【感想・ネタバレ】秀吉と武吉 目を上げれば海のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年01月15日

村上水軍の村上武吉は瀬戸内海の海賊の総元締めであり、秀吉が天下を取るまでの時期に毛利のために働く者であった。
しかし、毛利だけでなく瀬戸内海の村上一族のために一生懸命毛利の兄弟たちのように村上の一族も協力し合わなくてはいけないと諭し続けた男でもある。

秀吉が中国攻めをした頃には毛利について毛利のた...続きを読むめに忠義をつくし、村上の一族のためにどう働くべきかを常に考えながら家族を束ねていくことを常に考えた男であり、秀吉からは言うことを聞かない海賊として疎まれていたようである。

大阪湾の兵糧兵站の作戦など以前に読んだ村上海賊の娘のストーリーと重なるところなどありあの物語も頭の中に浮かびながら読み進める事が出来た。

秀吉が天下を取って毛利に加護されながら晩年は不遇の転居などさせられて最後には瀬戸内に帰ってくるが、意地を通した海賊の男の人生が最後まで興味深く奥行きのある一生であったと読んで損のない一冊だと思う。

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Posted by ブクログ 2021年06月07日

村上水軍をひきいた村上武吉。見事なまでの頑固者であり、無骨に、まさに自分の信念を貫いたと言える。豊臣秀吉からは嫌われ、晩年は辛い生活を強いられたが、強きに従うでもなく、自らの信念に基づき、見事に生き抜いた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年09月13日

村上水軍(の中でも海賊を全うした能島水軍)のトップ村上武吉が主人公。厳島合戦で毛利元就に味方し、元就の死後三男の小早川隆景とパートナーシップを組む。しかし人たらしの秀吉にいいように操られ、流転する羽目に。関ヶ原で西軍に味方し家康からも疎んじられ、最後は屋代島で貧しい暮らしの中老衰。非常に勉強になるの...続きを読むは秀吉の人たらし術。戦わずして人を征服する策略。そして小早川秀秋のダメ男ぶりがすごい。秀秋は寧々(北政所、高台院)の甥であり、秀吉の養子になり、秀頼が生まれたため小早川に養子に出されていた。

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Posted by ブクログ 2014年11月10日

戦国時代の瀬戸内海の海賊村上武吉の統領村上武吉のお話。

武吉には時代の流れを見る目が確かにあったとは思うが、にも関わらず海賊としての意地を貫いたのは、部下のことを考えると如何なものかと思う。
組織のトップはまず考えるべきことは部下を食わせていくこと。それが武吉の脳裏に無かったとは言い難いが、それで...続きを読むも秀吉に臣従しなかったのは、トップとしては頼りないかなー。

まあ内容としては戦国という激動の時代で、立場が二転三転していく武吉の心情がよく表現されており、とても面白い小説だった。

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Posted by ブクログ 2014年10月17日

和田竜さんの村上海賊の娘を調べていたら、「こちらの方がわかりやすい。」という書き込みがあったので読んでみた。

海賊の意地が見えた。かっこよかった。

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Posted by ブクログ 2014年09月13日

村上海賊の総大将、武吉の物語。

組織におけるリーダー像、また、組織と個人が描かれている。

組織の中にあり、その中での志や信念。
生き様、死に様がとてもよく表現されている。

歴史小説としても十分に楽しめるが、現代における企業やその他のあらゆる組織にも置き換えられる。

武吉の最後は傍から見れば呆...続きを読む気ない死に見えるかもしれないが、最後まで己を通すという潔さには感服する。

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Posted by ブクログ 2014年08月01日

 司馬遼太郎著『播磨灘物語』は秀吉の側近、黒田官兵衛を通して戦国時代を描いている。城山三郎著『秀吉と武吉』では侵略される側、毛利一族に見方する村上水軍の長、村上武吉の一生を通してこの時代を読み解く。信長亡き後、天下統一を狙う秀吉に比べ、西国より越境して他国を侵略しない家訓に縛られる毛利家は、時代に逆...続きを読むらえずに権威を失堕していく。

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Posted by ブクログ 2014年06月01日

村上水軍総統領 村上武吉の生涯。海の男の意地、その生き様は格好良い。死に様も大事だろうとは思うが、やはり生き様。あと、毛利家の話がたくさんでてくる。毛利元就の三フレッチェくらいしか知らなかったので興味深かった。時代としては毛利家が中国最大の大名になるちょっと前くらいから関が原終わりくらいまで。

