城山三郎のレビュー一覧
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しまなみ海道を旅するにあたり、予習として読みました。
普通に眺めても充分美しいな海ですが、この本を読むことでかなり旅の視点が違ったと思います。
泊まった民宿の経営者が村上さん。いやそもそも、町中見渡す限り村上さん。
村上内科医院、クリーニングむらかみ、村上青果店、村上司法書士事務所…etc.
いや〜ほんとに皆さん村上水軍の末裔なんですね。
柑橘類や魚介類など食べ物も美味しい土地ですが、もしこの中に行かれる機会がおありなら、是非この本を鞄に忍ばせて行って下さい。
感想というより単なる私の旅日記になってしまいましたが、時代の流れに翻弄されつつも自らの道を貫き通そうとする生き方に感銘を受けま -
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村上水軍の総大将・村上武吉の話。タイトルに「秀吉と」とあるが、ほぼメインは武吉の話。
秀吉が「天下統一」で勢力を伸ばす中、毛利家は秀吉側につくことになる。一方武吉は、海賊としての誇りを捨てず、秀吉に屈しない。
秀吉は、村上水軍を不自由な土地へ飛ばしたりと、あの手この手で武吉を苦しめる。息子は「父のご指示に従います」と頼りない。給料を払えないため、次第に部下たちは離れていく。最後は後妻一人に看取られて死んでいく。
世の中をうまく渡り、コントロールしていったのは秀吉だが、自分の意思を貫き通して生きたのは武吉のほうだろう。成功者として豪勢な生活を満喫しつつ、常に暗殺者に怯える秀吉。一方瀬戸内の海を眺 -
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倉敷の偉人と呼ばれる大原孫三郎。
地元倉敷の誇りだと思います☆
偉人と呼ばれる大原孫三郎ですが、最初からこのような人ではなく、遊びに散財してしまってどうしようもない人物でもあった。
その中で東京から倉敷に連れ戻されてから、様々な自分の人生の在り方を決めるような人たちと出会っていく。
何事にも真摯に取り組み、腹を割って真剣に話すことが出来る
『本当の友達』
このワードを大原孫三郎は大切にして求めていたものだと言うことが自分の中には大きなメッセージのように感じた一冊です☆
昔の言葉などで少し読むのに時間もかかるかもしれませんがイイ本だと思います♪ -
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いわずと知れた城山三郎さんのエッセイ。
さすが城山さん、財界人との太いパイプをもってらっしゃいます。
そして、人物の観察、目の付け所がスルドイです。
このエッセイのぼちぼちが一番から
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「静かに行くものは穏やかに行く、健やかに行く者は遠くまで行く」
ぼちぼちとは、ともかく、前に向かって歩いていることでる。自分のペースで歩き続けているということである。
マスコミの脚光を浴び、ライバルに負けまいと、急成長し、急破綻して行った数多く -
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今でこそ、薬品の安売りはめずらしくなくなったが、昔は定価というものが存在していた。主人公は流通機構や再販価格にまっこうから風穴を空けようとする旗手である。
メーカーや弱小小売店を敵にしても、最後は消費者のニーズに答えるために自分の信じた道を突き進むのは、読んでいて胸がスカっとする思いである。
この本で学んだこと
1.どんなに追いつめられても諦めない。
この本にも出ている「あと、もうイーチャン」という姿勢は見習いたい。
2.自分の信念を曲げない
自分たちの売るものは自分たちで値段を決める!買収されそうになっても、自分の信念を曲げなかった。
3.買った瞬間からくさりはじめる
妻の「 -
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浦野所有。
『硫黄島に死す』『官僚たちの夏』など、最近、何かと話題の多い城山三郎。
新潮文庫の『総会屋錦城』は、直木賞を受賞した表題作をはじめ7つの短編を収めています。読む前は「固そうだな」という先入観もありましたが、これがなかなか読みやすかったです。立原正秋のようなゴツゴツした感じはなかったし、テンポよく話が進んでいきました。
表題作は、総会屋として幅をきかせる老人の晩年を描いた、鬼気迫る作品。それ以外は、大きな組織のなかで、それぞれの思惑を胸に抱く人々の物語です。
タクシー会社のヒラ社員なのに、事故を起こしたときにだけ「専務」役を務め、遺族を弔問する50代男が主人公の「事故専務」なん -
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オリンピック開催時期と終戦記念日が重なった今年、馬術・法華津選手の出場という話題もあり興味が出てきたのがバロン西。名前だけで、いつ活躍した選手だったのかも知らなかったです。戦争というとどうしても惨めさやひもじさ、浅ましさが先に来てしまうので積極的に触れたい話題ではなかった。中にはそういう作品もありましたが表題作では何よりも妻・武子の悲しみが深く心に刻み込まれました。豪気で遊びも派手だった西の妻として、噂になった女性と仲良くなったり夫の顔や対面を崩さないように振舞うのが辛くなかったわけじゃない。将来年を取ってから「あんな苦労があったのよ」と笑えるようになりたい。そんなささやかな幸せがもう叶わない