小泉悠のレビュー一覧
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ウクライナ戦争についてのジャーナリスト的な本はたくさんでていて、どれも役にたつものだが、これは一味違った視点を与えてくれるものであった。
東京大学出版会からの本で、主として東大の教授などが中心となって執筆した論文集。
ロシアの侵攻に対する国よって異なる考えがあることがさまざまな地域の専門家が冷静に分析してある。
複数の視点をもつこと、価値観を共有することが難しい多極的な世界をどう理解するか、どう捉えるか。
と言っても、価値ニュートラルな相対主義的な世界にとどまることは、今回の戦争は倫理的に許されないという感覚がある。
そのあたりをしっかり考えるのに役にたつ。 -
Posted by ブクログ
戦争行為で不気味な印象しかなかったロシアに、読者が滞在していたかのように錯覚させる。衣食住を通じたエッセイでアッという間に読める。2023年であってもロシアを理解することができる読むべき本だと断言します。
2023年1月現在継続中のウクライナへの戦争は決して許されない。
しかし、
ロシアのブログの軍事オタク
週末は別荘生活
結構親切で世話焼き
酒大好き
迷惑かけなければルールは破る など
と意外なロシアの憎めない魅力を知ることができるだろう。為政者のプーチンやニュースだけで毛嫌いしていことに損していたことを痛感。
食べることが好きなので、異国を理解するのに、食は重要な要素だと妄信しているが -
Posted by ブクログ
文藝春秋社の関連雑誌で対談した5人とこの本のために語り下ろしたもの1件を収録。対談時期は4月から9月。
対談相手は
・東浩紀:1971生、批評家・作家 株式会社ゲンロン取締役
・砂川文次:1990生、小説家。元陸上自衛隊で対戦車ヘリコプターの操縦士。
・高橋杉生:1972生、防衛省防衛研究所防衛政策研究室長。
・片淵須直:1960生、アニメ監督。「この世界の片隅に」
・ヤマザキマリ:1967生、漫画家
・マライ・メントライン:ドイツ人 翻訳者、通訳、エッセイスト。2008より日本在住
・安田峰俊:1982生、ルポライター 天安門事件など中国を多くルポ
「ロシアは絶対悪なのか」(文藝春秋20 -
Posted by ブクログ
ユーゴスラヴィア、セルビアにはじまり、グルジア(バラ革命)、ウクライナ(オレンジ革命)、キルギス(チューリップ革命)、チェニジア(ジャスミン革命)からアラブの春に至るまでの民主化ドミノを、NATO およびアメリカによる謀略の結果であると捉え(事実、まんざら「陰謀論」でもないところがある)、これを非軍事手段による永続戦争であると定義した上で、ハイブリッド戦争(SNS を通じた人心操作から戦略核兵機使用まで、軍事・非軍事両面による目的遂行または状況作成のための行為)で応戦する現代ロシアの軍事戦略を描く。
2022年2月末に始まったウクライナ戦争を予言するかのように、2021年5月に刊行された現代 -
Posted by ブクログ
プーチン大統領の頭の中を知りたい、西側の理論ではなくロシアの立場に立った時の見方を知るべきではないか、と思って何冊かの本を読んでいます。いくつかの発見はありました。例えば
・2007年2月のプーチン氏の演説は民主主義を標榜する西側の論理?のみが唯一の正義と見なされることに対する反論。
・クリミア侵略についての考え方としてクリミアはロシアと(ロシアの一部であるところの)ウクライナの共有財産であり地域安定のための重要なファクターなので強く安定した主権(ロシア)の下になければならない。
・他国に依存せず「自由」=自己決定権を自らの力で保持できる国だけがプーチン大統領の言う「主権国家」であり、この要件