町田康のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦国時代。江戸の士農工商というカースト制度が、各身分を分離する以前、このころは、農民が領主のためにいくさに参戦し、死に、あるいは手柄を立てて褒美をもらったものらしい。
この小説に出てくる農民の一族は、武田信玄の一族のために戦い、死ぬ。あるいは富裕になりすぎて妬まれ殺されたり。やがては武田氏の敗退とともに、追い詰められることになる。
それでも彼ら農民は領主にさからうでもない。黙々と肉体を捧げ、黙々と死んでゆく。この無限の繰り返しが、妙に日本人的であるとともに、不気味な生の成り立ちをイメージさせる。
最後の方で末子が
「この土地の者は、みんなお屋形様のおかげだ」
と言いだし、周囲の者たちは -
Posted by ブクログ
『あはは。遊びのイロハもわかっとらん。ハンドルには左右に五度ばかり、きってもタイヤが動かぬ範囲があり、これを称してハンドルの遊びという。』
『財布と魂が連動してませんのよ。』
『すなわち、参る、というのは、「行く・来る」の謙遜語であって、そのアナウンスを聞く度、自分には、非人間的なスピードで疾走する巨大な列車が、謙遜しながら、もじもじホームに入ってくる姿が想像せられて、気色悪くてしようがないのである。』
『電車が参るとは何事だ。ふざけやがって。それを言うなら到着しますだろう、馬鹿野郎』
『なんかぁ、人殺し? みたいなことって、やっぱりやっちゃいけない? って感じ? だから獄門とかになっ