小泉悠のレビュー一覧
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日本を取り巻く微妙な情勢や、最新の戦法など、気鋭の有識者2人が対談した記録。
技術が格段に向上し、追跡型ドローンなど、命中確率の高い兵器は増えてきた。ただしAIに頼ると、攻撃誤認により自動報復システムが稼働するリスクがある。「ドラエモン のび太の海底鬼岩城」の例えは秀逸である。
ロシアや中国のように、人的及び物的資本など、ロジスティクス面でのストックが豊富にある国に対して、日本のように少ない国では異なる戦法にならざるを得ない点も納得。
中朝露に対して「侵攻するには今しかチャンスがない」と思わせない抑止力が必要。この抑止力が維持できるか、際どい世界情勢であることを認識した。
韓国の38度線 -
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Posted by ブクログ
たくさん情報を集める。
批判的思考でなぜなぜする。
何故何故して情報を集める。
拡散した情報を集約する。
調査する場合に大切なことは、自分が何について知りたいかを明確にすること。そうすると批判的思考やHwyのメカニズムさえ持っていれば、正しい問いを投げることができる。
目的がある情報収集なら、目的に合わせて集めた情報をすべて疑うことが重要。その疑う→さらに情報を集める→集約する。すべてAIでできるが、クリティカルシンキングできない人は、AIに騙されて終わる。
▼ただ情報やデータを持っているだけでは意味がない
・米国やロシアのような大国の情報機関でさえ、9割以上は公開情報を元に情報分析を行 -
Posted by ブクログ
それこそハヤカワ文庫から出ていた『100年予測』だっただろうか。
未来の戦争は、宇宙空間とサイバー空間の中が主戦場になる。
あっという間に決着がついてしまうだろう、といった話。
本書を読みながら、そんなことを思い出した。
ただ、自分が思っていた以上に、この問題、「物質」に縛られる側面があるようだ。
例えばデータセンター。
大都市から距離があると、通信のタイムラグが生まれるため、大都市近郊に設けられることが多いという。
大量の電力を食うため、送電などのインフラが整っている必要もある。
現在は衛星を使った無線通信などの新しい技術も開発されたとはいえ、海底ケーブルも通信には必要なのだとか。
そう -
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著者の小泉氏の奥さんはロシア人らしい。軍事評論家である同氏が、東浩紀をはじめとし、元陸上自衛隊員であり小説家である砂川文治、防衛防衛研究所政策研究部防衛政策研究室長の高橋氏、他アニメ監督や漫画家とウクライナ戦争について語った本。人選は「?」と思う所もあったが、それが面白く感じる部分もあった。
考えさせられたのは、この本に通底するテーマでもあるように見えたが、戦争の変容。核を用いる事での、「エスカレーション抑止のためのエスカレーション」と呼ばれるロシアが有する核戦略思想。他方で核を脅しに使いつつ、実際には、ゲリラ戦のように非近代的な側面も持つ。
― 小泉 ほとんどゲリラ戦の戦い方に近いです。 -
Posted by ブクログ
軍事オタクで潜水艦オタクでロシアオタクの小泉先生全開の本。
オホーツク核要塞って、どこかの島か、半島にでも造られた核ミサイル基地かと思っていたんだが、要はロシアの聖域、オホーツク海自体にSSBNを忍ばせて、その中に敵国を入れないような仕組み。オホーツク海自体を要塞にしてしまうということだった。
ソ連からロシアへの移行、技術力や経済力、もちろん冷戦、米国、欧州との関係やウクライナ戦争などでどんどんと変わっていく情勢を、色んな観点から説明する。
それにしても、民間人でもそれなり以上の衛星写真を入手出来るってのが、驚いたな。
小泉先生の本はとても読みやすいし、オタク感丸出しだが、オタク特有の共