城山三郎のレビュー一覧

  • 燃えるだけ燃えよ 本田宗一郎との100時間

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    世界のホンダ、創業者である本田宗一郎さんの生き様を綴った一冊。
    戦後の浜松の見習い工員から、叩き上げて、最初はオートバイから
    やがて、自動車の製造する企業を創り上げた。
    何回も読みなおしたい。

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    2025年12月04日
  • 昭和二年生まれの流儀

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    戦争末期の軍隊の悲惨さと、状況が変わった途端に、転向して、あの戦争は軍部がやったと言う文化人などの話を興味深く読む。
    天地が自分のものという主観の拡大、夜郎自大の問題、大割拠という間違い、そして、文民統治すべき背広組自体が金権政治と腐敗に堕落して力をなくし、内部から軍服まがいの背広を育てて自壊したとの由。
    この状況が、戦後80年の今、2025年の政況と符合しているのが恐ろしい。

    何も信じないということ、現場と一次資料に当たるという吉村さんの姿勢は、研究と同じような姿勢だなと思い、信頼できる。

    明治維新以降を批判する一つの史観として英雄豪傑の出てくる司馬遼太郎と、人情、人間を描く池波正太郎と

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    2025年11月16日
  • 落日燃ゆ

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    日中戦争直前の内閣総理大臣 広田弘毅を主人公とした作品。
    内閣総理大臣として、外務大臣としての広田の努力とそれを破壊する陸軍の暴走から当時の様子が想像できた。
    また、東京裁判の様子も非常に詳細に書かれており、勉強になった。

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    2025年11月01日
  • 男子の本懐

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    金解禁を実行した浜口雄幸と、その盟友井上準之助の物語です。日本史のときに少しだけ浜口雄幸の名前を聞いたような・・・という程度で下が、城山さんの作品として、これは読んだ方が良いと聞いたので手にとってみました。金解禁については、勉強してから読むとまた違うのかもしれませんが、昭和初期から戦争時代について勉強するにはこの作品は読むべきものだと思いました。

    今の世の中、性別がどうこうということを言われるかもしれませんが、日本男子というのはこの二人のことでしょう。そして、これからの日本をこんなに考えて、勉強に勉強を重ねていた政治家がいたことに胸を打たれました。自分自身ができることではないので、こんな風に

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    2025年09月14日
  • 雄気堂々(下)

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    雄気堂々、斗牛を貫く

    埼玉県の一農民の子として生まれ、薩長土肥いずれの藩閥にも属さなかったのに、いわゆる明治の元勲と肩を並べ、近代日本を築く指導者の一人となり、経済人として大成した

    実人生をつぶさに学んでいく小説、しかも、のびやかに展開する一大交響曲のような作品

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    2025年09月08日
  • 官僚たちの夏

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    昭和の激務官僚の話。
    今もブラック霞ヶ関とかで話題になるけど、昔もとんでもなかったんだな。
    仕事にこんだけ命懸けられるって凄いし、こんな官僚たちがいてくれたお陰で今の日本があるんだね。

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    2025年08月28日
  • 毎日が日曜日

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    「官僚たちの夏」も濃密な経済小説でしたが、本作でも、総合商社を舞台に繰り広げられる様々な人間模様に強く引き込まれました。
    東京の本社から京都の支店長に追いやられる主人公と、家族、同僚、先輩社員などとの人間関係の描写には圧倒的なリアリティがあります。
    幸福な人生とは何なのか。
    出世という会社基準の幸福を追求するのか、或いは家族との時間や触れ合いという幸福を追求するのか、何に価値を置くかで人生は大きく変わるのだと思います。
    感情を大いに揺さぶられる一冊でした。

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    2025年08月11日
  • 男子の本懐

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    ネタバレ

    浜口雄幸は名前を知っているぐらい。東京駅に遭難場所の目印があるのは知っていた。井上準之助に至っては名前すら知らなかった。

    昭和初期は自分の中では空白時代。ほとんど知らない。政治家も何となく軍関係が強いイメージだった。

    今回小説を読んで、こんな政治家がいたのかと素直に感動した。愚直で一筋。世の中を良くしようと本気で考えている。命をかけている。そして実際に二人とも凶弾に倒れる。

    正しいと思ったことはやり通す。自分もそうならなければと改めて思う。井上が浜口の死を知り号泣するくだりは胸にグッとくるものがある。

    男子の本懐。いいタイトルだ。

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    2025年08月11日
  • 臨3311に乗れ

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    臨3311に乗れ、今来たばかりの学生に早速の仕事が…!古き良き時代の猛烈サラリーマン達の仕事奮闘記、なんて破天荒なんだ…と思いつつも引き寄せられる魅力。いま、こうした営業マンは世の中にいったいどれくらいいるのだろうか…一つの会社からはじまる、ある会社と猛烈社長・社員の生き様を書いた作品。気づいたら夢中になって読んでしまった。いまの私でも、こうしてひたむきに仕事に向き合えるだろうか。

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    2025年08月04日
  • 官僚たちの夏

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    霞が関は夏に人事異動をやる(一部、4月もあるが)、という慣習と、予算編成とがうまくマッチしていてとても面白い小説だった。高度経済成長期頃と今の官僚は役割も立場もだいぶ変わったが、なお残るものは今でもある。通産省がMETIになってしまったのが惜しまれる。

