小泉悠のレビュー一覧
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ロシアによるウクライナ侵攻、また今後起こりうるといわれる台湾有事の予測など、昨今の国際情勢について、著者が複数名の専門家と対談する。本書は主にアメリカとロシア、中国の関係を中心に語っており、それによると、ロシアと中国は日本を半植民地と見なす、つまりアメリカと同盟国を結んでいることは完全な主権を確立していないと考えている。また日本のロシアに対する性善説は江戸時代末期からあり、実際に日露戦争の直前、桂太郎が英国と同盟を結ぶことに対し、伊藤博文は日露協商を唱えるという事例があった。さらに2022年のウクライナ侵攻時に、ロシアに経済制裁を実行したが、これは短期的に見ると効果は現れないが、相手のコスト
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2022年2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が起きた。ロシア側は特別軍事作戦と称し、ウクライナの非軍事化、非ナチ化、ロシア系住民の虐殺の阻止という名目で、侵攻を仕掛けた。依然としても終戦の見通しがつかないが、本書はそんなウクライナ戦争を著者の分析によって今後の展開を予測する。
本書で何度か言及されるが、2022年以前からロシアのウクライナに対する動向は怪しかった。2014年クリミア半島の併合の時点で、ある意味戦争が始まっていたと著者は指摘する。(そのため本書では今回のウクライナ戦争を第2次ロシア・ウクライナ戦争と呼んでいる)2021年、著者は衛星画像から戦争準備を進めていることが明らか -
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冷戦終結後、ロシアの軍事戦略はどのような構成でなされているのかを解説する。本書p23にあるように、ロシア軍は陸軍、海軍、空軍の三つに加えて、空挺部隊、戦略ロケット部隊、その他の国防省直轄軍事部隊という構成となり、陸、海、空軍に関しては、その大半は5つ(中央、北方、西部、東部、南部)の軍管区ごとに総合戦略コマンドと呼ばれる統合部隊を編成する。このほかにもロシア軍は細かい部隊があるが、著者によると、ロシアの軍事戦略の理解において、上記のものとは別の「準軍事組織」の存在が重要だと強調する。
ロシアはよくNATO拡大を嫌悪するが、その理由はロシアの兵力バランスが崩れて戦略上不利になること、また大国 -
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サイバースペースの地政学
著:小宮山 功一朗
著:小泉 悠
ハヤカワ新書 026
いきなりデータセンターである
ネットワークの7層のうちの下1層、物理層がデータセンターのきもである
千葉ニュータウンにあるデータセンター
そのインフラエンジニアの聖地が、本書のテーマである
なぜ、千葉ニュータウンなのか
・北総台地の地盤が堅固で、地震を含めた災害リスクが低い
・都心から、30~40Kmという比較的交通アクセスのよい土地である
そして、データセンターが集まり出すと
・電力会社は、特別高圧電力の供給を
・通信会社は、高速で、安定した通信回線を、この地に優先して供給するようになる
つまり、一度、デー -
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現代の人間にとってサイバー空間なしの生活は考えにくい。
しかしサイバー空間は当然データセンターや海底ケーブルという物理的インフラがあることで成立している。
物理的なものであるので、機械は電力を大量に消費するし、ケーブルは破損する。
また利用者とデータセンターの通信距離が遠い場合、わずかな通信遅延も発生する。
データセンターが集まる地域はサイバー空間を含めた地政学的な重心と言える。
海底ケーブルの脆弱性にも注目が必要である。
攻撃側が海底ケーブル破壊にかけるコストは防御、修復側のコストに対して圧倒的安価となるため、攻撃側が有利になる。
筆者のうち一人の小泉氏は専門はロシアの軍事安全保障だ -
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サイバースペースの物理的実体を捉えて、有事の際のリスクを考えてみようという本。面白かった。
インターネット/サイバースペースは、利用者側からはバーチャルな空間と認識されがちだが、当然物理的な実体を伴っている。
それは物理的なサーバ群であり、それを収容するデータセンター(DC)であり、そこに電力を供給する送電網であり、国間を繋ぐ海底ケーブルだったりする。これらは有事には攻撃対象となり、平時には諜報の対象となる。
個人的には、本書でも紹介されている千葉ニュータウンの某DCに行ったことがあるのだが、千葉ニューって他にもDC多いよな、地盤が硬いのかな?などと呑気に考えていた。本書を読むと、理由はそ -
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ネタバレ東大先端研専任講師にして、軍事オタクでもある小泉悠による新書。最近新書大賞にノミネートされており、またプーチンのアメリカメディア露出が気になり読んだ。2日ほどで読めた。
1章から4章にかけて、開戦前の2021年から執筆時の2022年9月に至る時系列を辿りつつロシア・ウクライナ戦争の政治的原因・推移を考察し、第5章ではそれを踏まえた本戦争の特徴を述べている。
2021年の春からロシアは演習と称してウクライナ国境に軍を大規模展開しており、その時点で軍事的緊張が高まっていた。これにはロシア寄り(というより自国主義のため他国への介入を好まない)のトランプからバイデンへ政権が移ったことが要因として挙げら -
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ロシア・ウクライナ戦争がはじまった年に行われた対談も含まれているので、今更読む必要があるかなと思いつつ読みはじめたけれど、普通に参考になる本だった。
日本の安全保障と朝鮮半島、台湾の安全保障の間には密接な関係がある。
あっさり読み終えることができる割には読みごたえもあって良い。
ロシア・ウクライナ戦争がはじまる前までは、もうこんな戦争は起きっこないと根拠もなく信じ込んでいたタイプなので、戦場のニュースを見ても、戦争をしていることしかわからない。
こういう軍事的知見に立った読みやすい本が出てくれるのは助かる。こういう本が必要な世界であることは悲しいけど…。 -
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著者は2014年のロシアによるクリミア半島強制併合とドンバス地方への侵攻を第1次ウクライナ戦争、2021年2月のロシアによるキーウ襲撃や東部ウクライナ侵攻を第2次ウクライナ戦争と呼ぶ。本書は第2次ウクライナ戦争を、民間利用可能な衛星写真を含め、出典を明記した膨大な資料(特にロシア軍の発表や学術研究)から解釈する内容となっている。ただし、もちろん、戦争は継続中であり、その内容は2022年9月末ごろまでに明らかになった情報に基づくという限界がある。
また、著者の専門分野は軍事戦略(特に直接的兵器による暴力に加えて、情報戦・サイバー攻撃を含める「ハイブリッド戦争」など)の研究がメインであり、「歴史