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Posted by ブクログ 2012年10月04日

天下に名高い村上水軍の最後の輝きから信長・秀吉による天下統一の流れの中で消え去る運命にある海賊衆の意地と悲哀の物語。
主人公武吉の著した戦術書を後に伊予水軍の末裔である秋山真之が参考にしたのかと思うと興味深い。

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Posted by ブクログ 2011年05月24日

しまなみ海道を旅するにあたり、予習として読みました。

普通に眺めても充分美しいな海ですが、この本を読むことでかなり旅の視点が違ったと思います。

泊まった民宿の経営者が村上さん。いやそもそも、町中見渡す限り村上さん。
村上内科医院、クリーニングむらかみ、村上青果店、村上司法書士事務所…etc.
...続きを読むや〜ほんとに皆さん村上水軍の末裔なんですね。

柑橘類や魚介類など食べ物も美味しい土地ですが、もしこの中に行かれる機会がおありなら、是非この本を鞄に忍ばせて行って下さい。

感想というより単なる私の旅日記になってしまいましたが、時代の流れに翻弄されつつも自らの道を貫き通そうとする生き方に感銘を受けます。
私のようにあまり日本史の基礎知識がない人間でも理解できる内容でした。

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Posted by ブクログ 2011年05月09日

村上水軍の総大将・村上武吉の話。タイトルに「秀吉と」とあるが、ほぼメインは武吉の話。
秀吉が「天下統一」で勢力を伸ばす中、毛利家は秀吉側につくことになる。一方武吉は、海賊としての誇りを捨てず、秀吉に屈しない。
秀吉は、村上水軍を不自由な土地へ飛ばしたりと、あの手この手で武吉を苦しめる。息子は「父のご...続きを読む指示に従います」と頼りない。給料を払えないため、次第に部下たちは離れていく。最後は後妻一人に看取られて死んでいく。
世の中をうまく渡り、コントロールしていったのは秀吉だが、自分の意思を貫き通して生きたのは武吉のほうだろう。成功者として豪勢な生活を満喫しつつ、常に暗殺者に怯える秀吉。一方瀬戸内の海を眺めることができることに幸せを感じる武吉。どちらが幸せだろうか。

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Posted by ブクログ 2010年06月26日

筋を重んじ無骨に生きる。

自分と自分を信じるものを守るために、信念を貫く。

孤独だが、それを自分の置かれた立場と受け入れる。

時代が大きく変化するなか、次々と目の前を立ちはだかる巨大な敵に対し、勇気を持って立ち向かっていく。

そんな武吉の生き方に勇気をもらいました。

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Posted by ブクログ 2010年02月08日

戦国の海賊、村上武吉を主人公とした一代記。武吉が毛利とともに飛躍したのも束の間、豊臣秀吉が天下を獲るにおよび、徐々に落ちぶれていく様を描く。表題の設定から最初のころは武吉と秀吉のからみに意欲があったように見受けられるが、徐々に武吉の悲哀に重点を移しているように思う。

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Posted by ブクログ 2024年03月30日

著者の作品は『官僚たちの夏』以来2冊目。題名にある羽柴秀吉と村上海賊の総大将・武吉が直接会うのはかなり終盤だ。まず海賊の厳しい掟の場面。そして戦国~織豊~江戸という激動の時代を通して、武吉の波乱の人生が描かれる。現代人の目からは「負け組」に映るだろう。海賊の矜持から瀬戸内が権力者の「池」に成り果てる...続きを読むのを恐れはするが、だからと言って権力者に媚びず、義と誠の精神をもって毛利、小早川に与した武吉。結果論としてその選択は失敗だったが、日本人の好む生き方であった。

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Posted by ブクログ 2022年10月13日

村上水軍棟梁村上武吉。中央政府の影響が低い瀬戸内海で船舶の航行を助け収入を得ていた村上水軍。しかし信長、秀吉と国家的ビジョンを持った巨大権力の前に独自性を持った村上水軍は徐々に存在意義を無くして行く。

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Posted by ブクログ 2021年06月12日

個人的には「村上海賊の娘」が気になり続けていたが、敢えてこちらの作品を読んでみた。
理由はまっすぐに村上武吉を深く知りたかったからで、こちらから読んで正解だったとは思う。
まぁ海賊が市民権を得ていた中での周りの大名達との駆け引きや海賊としての生き様がリアルに描かれていて楽しめました。
後半は凄く哀愁...続きを読むが漂うのもリアル。
武吉目線での毛利の武将達や秀吉の印象もうかがえて良かった。