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    2025年07月28日
  • 官僚たちの夏

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    普段小説はあまり読まないのですが、読み始めるとページをめくる手が止まらなかった。
    高度成長期の日本を舞台にした、通算官僚たちの熱い生き様。
    政治に翻弄され、挫折を味わいつつも、天下国家のために文字通り命懸けで闘い続ける骨太の官僚たち。
    結末は、時代の変化を感じさせるいささか悲しいものではありましたが、濃密な物語でした。
    気を大きく持ちたい時にまた読もう。

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    2025年07月18日
  • 落日燃ゆ

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    こんなにも歴史を面白いと感じたことはなかった。
    最も難しい時期に首相を務めた広田弘毅の生涯を描いている。自身の正義を貫くことが人間にとっていかに難しいことか。国を率いる人間であれば尚更のことだろう。
    戦後に行われた一連の裁判の展開は、それまでの広田氏の行動を知った後では耐え難いものがある。自身の無実を主張するよう説得に当たった人の気持ちがわかるし、裁判の不合理を嘆きたい気持ちにもなる。

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    2025年06月22日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    とてつもない夫婦愛。世の中にこのような夫婦が果たして他に居るのであろうか。
    私もこういう夫婦になりたい。と、思う。
    何回も読んでる大切な本。

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    2025年06月01日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    最愛の妻への純粋で強い愛情が伝わって来る作品でした。
    容子さんの朗らかな性格と、頼もしい城山さんのご夫婦像が素敵でした。

    死の描写があるので、引っ張られて落ちるかなと思いましたが、不思議と読後感が爽やかだったのが救いでした。

    愛する伴侶との何気ない生活を、私も大切にしたいです。

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    2025年04月13日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    城山さんの作品は魅力的なタイトルが多い。『男子の本懐』、『雄気堂々』、『粗にして野だが卑ではない』、『少しだけ、無理をして生きる』など。本書もそう。
    また、城山さんの作品は高確率で感涙する。本書の存在はかなり前から知っていたが、内容が想像でき、なんとなく避けてきた。
    思い切って読んでみると、案の定、泣けた。笑いもした。最愛の妻、容子さんとの運命的な出会い、ペンネーム「城山三郎」の由来、取材旅行での思い出の数々。二編の詩、闘病中のお二人。

    「ふと、容子に話しかけようとして、われに返り、「そうか、もう君はいないのか」と、なおも容子に話しかけようとする(p134)」

    想像以上の感動。寂寥感。巻末

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    2025年03月03日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    会社の副社長が好きな言葉と言う事で読んでみた。国際感覚に優れ、真っ直ぐに実績を残した方。いまの日本は、こう言う人たちが作ったと感じた。

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    2025年02月11日
  • 男子の本懐

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    金本位制への復帰を目指し戦った濱口雄幸首相と井上準之助蔵相の物語。結果的に金解禁は失敗だったとも言われているが、信念を持って国のために命懸けでこの事業に取り組んだ2人の姿勢は賞賛されるべきだと思う。落日燃ゆ、雄気堂々と合わせて読んでほしい人物ドラマ。

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    2025年01月18日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    夫婦っていいなと思える小説を探していたところ、おすすめしていただいたのがこちらでした。
    城山三郎氏の名著は読んだことがないのに、タイトルが魅力的で手に取りました。

    奥様との幸せな人生が可愛らしく描かれています。とても素敵なご夫婦です。

    次女・井上紀子さんの手記では奥様がいなくなったあとの城山三郎氏が描かれており、とても切ないです。
    しかし愛する奥様との子どもたちに愛され人生を終える様子は、家族っていいなと胸が熱くなりました。

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    2025年01月08日
  • 官僚たちの夏

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    「霞ヶ関で働きたいならこの本を読んでみなさい。この本に出てくる官僚のような働き方が出来そうなら官僚を目指しても良いんじゃないかな。」と恩師に言われ、気になっていた本。正直、私には風越や庭野のような働き方は出来ない。むしろ、片山のような生き方に憧れる(片山ほどの能力は私にはないが…)。この話は1960年代の話であるが今の官僚たちも同じような働き方をしているのだろう。日本人は働きすぎである。

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    2025年01月05日
  • 落日燃ゆ

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    明治維新から突貫工事で近代化を進めた日本。
    長州の作った憲法により、軍の統帥権が政府から独立した機構が作られる。
    結果、本来、米英ではシビリアンコントロール下にあり、行政の一機関であるはずの軍が、大日本帝国では政府のコントロールが効かずに暴走。政府が軍事を政治の一手段として使うことが出来なかった結果、日本は壊滅的な敗戦に追い込まれる。
    国家の体制も建築物と同様に、設計に欠陥があると長い年月で腐敗と疲労によりその欠陥部位から国家全体が崩壊する。
    当時の日本という国の設計ミスに広田弘毅は官僚、閣僚、首相いずれの立場でも苦しめられた。

    憲法9条の見直し気運が数十年前と比べると高まっているように感じ

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    2024年12月29日