町田康のレビュー一覧

  • 掌篇歳時記 秋冬

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    ショートパンツを穿いてサンダル履き、シャーツの前をはだけて、腹を丸出しにして、裾を風にはためかせている奴の姿を見ると、破滅の予感が沸いてくる。Tシャーツに印刷された絵や文字は、どうにも珍妙で道理に反している。自分の内在している思想や感情を表現しているように見えてしまうことが卑怯すぎる。見えてしまうことによって、人は破滅に向かう。Tシャーツ1枚で偉そうに思想を語った気になる。自分の弱いモチーフを服によって増幅させる。これは刺青をちらつかせて人を威圧するのと変わらない。相応の覚悟もないまま雰囲気だけまとって、さも中身があるかのように取り繕う人間には破滅の道があるだけ。破滅が恐ろしくてTシャーツが着

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    2020年01月18日
  • 走る?

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    走るがテーマですと言われて作家は書くのだろうか?
    走らないこと、走ると飛ぶを比べる人、追いかける人、
    いろいろ読めて面白かった。

    俳優の岩松了のが、なんか後味ぞくっとする。

    「熊の夜戦」
    「いびきが月に届くまで」
    「パン、買ってこい」
    もよかった。

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    2019年12月26日
  • 自分を憐れむ歌 テースト・オブ・苦虫7

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    ふざけた文章ながらも社会問題に切り込むとみせかけて酒を飲んで寝るエッセイ。
    ふふっと笑ってしまうし、町田康が好きになる。
    「もの知らずの涙」「どっちにしても被害者は子供」「根柢のふざけ」が好き。

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    2019年11月15日
  • ゴランノスポン(新潮文庫)

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    仕事でも日記でもレビューでも、自分が文章を書くときには一応の約束事に乗っかって書いている。「一文を長くしすぎない」とか「文語と口語を区別する」といった、学校で習うような約束事だ。その約束事に乗っかることでどんな内容を書いてもある程度の読みやすさが保たれると思っている。
    しかし、町田康の文章ではそういう約束事がまるで無視されているように感じることが多々ある。
    頭の中で流れる言葉をそのまま文字にしているような、夢の中で読んでいる文章のような、変な感覚。にも関わらず、内容が入ってくる。
    どんな読書体験を経ればこのような文章を書けるに至るのか。

    「ゴランノスポン」の陽キャ集団。
    「一般の魔力」の常識

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    2019年10月20日
  • 100万分の1回のねこ

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    ずっと読みたかった本。ようやく入手。
    ●江國香織「生きる気まんまんだった女の子の話」
    ……世界観がそのまんま。いいねえ。
    生きる気まんまんだった女の子は、なんだかんだで幸せな人生を送ったのだろうな。

    ●岩瀬成子「竹」
    ……よく分からなかった。児童文学の作者なのに、やや難解。

    ●井上荒野「ある古本屋の妻の話」
    ……夫婦は仲良くありたいね。分かりやすく。誤解を招かずにすむくらいに。

    ●角田光代「おかあさんのところにやってきたねこ」
    ……いろいろ深読みしたくなってしまう短編。
    飼い猫の幸せ?野生の幸せ?
    親の子知らず、子の心親知らず。
    人生の因果、幸福とは?

    そして、元絵本でねこが、王様や船

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    2019年10月15日
  • 浄土

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    町田康に整然さを求める方が変だが、インザプールの方が読む分には読みやすかったな……。怪談みたいな話が多かった。ナンバーガールと稲川淳二を2で割った感じ。ビバ!カッパ!
    ↑2023.02.16
    イン・ザ・プールは奥田英朗だった。

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    2019年10月02日
  • リフォームの爆発

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    要するに自宅のリフォームについて、リフォームについてだけを、延々と書いているエッセイ(エッセイなのか?)なのだけど、ここまで一つのトピックについて言葉を尽くせるのがすごい。相変わらずの町田節で一つも冗長ではなく、ただ何の役にも立たないのがよい。

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    2019年09月16日
  • 100万分の1回のねこ

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    『100万回生きたねこ』に捧げるトリビュート短篇集。

    『100万回生きたねこ』からこんな素敵な作品たちが生まれるなんて『100万回生きたねこ』、やっぱりすごい。そして、何回読んでもいい絵本だなぁ。

    町田康「百万円もらった男」
    世にも奇妙な物語っぽくて面白く、一気読みした。

    角田光代「おかあさんのところにやってきた猫」
    猫をこよなく愛する角田さんらしいなぁ。
    文章がするすると入ってくる。

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    2019年08月17日
  • きれぎれ

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    刊行当時手にとって挫折したので19年ぶりのリベンジ。
    面白いし「一言も。ねぇ。」とかふふってなるところもあるんだけど、趣味の合わないギャグ漫画読まされてるような感じだった。

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    2019年06月02日
  • 珍妙な峠

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    自由に書いてるなあ。ちょっと長くて疲れたが。

    (2021/01/01)気付かず再読していた。感想はほぼ同じ。

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    2021年01月01日
  • きれぎれ

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    ネタバレ

    小説というより詩集のような。
    リズミカルな言葉遊びが、自然と視線を文の先へ先へ送り出す。
    社会への侮蔑、敵意、慢心がそっくりそのまま自己へ帰ってくる。太宰の人間失格を町田康風に咀嚼したらこんな風になるかなぁなんて考えました。

