城山三郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
昨今の原発報道を聞いていて、ふと本書のことを思い出し、約20年振りに再読した。
いまから95年前、高騰する米価について、大阪朝日新聞は、三井、三菱を凌ぐ新興の鈴木商店に関するねつ造記事を流布し、庶民を扇動した挙句、結果、鈴木商店は焼き討ちにあってしまう。
国益のためとまっすぐに進む大番頭 金子直吉は、何ら防戦することなく、足元をすくわれてしまう。
ここまでは、まさに前述のとおり。弱者の見方かのような仮面を被り、国益を無視した報道を続け、人気を取り、存在感を示したい大手マスコミの姿は全く変わっていない。
しかし、今回、気になったのは、丁稚あがりの社員たちと高商卒のエリート社員たちとの確 -
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懐かしすぎる
昔、大河ドラマで見た印象がのこっていたので、読んでみました。川谷拓三が道に埋められて鋸挽きされる、たがドラマらしからぬ残酷シーンが強烈でしたが、原作はそこまででもなかったですね。でも面白かったです。
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Posted by ブクログ
■時間
A.4 つの時間
・真珠の時間:仕事のアイディアを練る、深夜の時間
・黄金の時間:仕事上のゴールデン・アワーとなる、9 時頃から1 時過ぎまでの時間
・銀の時間:資料調べや下書きなどをする午後の時間
・珊瑚の時間:新聞や郵便物に目を通したり、仕事とは関係のない本を読んだりする、夕方以降の時間退職後の自由時間の大きさにおびえる人もいるが、こうして分割すると、1 日という単位も相手にしやすい。
B.戦後最大の財界人、石坂泰三は、出張の際、「空白の1 日」を日程に組み込んでいた。そしてその1 日を、どこにも属さない1 人の人間として、ただ風景の中に浸っていたり、散歩したりして過ごした。こ -
Posted by ブクログ
ダイエー創業者・中内功をモデルに描いた小説。
経済小説を拓いた城山三郎の真骨頂。
流通革命、価格破壊を目指した中内は、日本中を安い物で満たすことを目指した。そのルーツは戦争にある。日本は物量でアメリカに負けた。戦友がバタバタと死んでいく中、それでも、中内は生き残った。
戦後、中内は価格破壊を掲げ、流通革命を起こしていく。そして、一代でダイエーを築いたそのパワーに圧倒される。
この小説は、ダイエーの基礎をどうやって築いていったかの軌跡がよく分かる。家族も省みず、ひたすら仕事に打ち込み、社会のひずみと戦った。
いかに安く消費者に提供するか。いかに安く提供する仕組みを作るか。そのために、松下電器とも