城山三郎のレビュー一覧
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経産省カルチャーの中で働くことになってしまったので、読んでみた。
古い、男臭い、独りよがりな、偉そうな、ブラックな、そういう場所。そういう人々。ホモソーシャル。
特に人事カードで人事を我が物にしようとする風越の態度が、現代においてはもはや腐敗臭を放つ。
30年代の経産省がこうであった、ということは理解。諸々の規制が国内企業の育成に役立ったと。
現代の経産省官僚の役割ってなに?彼らに何ができるのか?政治家につつかれて補助金を出してるようにしか見えないけど。今の彼らが、天下国家のために何を為しうるのか、書かれてある本があったら読みたいものだ。
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○地球は通産省を中心に回転している -
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ネタバレ第二次世界大戦の中、一億総玉砕が叫ばれ、まさに必死の作戦として始まった特攻作戦。
その中でも有名なのは「カミカゼ」と敵兵からも恐れられた神風特別攻撃隊。
本作はそんな神風特別攻撃隊の最初の特攻隊長・関大尉と最後の特攻隊長・中津留大尉にフォーカスをあてた作品。
そこに著書の戦争体験も加わり、戦後末期の日本がどのような状態であったのかが語り継がれています。
特攻作戦の悲劇。
何冊かの書籍にて「回天」や「桜花」の存在は知っていましたが、「伏龍」の存在は本書にて知ることになりました。
普通では絶対に考えられないことが起こる、まさにこれが戦争の悲劇。
二度と同じ過ちを起こしてはならないと思 -
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NHK大河ドラマの原作ということで読んでみた次第。
渋沢栄吉生涯の伝記かと思っていたが、実際は妻千代との結婚から千代の死までの期間の話が書かれていた。
勤皇の志士として立ち、一橋家の家臣となり、幕末の動乱の中を生き抜き、慶喜謹慎ののちは主君に従い静岡で静かに生きることを決意しながら、新政府から請われて行政に力を発揮。新政府の権力者間の勢力争いに翻弄されながらも富岡製糸場の立ち上げ、大阪の蚕産原料を巡る外国公館との対決とその手腕を発揮する。
非凡な先見性、行動力を読むにつけ、彼の偉大さを改めて確認できた。生涯を総括した本が読みたくなった。 -
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成功は社会のおかげ。成功者は社会に恩返しすべきだというのが、渋沢の素朴だが強い信念であった。
渋沢はよく言った。私が、もし一身一家の富むことばかりを考えていたら、三井や岩崎にも負けなかったろうよ。これは負け惜しみではないぞ。と。渋沢にはそれだけの能力があった。設立し関係した企業五百、同じく関係した公共、社会事業六百といわれ、近代日本の無数の礎石を築いた人だからだ。三井、岩崎、住友など大財閥の一族でも男爵どまりである中で、経済人でたった一人、子爵に抜きん出たのが渋沢だった。渋沢は多くの慈善活動をしたが、ただ大金を出すだけではなく、いかに効果が上がるかを考えた。
下巻は、主に三菱との争いだ。三菱率 -
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タイトルの言葉が有名。国鉄総裁石田禮助の生涯,伊豆西岸の出身,一橋の前身を卒業し三井物産,大連,シアトル,ロンドン,ニューヨークとほとんど海外で活躍。戦後しばらく経ってから池田勇人首相から国鉄総裁に任命。卑であることを徹底的に嫌う姿がかっこいい。厳しさがある一方で大きな仕事をする人には必ず理解者がおり,愛される側面を必ず持っている。晩年はパブリックサービスをするのだという考えの通りに公益のために自分自身の才を使う。パブリックサービスでは給与をもらわない。功成り名を上げた成功者がこういう構えで社会を支えてくれる社会だったのだろう(いや,本になるくらいだから珍しい存在だったのかもしれぬ)。そんな人
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まず初めに「粗にして野だが卑ではない」は多少態度や言葉が粗くても、世のため人のためを最優先に考え、考え方に筋が通っていて卑なことは決してしないということである。
本書は三井物産代表取締役から78歳で国鉄総裁になり84歳の引退までを痛快なエピソードを交えながら記している石田氏の生き様が記されている本である。
石田氏は三井物産時代はシアトル、ニューヨーク、ボンベイ等ほぼ海外勤務であり、新たなビジネスの導入や既存ビジネスの拡大に勤め代表取締役まで上り詰めた功績があり、国鉄時代には職員の給与アップや鉄道の安全面への強化など、組織内に様々な改革を起こした。肩書きだけでは順風満帆なエリートサラリーマンの人