城山三郎のレビュー一覧

  • 逆境を生きる

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     著者のこともよく知らず、時代は繰り返すことから、以前にも、今と同じ、いやそれ以上に苦しく、大変な時代があったと思い、タイトルと、書評に惹かれ読み始めた。

     やはり、今とは環境は違うものの、今よりも命をかけた大変な時代があり、それを乗り切ってきた人たちの、それぞれの生き様が描かれてある。

     変わらないのは、外野は騒ぎ立て、志を持った人間は、淡々とことを進めていくと言うことだ。それは、決して簡単なことではなく、時には命を落とすことになり、その思いが途絶えることにもなる。

     戦後の日本の歴史を、表だけではなく、事実の面を見るにも興味深く読ませていただいた。


     最終章で、井上準之助さんに付

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    2011年12月04日
  • 彼も人の子 ナポレオン

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     二十代前半,後半,三十代前半…というように,ナポレオンの人生を時間を追って眺めてゆく。全体を貫くキーワードは「幼児性」と「率いること」。
     エジプト遠征からの帰還を,子会社に社長として出向していた人間が,芳しい実績を上げられず本社へ戻ってきたことに譬えるなど,著者ならではの描き方が興味深い。

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    2011年10月26日
  • 日本人への遺言

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    城山三郎は気骨があって作家らしい作家なのかもしれないが、対談者に対して敬意が足りないのではないかと感じてしまった。

    覚えていないことを覚えていないままにし過ぎなのは、
    対談者だけではなくこの本の読者に対して失敬ではないのか。

    そんな気分がして最後まで入ってこなかった。

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    2011年10月21日
  • 本当に生きた日

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    平凡な主婦が、3人子供がいながらもバリバリ働く高校時代の友人に誘われて働き始める話。

    それまでは専業主婦であった主人公が「サクセス」を求める社会人たちの波に飛び込み、家庭との両立に悩みながらも仕事を続ける。

    家庭を大事にしようとする主人公。
    家庭を持ちながらも固執しない友人。
    家庭を持たずに働きながらも家庭への憧れが離れない別の友人。

    その3人の周囲で事件がおきていく。その事件を通して、「女性が社会に出ながら『幸せ』をつかむのは難しい、そしてその『幸せ』とはつまるところは家庭での生活なのだ」という結論を訴えようとしているという印象を受ける。

    僕は女性ではないから、結局のところ結婚や出産

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    2011年09月19日
  • 臨3311に乗れ

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    近畿日本ツーリストの創業から発展を描いた小説。

    足元固めるのが下手だが、誰よりも夢を持ち馬力を持つ主人公、馬場さんの生きざまはまさにベンチャーの社長という感じである。

    日本ツーリストは近鉄の子会社である近畿交通社との合併で発展する。今まで弱かった経理が強くなったのが一因であろう。

    やはり、守備と攻撃のバランスがいかに組織として重要かということであろう。

    こうした典型的な発展ストーリーはひたすら無茶苦茶な小話に富むが、そこまでと言えばそこまで。

    城山さんも若いからそんなに文章がうまくなかったのかな!

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    2011年09月19日
  • ビッグボーイの生涯

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    東急グループ2代目五島昇氏の人生を城山三郎が纏めた本。東急グループは、五島昇氏の父である慶太氏がビジネスをはじめた。鉄道、観光、映画等のレジャー産業などあらゆる分野に進出し、今の東急グループの礎を築いた。昇氏は、父から受け継いだビジネス基盤をさらに強固なものとし大きくした。売上で比較すると、慶太氏から引き継いだ時は、70社7法人で700億、従業員数は3万人だったのが、347社8法人で2兆8千億、従業員は8万9千人まで拡張させた。凄いの一言に尽きる。しかし、本人はいたって普通だ。周りの人に支えられ人間として大きな器を作っていったように感じる。
    父慶太氏が亡くなった後、今後のことを相談するために父

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    2011年09月18日
  • 硫黄島に死す

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    なかなかオチがいい作家だなぁ

     この作家は初めてに近い(キングスレイ ウォードの訳は読んだことがある)。

     「著者の戦争体験と深くかかわった作品7編を集めた短編集」といわれる本書を読んだ感想はなかなかいいものだ。

     なんというか、淡々としていて説教くさくなく、しかも余韻がある感じ。いいワインを味わう感じもしくは後から辛さがきいてくるインデアンカレーの感じだろうか。
    (なんちゅうたとえや・・・)


    作品は以下の通り。
    硫黄島に死す
     まさに表題作。硫黄島で有名な栗林ではなく西から見た戦記かな。かたくなに「勝たなくては」と思う日本の狭さがよく表現されている。

    基地はるかなり
     銀行頭取・

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    2011年09月14日
  • 硫黄島に死す

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    戦前も原材料はアメリカに頼っていたのでやっぱり
    日本は戦争はしちゃいかんな。。