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    2019年02月15日
  • 生の肯定

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    スゲエ自由に書いてる小説だけど、誤植というより著者自身の誤記というか誤入力というか、ゲラチェックをちゃんとしていないのではないか。

    たとえば同音異義の漢字変換でボケてみたり、助詞を抜いたりというのはわかる。しかしそうした小説的効果を狙ったものとは違う、単なる「書き間違い」がそのまま放置されている気がしてならない。もうそういう細かいところは気にしない、という境地にまで達したのかな。

    なんでも、雑誌か何かに連載していたものに加えて、最後の5章、6章を書き下ろした、とあるので、スケジュール的にチェックが甘くなったのかな。

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    2019年02月06日
  • きれぎれ

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    ネタバレ

    独特の文章だけど何故かスラスラ読める不思議な本だった。リズムが良くて、目は文字を追ってどんどん先に進んでしまうけど、途端に「えっ?どういう意味?」というシーンが連続してやってくるのでもう一度読み直したりする。読み直しても意味は分からない。
    きれぎれの方の主人公は妄想がとどまるところを知らず、人生の聖の主人公は哀れですらある。どちらも生きるのが大変そう。
    午後のワークの話が不気味で興味をそそられるのでその後あの工場がどうなったのか読みたい。

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    2018年11月11日
  • 残響―中原中也の詩によせる言葉

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    町田康、あまり知らないが、中島らもの追悼ライブで「KYOKO」を歌っていたのだけ覚えている。
    やはり先ず中原中也のことを少しは知らねばならん、と思えて、この本は中断。いつ戻るか未定。

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    2019年07月19日
  • パンク侍、斬られて候

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    かなり久し振りの町田康作品。
    作品名通り、パンクでファンキーだった。時代概念も飛び越えて親しみやすいんだかやすくないんだか・・・。
    結局「?」がものすごい渦巻いてます。

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    2018年10月24日
  • 生の肯定

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    町田節さらに炸裂!一体作者の脳内はどうなってしまっているのだろう。面白かった。
    校閲の人大変だったろうなぁ。

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    2018年10月06日
  • 生の肯定

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    超然としたい理想と、この世でそれなりに自尊心を満たす事で生き甲斐を感じ多少の気分の良さをもって生きていく事との葛藤。途中まで構成は漱石の草枕のようにも思ったが、主人公が最終、あらゆる矛盾やギャップを受け入れ、諦観めいた自己肯定感を獲得するところに町田康なりの人生観みた気になった。

    (町田康は心情描写を得意とする反面会話文はあまり展開的でなく、ぎこちなさが相まってしばしば行数稼ぎのようにも感じる。一方、織田作のテーマ性やキャラクターやストーリーのバリエーションはさて置き、戯作家として作家のキャリアをスタートさせた織田作の会話文描写はやっぱりイキイキとしていて秀逸だな〜〜と読んでいて思い出したり

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    2018年08月31日
  • バイ貝

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    珍妙な峠を先に読んじゃったのでこっちも読みました。でもそんなに繋がってるわけではなかった。こっちはエッセイ調で文体もいつもの町田康だから町田康的なおっさんがちらつくときがあり、何で小説の主人公=作者、みたいなテクがあるんだろうか。犬飼ってるし。というより、文体が特徴的だからこういう小説家が主人公の小説はぜんぶこのおっさん、てなる。そうなるように書いてるんだろうけど。最後の章とかいったいどんな顔で文章作ってたんだろうかと考えてしまう。
    話の中身はねめちゃくちゃ面白かったです。ほんと買い物ってうまくできんのよねーーーーーーー。

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    2018年08月21日
  • ギケイキ 千年の流転

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    あ。これ、読まなきゃと思って手を出した。

    隣の人がパラッとめくって、ハルク・ホーガンとハルク判官の変換に始まる一ページ目を読んで、なんか違うと感じて置いた(んだと思う)。

    昨年、河出文庫版『義経記』を読んだ身としては、まさかあの物語が、この改変か!と最初は鳥肌モノだったけど、読んでいる内に一種のトランス状態になってくるというか、プークスクスみたいになってくるので、驚き。
    そして、割合筋書きとしては押さえられていて、あ、こんなエピソードあったわーと思いながら読み終えたのでした。

    『義経記』において、グッとくるシーンまでもが、全面ユーモア一色となっているのが、義経不利な場面から衣川戦辺り、ど

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    2018年08月07日
  • 浄土

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    ネタバレ

    ≪犬死≫
    『夏以来、ひどいことばかりうち続く。例えば以前から知り合いで特にどうということもない関係だった男があたふたと忙しげに近寄って来たかと思うと、到底承知できない条件で仕事を依頼、その場で承諾を迫り、断ると大きな声で「ああそうですか」というと挨拶もそこそこに立ち去った。暫くして会合に出席するとその男が居た。彼は人前で私を意味なく怒鳴りつけ、そして急ににやにや笑うと顔を五センチも近づけて、例の話どうでしょう?と言った。私が返事をしないでいると、男は不意に忙しげに立ち去った。いまではほうぼうで私のことを恩知らずと言いふらして歩いているらしい』
    けものがれ~を彷彿とさせる、苦虫を噛み潰したかのよ

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    2018年08月05日