城山三郎のレビュー一覧
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国の行く末までも自分ごと化できるすごさ。
来年の大河ドラマの予習もかねて。
先に読んだ著者の『落日燃ゆ』が素晴らしかったのも作用して。
熱量がすごい。国を憂い、自分たちがなんとかするんだ!という思い。本当に熱い。すごい。
自分自身のこと、他人のこと、所属する組織のこと、働いている会社のこと、住んでいる地方のこと、国のこと。どんなことでさえ自分ごととしてとらえ、考え、行動できるはずなのに、してない人が多すぎる。もちろん自分も含めて。
昔の人は偉かった。
と、手放しで礼賛するつもりはないが、この自分ごと化して行動できる強さ、見習い自分も同じく行動していきたい。いく。
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Posted by ブクログ
渋沢栄一の30歳くらいまでの出来事を、いろんな登場人物を交えて描かれたわかりやすくて面白い小説。
小説の読み始めは、読みにくい。
栄一の家族や栄一が暮らす村の人々など、登場人物が多くて脳内渋滞を起こしてしまった。。
ただ、それらの登場人物が織りなすエピソードが読み進めていくうちに、どんどん面白くなっていく。
江戸時代末期の激動の時代、薩長同盟とか大政奉還とか歴史の教科書で学んだ時代の、歴史の教科書に書かれていないストーリー。
教科書で学んだことのある、幾人もの人物と栄一とのやりとりが、栄一を成長させる。そして、読者(自分)に当時の各地方や政府、幕府の関係性の理解を促してくれる。
はやく -
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「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一の伝記的小説。しかし、ただの伝記的小説ではなく、良質の幕末・明治維新を巡る青春群像劇であり、著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の物語である。あるいは、組織形成の物語ともいえる。」
そもそも一農夫であった渋沢栄一が、過激な志士、徳川慶喜の家臣、幕臣、大蔵官僚、実業家へと転々とする人生を送っていたことを、本書を読んで初めて知ったが、その波乱万丈の人生自体が面白い。そして、著者の読ませる文章がそれを引き立たせている。
また、いずれの脇役もなかなか魅力的で、時々脱線しながらも、様々の登場人物を深掘りする -
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「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一の伝記的小説。しかし、ただの伝記的小説ではなく、良質の幕末・明治維新を巡る青春群像劇であり、著者が「あとがき」で述べているように「ひとつの人格形成の物語であると同時に、国家形成、時代形成の物語である。あるいは、組織形成の物語ともいえる。」
そもそも一農夫であった渋沢栄一が、過激な志士、徳川慶喜の家臣、幕臣、大蔵官僚、実業家へと転々とする人生を送っていたことを、本書を読んで初めて知ったが、その波乱万丈の人生自体が面白い。そして、著者の読ませる文章がそれを引き立たせている。
また、いずれの脇役もなかなか魅力的で、時々脱線しながらも、様々な登場人物を深掘りする -
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城山三郎の作品は、好きだった。
久しぶりに城山三郎の読んでみた。
晩年という雰囲気が漂うなかで、どう生きるのか?
を 淡々と 書いているのが実にいい。
私の年齢に近いので、「何をあくせく」という言葉が沁みる。
「なるようにしかならない」
妻を亡くして、そのなんとも言えない悲しみが漂う。
残されたものとして、生きる意味が 半分亡くしているようだ。
しかし、どう晩年を生きるのか?
「野垂れ生きる」
「死に向かって傾斜していく過程」
と言いながら、自分の内面に向かって
何かかけがえのないものを 見つけようとする。
戦争という大きな体験の中で、
まさに生死を分ける運命みたいなものを
覚悟をしながら受け -
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ネタバレ村上水軍の村上武吉は瀬戸内海の海賊の総元締めであり、秀吉が天下を取るまでの時期に毛利のために働く者であった。
しかし、毛利だけでなく瀬戸内海の村上一族のために一生懸命毛利の兄弟たちのように村上の一族も協力し合わなくてはいけないと諭し続けた男でもある。
秀吉が中国攻めをした頃には毛利について毛利のために忠義をつくし、村上の一族のためにどう働くべきかを常に考えながら家族を束ねていくことを常に考えた男であり、秀吉からは言うことを聞かない海賊として疎まれていたようである。
大阪湾の兵糧兵站の作戦など以前に読んだ村上海賊の娘のストーリーと重なるところなどありあの物語も頭の中に浮かびながら読み進める事 -
Posted by ブクログ
"城山三郎さんの著書からの文書をテーマ別に再編集。エッセイ集のような体裁となっている。
ランダムにページを開いて、1日一節を読むのも良いかと思った。
今開いたページの一節を抜粋する
<不激 不騒 不競 不従>
けげんな顔をする津秋に、ナオミは言った。
「激さず、騒がず、競わず、従わず。おじいさんの一人が信じている四不のおしえというものなの。いい言葉なので、書いてもらったの」
「激さず、騒がず、競わず、従わず、か」
津秋も声にだしてみた。たしかに、心にしみてくるものがある。人間のひとつの理想の状態をいっている。
『うまい話あり』
全編を通して、人生の先輩からのありがたい助言集のよ