    でもアメリカが対日輸出禁止とかしたから
    踏み切らざる得なかったんだけど。

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    2011年08月26日
  • 鼠 鈴木商店焼打ち事件

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    金解禁や米騒動で有名な金子商店に
    関する興味深い本。

    今の日商岩井(もうないけど)や
    帝人や神戸製鋼などなどの始まりと
    なった三井・三菱とならぶ財閥会社なのですが
    昔から台湾銀行の不良債権話に関連
    した話しかでてこないし一方通行の
    情報しかないのでイー本見つけた感じ。

    元、新聞記者の城山さんらしい取材本ですね。
    大東亜戦争前の日本史に興味がある人には
    ご一読を。

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    2011年08月26日
  • 硫黄島に死す

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    バロン西の「硫黄島に死す」(表題作)と、ローリー大尉の「着陸復航せよ」が印象的でした。

    どの物語にも、戦争を生き、死んでいく人々の姿がどこか淡々と描かれていて、
    それが一層戦争の非情さを際立たせている印象です。
    救いがなくて、1話読むたびに休憩をいれたくなってしまいます。

    登場人物が皆とっても魅力的なだけに、余計つらい。

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    2011年08月10日
  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―

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    大原孫三郎についての一冊。
    自分は全く大原孫三郎という人物について知らなかったのだが、この一冊を読むことで、彼の生涯と信念が見えてきて、興味深かった。

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    2011年07月29日
  • 総会屋錦城

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    直木賞受賞作品。
    総会屋の話というだかあって、株主総会に関連する商法の条文や、ジュリストや法律時報といった法律雑誌も登場してきて、法律雑誌の編集者としては親近感が湧いてきた。

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    2011年07月24日
  • 無所属の時間で生きる

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    故城山三郎氏は私の好きな作家の一人である。氏が描く男はどれも漢であり格好いいのだ。
    本書は、城山氏自身が「無所属」というキーワードを軸に書き溜めたエッセイである。城山氏は約10年間の大学教員時代以外はフリーの経済作家として、いわば社会的に無所属の立場で過ごされてきた方である。

    本書にて城山氏の造語が二つ、紹介されていた。

    ひとつは「一日一快」。一日にひとつでも、爽快だ、愉快だと思えることがあれば、「この日、この私は、生きた」と自ら慰めることが出来るということである。私も仕事などで凹み、ぐったりして帰宅することがあるが、そんなときに道端に咲く花が素敵だったり夕焼けが綺麗だったりすると、爽快に

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    2012年09月21日
  • ビッグボーイの生涯

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    元東急グループ総帥の五島昇氏の生涯を描いた城山氏の作品です。昇氏も魅力的ではありますが、「強盗慶太」と呼ばれ一代で「大東急」を築き上げた父慶太氏の生き様の方が気になりました。

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    2011年06月02日
  • 一歩の距離 小説 予科練

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    特攻に志願したものとしなかったもの、その間に横たわる「一歩の距離」を中心に、旧軍の無意味な体罰、非合理的な特訓と殉職、若者の純粋な気持ち、そして終戦直後の身の振り方など、あまり特定の思想に偏ることなく、ほぼ予科練にいた主人公(たち)の「見たまま」が淡々と描かれる。

    「自分のできることをきっちりこなす」ことが必ずしも善ではないのだと身につまされる。あまり考え過ぎなくても生きていけるのだと安心できる。そんな中編。

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    2011年04月26日
  • 日本人への遺言

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    城山さんと高山さんの対談が書かれたもの。城山さんの作品についてやそれにまつわることについて、対談という形で語られている。

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    2011年04月11日
  • 硫黄島に死す

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    城山さんの体験に基づいた短編集。
    戦争の残酷さ、まだ幼い少年兵をいたぶる上官。戦争で人は内部までおかされてしまうのか。

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    2011年03月15日
  • わしの眼は十年先が見える―大原孫三郎の生涯―

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    大原孫三郎はいい意味でも悪い意味でも、自分の主張を貫く経営者であった。その象徴的な言葉がある。「 十人の人間の中、五人が賛成するようなことは、たいてい手おくれだ。七、八人がいいと言ったら、もうやめた方がいい。二、三人ぐらいがいいという間に、仕事はやるべきものだ。 」というものだ。リーダーに相応しい人物だと思った。

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    2011年02月21日
  • 硫黄島に死す

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    全7作品よりなります。
    全5作が戦争小説です。
    後半2作は城山三郎さんには珍しく私小説です。

    自己の体験から,戦後の残された者たちや社会を書いた貴重な作品です。

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    2011年01月01日
  • 百戦百勝 働き一両・考え五両

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    戦前・戦後を駆け抜けた相場師の話。舞台は古いが分かりやすく痛快である。いつの時代も情報が最も重要。働き一両・考え五両、正確なマーケティングが成功には必要である。

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    2010年09月19日