【感想・ネタバレ】創意に生きる 中京財界史のレビュー

あらすじ

「豊田織機」、「トヨタ自動車」の豊田佐吉、喜一郎父子。
「ノリタケ」、「TOTO」、「INAX」、「日本ガイシ」など世界的セラミックス企業集団の源流となった日本陶器の森村市左衛門。
日本のバイオリンを世界品質に高めた「鈴木バイオリン」の鈴木政吉。
呉服業から「松坂屋」で知られる百貨店へと発展させた織田信長の小姓、蘭丸の子孫・伊藤家の伊藤守松。
味噌・醤油製造から財を築き、紡績、鉄道車両、電気、ガスと次々と事業を拡げた、「名古屋の渋沢栄一」こと奥田正香。
木曽川に日本初のダム式発電所「大井発電所」を建設し、大規模な水力発電開発を進めて「電力王」となった福沢桃介……。

江戸期以来の豪商と外来の商人が混ざり、特異な経済発展を遂げてきた名古屋を中心とする中京圏を舞台に、幕末から昭和初期にかけて、日本の実業界を創った男たちの物語。

本名の杉浦英一名義で1956年に刊行された幻のデビュー作新装版

目次

●第一章 慶応年間
●第二章 明治初年代
●第三章 明治十年代前半
●第四章 明治十年代後半
●第五章 明治二十年代前半
●第六章 明治二十年代後半
●第七章 明治三十年代前半
●第八章 明治三十年代後半
●第九章 明治四十年代
●第十章 大正元年―三年間
●第十一章 大正四年―八年間
●第十二章 大正九年―十五年間
●第十三章 昭和二年―七年間
●第十四章 結びに代えて
その後の発展/中京財界の特色
あとがき/文庫版のためのあとがき/解説 楠木 建

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Posted by ブクログ

幕末から昭和初年の資本主義黎明期、保守的、排他的、消極的な名古屋市の土地柄から創意をもって経済発展を成し遂げた経済人たちがいた。城山三郎が本名の「杉浦英一」名義で1956年に刊行された幻の処女作新装版。

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2022年01月13日

Posted by ブクログ

2023.04.30
1955年に中部経済新聞に連載された明治の中京財界の概説書。
2023年4月の今とは異なり、豊田佐吉はベンチャースピリットの塊であったことが、抑えた筆致から伺われる。
本書は2021年に新装版として再刊されたものだが、解説文にて、経営学者の楠木建いわく、現在はVUCAの時代だというが、経済と商売に限っていえば、いつでもどこでも「激動期」というのが本当のところであり、明治維新から昭和初期の不確実性、複雑性、曖昧性は今日の比ではなかったとのこと。
人間は自分が1番大変だと思い込んで、あるいは思い込まないと生きていけない存在であることを改めて考えさせられている。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

名古屋圏の江戸時代から昭和にかけての発展がよくわかる。文体がちょっと読みづらかった。激動の時代で生き残り栄えた人たちは時代の波に乗っていったことがよくわかる。

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2022年04月30日

Posted by ブクログ

中京経済の背景を理解したくて手に取りました。
失敗しても何度も立ち上がり事業を大きくして、激動の時代を生き続けるパイオニアの物語です。
中国が台頭し、日本には起業家精神が改めて求められる時代ですが、日本人にはそのDNAが受け継がれているはずと勇気づけられました。

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2022年03月20日

Posted by ブクログ

著者が1955年に中部経済新聞という専門紙に連載した、名古屋で活躍した経営者の歴史をまとめた一冊。

幕末から満洲事変の頃迄約70年に渡っての通史となっているが、専門紙の歴史連載にありがちな、良くも悪くも色々な業種を取り上げたメリハリにやや欠ける感じを受けた。

所で、何故今になってこの本が新版されたのだろう?
渋沢栄一がらみか、とも思ったが、渋沢は何回か出てくるものの目立った活躍はなし、ドラマの他の登場人物も出てくる訳でもない。出版社の意図が解らなかった。

くまざわ書店阿倍野店にて購入。

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2021年11月28日

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