個人的には途中レ点やなんやと昔勉強した内容が出てきたがまったく読めず、悔しい思いをした。
勉強し直そうかなとも思うが、やらんやろうな俺は。

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Posted by ブクログ 2019年06月19日

戦国末期、瀬戸内海の村上水軍を率いて独立自存の勢力を誇っていた海賊の総大将・村上武吉。毛利一族などとの争いの末に獲得した徴税権と領土が、天下統一を狙う豊臣秀吉に奪われそうになった時、武吉はいかにして、それと戦ったのか。いかなる権力にも臣従することなく、己れの集団を守りぬいた武吉の生涯を通じ、時代の転...続きを読む換期における指導者のあり方を示唆した歴史小説。

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Posted by ブクログ 2019年04月28日

きちんと歴史的な取材をした上で書かれた作品だとわかる。無理矢理にヒーローを作らず、悪役を作って盛り上げるでもなく、しかし最後まであきさせずにひとりの男の一生を描いている。
村上武吉の境遇、生き方に共感できて、最後まで清々しかった。

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Posted by ブクログ 2015年03月06日

本屋大賞を受賞した「村上海賊の娘」を読んで、村上水軍に興味を持ったのだが、その村上水軍の総大将である村上武吉(たけよし)を描いた作品だ。
「村上海賊の娘」では、どちらかというと策士というか、裏方として描かれていた武吉であったが、ここではメインとして描かれている。
瀬戸内にある能島・来島・因島の三島...続きを読むを拠点として活動している村上水軍。彼等は瀬戸内海上での関所の役目の他に、毛利家の海上での戦いのバックアップとしても活動していた。自ら主人を持たない自由な生活を送っていたが、時代が信長、秀吉の天下統一の方向になってくるにつれ、彼等の自由な生活にも暗雲が立ち込めてくるのだった。
時代小説なのだが、読んでいくうちに、「流通の自由化」や「親会社と下請け」、「大企業と中小企業」などといった現代社会を彷彿させるものがあって、興味深かった。人はどう生きるべきか、時代に流されていくべきか、自らの信念に拘るべきか、を読みながら考えた。

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Posted by ブクログ 2014年12月26日

戦国から豊富滅亡くらいまでの瀬戸内海賊の物語。

今年話題になった村上海賊の娘が気になってこの本を手にとったのだけど、村上海賊(&毛利)の果てしない撤退戦という感じで読後感はあまりよろしくない。

個人的には新兵衛が最後に侠気を見せてくれるのではないか?と思っていたが、最後までクズだったのが残念。
...続きを読む頼広はどういう気持で島を出て行ったのか?など考えさせられるところは多々あった。
充実の★3つで。

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Posted by ブクログ 2014年04月18日

大河ドラマ黒田官兵衛を反対側から追っていく感じ。穏やかな瀬戸内海の島にこんなに荒々しい海賊がかつては勢力を持っていたとは知らなかった。

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Posted by ブクログ 2014年03月15日

海賊にも算盤、規律をと戦国期を生き抜くために既成概念に捕らわれず改革を断行した村上海賊の総帥武吉の半生を描く物語。敵にしては謀略の限りを尽くし、民には仁を尽くす毛利元就との触れ合いや時の権力者豊臣秀吉との確執を通じ揺れ動く心の様と海賊としての覚悟を忠実に描く。「坂の上の雲」でお馴染みの秋山実之が参考...続きを読むにしたとされる「能 島海賊古法」による水軍戦術のエッセンスが随所に垣間見える。唸る歴史小説です。

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Posted by ブクログ 2012年02月07日

日露戦争で大活躍した『坂の上の雲』の主人公と言える秋山真之が戦術の参考にした村上水軍の栄枯盛衰の話。

それはサムライの栄枯盛衰として見ることもできる。
しかし、瀬戸内海を制し、通行料で食っていくという安定的に見えるビジネスが一気に成り立たなくなるという過程としても見ることができた。

掟を重んじ、...続きを読む最強を誇った村上水軍は新しい時代の到来になす術もなく散った。

組織が属人的であったり、改革が進まなかったり、今よく新聞で目にするような苦境に立つ企業のような話がよく出てくる。

いつの時代もforward lookingでなければやっていけないのだ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

我がご先祖、村上武吉のお話です。村上家の当主、村上武吉と当時の政権を握る豊臣秀吉との話です。
主にあまり知られていない村上武吉の視点から書かれています。んまぁ僕としてはとてもいい話になっているとは思いますが…………歴史なんて所詮生き残った人間が都合のいいように書き換えたものであって、本当のことは何も...続きを読むわからないってことがよくあるもんです。僕はご先祖が好きですから、ほんまはどんなんやったんかなってものすごく興味が出てきて、本の感想どころではなくなってしまいました><

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