城山三郎のレビュー一覧
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中学生だったかそれくらいの時に父親からもらって初読。
何かの折に何回か読み返していたけど、今回は結構久しぶり。
(モデルとされている)中内功氏の話に触れる機会があったので再読。
装丁が変わっていることにちょっと驚き。
(従前はもうすこし劣情をそそる感じの装丁でした)
また中身も記憶にあるほどバイオレンス的(例えば「週刊大衆」のような)ではありませんでした。昭和のお父さんが好みそうな描写も若干ありますが。
今回読み直して思ったこと。
・主人公は戦地で死にかけたので、「死ぬことより辛いことはない」「青春は鍛えるためにある」というロジックでどこまでも「メーカー希望(指定)価格」という暗黒大陸に陽を灯すべく、突き進む。
消費意欲はどこまでも高く、給料が上がり続けた、モーレツな昭和。良いか悪いかはわかりませんが、こういう時代もあったということ。
・また、組織の求心力や突破力を高めるためには、志や信念が必要、ということも再認識。信念のない安売りは永続せず。
というか改めてこれを子供に読ませる、草葉の陰のお父上もお父上だけど、読んでる方も相当なマセガキだな。おかげで流通にハマることができました。 -
Posted by ブクログ
幕末から明治維新の尾張藩、特に徳川慶勝を中心とした歴史小説。
尾張藩は御三家でありながら、勤王の御旗の下、幕府と対峙したが、明治新政府で決して優遇はされず、政治的な主導権を取れなかった。
「尾張殿は、いつも貧乏くじを引かれる」
幕末の歴史小説は薩長もしくは幕府側からの視点で描かれることが多いが、尾張藩を中心にストーリーが展開するところに真新しい発見も多かった。
また、後半の尾張藩の勤王志士達による北海道開拓の部分については、当時の北海道開拓の実態を知ることができ興味深かった。
高須兄弟の生い立ち、受けた教育等、彼らの人生について、もう少し深堀りてみたい。(他の文献にもあたりたい)
ストーリーとしては、やや淡白なところがあり少し残念。後半の北海道開拓部分を膨らませれば、もっと面白い歴史小説になっていたのではないか。
以下引用~
・「それにしても、三重臣十一士。結局は、長州藩の討首と同じ数になりました」
・薩摩はかつて幕命により、尾張領の木曽川など三川の治水工事をやらされ、多くの金と人命を失ったうらみがある。
長州には、長州征伐のうらみがあり、薩長出身者たちは、いずれも尾張を快しとしない、というのだ。
・「開拓の第一歩は、墓地つくりである」 -
Posted by ブクログ
ネタバレたしか『不毛地帯』のあとがきに紹介されていて購入。
『輸出』という作品の続編ということが、本書のあとがきで判明。
それでも、単独の作品として楽しめる。
商社マン沖直之の仕事と家庭を巡る話。内容はタイトルに似ずシリアスだが、タッチは軽い。不毛地帯の壱岐正のように出世はしない、むくわれない一平卒の物語。世の中には、そういう人の方が圧倒的に多いのだろう。その中で、アウトローに過ごしたが、華々しく定年を迎えた笹上のポジションがとてもよい。万歳して、退職したはずなのに、毎日が日曜日の人生に早々に退屈してしまい、なんでもいいから人の役に立ちたいと、当初の照れも忘れ人助けに没頭していく。
大多数の一平卒は何を思うのだろうか?