小泉悠のレビュー一覧

  • UP plus ウクライナ戦争と世界のゆくえ

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    ロシア・ウクライナ戦争について7人の研究者の視点から冷静に分析した論文集。
    単純な善悪二元論には収まらない世界の冷徹な現実をまざまざな角度から示してくれる好著。


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    2022年08月21日
  • 現代ロシアの軍事戦略

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    ロシア軍事の専門家、ユーリーイズムイコこと小泉悠先生のロシア軍事戦略本であり、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の直前に書かれた(2014年のロシアによるクリミア半島強奪よりは後)もの。
    ソ連崩壊後、東欧共産圏があるいは民主化し、あるいはカラー革命を起こしてきたが、ロシアから見ると、これらは全て西側による謀略であり、正規軍を用いたクラウゼビッツ的戦争ではないが、しかし、情報戦世論戦などを取り入れたハイブリッド戦争を仕掛けられているように見える、と。
    この時期のロシアは勢力圏の縮小、経済的社会的混乱から国力を落としてきたが、それでも仕掛けられた戦争に勝利して生き残るためにハイブリッド戦争

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    2022年05月17日
  • 「帝国」ロシアの地政学(東京堂出版) 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

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    ロシアによるウクライナへの軍事侵攻については「プーチンは頭おかしいんじゃないの?」と思ったが、本書を読むことでここに至るまでの経緯を知ることができた。

    本書は、著者がこれまで発表してきた論文等を加筆・修正したものを主体としているが、非常にわかりやすい内容となっている。

    以下(本書からの抜粋)を知るだけでも今後の世界情勢を理解する上で極めて有用。

    ①旧ソ連諸国はロシアにとっての勢力圏であり、NATOのような外部勢力が旧ソ連諸国に拡大してくることは阻止されなければならない。
    ➁ロシアは、より弱体な国々の主権を制限しうる「主権国家(大国)」である(プーチンはドイツでさえも「主権国家」でないとし

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    2022年05月15日
  • 「帝国」ロシアの地政学(東京堂出版) 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

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    ロシアのウクライナ侵攻前に書かれたものだが、ロシアの考える勢力圏、主権というのが、よくわかった。到底受け入れられるものではないが、彼らの理屈からいくと、直近の北欧のNATO加盟などで更に態度を硬化していくのだろう。お互いの主張が真っ向から対立する妥協点が見いだせない泥沼の状況を解決できるやり方があるのだろうか。。。

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    2022年05月15日
  • 現代ロシアの軍事戦略

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    ロシアの軍事戦略がわかった。現在のウクライナ戦争でもこの考えに基づいて行動しているように思う。本に書いている通り、最終的に核使用に至らないことを祈る。

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    2022年05月03日
  • 現代ロシアの軍事戦略

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    著者のロシア製兵器へのオタク愛により、ありがちな兵器スペックと配備数のみでの軍事力比較が足元にも及ばない、意図と運用を踏まえた圧倒的な分析力、また東側からの視点による軍事戦略の解説により、西側から見ると理解不能なロシアの動きがドクトリンによるものであることなど、マスコミの解説がいかに表面的かも強烈に感じさせる内容。
    この分析の延長線上には、【執筆時には起きていない】ウクライナ紛争も有り得ると確信させる分析。
    情報資料の量的な面では及ばないが、小泉氏のロシア軍事戦略に対する分析力は、防衛省をも上回っているのではないかと。

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    2022年04月15日
  • 「帝国」ロシアの地政学(東京堂出版) 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

