小泉悠のレビュー一覧

  • 現代ロシアの軍事戦略

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    「今や米国にとっての第一義的な懸念はテロリズムではなく、国家間の戦略的な競合である」(米国防総省『国防戦略』2018)

    ルパート・スミス『軍事力の効用』
    「…戦争はもはや存在しない」
    核兵器を用いた国家間の大規模戦争は人類の破滅を意味しており、戦争によって達成されるべきあらゆる政治的目的を無意味にしてしまうからである。

    「プーチンは、ソ連における彼の前任者や現在の習近平と同じだけの力を持ってはいない。しかし、ロシアは1990年代にそうであったような、弱いガタガタの国家ではないのである」マイケル・マクフォール(ロシア研究者)

    P.60
    「ウクライナ危機の後、NATOは大きく変わりました。あ

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    2024年07月01日
  • 終わらない戦争 ウクライナから見える世界の未来

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    イズムィコ先生の文藝春秋等での対談をまとめた本の第2弾。前作と違い文化人との対談がなくなり国際政治学者との対談だけ(半分以上は高橋杉雄先生との対談)になり、議論が深まっているように感じます。
    基本的にウクライナからすれば国がなくなるかどうかの瀬戸際なので休戦は難しく、ロシアからすれば自国が攻撃されたわけでもないので成果もなく休戦するわけにはいかないわけで、戦争を終わらせる手段が殆ど無いと感じていましたが、本書でその思いが深まりました。

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    2024年05月27日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    いかに漫画版「ナウシカ」が奥深い作品かという事を様々な方が語っています。
    この本を読んでいる最中は常に、「ナウシカ」を読み返したくなってしまいます。その欲求に抗いつつなんとか読み終えました。
    …さて、漫画版「ナウシカ」を出してきますか!

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    2024年05月21日
  • オホーツク核要塞 歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略

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    オホーツク核要塞
    歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事戦略
    著:小泉悠
    朝日新書943

    潜水艦とその探知技術の革新史と理解しました

    イノベーションの流れは、以下のようなものではないか。

    ■第2次世界大戦終了 ⇒ 冷戦の軍拡競争がはじまる

    通常潜水艦 ⇒ 原子力潜水艦 乗員の体調が許すかぎり潜航できる

    核ミサイルを搭載 ⇒ 航行距離が短いので、沿岸にまで忍び寄って発射する必要
    ⇒ 世界中の海にソナーを設置 潜水艦を探知

    海峡にソナーを設置 ⇒ 対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡 ⇒ 日本海は我ら、日米の内海化

    ⇒ソ連の原潜の無音化 ⇒ 海流にのって、対馬海峡から宗谷海峡へ

    大量のミ

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    2024年04月18日
  • ウクライナ戦争

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    とても読みやすい。専門的な内容のはずなのに、門外漢の自分でもスラスラと読める。筆者の文書力の高さのおかげですね。

    テレビ番組などではあまり報道されてないことにも触れられているなど詳細に書かれている一方で、内容が時系列に整理されていて分かりやすい。また、第5章「この戦争をどう理解するか」は軍事理論の話ですが、平易に書かれていて読みやすい。

    第二次ウクライナ戦争はまだ続いてますが、戦争終了後にまた執筆されるのであれば、是非またその本も読んでみたい。そう感じるぐらい、とても読みやすかった。

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    2024年02月04日
  • ウクライナ戦争

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    HIMARSの果たした戦術的役割については知らなかった。この本が書き上がった当時はまだワグネルの代表が謀殺されていなかったことを思い返し、時の流れの速さを感じる。著者が繰り返し「この戦争の第一義的責任はまずロシアにある」と、ロシアウクライナどっちもどっち論の欺瞞を繰り返し払い除けてくれているのも好印象であった。軍事理論面では、アンドレイ・ココーシン『軍事戦略の政治・社会学』(2005)における「全体戦争」の条件定義を紹介した上で、今回の第二次ロシアウクライナ戦争は「限定全体戦争」と呼びうる、という紹介があり興味深い。(小泉2022: 215-216)

