【感想・ネタバレ】昭和二年生まれの流儀のレビュー

あらすじ

昭和二年生まれは、少年時代を戦争の中で過ごし、青年時代の入口で敗戦を迎えた――。昭和三十年代にデビュー、ともに自分の道を見つけ書き続けてきた城山三郎と吉村昭。気心の知れた二人が、戦争観から酒飲みの流儀まで心おきなく語り合う全対話四篇と、関連作品を一冊に収める。

【目次】
昭和二年生れの眼差し 吉村昭


あの戦争とこの半世紀の日本人 対談:城山三郎×吉村昭
語りつぐべきもの 対談:城山三郎×吉村昭
ぼくの流儀・きみの流儀 対談:城山三郎×吉村昭
私たちが生きた時代 座談:城山三郎×吉村昭×佐野洋

名門・背広・軍服 城山三郎
昭和・戦争・人間 吉村昭

昭和二年生まれの戦友へ 城山三郎

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Posted by ブクログ

戦争末期の軍隊の悲惨さと、状況が変わった途端に、転向して、あの戦争は軍部がやったと言う文化人などの話を興味深く読む。
天地が自分のものという主観の拡大、夜郎自大の問題、大割拠という間違い、そして、文民統治すべき背広組自体が金権政治と腐敗に堕落して力をなくし、内部から軍服まがいの背広を育てて自壊したとの由。
この状況が、戦後80年の今、2025年の政況と符合しているのが恐ろしい。

何も信じないということ、現場と一次資料に当たるという吉村さんの姿勢は、研究と同じような姿勢だなと思い、信頼できる。

明治維新以降を批判する一つの史観として英雄豪傑の出てくる司馬遼太郎と、人情、人間を描く池波正太郎と、観念と激情に緻密さと血肉を与える北方謙三とは、異なる次元で記録文学的な立ち位置にいるのが、吉村昭と城山三郎なのではないか。

観念ではない小説とはあり得るのか?両氏の小説を深く読んでみたい

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2025年11月16日

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