城山三郎のレビュー一覧

  • 官僚たちの夏

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    高度成長期の日本を舞台に、国家を背負い、自分の人生を懸けた通産省の官僚たちの生き様を描き出した作品。主人公は飽くなき人事への興味を持ち、ミスター通産省とも呼ばれることになる有力官僚ながら、歯に衣着せぬ物言いとざっくばらんな態度から、野武士然とした官僚らしからぬ男。彼はあくまで国家のために、そして有用な人材を生かすべく奮闘するのだが、彼の言動は政財界との軋轢も産んでしまうのだった。。。
    世間一般の官僚のイメージとはかけ離れた主人公。これでうまくやっていけるのかと心配していると、案の定彼の理想の実現は暗礁に乗り上げるのだが、まあ今の目で見るとフランス式経済というのもどうかなとは思う。でもそんな彼も

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    2024年11月24日
  • 落日燃ゆ

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    読んでみよ〜と思って読んで2ヶ月かかりました。
    A級戦犯はすぐ処刑が行われたと思っていたが、行うまでの背景をしれた。
    もう少し歳をとったらまた読もうと思った

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    2024年11月15日
  • 雄気堂々(下)

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    一万円札になった渋沢栄一のことを学びたくて読み始めました。
    下巻は政治の世界での活躍と葛藤、企業家として様々な事業に関わったことを知った。
    ただ、城山三郎の対象との距離の取り方について素晴らしいと感じる反面、読み手の力量が問われている文章のようで疲れました。

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    2024年07月28日
  • 雄気堂々(上)

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    一万円札になった渋沢栄一のことを学びたくて読みました。
    幕末の頃の方だったんですね。
    と、この程度の認識で読み始めた私ですので、城山三郎の文章はやや難しかったかな。もう少し事前に知識を入れてから読んだ方が楽しめたかも。

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    2024年07月28日
  • 官僚たちの夏

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    全力で働く男たちを描いた小説。
    現代とは背景が大きく違うので理解が追いつかないところもあるが、理想に燃え夢を見て働く格好良さに感動した。

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    2024年06月29日
  • 価格破壊

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    ダイエーの創業者、中内功をモデルにした小売業で革新的な流れを作り出した男の物語。若いころの戦争体験から常に前に前に、を押し出す主人公に嫌悪感を抱くかどうかは読み手次第化と思う。お客様第一主義を打ち出し、今のスーパーの流れを作った彼の功績は大きい。だが、何物も犠牲にしながら進んでいく様子は破滅的ととられてもしょうがない気もする。が、しかしそこは商売だからこその才覚を持ち合わせている場面もチラホラある。個人的に好きなシーンは勝たなければ本物になれない、というシーン。本物になりたい。

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    2024年06月26日
  • 秀吉と武吉 目を上げれば海

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    著者の作品は『官僚たちの夏』以来2冊目。題名にある羽柴秀吉と村上海賊の総大将・武吉が直接会うのはかなり終盤だ。まず海賊の厳しい掟の場面。そして戦国~織豊~江戸という激動の時代を通して、武吉の波乱の人生が描かれる。現代人の目からは「負け組」に映るだろう。海賊の矜持から瀬戸内が権力者の「池」に成り果てるのを恐れはするが、だからと言って権力者に媚びず、義と誠の精神をもって毛利、小早川に与した武吉。結果論としてその選択は失敗だったが、日本人の好む生き方であった。

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    2024年03月30日
  • 官僚たちの夏

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    忖度無しにがむしゃらに働く男の話で面白い。
    主人公は時代の変化を読み取れない一面あり。
    ただ、信念を持って仕事に向き合いたいと思わせる本です。

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    2024年03月16日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    78歳で財界人から初めて国鉄総裁になった石田禮助の伝記。戦前三井物産社員として中国やアメリカで活躍したところから当時の部下へのインタビューも交えて話を起こし、パブリック・サービスの精神で国鉄総裁に就任、安全重視と健全経営に向けた改革を進める姿、一方で"ブレイン・ファーマー"として自給自足の農園暮らしを送るなど家族生活の模様も描き出している。

    自分のことはマンキー(猿)であると言いながら、"粗にして野だが卑ではない"として、合理的な考えを通し、どんな相手にも直言を辞さなかった生き方には好感が持てる。時代もあるとは思うけれど、こういう筋の通った人が今の世の

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    2023年12月16日
  • 無所属の時間で生きる

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    随筆とエッセイの違いは解らないが城山三郎と一緒に居ると肩凝るだろうって事ははっきりしてる。作中「毎日が日曜日」が何度となく登場。再読してみようかな

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    2023年11月05日
  • 大義の末 新装版

