城山三郎のレビュー一覧

  • 雄気堂々(下)

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    下巻は、明治新政府で改正掛を立ち上げ、建白書を次々と提出し、改革の先鋒となる渋沢栄一の活躍が描かれる。
    対立する者の意見もよく聞き、調停の名人であったが、ぶつかる壁も厚かったようだ。
    大久保利通と衝突し、栄一に国造りの神々となってほしいと頼まれた大隈重信とも意見を異にするようになる。
    合本主義の夢を持ち続ける栄一は、その実現のため三菱や外国商人とも対抗し、その闘争心が尽きることはない。
    渋沢栄一の人間形成の物語であるとともに、近代日本の形成であり組織警世の物語でもある。
    若き日本が鮮やかに描き出される本書は、老い停滞感が漂う現代に多くのことを投げかけてくれる。

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    2021年10月06日
  • 雄気堂々(上)

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    今年の大河ドラマの主人公渋沢栄一の業績を振り返ろうと、76年刊行の文庫を棚から取り出し、約30年ぶりに再読。
    しかし、字は小さく(1行43文字)紙面は褪色、読みづらいので仕方なく(笑)2003年改訂版を購入。
    こちらは1行38文字で、たった5文字の違いながらはるかに読みやすかった。
    上巻は、血洗島の農家に生まれた栄一が、勤王の志に目覚め、やがて一橋慶喜に仕え、慶喜の弟明武に随行しフランスに行き、維新を迎えるまで。
    日本資本主義の父と言われる渋沢栄一だが、若いころは攘夷を掲げ、横浜の外人居留地の焼き打ちまで計画していたとは。

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    2021年10月06日
  • そうか、もう君はいないのか(新潮文庫)

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    太陽の様に明るい妻。思いもかけず早くに妻を失い、その後7年は家にほぼ帰らず仕事場で過ごした。妻との出会いから別れまでを戦中を過ごした古武士の様な文体で綴られている。
    祖父の文体にも似て、不思議と懐かしさを感じた。

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    2021年09月26日
  • 男子の本懐

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    R3.8.13~9.25

    (あらすじ)
    緊縮財政と行政整理による<金解禁>。これは近代日本の歴史のなかでもっとも鮮明な経済政策といわれている。第一次世界大戦後の慢性的不況を脱するために、多くの困難を克服して昭和五年一月に断行された金解禁を遂行した浜口雄幸と井上準之助。性格も境遇も正反対の二人の男が、いかにして一つの政策に命を賭けたか、人間の生きがいとは何かを静かに問いかけた長編経済小説

    (感想)
    浜口雄幸、名前はしっていましたがその生涯を知ることができました。(井上準之助は全く知らず)
    金解禁という難しいテーマであり、その部分は完全に理解はできませんでした。(流れで読んでしまいました)

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    2021年09月25日
  • 雄気堂々(上)

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    農民の出である渋沢栄一の士農工商から尊王攘夷そして実業家に変遷していく大きな変化の時代にどう行動していくのかが分かる物語であった。第一銀行、論語、千代、市郎右衛門、伊藤博文、一橋慶喜、横浜焼き討ち、新選組、蛤御門の変、近藤勇、土方歳三、大隈重信、フランス行き、等歴史がよく分かった。

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    2021年08月13日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    大戦末期のなりふり構わない特攻作戦の惨さを改めて教えてくれる城山氏晩年の作品。「回天」や「桜花」はまだしも、海に潜った人の手による「伏龍」や水上機特攻に至っては何をか言わんやである。自身の入隊体験をまじえながら描かれる指揮官2人の過酷な運命。彼ら所縁の地を目で確かめたり、遺族を探り出して取材敢行したり…戦争の本質を後世に伝えたいとする氏の使命感や熱意がとても強く伝わってきた。ちなみにここで語られるエピソードの数々は「永遠の0」でも引用されている。

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    2021年08月08日
  • 硫黄島に死す

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    ・東京2020大会で、「日本が馬術競技で89年ぶりのメダル獲得ならず」との報道を観て、では89年前にメダルを獲った人物のことが知りたくて読んだ。
    ・バロン西。男爵、西竹一。陸軍軍人としては異色の人物。白洲次郎と印象がかぶる面もあるが、自身の生死に関しては白洲と真逆の生き方だったように思う。

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    2021年08月08日
  • 雄気堂々(下)

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    渋沢がいよいよ政府へ役人として勤めるところから始まる。政府内での対立もあり、結局民間へとうつるが活躍ぶりは変わらない。一方でその一因となった江藤は佐賀の乱をおこし処刑され、政府を去った西郷も西南の役で自害する。いかに優秀であっても判断の誤りや行動の一つ一つによって運命が決まっていくさまをみた気がした。渋沢は人情の人であり、それも影響したと思う。
    上下巻を通して渋沢の行動力もだが交渉力、仲裁力は素晴らしいなと思った。特に生糸貿易における外国商館との戦いでは、連合生糸預所構想を推し進めながらそれをやめるのを条件に不平等な条件を改正するという名を捨て実をとることに成功する。ここに本質を捉えて、行動で

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    2021年08月03日
  • 雄気堂々(上)

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    4.0
    渋沢栄一の生涯と幕末の動乱を描いている。
    久しぶりの時代小説であったが、比較的読みやすい。
    子供の頃に薄い歴史漫画で渋沢栄一について読んだ事があったが、一橋慶喜に仕えていたとは知らなかった。
    時代に翻弄され流されつつもその先で自身のやることを見つけ、作り挑んでいく様や固い意思をもちつつ柔軟に自分の置かれた状況を咀嚼して進んで行くところはどの時代にも通ずる重要な性分だと思った。面白い。
    青天を衝けを見ようかと思う。