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    2024年01月29日
  • ウクライナ戦争

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    1年前、米大統領の「露が軍事侵攻を計画中」との公表に驚きましたが、実は確たる兆候があり「にしてもまさか…」と、著者が逡巡する様が描かれています。
    専門家が同時代の歴史を切り取った、貴重な記録。
    あとがきが泣かせます。

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    2024年01月04日
  • 終わらない戦争 ウクライナから見える世界の未来

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    対談本なのでさっと読めました。
    前半は今回の戦争をやや俯瞰的に、後半は時系列で追っていくような構成です。
    おわりにで書かれているように様々な見地から戦争を考えないといけないと改めて思いましたし、終わらせるのは本当に難しいと再認識しました。

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    2023年12月27日
  • 現代ロシアの軍事戦略

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    現代ロシアの軍事戦略
    著:小泉 悠
    紙版
    ちくま新書 1572

    20世紀後半の古典的な国家間戦争はもはや存在しない
    ロシアによる現代戦とは、ハイブリッドな全面戦争を意味する

    戦略縦深とは、奇襲を受けた時に時間的余裕をもてる緩衝地帯のことをいう
    ソ連時代にあった東ドイツからソ連本土の距離は800Kmがウクライナが西側になった場合はわずか450Kmになる
    これは東京・京都間、大陸弾道弾であれば、数分で核ミサイルが到達する距離だ

    ハイブリット戦とはもともとアメリカ軍が生み出した概念だ
    ソビエト崩壊も、一種のハイブリット戦とも認識されている

    西側は軍事的手段だけでなく、政治・経済・情報などあら

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    2023年12月19日
  • ユーラシアの自画像 「米中対立/新冷戦」論の死角

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    米中対立が枠組みのようになり、例えばグローバルサウスなど多様な主体があるにも関わらず主語が米中で語られるのはおかしいのではないかという問題意識を持った多くの研究者による編書。中国やロシアの研究者はもちろん、朝鮮半島や東南アジア諸国の専門家もそれぞれの章を書いている。最新の同時代的研究として興味深かった。

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    2023年12月14日
  • 「帝国」ロシアの地政学(東京堂出版) 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

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    ロシアの主権や勢力圏に対する考え方に触れられるいい本だった。
    ロシアなりのロジックを理解する助けになった。
    (無論、ロシアのロジックは国際的な標準とは程遠いものだが……)

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    2023年12月08日
  • 終わらない戦争 ウクライナから見える世界の未来

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    こういった進行中の戦争についての本、防衛論などを研究している方の著作を読むのは初めてでした。
    題材が題材なので、感想の言葉の選び方を慎重にしなくてはならないかもですが、読み物として、興味深く自分にとっては気付けなかった視点がもたらされる有意義な読書となり、端的に言って面白かったです。

    この面白かった、という視点、言葉が。
    この本の中で淡々と戦争について語られる論の展開、考え方が。
    読む前にこう言った書物になかなか手が伸びなかった理由、懸念のひとつでした。
    今現在、生身の人間が苦しみ、悲しみ生活を奪われ、時には命まで落とす。酷く惨たらしい状況に対して、対岸の火事とまで無関心にいかずとも、火の粉

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    2023年10月17日
  • 終わらない戦争 ウクライナから見える世界の未来

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    小泉悠氏と三氏の対談。
    (ただし、戦況分析についてはどうしても書籍故のタイムラグが大きい)
    そして、改めて思うのは、この戦争、出口がない。両国ともに、戦争を遂行し続ける以外に出口が無い。詰んでる。と言う絶望である。
    そして、翻って日本を見たとき、我が国はここまで中国相手に抗戦できるのだろうか?と言う懸念である。経戦能力の劇的な充実こそが、抑止力になるのだろう。
    抑止力仕事しろ。

