小泉悠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2019年7月発行。コロナ禍とウクライナ侵攻前というと隔世の感が出てきた今日この頃(2023年4月)ですが、ロシアという国がどういった思想によって政治を行っているのかがよく分かる良書だと思います。
バルト三国やウクライナとの関係についてはここ最近よく取り沙汰されているので馴染みがありましたが、中東とロシア、北方領土、北極についてはまだまだ不勉強、というか北極を巡る攻防は初めて知りました。北極を中心にした地図を見ると不安が募ります。
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本書とはあまり関係がありませんが、バルト三国というとチャペック『オランダ絵図』の「小さな民族」の冒頭、ラトヴィア人の若者の「どの言語で仕事をしていくべきなのか」という苦悩を思い出します。バルト三国は、今まさにロシアから離れていこうとしていますね。 -
Posted by ブクログ
ウクライナ戦争についてのジャーナリスト的な本はたくさんでていて、どれも役にたつものだが、これは一味違った視点を与えてくれるものであった。
東京大学出版会からの本で、主として東大の教授などが中心となって執筆した論文集。
ロシアの侵攻に対する国よって異なる考えがあることがさまざまな地域の専門家が冷静に分析してある。
複数の視点をもつこと、価値観を共有することが難しい多極的な世界をどう理解するか、どう捉えるか。
と言っても、価値ニュートラルな相対主義的な世界にとどまることは、今回の戦争は倫理的に許されないという感覚がある。
そのあたりをしっかり考えるのに役にたつ。 -
Posted by ブクログ
戦争行為で不気味な印象しかなかったロシアに、読者が滞在していたかのように錯覚させる。衣食住を通じたエッセイでアッという間に読める。2023年であってもロシアを理解することができる読むべき本だと断言します。
2023年1月現在継続中のウクライナへの戦争は決して許されない。
しかし、
ロシアのブログの軍事オタク
週末は別荘生活
結構親切で世話焼き
酒大好き
迷惑かけなければルールは破る など
と意外なロシアの憎めない魅力を知ることができるだろう。為政者のプーチンやニュースだけで毛嫌いしていことに損していたことを痛感。
食べることが好きなので、異国を理解するのに、食は重要な要素だと妄信しているが、ロシア人の料理の味付けは薄口であるというのは意外であった。
いつか、落ち着いたモスクワで、ジョージアのワインを飲みつつ、朝鮮族の焼き屋さんで食べたくなったのは私だけでないはず。 -
Posted by ブクログ
文藝春秋社の関連雑誌で対談した5人とこの本のために語り下ろしたもの1件を収録。対談時期は4月から9月。
対談相手は
・東浩紀:1971生、批評家・作家 株式会社ゲンロン取締役
・砂川文次:1990生、小説家。元陸上自衛隊で対戦車ヘリコプターの操縦士。
・高橋杉生:1972生、防衛省防衛研究所防衛政策研究室長。
・片淵須直:1960生、アニメ監督。「この世界の片隅に」
・ヤマザキマリ:1967生、漫画家
・マライ・メントライン:ドイツ人 翻訳者、通訳、エッセイスト。2008より日本在住
・安田峰俊:1982生、ルポライター 天安門事件など中国を多くルポ
「ロシアは絶対悪なのか」(文藝春秋2022.7月号 4.11対談)×東浩紀氏と
東:ウクライナの仕掛けている戦略は必ずしも敵国ロシアには向かっていない。・・「ハイブリッド戦争」対「非ハイブリッド戦争」という状況になっているようにみえるのですが・・
小泉:その通りですね。ハイブリッド戦争の理論はあくまでも敵国が民主国家である場合を想定していす。・・ロシアは権威主義体制でメディアもネットもプーチンの支配下にある。プーチンが(ロシアで)支持されている限りはロシアは戦争を継続するはずです。
小泉:今回つくづく感じるのは人間とはそもそも非合理な存在だ、ということ。
小泉:今回の戦争によって、米国一国のもとに世界が安定しているのではなく、複数の大国がそれぞれ異なる世界観を掲げて「競争的に共存する」世界に変化したのだと思います。・・ロシアは孤立するようにはなるでしょうが、瓦解していくとも思えません。
ヤマザキマリ:プーチンは、思惑通りの自分を象ろうと誇張し過ぎた為に実態が消えてしまった人という印象があります。イソップ童話の身体を膨らませて大きく見せようとして破裂してしまうカエルを思い出します。
ヤマザキマリ:イタリアの私の家族は、イタリアは他民族や他宗教との争いの歴史の中で生きてきた歴史があるから、またやってる、でもいつかは終わる、というような客観的かつ長いスパンで考えている。
「シベリアの掟」ニコライ・リリン著 小泉氏が紹介
イタリアでベストセラーになった本。かつてシベリアに犯罪流刑地があったが、彼らはスターリン時代にモルドバに強制移住させられた(今の沿ドニエストル地域らしい)。著者の自伝的小説。モルドバでは犯罪共同体の掟を守りながら育つが嫌気がさしイタリアに移住した。
・・映画化もされたようだ「ゴッド・オブ・バイオレンス」2013イタリア ジョン・マルコヴィッチ出演
2022.9.20第1刷 購入