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    2021年07月29日
  • 雄気堂々(上)

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    2024年!新一万円札の顔になる渋沢栄一!
    500以上の会社設立に関わった、近代日本経済に多大な影響を与えた人です。
    劇的な人生で、只々「めちゃくちゃすごい人だな」と思いました。

    大きく変化している現代は、渋沢栄一が生きた時代と似ており、参考になることがあると思います❕

    ぜひぜひ読んでみてください

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    2021年06月14日
  • 秀吉と武吉 目を上げれば海

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    村上水軍をひきいた村上武吉。見事なまでの頑固者であり、無骨に、まさに自分の信念を貫いたと言える。豊臣秀吉からは嫌われ、晩年は辛い生活を強いられたが、強きに従うでもなく、自らの信念に基づき、見事に生き抜いた。

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    2021年06月07日
  • 雄気堂々(下)

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    血洗島の一農夫が藩閥が闊歩していた幕末維新の時代に近代日本を築く指導者になり得たのか、万博に伴うフランス派遣でいち早く進んだ西欧文明に触れられたという時の運もありますが、論語と算盤に表れている渋沢の精神性が人を引き付け、事業の多様性や社会性を産み、また、合本主義がより合理的な経営スタイルとして日本の近代化に繋がったものと思います。岩崎が個人の独占利益を貪る人物だとは、驚きでした。大河ドラマがこのストーリーをどの様に描くのか楽しみ。

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    2021年06月05日
  • 官僚たちの夏

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    この作品は、通産省の人事を巡る人間関係を描いています。主人公の風越は官僚的であり、ある面では、非官僚的です。誰に対しても歯に衣着せぬ物言いは魅力的だ。「男なら」を好み、人に頭を下げるのが嫌いだ。保身を考える組織人には羨望だろうと思う。

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    2021年05月26日
  • 毎日が日曜日

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    ●海外駐在を経験した二人(沖と笹上)、閑職で時間をもて余す沖、仕事一途の人間で趣味のない笹上。二人が左遷と定年という形で戦線離脱する。ビジネスマンにとって、組織とは、家族とは、何かを考えさせる。
    ●文中にある会話、「ぼくは、商社マンとは、ワンルーム向きの人間だと考えているんです。家には夜遅く帰ってきて、寝るだけ。朝早く起き、飯を食うと、飛び出して行く、リビングや書斎を必要としない生活・・」日本の経済発展に貢献してきた人々に何が残っただろうか?

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    2021年08月01日
  • 役員室午後三時

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    ビジネスマンなら必ず直面するテーマ「会社は誰のモノなのか?」
    1960年代の鐘紡(カネボウ)が題材とのこと。藤堂と矢吹という2タイプの経営者を描いているが、どちらが主役、善玉ということではなく、その対照から考えてみたい。
    作中では、矢吹の運命共同体論が藤堂を退けることになったが、カネボウがその後、粉飾決算の泥沼に手を染めていくことを考えるときに、運命共同体が理想的な企業経営であると無邪気に考えるわけにはいかないだろう。
    ではやはり企業は株主のものか?
    マイクロソフトやGAFAのような巨大プラットフォーマーに経済が寡占化され、オーナーの資産が膨れ上がり、租税回避や離婚騒ぎを見るときに、企業は株主

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    2021年05月23日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    国鉄総裁を勤めた石田礼助の生涯を描いた小説。78才の石田は、公共サービスと安全対策に心を砕いた。終章に書かれている、暮らしぶりや簡素な葬儀の話に心を打たれる。

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    2021年05月22日
  • 雄気堂々(下)

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    明治維新から千代が他界するまで。最晩年は描かれていない。 下巻は、明治維新から一人目の妻である千代が死去するまで。栄一と三菱の創業者である岩崎弥太郎の壮絶な争い。大隈重信とのあれこれ。興味深く読んだ。様々な妨害工作があろうとも、志を曲げず真っ直ぐに自分の道を貫こうとする栄一に感動する。

     しかし、この本では晩年の栄一とその家族については描かれていないのが少し物足りない。結局、他の作者の本も探してしまいそう。

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    2026年01月18日
  • 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯

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    「昭和の日』に、昭和の傑物の伝記を読み終えた。
    日米開戦前の三井物産社長、国鉄第五代総裁、石田禮助の生涯。
    戦前、物産ニューヨーク支店長時代、大西洋(太平洋ではなく)横断の海底通信ケーブルの最大ユーザーが三井物産だった、というのは、何だか誇らしい。一方、そこまで世界経済と密着してたのに開戦に流れていったのが、悔やまれる。石田禮助自身は、職を賭して反対し、財界を通じての反対活動もしたようだけど。
    国鉄総裁時代の国会答弁のくだりは、痛快で溜飲が下がる。経営者の視点とパブリックサービスに奉仕する精神のバランスが最高だ。

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    2021年04月29日
  • 雄気堂々(上)

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    渋沢栄一をはじめ、八百万の神達の圧倒的な熱量が、幕末期・明治維新から日本を列強国に並ぶ迄の礎を築いたことが描かれている。

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    2021年04月12日
  • 雄気堂々(上)

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    NHKの大河「青天を衝け」を見て、渋沢栄一の人生を知ろうと本書を手に取りました。尊皇攘夷の考えから横浜の焼き討ちを計画したり、ひょんなことから一橋慶喜の家臣となり、慶喜の弟のお供でフランスの博覧会視察とそれに続く留学、帰国後、既に大政奉還した慶喜を追って静岡、その後、時の政府大隈重信に呼ばれ、租税正(今なら大蔵省主税局長)に任じられる。建白魔の渋沢栄一がどの様に青天を衝いていくのか、政治と経済、道徳をどの様に考え、歩んでいくのか下巻が楽しみです。

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    2021年04月08日