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    2023年10月08日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    プーチンはKGB的な取締りマインドでキャリアをスタート。習近平は偉大な中国の夢の為に終身でやるぐらいの気持ち。プーチンは強権的に取締りすぎたから引退出来ない。

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    2023年08月21日
  • ウクライナ戦争

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    2021年初頭から、開戦半年ほどの2022年9月頃までの、戦争に至る過程と開戦後の経過、各戦線における戦果の意味が取り上げられている。

    現在も経過が目まぐるしく動き続けているために最新の情報との開きはあるものの、ロシアがどのように準備をして開戦に至ったのか、なぜウクライナがここまで持ちこたえられているのかが非常にわかりやすく解説されていた。

    情報メディアを活用した現代的な戦争形態や、核の抑止力による東西の躊躇など、ワードとしては知っているものの、具体的に何が起こっているのかよくわかっていなかった部分が語られていて、満足度が高い。

    著者の言うようにプーチンの民族主義的野望が戦争を惹き起して

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    2023年07月09日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    ニュースでは見聞きするものの結局ウクライナ戦争はなぜ起きたと考えられているの?日本への影響は?台湾有事にも波及する?と、世界で起きている大きな問題であるにもかかわらずうまく説明ができなかったが、この本を通して頭の整理ができた。第一線で活躍する国際政治のエキスパートとジャーナリストの議論の末にまとめられた本。面白かった。

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    2023年06月26日
  • 危機の時代に読み解く『風の谷のナウシカ』

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    何年も前に読んだナウシカをまた読みたくなったきっかけだった。
    こんなに深い視点がいっぱい詰まった作品だったとは思わなかった。当時読んだ時は20代前半でまだ世の中の現実や厳しさなどほとんど知らない世界で過ごしていたためか、ほとんど心に残っていなかった。というよりも理解できていなかったのだと思う。
    もう一度ナウシカを読み始めて、同時にこの本も読んでたくさんの人の考察を見ると、全然見える世界が変わった。
    本書の誰かも書かれていたけれど、過去に読んだ時と別にもう一度読み直すと見える世界が違う。まさに自分もそうだった。

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    2023年06月06日
  • ウクライナ戦争と米中対立 帝国主義に逆襲される世界

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    峯村健司vs小泉悠、鈴木一人、村野将、小野田治、細谷雄一

    どれも読み応えのある好取組。
    ただし、著者の結論と読後の感想は異なる。
    著者は「帝国主義の逆襲」を主眼に述べているが、むしろ逆に、ウクライナでロシアの野望を粉砕できれば、中ロのような帝国主義の終焉になるのでは無いだろうか?私はそう信じているし、そのために日本国民としてできることを考えたい。

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    2023年05月31日
  • ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔

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    ロシアって、観光で行くのにはサービスとか店とか相当イマイチな話を聞いてて、大して旅行先として興味はなかったけど、これ読んでてすっごい行きたくなった。
    なにせ、ウクライナ戦争やってる今、行こうと思って行けるんだっけ????(まぁ外務省の注意喚起出てるんだろうな)
    別に日本と戦争やってるわけでもないけど。モスクワやサンクトペテルブルクにミサイル打ち込まれてるわけでもないけど。
    当たり前にいけてた国が行けなくなるって、最近多いなって思う。
    だから行けるうちに行っておかないとって思う。
    東の雰囲気がまだ微かに残るロシア、そしてもうちょっとしたらプーチンの影響を感じるロシア、に5年後とか行ってみたいな。

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    2023年03月29日
  • 「帝国」ロシアの地政学(東京堂出版) 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

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    とても面白かった。
    私にとっては馴染みのない分野の書籍だったが、読みやすかった。
    大国ロシアの国家戦略を簡単には理解することはできないが、ひとりの日本人学者の視点を通して、ロシアの一端を理解させてくれる。
    物事に対しての認識や、優先事項の異なる国家と国家との関係を良好に保つためには、相手への想像力を大切にしながら、愚直にコミュニケーションをとりつづけなければならないと感じた。

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    2023年03月21日