小泉悠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「今や米国にとっての第一義的な懸念はテロリズムではなく、国家間の戦略的な競合である」(米国防総省『国防戦略』2018)
ルパート・スミス『軍事力の効用』
「…戦争はもはや存在しない」
核兵器を用いた国家間の大規模戦争は人類の破滅を意味しており、戦争によって達成されるべきあらゆる政治的目的を無意味にしてしまうからである。
「プーチンは、ソ連における彼の前任者や現在の習近平と同じだけの力を持ってはいない。しかし、ロシアは1990年代にそうであったような、弱いガタガタの国家ではないのである」マイケル・マクフォール(ロシア研究者)
P.60
「ウクライナ危機の後、NATOは大きく変わりました。あ -
-
Posted by ブクログ
オホーツク核要塞
歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略
著:小泉悠
朝日新書943
潜水艦とその探知技術の革新史と理解しました
イノベーションの流れは、以下のようなものではないか。
■第2次世界大戦終了 ⇒ 冷戦の軍拡競争がはじまる
通常潜水艦 ⇒ 原子力潜水艦 乗員の体調が許すかぎり潜航できる
核ミサイルを搭載 ⇒ 航行距離が短いので、沿岸にまで忍び寄って発射する必要
⇒ 世界中の海にソナーを設置 潜水艦を探知
海峡にソナーを設置 ⇒ 対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡 ⇒ 日本海は我ら、日米の内海化
⇒ソ連の原潜の無音化 ⇒ 海流にのって、対馬海峡から宗谷海峡へ
大量のミ -
Posted by ブクログ
HIMARSの果たした戦術的役割については知らなかった。この本が書き上がった当時はまだワグネルの代表が謀殺されていなかったことを思い返し、時の流れの速さを感じる。著者が繰り返し「この戦争の第一義的責任はまずロシアにある」と、ロシアウクライナどっちもどっち論の欺瞞を繰り返し払い除けてくれているのも好印象であった。軍事理論面では、アンドレイ・ココーシン『軍事戦略の政治・社会学』(2005)における「全体戦争」の条件定義を紹介した上で、今回の第二次ロシアウクライナ戦争は「限定全体戦争」と呼びうる、という紹介があり興味深い。(小泉2022: 215-216)
-
Posted by ブクログ
現代ロシアの軍事戦略
著:小泉 悠
紙版
ちくま新書 1572
20世紀後半の古典的な国家間戦争はもはや存在しない
ロシアによる現代戦とは、ハイブリッドな全面戦争を意味する
戦略縦深とは、奇襲を受けた時に時間的余裕をもてる緩衝地帯のことをいう
ソ連時代にあった東ドイツからソ連本土の距離は800Kmがウクライナが西側になった場合はわずか450Kmになる
これは東京・京都間、大陸弾道弾であれば、数分で核ミサイルが到達する距離だ
ハイブリット戦とはもともとアメリカ軍が生み出した概念だ
ソビエト崩壊も、一種のハイブリット戦とも認識されている
西側は軍事的手段だけでなく、政治・経済・情報などあら -
Posted by ブクログ
こういった進行中の戦争についての本、防衛論などを研究している方の著作を読むのは初めてでした。
題材が題材なので、感想の言葉の選び方を慎重にしなくてはならないかもですが、読み物として、興味深く自分にとっては気付けなかった視点がもたらされる有意義な読書となり、端的に言って面白かったです。
この面白かった、という視点、言葉が。
この本の中で淡々と戦争について語られる論の展開、考え方が。
読む前にこう言った書物になかなか手が伸びなかった理由、懸念のひとつでした。
今現在、生身の人間が苦しみ、悲しみ生活を奪われ、時には命まで落とす。酷く惨たらしい状況に対して、対岸の火事とまで無関心にいかずとも、火の粉 -
Posted by ブクログ
2021年初頭から、開戦半年ほどの2022年9月頃までの、戦争に至る過程と開戦後の経過、各戦線における戦果の意味が取り上げられている。
現在も経過が目まぐるしく動き続けているために最新の情報との開きはあるものの、ロシアがどのように準備をして開戦に至ったのか、なぜウクライナがここまで持ちこたえられているのかが非常にわかりやすく解説されていた。
情報メディアを活用した現代的な戦争形態や、核の抑止力による東西の躊躇など、ワードとしては知っているものの、具体的に何が起こっているのかよくわかっていなかった部分が語られていて、満足度が高い。
著者の言うようにプーチンの民族主義的野望が戦争を惹き起して -
-
Posted by ブクログ
ロシアって、観光で行くのにはサービスとか店とか相当イマイチな話を聞いてて、大して旅行先として興味はなかったけど、これ読んでてすっごい行きたくなった。
なにせ、ウクライナ戦争やってる今、行こうと思って行けるんだっけ????(まぁ外務省の注意喚起出てるんだろうな)
別に日本と戦争やってるわけでもないけど。モスクワやサンクトペテルブルクにミサイル打ち込まれてるわけでもないけど。
当たり前にいけてた国が行けなくなるって、最近多いなって思う。
だから行けるうちに行っておかないとって思う。
東の雰囲気がまだ微かに残るロシア、そしてもうちょっとしたらプーチンの影響を感じるロシア、に5年後とか行ってみたいな。