小泉悠のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ロシア独自の「勢力圏」概念及び、ロシアの言う「主権」がようやく、どんなモノなのか理解に近づくことができた。
ロシアが「勢力圏」や「主権国家」をそのような意味で用いることは理解する必要があるが、その「勢力圏」や「主権国家」概念を受け入れることは決してできないことがウクライナやバルト三国などの「事例」を通じて、理解できた。
また、北方領土問題を抱える日本としては、これは決して他人事では無く、現在進行形且つ自らの身に降りかかっている火の粉である。
なればこそ、ロシアの概念としての「勢力圏」や「主権」を理解する必要がある。そして、その概念からして、「共同経済活動」が穂法領土の返還に繋がるものでは無 -
Posted by ブクログ
「職業的な軍事オタク」を自称する著者による「第二次ロシア・ウクライナ戦争」の中間的総括。基本的にメディアや政府発表など公開情報を用いた分析だが、衛星画像を用いた情報分析も一部で取り入れられている(例えば、墓地の衛星画像を比較することで埋葬された戦死者数を推計する、など)。
個人的には戦時下のロシア社会を分析した第3章が勉強になった。プーチン政権はロシア社会が許容できる範囲での戦時体制の醸成と維持に相当神経を使っていて、だから動員数には一定の制約がかかっているという指摘は、ほとんど日中戦争期の帝国日本のそれを思わせる。問題は、プーチンのロシアが過去の日本とは異なり、「消耗戦」に持ち込まれて -
Posted by ブクログ
ロシア・ウクライナ戦争についてオシントをもとに分析して、今後起こり得る展開を予測する。また、今回の戦争を教訓に、日本が今後取るべき安全保障の政策についても考えていく。ロシアによるウクライナ侵攻で、多大の人びとが犠牲となったが、その数には不確実性が伴い判然としない。それでも、たとえば衛星画像で墓地の拡大に着目して推定するなど、ある程度は公開情報から読み取れる。また著者は「降伏」や「平和主義」という言葉について見解を述べており、太平洋戦争時の経験や戦後日本が築き上げた価値観が今後も通用するとは限らないと警鐘を鳴らす。加えて、21世紀半ばに向けて米国の力が相対的に弱まり、世界は多極化へと進むと予測さ
-
-
Posted by ブクログ
ロシアのウクライナ侵攻後四年にあたり手に取った。
本書は、小泉先生が次の五つの問いに応答していくことで、第二次ロシア・ウクライナ戦争の姿を描き出していこうと目論んでいる。
◯五つの問い:
・どれだけの犠牲が出ているのか?
・何故こうも長引いているのか?
・戦時下のロシアはどのような状態にあるのか?
・世界の中でロシアの立ち位置はどう変化したのか?
・日本はどのように向き合うべきなのか?/
この本の紹介や解説は僕には手に余るので、そちらはもっと明晰な方達にお任せすることとして、例によってこの本に書いてあることないことを書きたい放題に書いて行こう。
まあ、そのようなよしなしごとにしても、この -
Posted by ブクログ
ロシアの2022年2月のウクライナ侵攻より前に出版された、現代ロシアの軍事戦略に関する著書。
NATOと比較した場合の戦力バランス、技術的な差異、ロシアの軍事演習の状況など、新書としては大変詳しい。
ウクライナ戦争前としてのロシア軍事戦略について、著者としての考えをまとめている。
ハイブリッド的な戦争の側面もあるが、ロシアの軍事戦略としては、依然として、古典的な軍事手段の役割が述べられており、ウクライナ戦争以降も、そこは変わっていないように思われる。
当時の視点としては、日本のロシアとの付き合い方について、リアリスティックな見方を示している。
現状は、より徹底して現実を見る見方が重要にな -
Posted by ブクログ
「ママ、戦争を止めてくるから」
なんてふざけた平和ボケも出てきた選挙で、
あ、日本は良心が大多数で良かったとなりましたが、
右も左も弱体化してる国内での、痴話ゲンカみたいなレベルの話ばかりで、
ほんとの海外ってどうなってるのって。
小泉さんが軍事ヲタクゆえ、どうしても軍事の微に入り細を穿つみたいな話になりがちでしたが、
中国、アメリカの話は対談の相手の方がほんとに面白い。この方の本も読みたくなる。
中国は2030年からの崩壊は皆分かってて、
フィジカルAIからのロボット戦争はほんとない話じゃないなーって。
アメリカも明らかに日本眼中なくなってるし、
で、メローニ首相と仲良くなった時には左は -
Posted by ブクログ
Pageturnersで竹下さんがおすすめしていた本。
ロシア軍事関連の方が書かれている本だが、普遍化してビジネスパーソンにも転用できるように「情報収集+情報分析」の手法を解説してくれている。
当たり前のように感じる箇所もあるが、確かに体系化して情報処理する全体像を再確認するためには良い本です。
リサーチ手法にや情報分析に関するビジネス本は他にも多数にあるが、それらは各論やハウツーに寄っているので、全体像を引いて確認した時にはこの本。
以下、引用。
P7.情報は誰にでも、いくらでも入ってくるものだけれども、その処理装置を持つのは簡単ではない。
P46.情報資料作りは自分の頭の中を可視化し