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    世界の価値観の変化について行けないほど、自身の価値基準が出来上がってしまった場合、ヒトはどう生きるんだろう。頭では変わらないとと分かってても心がそれを拒む。それほど戦争というのは強烈な存在ということだ。

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    2023年10月20日
  • 無所属の時間で生きる

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    このところ城山三郎のエッセイを、手に取る機会が続く。
    「無所属の時間」とは、まさに読書子の現状にピッタリと、15年ぶりに再読。
    「無所属の時間」とは、どこにも属さず、肩書きのない状態を指すと思うが、著者は「人間を人間としてよみがえらせ、より大きく育て上げる時間ということではないだろうか」と、積極的に捉えている。
    著者は、「この日、この空、この私」と所々に綴っている。
    人生は考え出せば、悩みだせば、きりがないから上記のような気持ちで生きるしかないのではないか、と。
    諦念という意味ではなく、「その一日こそかけがえのない人生の一日であり、その一日以外に人生は無い」「明日のことなど考えずに、今日一日生

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    2023年10月19日
  • この命、何をあくせく

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    18年ぶりの再読。
    他の文庫本に比べて、字が大きく行間も広めにとってあり、小さい文字が見にくい身にとって読みやすい。
    題名は、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」の一節だそうだ。
    「テンポの速い人間が多くなり、社会のテンポが加速度的に速くなっている」ゆえに、この言葉をつぶやきたいと。
    まったく同感の思い。
    戦争体験の著者が、「ガイドライン法、盗聴法、国旗国歌の法制化、一億総背番号制と、国民の自由を奪うおそれのある立法が立て続けに進められており(著者執筆当時)、悲惨な戦争に何を学んだのかと、悲しくなる」とも。
    現在でなら、マイナ法や個人情報保護法などが該当し、著者の懸念は増すばかりだろう。
    その他、身

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    2023年09月25日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    別れは避けられないことで辛いが、こんな出会いがあって、一緒に暮らせた年月があることの幸せは何事にも変えられないだろうな。

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    2023年07月05日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    老夫婦の素敵な一生の話し。

    なんか見ちゃいけないような感じ、死別は辛いけど、お互い満足な死に際を迎えられたのかなって、ほっとした感じ。

    色々な夫婦の形を見てきたけど、羨ましいなと思える、お互いを思いやることの大切さが分かった。

    わしも嫁さん大事にしよう。

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    2023年06月23日
  • 創意に生きる 中京財界史

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    2023.04.30
    1955年に中部経済新聞に連載された明治の中京財界の概説書。
    2023年4月の今とは異なり、豊田佐吉はベンチャースピリットの塊であったことが、抑えた筆致から伺われる。
    本書は2021年に新装版として再刊されたものだが、解説文にて、経営学者の楠木建いわく、現在はVUCAの時代だというが、経済と商売に限っていえば、いつでもどこでも「激動期」というのが本当のところであり、明治維新から昭和初期の不確実性、複雑性、曖昧性は今日の比ではなかったとのこと。
    人間は自分が1番大変だと思い込んで、あるいは思い込まないと生きていけない存在であることを改めて考えさせられている。

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    2023年04月30日
  • 官僚たちの夏

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    昭和的価値観がイメージするThe官僚世界。実力以上に根回しや権利者への立ち回りが物を言う。令和のコンプライアンスからするとNGか?と思う箇所はいっぱいあっても案外霞が関ではまだまかり通る思考だったりするのでしょうか。
    数年間の積読を経て何故今手に取ったのか我ながら不明なのだが、落ちぶれつつある日本を憂いながらも回復できる要素を当時の霞が関から模索したいと思ったのか。
    ことを成すにはタイミングが大事でそれを掴みそこねたら結局は老兵は去りゆくのみなのかと少し落胆もした。

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    2023年01月04日
  • 毎日が日曜日

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    ・健康に生きてさえくれれば。
    ・仕事も良いが、家庭を大切に。
    ・ずっと着いて回る他者との繋がり。
    ・頼られるのは生きがい。

    商社というモーレツな環境にいて気付かなかったが、失って始めて分かる大切な価値観。

    当時から今に通ずるテーマの本があったとは。
    当時としては、かなり先進的だったのでは。

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    2022年11月17日
  • 秀吉と武吉 目を上げれば海

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    村上水軍棟梁村上武吉。中央政府の影響が低い瀬戸内海で船舶の航行を助け収入を得ていた村上水軍。しかし信長、秀吉と国家的ビジョンを持った巨大権力の前に独自性を持った村上水軍は徐々に存在意義を無くして行く。

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    2022年10月13日
  • 官僚たちの夏

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    人として生きていくのか、国家のために物として生きていくのか。常に両極端な生き方を要求されていた時代。理念でも、行動でも組織は纏まらない。大切なのは、やはり両者のバランスなのだと、感じさせられる。

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    2022年09月07日