【感想・ネタバレ】秀吉と武吉 目を上げれば海のレビュー

あらすじ

戦国末期、瀬戸内海の村上水軍を率いて独立自存の勢力を誇っていた海賊の総大将・村上武吉。毛利一族などとの争いの末に獲得した徴税権と領土が、天下統一を狙う豊臣秀吉に奪われそうになった時、武吉はいかにして、それと戦ったのか。いかなる権力にも臣従することなく、己れの集団を守りぬいた武吉の生涯を通じ、時代の転換期における指導者のあり方を示唆した歴史小説。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

村上水軍の村上武吉は瀬戸内海の海賊の総元締めであり、秀吉が天下を取るまでの時期に毛利のために働く者であった。
しかし、毛利だけでなく瀬戸内海の村上一族のために一生懸命毛利の兄弟たちのように村上の一族も協力し合わなくてはいけないと諭し続けた男でもある。

秀吉が中国攻めをした頃には毛利について毛利のために忠義をつくし、村上の一族のためにどう働くべきかを常に考えながら家族を束ねていくことを常に考えた男であり、秀吉からは言うことを聞かない海賊として疎まれていたようである。

大阪湾の兵糧兵站の作戦など以前に読んだ村上海賊の娘のストーリーと重なるところなどありあの物語も頭の中に浮かびながら読み進める事が出来た。

秀吉が天下を取って毛利に加護されながら晩年は不遇の転居などさせられて最後には瀬戸内に帰ってくるが、意地を通した海賊の男の人生が最後まで興味深く奥行きのある一生であったと読んで損のない一冊だと思う。

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2019年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

村上水軍(の中でも海賊を全うした能島水軍)のトップ村上武吉が主人公。厳島合戦で毛利元就に味方し、元就の死後三男の小早川隆景とパートナーシップを組む。しかし人たらしの秀吉にいいように操られ、流転する羽目に。関ヶ原で西軍に味方し家康からも疎んじられ、最後は屋代島で貧しい暮らしの中老衰。非常に勉強になるのは秀吉の人たらし術。戦わずして人を征服する策略。そして小早川秀秋のダメ男ぶりがすごい。秀秋は寧々(北政所、高台院)の甥であり、秀吉の養子になり、秀頼が生まれたため小早川に養子に出されていた。

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2016年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

戦国から豊富滅亡くらいまでの瀬戸内海賊の物語。

今年話題になった村上海賊の娘が気になってこの本を手にとったのだけど、村上海賊(&毛利)の果てしない撤退戦という感じで読後感はあまりよろしくない。

個人的には新兵衛が最後に侠気を見せてくれるのではないか?と思っていたが、最後までクズだったのが残念。
頼広はどういう気持で島を出て行ったのか?など考えさせられるところは多々あった。
充実の★3つで。

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2014年12月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日露戦争で大活躍した『坂の上の雲』の主人公と言える秋山真之が戦術の参考にした村上水軍の栄枯盛衰の話。

それはサムライの栄枯盛衰として見ることもできる。
しかし、瀬戸内海を制し、通行料で食っていくという安定的に見えるビジネスが一気に成り立たなくなるという過程としても見ることができた。

掟を重んじ、最強を誇った村上水軍は新しい時代の到来になす術もなく散った。

組織が属人的であったり、改革が進まなかったり、今よく新聞で目にするような苦境に立つ企業のような話がよく出てくる。

いつの時代もforward lookingでなければやっていけないのだ。

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2012年02月07日

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