城山三郎のレビュー一覧

  • 花失せては面白からず 山田教授の生き方・考え方

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    経済小説の先駆者、城山三郎氏とその師である山田雄三氏の評伝。

    城山氏の作品が醸し出す素地がこういうところに起因していたのかと分かる一冊でした。

    忠君愛国以外に生き甲斐なしと信じ、海軍少年兵に志願入隊した著者は、敗戦によって価値観の根本的な考え直しを迫られ、東京商大に入学。そこで、山田雄三教授と出会う。出会いから40年、探究心で結ばれた師弟の歴史。

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    2021年06月11日
  • 雄気堂々(下)

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    NHK大河ドラマの原作ということで読んでみた次第。

    渋沢栄吉生涯の伝記かと思っていたが、実際は妻千代との結婚から千代の死までの期間の話が書かれていた。

    勤皇の志士として立ち、一橋家の家臣となり、幕末の動乱の中を生き抜き、慶喜謹慎ののちは主君に従い静岡で静かに生きることを決意しながら、新政府から請われて行政に力を発揮。新政府の権力者間の勢力争いに翻弄されながらも富岡製糸場の立ち上げ、大阪の蚕産原料を巡る外国公館との対決とその手腕を発揮する。

    非凡な先見性、行動力を読むにつけ、彼の偉大さを改めて確認できた。生涯を総括した本が読みたくなった。

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    2021年05月13日
  • 雄気堂々(上)

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    成功は社会のおかげ。成功者は社会に恩返しすべきだというのが、渋沢の素朴だが強い信念であった。
    渋沢はよく言った。私が、もし一身一家の富むことばかりを考えていたら、三井や岩崎にも負けなかったろうよ。これは負け惜しみではないぞ。と。渋沢にはそれだけの能力があった。設立し関係した企業五百、同じく関係した公共、社会事業六百といわれ、近代日本の無数の礎石を築いた人だからだ。三井、岩崎、住友など大財閥の一族でも男爵どまりである中で、経済人でたった一人、子爵に抜きん出たのが渋沢だった。渋沢は多くの慈善活動をしたが、ただ大金を出すだけではなく、いかに効果が上がるかを考えた。
    下巻は、主に三菱との争いだ。三菱率

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    2021年04月28日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    タイトルの言葉が有名。国鉄総裁石田禮助の生涯,伊豆西岸の出身,一橋の前身を卒業し三井物産,大連,シアトル,ロンドン,ニューヨークとほとんど海外で活躍。戦後しばらく経ってから池田勇人首相から国鉄総裁に任命。卑であることを徹底的に嫌う姿がかっこいい。厳しさがある一方で大きな仕事をする人には必ず理解者がおり,愛される側面を必ず持っている。晩年はパブリックサービスをするのだという考えの通りに公益のために自分自身の才を使う。パブリックサービスでは給与をもらわない。功成り名を上げた成功者がこういう構えで社会を支えてくれる社会だったのだろう(いや,本になるくらいだから珍しい存在だったのかもしれぬ)。そんな人

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    2021年02月17日
  • 官僚たちの夏

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    古いけど古くない。
    自分ができることは思っているよりもっと少ない。信念を持ち努力を続けつつ、謙虚に。休みながら。

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    2021年01月31日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    まず初めに「粗にして野だが卑ではない」は多少態度や言葉が粗くても、世のため人のためを最優先に考え、考え方に筋が通っていて卑なことは決してしないということである。
    本書は三井物産代表取締役から78歳で国鉄総裁になり84歳の引退までを痛快なエピソードを交えながら記している石田氏の生き様が記されている本である。
    石田氏は三井物産時代はシアトル、ニューヨーク、ボンベイ等ほぼ海外勤務であり、新たなビジネスの導入や既存ビジネスの拡大に勤め代表取締役まで上り詰めた功績があり、国鉄時代には職員の給与アップや鉄道の安全面への強化など、組織内に様々な改革を起こした。肩書きだけでは順風満帆なエリートサラリーマンの人

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    2021年02月09日
  • 役員室午後三時

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    先輩から勧められて読んだ。孤高のワンマン経営を目指す藤堂と、多くの協力者と運命共同体経営を目指す矢吹。確かに藤堂は経営者として優秀だが、変革を迫られる事態に弱く感じた。急速な変化が起きうる状況では、個の能力ではいくら高くとも対応できない。多くの優秀な専門性をうまくまとめ上げる力が必要であることがよく分かった。

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    2020年12月27日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    紙幅の問題があったのかも知れないが、内容・量共にもう一つ物足りない。

    石田禮助は正に「粗にして野だが卑ではない」聖人君子ではないと感じただけに、もっと掘り下げた作品に仕上がった可能性を思うと残念。

    同じ著者の書いた「わしの眼は十年先が見える」(倉敷紡績・大原美術館の大原孫三郎)がよかっただけになお残念。

    東京からの出張帰りに新幹線で読み切る、感じではオススメか。

    文教堂淀屋橋店にて購入。

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    2020年12月20日
  • 雄気堂々(下)