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    小泉悠さんの著作。ストーリーとしてよく組み立てられていて、北方領土訪問の導入は成功だと思う。読み始める前はやや警戒していたがどんどん読み進めてしまった。
    西欧近代がいわゆる「モダン」であり、国民国家をベースとして組み立てられてられているのに対し、ロシアは融通無碍でロシア人がいるところが「ロシア」であるといういわゆる「帝国」概念に基づいている。その中でも、ウクライナ、ベラルーシ、ジョージア(著者はグルジアと呼ぶ)は特に重要な国=地域でその国々が独立して西欧的な国民国家になるのは「帝国」を脅かす脅威と認識される。
    ただこの考え方はあくまで権力者目線だと思うわけで、結局モスクワ、サンクトペテルブルク

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    2022年04月10日
  • 「帝国」ロシアの地政学(東京堂出版) 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

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    受け入れられるかどうかは別として、ソ連時代を含めたロシアのイデオロギーや周辺諸国に対する考え方、そして西側諸国に対する見方など理解することが出来た。
    それと同時に、個人的なレベルは別として、ロシアをはじめとする権威主義的な国家と国同士で分かり合える事は無いのだろうと、絶望的になった。
    今起きているウクライナ侵攻はロシアにとって必然であり、さらには日本にとって懸案事項である北方領土返還など、実現する事はないだろうと思わされた。

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    2022年03月10日
  • 「帝国」ロシアの地政学(東京堂出版) 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

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    【あるいは、ロシアを夢見る巨人と見立ててもよいかもしれない。ユーラシアの巨大な陸塊の上で、ロシアは壮大な「勢力圏」の夢を見ている】(文中より引用)

    「地政学」や「勢力圏」といったキーワードを軸としながら、冷戦崩壊後のロシアが持つ国際秩序観を丸裸にしようと試みた一冊。著者は、東京大学先端科学技術研究センター特任助教を務める小泉悠。

    ロシアに関する作品は数あれど、ここまで同国の国際秩序観を支える内在的論理・感情に迫った一冊は稀なのではと思うほどの名著。サントリー学芸賞を受賞したのも宜なるかなというほどの充実ぶりで、今後もこの著者の作品は追っかけていきたいなと。

    今年のトップテンに入ってきそう

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    2019年12月16日
  • 「帝国」ロシアの地政学(東京堂出版) 「勢力圏」で読むユーラシア戦略

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    ロシア独自の「勢力圏」概念及び、ロシアの言う「主権」がようやく、どんなモノなのか理解に近づくことができた。

    ロシアが「勢力圏」や「主権国家」をそのような意味で用いることは理解する必要があるが、その「勢力圏」や「主権国家」概念を受け入れることは決してできないことがウクライナやバルト三国などの「事例」を通じて、理解できた。
    また、北方領土問題を抱える日本としては、これは決して他人事では無く、現在進行形且つ自らの身に降りかかっている火の粉である。

    なればこそ、ロシアの概念としての「勢力圏」や「主権」を理解する必要がある。そして、その概念からして、「共同経済活動」が穂法領土の返還に繋がるものでは無

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    2019年11月10日
  • 大国の暴走 「米・中・露」三帝国はなぜ世界を脅かすのか

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    イズムィコ氏本は即買い。他の2名の方も面白かった。何度も言うけどこういう分析を国内政治でも読んでみたいのだけど…

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    2017年10月01日
  • サイバースペースの地政学

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    そもそも安全保障が身近じゃないところで、視野が広がる内容で割とすぐに読み終わってしまったのだけれども、タイトルがなんとも違和感があって。
    勉強になっただけに、タイトルがなんかもうちょっと内容に則したものにできなかったのかなという印象が強く残る。

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    2025年12月08日
  • 2030年の戦争

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    2022年に、ロシアによるウクライナ侵攻が、勃発しました。
    また、中国が台湾を武力により統合する可能性も、取り沙汰されています。

    近隣諸国による不穏な動きを見聞きして、「日本は今後、どうなってしまうのだろう?」と、不安に感じています。
    日本の防衛力強化についても情報を得たいと思っていたところ、この本の存在を知りました。
    近未来の(日本に影響がありそうな)戦争勃発の可能性が論じられてそうな題名が気になり、読むことにしました。

