町田康のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
絵本「100万回生きたねこ」へのトリビュート短編集。作風も、絵本の活かし方もさまざまで、それぞれに味わい深かったです。
印象的だったのは川上弘美さんの「幕間」。RPGの主人公と、ねこを重ね合わせるとは……着想が面白く、また、皮肉に満ちて切なかった……。
小説の中に混ざる、くどうなおこさん「インタビューあんたねこ」の詩、好きだなぁ。リズムが良い。言葉選びのセンスが良い。普段なかなか詩に親しむ機会がないのですが、ことばのひとつひとつがキラキラしてる……。
短いながら優しい、谷川俊太郎さんの「虎白カップル譚」で締めくくられていて、後味が良くてほっとしました。 -
Posted by ブクログ
超然としたい理想と、この世でそれなりに自尊心を満たす事で生き甲斐を感じ多少の気分の良さをもって生きていく事との葛藤。途中まで構成は漱石の草枕のようにも思ったが、主人公が最終、あらゆる矛盾やギャップを受け入れ、諦観めいた自己肯定感を獲得するところに町田康なりの人生観みた気になった。
(町田康は心情描写を得意とする反面会話文はあまり展開的でなく、ぎこちなさが相まってしばしば行数稼ぎのようにも感じる。一方、織田作のテーマ性やキャラクターやストーリーのバリエーションはさて置き、戯作家として作家のキャリアをスタートさせた織田作の会話文描写はやっぱりイキイキとしていて秀逸だな〜〜と読んでいて思い出したり -
Posted by ブクログ
あ。これ、読まなきゃと思って手を出した。
隣の人がパラッとめくって、ハルク・ホーガンとハルク判官の変換に始まる一ページ目を読んで、なんか違うと感じて置いた(んだと思う)。
昨年、河出文庫版『義経記』を読んだ身としては、まさかあの物語が、この改変か!と最初は鳥肌モノだったけど、読んでいる内に一種のトランス状態になってくるというか、プークスクスみたいになってくるので、驚き。
そして、割合筋書きとしては押さえられていて、あ、こんなエピソードあったわーと思いながら読み終えたのでした。
『義経記』において、グッとくるシーンまでもが、全面ユーモア一色となっているのが、義経不利な場面から衣川戦辺り、ど -
Posted by ブクログ
ネタバレ≪犬死≫
『夏以来、ひどいことばかりうち続く。例えば以前から知り合いで特にどうということもない関係だった男があたふたと忙しげに近寄って来たかと思うと、到底承知できない条件で仕事を依頼、その場で承諾を迫り、断ると大きな声で「ああそうですか」というと挨拶もそこそこに立ち去った。暫くして会合に出席するとその男が居た。彼は人前で私を意味なく怒鳴りつけ、そして急ににやにや笑うと顔を五センチも近づけて、例の話どうでしょう?と言った。私が返事をしないでいると、男は不意に忙しげに立ち去った。いまではほうぼうで私のことを恩知らずと言いふらして歩いているらしい』
けものがれ~を彷彿とさせる、苦虫を噛み潰したかのよ