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    来年の大河ドラマの主役渋沢栄一の、青年期から壮年期までを描いた作品。
    もともと新聞小説だったらしいが、新聞小説にありがちな散漫な作品になってしまった。上巻では栄一の妻との関係にかなりの部分が割かれているのに、下巻ではほぼ出てこないとか。
    あるいは下巻ではいきなりキーワードとして八百万の神という言葉が多発されたり。
    まあ来年の大河ドラマの予習という感じではよかったかも(実際オリジナル脚本とはいいながら、この作品を下敷きにするのだろうし)

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    2020年10月31日
  • 役員室午後三時

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    大社長として。主役として。その拘りが己自身を崩壊させる。ちょっと可哀想な部分もあるかなあ。倍返しとは似て非なるもの⁈
    今の時代において、運命共同体とは⁇といぅ難題について考えてみても面白いかも…

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    2020年09月22日
  • 人生余熱あり

    購入済み

    今の私も余熱はあるのか?

    定年を迎え再雇用でそのまま働く身にとっては眩しい景色でした。自分に見せる老後を目指します。

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    2020年08月13日
  • 無所属の時間で生きる

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    久し振りにエッセイなるものを読んでみた。
    著者の日々の生き方、考え方に触れることができて面白かった。
    自分も社会人になってから、一度だけ無所属の時間を1ヶ月ほど過ごしたことがあり、そのとき感じた解放感、本来の自分に戻れた安心感とちょっぴりの不安感、そんなことを思い出した。
    「この日、この空、この自分」…。自分に立ち返る時間も必要ということ。

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    2020年08月08日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    ネタバレ

    石田福助の生涯を描いた本。
    飄々とした人格やエピソードは読後感爽快であるが、国鉄関係の記述が少なかったのが残念。

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    2020年07月26日
  • 雄気堂々(下)

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    渋沢栄一の生涯。幕末から明治にかけて混沌とした時代に生き、特に維新以降、国の主導的立場にあった。かくあるに一徹でなく、人の意見を聞き、考え方を柔軟にできることが条件のようだ。その意味では、洋々たる人生でもなく、本書であまり良く扱われていない大久保や大隈、岩崎のように敵も多く苦労したことだろう。下巻では、途中、史実の羅列が続き退屈な部分があったが、まもなく紙幣の顔になる翁の活躍を存分に知ることができた。2020.1.15

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    2020年01月19日
  • 総会屋錦城

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    戦中、戦後直後の日本企業の社会小説7編。
    総会屋、貿易業、サルベージ会社、描かれる資本主義の実態、経済機構のからくり、組織と人間。
    昨今のコンプライアンス云々のブラック企業とは比べ物にならない。命の重さは紙よりも軽い。
    心に戦争の被害を残す戦中派世代の特異な精神構造がありありと感じられる。
    当時の息吹を感じられる一冊でした。
    昭和2年生まれの著者、城山三郎氏は海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。
    氏の筆力があってもちろんのことだが、経験を伴っての描写を滲み出るものがあるな。

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    2019年11月02日
  • 総会屋錦城

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    表題作はあまりピンとこない 経済小説は同時代性が必要か?総会屋って言葉を聞くことがなくなったし。65年ほど前の出版でこの頃はメイドインジャパンが粗悪品の代名詞だったこと、上司のパワハラ当たり前など今からは隔世の感がありますね。感動したのはサルベージ会社の話で、戦後10年くらいの時代には沈没した戦艦を引き上げてスクラップとして売るというビジネスが存在したこと。すごいね。

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    2025年12月18日
  • 雄気堂々(下)

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    上巻からどのような展開になるのかと思って期待していたが、割と可もなく不可もなしと言うのが感想だ。
    自分としては経済人としての渋沢栄一をもっと書き込んで欲しかった。

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    2019年08月10日
  • 雄気堂々(上)

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    ある意味で時の人である渋沢栄一を知りたくて読んでみた。
    正直知らない事が多く、驚き感心している。
    上巻は主に江戸幕府が終焉を迎える時代の栄一について書かれている。
    自分のイメージする明治時代の栄一はこれからの下巻に書かれいてる。楽しみだ。

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    2019年08月02日
  • 冬の派閥

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    御三家筆頭として幕末政治に絶大な影響力を持つ尾張藩の、勤王・佐幕の対立は、ついに藩士十四人を粛清する〈青松葉事件〉へと発展し、やがて明治新政府下、藩士の北海道移住という苦難の歴史へと続く。尾張藩の運命と不可分の、藩主・徳川慶勝の「熟察」を旨とする生き方を、いとこ一橋慶喜の変り身の早い生き方と対比させつつ、転換期における指導者のありかたを問う雄大な歴史小説。

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    2019年06月21日
  • 秀吉と武吉 目を上げれば海

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    戦国末期、瀬戸内海の村上水軍を率いて独立自存の勢力を誇っていた海賊の総大将・村上武吉。毛利一族などとの争いの末に獲得した徴税権と領土が、天下統一を狙う豊臣秀吉に奪われそうになった時、武吉はいかにして、それと戦ったのか。いかなる権力にも臣従することなく、己れの集団を守りぬいた武吉の生涯を通じ、時代の転換期における指導者のあり方を示唆した歴史小説。

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    2019年06月19日