城山三郎のレビュー一覧

  • 部長の大晩年

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    んー。なんか、不思議な本だったなぁ。
    家にあったから読んでみたけど…。
    小説だと思って読み始めたら、何やら実在の人物史だったし(笑)。

    面白いとも面白くないとも言える感じ。
    まぁ、初めよりは後半で面白くなり始めたことを思えば、作家さんの力量と言うことになろうかと思いますが。

    でもなんていうか、当時の俳壇の興隆っぷりというか、そういうものにややびっくりするような本だったかもしれません。そういう意味では、なんか、当時の空気感がちょっと分かったかな。

    あと、今、途上国でいろいろ言われる勤務環境。ちょっと前まで、普通に日本でも、軽視されていたんだなぁなんて、ちょっと横道な所も、印象深かった。

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    2014年09月07日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    戦争が終わる直前,海軍特別幹部練習生として入隊した著者が,その経験を,特攻というテーマで見つめなおした作品と感じる.幹部練習生とは,伏龍(人間機雷)による特攻兵を養成するのが目的のようだったとも.最初と最後(玉音放送後)の特攻隊長に焦点があてられてはいるが,回天,桜花,震洋といった,人間が使い捨てにされる兵器での特攻が通常のやり方として常態化していった悲しさが伝わってくる.

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    2014年09月06日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    最初の特攻隊長となった関大尉と最後の特攻隊長の中津留大尉の2人の若き指揮官を中心に、特攻隊員の無念と覚悟、特攻隊を巡る顛末が書かれている。

    一億玉砕の掛け声の下、燃料も資材もそして兵力も尽きた日本軍は、出口の見えなくなった泥沼の太平洋戦争の最終作戦として特攻隊は編成される。
    「一度飛び立てば二度と生きては帰れない」当に決死の作戦は、まだ若く操縦技術も覚束ない予科練習生を投入し、飛べるものは練習機から水上機まで全てつぎ込む自暴自棄な作戦であった。
    きっと御旗の下に特攻を誓ったと当時は報道されたと思われるが、本書では戦争末期の激流の中で、関大尉、中津留大尉ともに妻、子、両親を思って特攻を誓い死ん

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    2014年08月20日
  • 風雲に乗る

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    ネタバレ

    取材協力者(主人公)に読まれることを想定した文章にチト嫌気がした。光と影が当然有るはずなのに影には触れずいい子になった城山がいる。媚を売るように。だからつまらない。

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    2014年08月13日
  • 価格破壊

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    流通の仕組みと闇、価格の裏側を解りやすく描きながらも、説明調に終始しない確かな筆力。
    また主人公の戦争体験についての描写も強烈に鮮明で、彼の切迫感がひしひしと伝わり、城山三郎氏ならではの作品だと感じた。

    主人公矢口はダイエーの創業者をモデルにされているらしいが、彼の人生を追うのではなく、あくまでも物語の中心を貫くのは「価格破壊」の灯火について。

    価格破壊=たたき売り、ではない。
    価格を破壊できる体制を整え、勝負する。
    矢口の行動を見るにつれ、発想の転換、忍耐力の重要さをより認識する。

    教科書的な本にもなるが、彼とは対極に位置するメーカーに在籍する身にとっては苦々しい気持ちにも

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    2014年08月07日
  • 部長の大晩年

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    熱中と律儀の美徳。こよなく俳句を愛する昭和の堅物。何でもない人生のように見えて、実は目指したいと思う自分がいる。

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    2014年07月27日
  • 冬の派閥

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    錦糸町の駅ビルの本屋で購入し、ウイング号で読む。正直、あまり期待していませんでした。しかし、期待を裏切る出来でした。著者は、「官僚たちの夏」等で著名な小説家です。テーマは、幕末の尾張藩主である徳川慶勝です。意外なのは、徳川慶勝、松平容保、桑名藩主が兄弟なことです。将軍家、御三家のような家ならば、不思議ではありません。しかし、彼らは、尾張藩の支藩である高須藩の出身です。幕末において、長州、薩摩、会津が活躍したのに対して、尾張藩が活躍することはありませんでした。水戸藩のように、内部抗争で、全てのエネルギーを消耗したわけではありません。そもそも、エネルギーがなかったのです。尾張は豊かであり、武士たち

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    2014年07月27日
  • 価格破壊

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     ダイエー創業者、中内功をモデルにしている。スーパーマーケットという業態がどのように市場を席巻していったのか、知ることができる。一人のカリスマ経営者の信念が一時代を築いた。流通業界に与えた影響は計り知れない。

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    2014年06月30日
  • 冬の派閥

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    時代小説。江戸時代最後の将軍である徳川慶喜とそのいとこである御三家筆頭尾張藩主である徳川慶勝を中心に明治維新前後を主に尾張藩からの視点で描いてある。器用な慶喜と律儀な慶勝、また勤皇派と佐幕派と対照的で興味深い。後半は旧尾張藩士勤皇派の北海道移住へまで書き及んでいるので、そちらへも興味をそそられる。

