小泉悠のレビュー一覧
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ロシアは地政学的にNATOに対して脅威を感じており、正面戦争である場合では劣勢でもある。この情勢に対して、ロシアは非対称かつハイブリッドに軍事的な戦略を立てている。
またロシアは永続的に非線形な戦争継続を考えており、クリミア半島の一方的な併合以来、ある意味戦争は続いているとも考えられる。ヨーロッパ諸国との対峙において、敵の接近を拒否するために、地理的な不利を抱えているため情報戦的なイメージによる撹乱や妨害を企てる。場合により、核の限定使用もちらつかせるし、使用する可能性もある。
本書ではこういった客観的事実を分かりやすく解説している。
こういった事実は2022年2月以来のウクライナ対ロシアの戦 -
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ロシア軍事の専門家、ユーリーイズムイコこと小泉悠先生のロシア軍事戦略本であり、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の直前に書かれた(2014年のロシアによるクリミア半島強奪よりは後)もの。
ソ連崩壊後、東欧共産圏があるいは民主化し、あるいはカラー革命を起こしてきたが、ロシアから見ると、これらは全て西側による謀略であり、正規軍を用いたクラウゼビッツ的戦争ではないが、しかし、情報戦世論戦などを取り入れたハイブリッド戦争を仕掛けられているように見える、と。
この時期のロシアは勢力圏の縮小、経済的社会的混乱から国力を落としてきたが、それでも仕掛けられた戦争に勝利して生き残るためにハイブリッド戦争 -
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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻については「プーチンは頭おかしいんじゃないの?」と思ったが、本書を読むことでここに至るまでの経緯を知ることができた。
本書は、著者がこれまで発表してきた論文等を加筆・修正したものを主体としているが、非常にわかりやすい内容となっている。
以下(本書からの抜粋)を知るだけでも今後の世界情勢を理解する上で極めて有用。
①旧ソ連諸国はロシアにとっての勢力圏であり、NATOのような外部勢力が旧ソ連諸国に拡大してくることは阻止されなければならない。
➁ロシアは、より弱体な国々の主権を制限しうる「主権国家(大国)」である(プーチンはドイツでさえも「主権国家」でないとし -
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小泉悠さんの著作。ストーリーとしてよく組み立てられていて、北方領土訪問の導入は成功だと思う。読み始める前はやや警戒していたがどんどん読み進めてしまった。
西欧近代がいわゆる「モダン」であり、国民国家をベースとして組み立てられてられているのに対し、ロシアは融通無碍でロシア人がいるところが「ロシア」であるといういわゆる「帝国」概念に基づいている。その中でも、ウクライナ、ベラルーシ、ジョージア(著者はグルジアと呼ぶ)は特に重要な国=地域でその国々が独立して西欧的な国民国家になるのは「帝国」を脅かす脅威と認識される。
ただこの考え方はあくまで権力者目線だと思うわけで、結局モスクワ、サンクトペテルブルク -
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【あるいは、ロシアを夢見る巨人と見立ててもよいかもしれない。ユーラシアの巨大な陸塊の上で、ロシアは壮大な「勢力圏」の夢を見ている】(文中より引用)
「地政学」や「勢力圏」といったキーワードを軸としながら、冷戦崩壊後のロシアが持つ国際秩序観を丸裸にしようと試みた一冊。著者は、東京大学先端科学技術研究センター特任助教を務める小泉悠。
ロシアに関する作品は数あれど、ここまで同国の国際秩序観を支える内在的論理・感情に迫った一冊は稀なのではと思うほどの名著。サントリー学芸賞を受賞したのも宜なるかなというほどの充実ぶりで、今後もこの著者の作品は追っかけていきたいなと。
今年のトップテンに入ってきそう -
Posted by ブクログ
ロシア独自の「勢力圏」概念及び、ロシアの言う「主権」がようやく、どんなモノなのか理解に近づくことができた。
ロシアが「勢力圏」や「主権国家」をそのような意味で用いることは理解する必要があるが、その「勢力圏」や「主権国家」概念を受け入れることは決してできないことがウクライナやバルト三国などの「事例」を通じて、理解できた。
また、北方領土問題を抱える日本としては、これは決して他人事では無く、現在進行形且つ自らの身に降りかかっている火の粉である。
なればこそ、ロシアの概念としての「勢力圏」や「主権」を理解する必要がある。そして、その概念からして、「共同経済活動」が穂法領土の返還に繋がるものでは無 -
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Pageturnersで竹下さんがおすすめしていた本。
ロシア軍事関連の方が書かれている本だが、普遍化してビジネスパーソンにも転用できるように「情報収集+情報分析」の手法を解説してくれている。
当たり前のように感じる箇所もあるが、確かに体系化して情報処理する全体像を再確認するためには良い本です。
リサーチ手法にや情報分析に関するビジネス本は他にも多数にあるが、それらは各論やハウツーに寄っているので、全体像を引いて確認した時にはこの本。
以下、引用。
P7.情報は誰にでも、いくらでも入ってくるものだけれども、その処理装置を持つのは簡単ではない。
P46.情報資料作りは自分の頭の中を可視化し -
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ネタバレ2022年2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まり、そこから本書脱稿時点の2022年9月末に至るまでの7ヶ月間の戦況の推移などが書かれていた。
非常に読みやすい内容だったと思う。無知でも話についていくことができた。
各国が全面戦争を恐れて限定的な支援しかできないこと、核を恐れていることなど、全体像が見えてくる。
「古い戦争」であるという解説もわかりやすかった。人間の価値観が大きく変わるような出来事や生態が変わるようなことがない限りは、新しいテクノロジーを使ってもずっと古い戦争が繰り返されるのではないかという気がする。
最後、日本の立場ではこの戦争をどう捉えるべきかという視点で問題提起され -
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ロシア-ウクライナ戦争が始まって以来、著者の顔を見ない日はない。
軍事評論家でありロシア軍事の専門家として、的確なコメントに毎回唸らされてしまう。
その識者が書いたのが本書だが、その内容は戦争に関する考察ではなく、一般的な「情報分析」に関することだ。
著者のメッセージを端的にまとめると「大事なのは、情報収集力ではなく、情報分析力」だということ。
特別な情報は確かに必要かもしれないが、専門家でもない限り、その情報は不要だろう。
それよりも、誰でも手に入る情報を如何に分析し、意味を見つけ出せるかの方が重要と説く。
本当にその通りだと思う。
世の中に情報は溢れているし、収集することもボタン一つで簡単