城山三郎のレビュー一覧

  • 雄気堂々(下)

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    フランスから帰国後、明治政府の招きで大蔵省に。だが、藩閥の対立から野に下り、かねてからの夢である合本組織(株式会社)を創り上げる仕事に。いずれの藩閥にも属さない渋沢がいかにして、維新の元勲と肩を並べる最高指導者になって行ったのかを描く大作。

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    2020年12月18日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    ラジオで小川洋子さんが紹介しておられた
    著者の重くて固いイメージでご本人には特に関心が向いていなかったのだけれど
    淡々とのろけておられる
    まあ出版を目的としたものではなかったから

    奥様 お幸せでいたね
    そして城山三郎さんも

    ≪ ふと気づく もう君はいない ぼくのそば ≫

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    2020年12月07日
  • 大義の末 新装版

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    天皇の権威を自身の拠り所にしようとする情けない人々のなんと多いことか。理性的に考えれば国体だの大義だの、もっともらしいことを言っても空虚なだけなんだが。
    つづく

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    2020年11月02日
  • 官僚たちの夏

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    人事のおもしろさと儚さ。
    これが「人の事」だから、おもしろいと言ってられるが、ポストが全ての世界で人事権を握られたら、そりゃ忖度するわ。というのは現代の構図。
    国を動かすという熱量はすばらしい。壮大なモチベーションの反面、自分の将来のために上司や政治家の顔色をうかがい、省内の空気に敏感になるという、建前世界の身内思考の世渡り術。めんどくさい。

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    2020年08月29日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    海軍兵学校の同期で、最初と最後の特攻隊員となった関行男大尉と中津留達雄大尉。「永遠の0」の宮部さんは中津留大尉がモデルになってるのかと、読み終えて思いました。本当に特攻作戦に関する文献は何度読んでも心が痛むし、憤りを覚える。親の気持ちも辛い。

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    2020年08月26日
  • 硫黄島に死す

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    ネタバレ

    小説の中に戦車部隊の話があり戦車に乗る兵士なのに戦車に乗れなかった兵士の話がありました。
    そこで日本軍がものすごく追い詰められていたことがわかりました。

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    2020年08月20日
  • 硫黄島に死す

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    有名無名の人物の列伝。宝塚航空隊のささやかな悲劇。最後の『断崖』は戦後の話のようだが、変わる時代への警鐘。

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    2020年08月16日
  • 大義の末 新装版

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    「人間は幸せを求めて生きるという単純なことを教師も親も誰も教えてくれなかった」時代を恨み、敗戦により一夜で価値観が逆転した社会に戸惑いながら天皇制を問う。その答えを求めてもがき苦しむ主人公=筆者の分身=の姿が痛い。軍隊での体験を「書き留めることで(戦争に)復讐をしたい」という筆者の思いがとても強く伝わってくる作品。語り部として最後の世代といえる氏の“証言”には重みがあります。もう一編は多くの少年兵が命を落とした住吉丸の悲劇を描いたもので、こちらも胸締め付けられる話です。

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    2020年08月09日
  • 本当に生きた日

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    ちょっと惹かれるタイトルでしょ?

    城山作品は男性的っていうのが定評だと思う
    わたしは『落日燃ゆ』などの作品を
    粛々たる気持ちで読んできた
    ところがこの作品はめずらしく女たちのものがたり

    東京郊外ニュータウンでおだやかな生活をしていた38歳の
    平凡な専業主婦の主人公がひょんなことから世に出て働いていく
    「いま、あなた本当に生きている実感があるの」
    と、やり手の女友だちにささやかれて

    その過程のさまざまなあれつきが描かれている
    いわく、女ゆえ信用されない仕事のむずかしさ
    子供との関係、夫との関係...

    そうして結局、ほどほどに保守的な主人公が軟着陸
    誘ったイケイケ副主人公も事業に失

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    2020年06月08日
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界

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    無理を通せば道理引っ込む的な成功者が戦後のさばった。今なら世間から袋叩き
    そういう時代もあったという事。戦国時代、天下人はそう生きただろう。
    豪快で浪花節的で面白いちゃ面白い伝記もの

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    2020年05月09日
  • 無所属の時間で生きる

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    数々の重厚な小説を残した城山三郎の大変楽しいエッセイ。「無所属の時間」とは必ずしも定年後の時間ではなく、組織に属さない作家という立場を意味しているようだが、還暦を控えて読むのは丁度良い。20 年以上も前の文章なのに古さは感じない。

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    2020年02月01日
  • 花失せては面白からず 山田教授の生き方・考え方

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    城山三郎 「 花失せては面白からず 」

    恩師 山田教授との交流を中心とした自伝。山田教授の生き方、考え方に焦点を当てている。タイトル中の「花」という言葉は、山田教授の求道心、人間探究心、価値多様性を意味すると思う。

    山田教授の生き方、考え方
    *客観的な事実認識による人間探究
    *価値多元論(多様性)〜異なる価値を認める
    *異なる価値観は 相互批判と意見修正により一歩進める

    著者の生き方、考え方でもあり、城山作品の気骨ある主人公は 山田教授をイメージしているように思う。

    資本主義者と社会主義者などの価値対立をどう乗り越えるか、研究の優先順位、ゲーム理論、力の法則が とても参考になった。

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    2020年01月09日
  • 雄気堂々(上)