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    2014年06月17日
  • 指揮官たちの特攻―幸福は花びらのごとく―

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    お国のために死んでいった最初の特攻隊長関行男大尉と最後の特攻隊長中津留達雄大尉が特攻志願した時の心の中は本当はどうだったんだろうか。特に宇垣中将に道連れされることになった中津留大尉は哀れでならない。

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    2014年04月30日
  • 秀吉と武吉 目を上げれば海

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    大河ドラマ黒田官兵衛を反対側から追っていく感じ。穏やかな瀬戸内海の島にこんなに荒々しい海賊がかつては勢力を持っていたとは知らなかった。

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    2014年04月18日
  • この命、何をあくせく

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    2014/04/09
    エッセイ集。
    気持ちを分かるにはまだはやいかな。もう少し年をとったら読み直そう。

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    2014年04月09日
  • 硫黄島に死す

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    一つ一つは面白いんだが、短編集。硫黄島の話は、一編だけ。短編集って、月刊誌とかの書き下ろしの寄せ集めのせいか、良い感じで肩の力が抜けているんだけど、好みではない。

    城山三郎の随筆みたいなのは、珍しいのかもしれない。

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    2014年04月02日
  • 打たれ強く生きる

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    2014/3/30
    ビジネスマン向けのエッセイ。ところどころ考え方に同意できないとこもあったけど、ためになることが多かった。

    情報についてや左遷させられたときなどなるほどと思った。仕事で行き詰まったときにもう一度読みたい。

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    2014年03月31日
  • 秀吉と武吉 目を上げれば海

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    海賊にも算盤、規律をと戦国期を生き抜くために既成概念に捕らわれず改革を断行した村上海賊の総帥武吉の半生を描く物語。敵にしては謀略の限りを尽くし、民には仁を尽くす毛利元就との触れ合いや時の権力者豊臣秀吉との確執を通じ揺れ動く心の様と海賊としての覚悟を忠実に描く。「坂の上の雲」でお馴染みの秋山実之が参考にしたとされる「能 島海賊古法」による水軍戦術のエッセンスが随所に垣間見える。唸る歴史小説です。

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    2014年03月15日
  • もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界

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    城山三郎が描く経済人の物語はやはり面白い。第一生命、東芝社長を歴任、経団連会長を6期12年、大阪万博会長を務めた石坂泰三。「権力に近づかぬこと、自ら権力を持たぬこと」「経済界は自主自立に徹し、自由経済の原則に則ること」「少年のように健全に成長し、立派に国際社会の仲間入りをすること」など、今聞いても納得することばかり。スタンフォード大学には「イシザカ・ルーム」があるということを、恥ずかしながら知りませんでした。また、上智大学元学長であるピタウ神父が、著者からのインタビューに対し、日本に来て良かったと思う点に「石坂泰三氏と本田宗一郎氏に出会えたこと」と答えており、これも知らなかったなあ。

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    2014年11月09日
  • 価格破壊

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    本棚の整理中に手に取り読んでしまった。今から見ると古く当たり前なところがあったりはするし現実を脚色してるんだろうなというところもあるが、とはいえそれ以前と比較すると大きな契機が描かれているしまあそこそこ。城山三郎にしてはもったいないかなあとは思う。

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    2013年11月27日
  • 一歩の距離 小説 予科練

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    たった一歩前に出るかどうか、死と確実に直結したその一歩を踏みだす決断を16,7歳の少年にある日突然求める、この残酷さは到底理解できないもの。読んでいてただただ身につまされる・・・
    軍隊の日常もマンガのような苛烈さで、戦中を生き抜いた人も出身階級によって軍隊や戦争に対する認識が異なるのもうなずける。

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    2013年11月05日
  • 学・経・年・不問

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    営業職の方であれば、『そうだよなぁ』という気持ちで読める本。古きよき時代の営業会社を舞台に、二人の男の正反対の生き方を描写。どっちが正解ということではないが、自分はいまどっちで、その実どっちを目指しているのか問われている気がする。

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    2013年09月18日
  • 硫黄島に死す

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    城山三郎の本は正直言って読者の様々な思考・見解を呼び覚ますほどの深みはない。
    ただ(面識などないのでいい加減な感想と言えばそれまでだが)実直な人柄そのままに、誠実で綺麗な文章で紡がれた作品が多いとも感じる。
    この本もご多分に漏れず。
    この作家のファンが根強くいるということ自体は凄く理解できる。
    本当の戦争体験に裏付けられた反骨心にあふれていながら、抑制の効かせ方が絶妙。確かに良い意味で珍しい作家だと思う。

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    2013年07月30日