小泉悠のレビュー一覧
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現在のウクライナ侵攻でもロシア側で暗躍している傭兵組織ワグネルの一員として、著者の実体験に基づく作品であり非常に参考となる内容である。文章も小説的で読みやすく、一人の男の物語として共感のようなものも感じられる。
元ロシア空挺部隊の将校である著者が家族のために稼ぐ必要性などもあり、中年となってから傭兵組織であるワグネルに入る。舞台はシリア内戦が主であり、そこでの実戦で、ロシア正規軍が示す本音と建前、シリア政府軍やワグネルの同僚の軍隊としての質の低さなど、葛藤や怒りのようなものを体験していく。
全てが完全な事実なのかは不明であるし、作品の中で表現していない事象などもあるだろうが、傭兵としての実 -
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ネタバレ・ベラルーシはロシアの軍事作戦に使われることを拒否してきてはいたがルカシェンコの再選が難しくなったタイミングでプーチンの介入により再選した経緯から、憲法の文言が外されるなどして軍事作戦に使われてしまうようになった背景
・ウクライナの国境付近に配備された軍がロシアの東の地域からも派遣されてきていたり、準備された武器の種類の多さであったり、野外病院が多く設置されていること等からロシアによる進行は政権陥落まで狙ったものになるというアメリカの事前の見立てはかなり正確であった
・ウクライナでゼレンスキーのライバルだった親ロシア派政治家に対しゼレンスキーからの制裁?締め付けが厳しくなったタイミング、妙にロ -
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Twitter芸人のわりによく書けていると思う。
新聞より詳しく、Twitterより全体感と前後関係がわかりやすい。単行本より手軽にわかった気になれる。
開戦前も含め、プーチンを始め主要人物の発言と見に見える事実から、背景となる思想や各時点の考え・判断を推測していくところがしっかり書かれていて面白い。
どこがターニングポイントだったか、なぜそうなったのかというのも、振り返ってみるとわかることがある。
細かいところでは「ハイブリッド戦争」「新型戦争」「新世代戦争」の違いの説明がわかりやすくて興味を惹かれた。
兵器に関するところはくわしく、とくに筆が走っていると感じた。兵器の特徴、使い道、そ -
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現代の安全保障は国家や特定の省庁、一部の専門領域だけで考えることができないことをあらためて感じさせられる。
新型コロナウィルスやロシアによるウクライナ侵攻であらためて注目されるようになった偽情報や情報戦の重要性。
日本では今まで言語的な壁にも守られていたことで、海外からの偽情報拡散の脅威にさらされていなかったこともあり、根本的な問題意識も欠如している。
しかし、ロシアによる情報戦の手法にも見て取れるように、
何も正しいように見える偽情報を拡散されることだけが脅威なのではない。
複数のチャネルに迅速に、また継続しながら、反復して情報を拡散することで、事象を分かりにくくすることだけでも、群衆心理 -
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ネタバレ2019年7月発行。コロナ禍とウクライナ侵攻前というと隔世の感が出てきた今日この頃(2023年4月)ですが、ロシアという国がどういった思想によって政治を行っているのかがよく分かる良書だと思います。
バルト三国やウクライナとの関係についてはここ最近よく取り沙汰されているので馴染みがありましたが、中東とロシア、北方領土、北極についてはまだまだ不勉強、というか北極を巡る攻防は初めて知りました。北極を中心にした地図を見ると不安が募ります。
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本書とはあまり関係がありませんが、バルト三国というとチャペック『オランダ絵図 -
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ウクライナ戦争についてのジャーナリスト的な本はたくさんでていて、どれも役にたつものだが、これは一味違った視点を与えてくれるものであった。
東京大学出版会からの本で、主として東大の教授などが中心となって執筆した論文集。
ロシアの侵攻に対する国よって異なる考えがあることがさまざまな地域の専門家が冷静に分析してある。
複数の視点をもつこと、価値観を共有することが難しい多極的な世界をどう理解するか、どう捉えるか。
と言っても、価値ニュートラルな相対主義的な世界にとどまることは、今回の戦争は倫理的に許されないという感覚がある。
そのあたりをしっかり考えるのに役にたつ。 -
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戦争行為で不気味な印象しかなかったロシアに、読者が滞在していたかのように錯覚させる。衣食住を通じたエッセイでアッという間に読める。2023年であってもロシアを理解することができる読むべき本だと断言します。
2023年1月現在継続中のウクライナへの戦争は決して許されない。
しかし、
ロシアのブログの軍事オタク
週末は別荘生活
結構親切で世話焼き
酒大好き
迷惑かけなければルールは破る など
と意外なロシアの憎めない魅力を知ることができるだろう。為政者のプーチンやニュースだけで毛嫌いしていことに損していたことを痛感。
食べることが好きなので、異国を理解するのに、食は重要な要素だと妄信しているが