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    農家に生まれ、幕末の尊王攘夷の活動を主導しながら、幾多の同志の死をまのあたりにするも生きながらえる。時代の流れに乗り、自らの実力と運で幕臣となり、さらには新政府の中枢に誘われる。2019.12.13

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    2019年12月13日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    ご存知、ビジネス小説作家城山三郎氏による、渾身のノンフィクションである。城山氏自身が戦中海軍に所属していたようだが、若年だったため身分は訓練兵であり、出征は免れた。
    著者の無念さが全編を通してにじみ出ている。著者自身の、特攻隊員たちへの最大限の弔いとして本書が書かれたに違いない。というのは、巻末の参考資料が何十冊というすごいリストなのである。何としてでも正確な記録を残そうという著者の執念というか、真摯さが感じられる。
    表紙にある写真は、一人目と最後の特攻隊である。最初の関氏は、「僕ほどの技術を持ったパイロットに攻撃をさせずに特攻をさせるとは、バカげている」と言いながらも、命じられて散った。最後

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    2019年09月09日
  • 男子の本懐

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    昭和初期に金解禁を遂行した浜口雄幸首相と大蔵大臣である井上準之助の物語。(読む前は、浜口首相といえば東京駅で銃撃された程度しか知らなかった。)

    静の浜口、動の井上といわれるくらい正反対の二人だが、盟友として確固たる信念をもって緊縮財政を進めるくだりは、政治家はこうあるべしと改めて感じた。二人が現在の数百兆もある日本を見たらどう思うかを考えてしまう。

    当然ながら敵も多く、両者とも最後は凶弾に倒れてしまうが、金解禁を断行するときに万が一の覚悟はできていたであろう。浜口首相といえば東京駅で銃撃された程度しか知らなかった

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    2019年08月26日
  • 冬の派閥

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    大藩であるにも関わらず、幕末において余り存在感のない尾張藩がフォーカスされた作品。

    印象に残っているのは、「尾張藩は大藩、雄藩であり、尾張で全てが完結されてしまうが故に、有象無象の他藩と交わることを良しとしなかった」という精神性。

    この一文だけで、尾張藩が何故幕末において存在感を発揮しなかったのか何となくわかってしまう気がする。更に言うと、この精神性は今の名古屋にも連綿と受け継がれているようにも感じる。

    しかし主人公の徳川慶勝は真面目な人だけど報われないなぁ(これは城山三郎の殆どの作品の主人公にも共通するけど)。あと、北海道開拓の件からも、余り優秀な指導者だったとは余り思えない。。

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    2019年08月25日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    特攻一号士官の関大尉と、宇垣中将と最後の特攻をした中津留大尉を核とした特攻の物語。数々の醜悪な特攻兵器と司令部の指揮。戦争を賛美する者に呪いあれ。

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    2019年07月12日
  • 雄気堂々(下)

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    渋沢栄一というと、

    聞いたことはあれどなにをした人かは正直よく知らなかった。業績は多岐にわたるが、

    第一国立銀行のちの第一勧銀を設立したのが一番の功績なのだろうか。


    この本は渋沢栄一の生涯をなぞった小説だが、


    農家→尊王志士→徳川家に士官→大蔵省完了後→民間で事業に携わる


    といった生涯の変遷に驚く。

    これだけ立場を変えても人々に慕われて尊敬されたのは、よほどの能力と人柄があったのだと思う。


    本の一節に、


    志を心の中に立たせるのは容易い、

    実際にどうやったら立つかを考えないと意味がない。


    というような内容がある。


    彼の一生はそれを追求した結果として、

    立場が

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    2019年06月25日
  • 雄気堂々(上)

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    渋沢栄一というと、

    聞いたことはあれどなにをした人かは正直よく知らなかった。業績は多岐にわたるが、

    第一国立銀行のちの第一勧銀を設立したのが一番の功績なのだろうか。


    この本は渋沢栄一の生涯をなぞった小説だが、


    農家→尊王志士→徳川家に士官→大蔵省完了後→民間で事業に携わる


    といった生涯の変遷に驚く。

    これだけ立場を変えても人々に慕われて尊敬されたのは、よほどの能力と人柄があったのだと思う。


    本の一節に、


    志を心の中に立たせるのは容易い、

    実際にどうやったら立つかを考えないと意味がない。


    というような内容がある。


    彼の一生はそれを追求した結果として、

    立場が

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    2019年06月25日
  • 毎日が日曜日

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    秀作。
    40歳台から60歳台の男性にお勧めの作品。
    今ではあり得ないモーレツ社員時代のお話。人生のすべてを仕事に捧げる。
    色々考えさせられる、今でも通用する作品。
    淡々と話は進む。最近の小説にありがちな、あざとく感動的な設定のないことに品の良さを感じる。
    うーさんが自分に似ているところがあり、共感が持てる。というか、今どきはうーさんタイプが多いのではないだろうか。
    日本の商社は世界一だったのか。その時代の認識が無い。
    今ではインターネット時代なので、強味も薄れたのか。

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    2019年06月16日