた本。どうしても易きに流れる中、本気で日本の未来を考え理想に向かった二人。結果二人は命を落として、日本は戦争へ向かうことになる…

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    2019年04月21日
  • 落日燃ゆ

    購入済み

    落日燃ゆ

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    2019年03月31日
  • 男子の本懐

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    非常に重厚かつ濃密な物語で、じっくりと楽しむことが出来ました。金解禁という一大事に取り組んだ井上と濱口の絆や信頼関係が読んでいて気持ちよく、それだけに2人の迎えた結末が無念でなりません。また状況が止めようもなく悪い方向へ悪い方向へ転がってゆくのが丹念な筆致で描かれており、当時の日本が如何にしてあの凄惨な戦争へと転がり落ちて行ったのか、その原因の一端を理解出来たような気がします。この手のジャンルの小説を手に取ったのは初めてでしたが、楽しく読むことが出来ました。機会があればまたこういった作品を読んでみたいです。

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    2019年03月19日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    久々の経済人の本を新幹線の中で読みました。
    仕事を生きがいにしつつも家族を愛する姿は理想の姿である。

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    2019年02月20日
  • この命、何をあくせく

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    城山三郎の作品は、好きだった。
    久しぶりに城山三郎の読んでみた。
    晩年という雰囲気が漂うなかで、どう生きるのか?
    を 淡々と 書いているのが実にいい。
    私の年齢に近いので、「何をあくせく」という言葉が沁みる。
    「なるようにしかならない」
    妻を亡くして、そのなんとも言えない悲しみが漂う。
    残されたものとして、生きる意味が 半分亡くしているようだ。
    しかし、どう晩年を生きるのか?
    「野垂れ生きる」
    「死に向かって傾斜していく過程」
    と言いながら、自分の内面に向かって
    何かかけがえのないものを 見つけようとする。
    戦争という大きな体験の中で、
    まさに生死を分ける運命みたいなものを
    覚悟をしながら受け

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    2019年02月18日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    こういう上司ほしい!組織の上に立つ人、人を使う立場の人には是非読んでいただきたい。
    自分はそういう立場にあるわけではないが、真似したい参考にしたいと思えることがいくつもあり、付箋を付けながら読んだ。敵対する立場の人々からも慕われるなんて素晴らしい。(もっとも家族には面倒がられる部分もあったようだが)

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    2020年06月27日
  • 秀吉と武吉 目を上げれば海

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    ネタバレ

    村上水軍の村上武吉は瀬戸内海の海賊の総元締めであり、秀吉が天下を取るまでの時期に毛利のために働く者であった。
    しかし、毛利だけでなく瀬戸内海の村上一族のために一生懸命毛利の兄弟たちのように村上の一族も協力し合わなくてはいけないと諭し続けた男でもある。

    秀吉が中国攻めをした頃には毛利について毛利のために忠義をつくし、村上の一族のためにどう働くべきかを常に考えながら家族を束ねていくことを常に考えた男であり、秀吉からは言うことを聞かない海賊として疎まれていたようである。

    大阪湾の兵糧兵站の作戦など以前に読んだ村上海賊の娘のストーリーと重なるところなどありあの物語も頭の中に浮かびながら読み進める事

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    2019年01月15日
  • 男子の本懐

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    金解禁に奔走した浜口雄幸と井上準之助の命を懸けた仕事への情熱が伝わってくる良い小説であった。二人とも銃弾に打たれて亡くなるのだがそれまでに政治、金解禁に懸ける気合は凄まじいものがあった。我々も見習わないといけない。一回一回が勝負、ウォール街暴落、生に対する執着、インフレ、浜口の実直な人柄、満州事変、金輸出禁止、天命をうけた以上決死の覚悟で事に当たるつもりでいる、等本懐というものを再度考えてみたい。

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    2019年01月03日
  • 男子の本懐

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    ・「人は常に態度に気をつけ、堂々たる容姿を以て人に接しなければいかぬ。自分の気持ちを人から悟られるようでは何事もできぬ」井上準之助
    ・「自分は天命を受けた以上、決死の覚悟で事に当たるつもりでいる――途中、何事か起こって中道で斃れるようなことがあっても、もとより男子として本懐である」浜口雄幸
    ☆命を賭けて仕事をするとはこういうこと

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    2018年11月04日
  • 静かに 健やかに 遠くまで

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    "城山三郎さんの著書からの文書をテーマ別に再編集。エッセイ集のような体裁となっている。
    ランダムにページを開いて、1日一節を読むのも良いかと思った。

    今開いたページの一節を抜粋する

    <不激 不騒 不競 不従>
    けげんな顔をする津秋に、ナオミは言った。
    「激さず、騒がず、競わず、従わず。おじいさんの一人が信じている四不のおしえというものなの。いい言葉なので、書いてもらったの」
    「激さず、騒がず、競わず、従わず、か」
    津秋も声にだしてみた。たしかに、心にしみてくるものがある。人間のひとつの理想の状態をいっている。
    『うまい話あり』

    全編を通して、人生の先輩からのありがたい助言集のよ

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    2018年10月21日
  • 毎日が日曜日

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    昭和51年の作品だが、働き方改革や雇用延長が問われている今、この作品が書かれていたらどんな内容・.展開になっているのだろうか?
    釣り好きの住井が定年バンザイの笹上に言った「平凡な話だが、いちばんいいのは、生計の道は別にあって、気が向いた時だけ、釣りに行くというくらしじゃないのかね」という言葉が響いた。

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    2018年10月11日