    本書は、安全保障関連の専門家2人による対談を、全5章にまとめた構成となっています。

    第1章は、2020年代の戦争とは、どういうものなのか?について。

    そもそも

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    2025年11月07日
  • 情報分析力

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    情報分析力

    情報の洪水に揉まれる日々、何を信じてどう行動すればいいのか迷うことが多い。
    小泉悠氏のこの本は、そんな混沌の中で冷静に「情報を料理する」技術を教えてくれる。彼の専門はロシアの軍事情報だが、その泥臭い分析のプロセスは日常のビジネスや子育ての判断にも通じる。情報はただの材料であり、自分で調理して自分の知恵に仕立てることが肝心だと実感させられる。著者の文章は硬質で理知的、時に哲学的だが、だからこそ感情に流されやすい現代人にとっては貴重な指針となる。ただ、専門的すぎて読み物としての親しみやすさはやや薄く、自分の生活にどう落とし込むかに工夫が必要かもしれない。しかし、その分だけ情報と向き合

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    2025年11月02日
  • 戦闘国家 ロシア、イスラエルはなぜ戦い続けるのか

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    ニュースで名前は聞くがよくわからない海外の諜報機関についてその歴史なども含めて知ることができる。
    そして改めて日本のインテリジェンスに危機感を感じてしまう。

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    2025年10月30日
  • 情報分析力

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    もともと小泉悠さんのYouTubeは好きでよく見ていたが語り口調はそのままで読みやすかった。
    物事を多面的にみることはもちろんのこと相手はどう考えるかという相手目線の大切さを学んだ。

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    2025年10月25日
  • ウクライナ戦争

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    ウクライナ戦争の概略と理由が知りたくて評価の高いこの本を選びましたが、固有名詞等が特段の説明なく頻出するため、初学者にはかなり難易度が高かったです。
    専門的に学んでいる学生さんなどにはお勧めです。
    もう少し入門的な本で学び直してから、再読したいです。

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    2025年10月19日
  • 戦闘国家 ロシア、イスラエルはなぜ戦い続けるのか

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    現在戦争を継続するロシアとイスラエル、二つの国家のインテリジェンスに関する対談を収録した本。イヴァン四世のオプリチニキ、ロマノフ王朝の皇帝官房第三部などにしても、ロシアの機関は、諜報機関というよりは内部を抑圧、弾圧する傾向があると指摘される。また、戦時下の日本で、参謀本部ロシア課長林三郎は、ソ連の侵攻を予測していたことやロシアの対外政策や盗聴技術など面白いネタが盛り上がる。後半ではイスラエルについて語り合い、他人を信用しない、自分たちの力しかあてにしない、先制攻撃を躊躇しないなど、イスラエルという国家の思想がわかる。イスラエルは中東において最大の戦力を有するサウジアラビア、実戦経験豊富のエジプ

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    2025年10月12日
  • 戦闘国家 ロシア、イスラエルはなぜ戦い続けるのか

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    小泉悠、小谷賢「戦闘国家 ロシア、イスラエルはなぜ戦い続けるのか」(PHP新書)
    タイトルにあるようにロシアやイスラエルがなぜ好戦的なのか、その歴史や国家体制を踏まえて解説されているが、それ以上にロシアのFSBやイスラエルのモサドなどの情報機関の仕組みや仕事振りに多くのページがさかれ、最終章では日本のインテリジェンスがいかにあるべきかが議論されている。お二人の対話は大変興味深いが、本書の内容とタイトルはいささか乖離している。

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    2025年10月09日
  • 情報分析力

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    インフォメーションとインテリジェンスの違い、組織にいる人間にとってはしばしば経験する曖昧さ。
    上司、特に経営層にインテリジェンスをお伝えしてもインフォメーション以下の思い込みに一蹴される。そんな日常でも情報分析をあきらめない、と思わせてくれる。

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    2025年09月20日